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Morris.の日記です。読書記録、宴会散策報告、友人知人の動向他雑多です。新着/更新ページの告知もここでやります。下線引いてある部分はリンクしているので、クリックすれば、直行できます。
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【2008年】 12月 11月 10月 9月 8月 7月 6月 5月 4月 3月 2月 1月
2009/01/31(土)●猫町● |
8時半起床。まだ雨が降ってる。久々の休みである。こういう表現自体が久々である(^_^;)
今日は午後から大阪に出ようと思ってた。実は2月15日にサランバン会の新年会(^_^;)が開かれる予定なのだが、その会場が何と元のサランバンなのだった。山下先生の書き込みによると、サランバンの客でもあった金子さんと言う人が「新・舎廊房」という名前で店を始めたらしい。おお、これはもしかしたらポストサランバンになるのかもしれない。嬉しくて、とにかく一度視察しなくてはと思ったのだ。鶴橋に出てコリアタウンを流して山田商店でキムチでも買ってその店に顔を出すつもりでいたのだが、もう一度山下先生の書き込みをよく見たら「週一回の開店」とか書いてある?? 山下先生に電話して確かめたら、やっぱり週に1回火曜日だけの営業ということらしい。どうもよくわからないが、ともかく今日はやってないということは分ったから、大阪行きは中止ということにする。
3時過ぎに自転車で春日野道「勉強堂」冷かして大安市場に買物に出る。
途中、八雲通りと東雲通りの四辻いわゆる「猫町」を通ったらさすがに、この変な天候にもかかわらず雉猫3匹がうろちょろしていたので、Morris.@Catographerモードに。また猫クリーニング店のドアの前には白黒猫が傘をバックに座り込んでたのでこれも撮影。
大安亭の業務スーパーで冷凍食品やいりこなど買い、野菜なども買って6時帰宅。
KBSアーカイブで「開かれた音楽会」みたらプファル(復活)が出演してた。イスンチョルも在籍してたロックグループということくらいしか知らないのだが、トロットの名曲「無情ブルース」をカバーしててこれが何かかっこよかった。これも練習しよう。おしまいはキムスヒが「モンエ」」を過剰表現で歌い、「チョンゴジャン」「ナメンヨルチャ」で派手に締め括ってた。
八雲通り猫町 |
キスシーン? |
クリーニング店白黒 |
2009/01/30(金)●ムジョッコン● |
4時半起きで矢谷君らと4人で福知山の保管荷物引取り現場。
朝から曇り空で雨が心配だったが、何とかトラックに積み終えるまで雨降らずに済んだホッ(^_^) 今日はえらく暖かい。
昼はすぐ近くの讃岐うどん「松鶴」へ。Morris.はトンカツ定食にしたが、みんなは日替わり定食エビフライで、大きな海老フライが4つも付いて、うどんも普通サイズ。ああ、Morris.も日替わりにするんだった(>_<) トンカツは大味だったし、うどんはミニサイズだった。麺はもちもちしてちょっと団子っぽくて、韓国のカルクッスを彷彿させた。結構これも美味しかった。
3時過ぎに作業終了。帰路についたとたんに篠突くような豪雨になった。
小川さんの車で六甲道まで乗せてもらい、銀行により灘図書館に回る。かなり延滞してた(^_^;)
六甲道地下の食鮮館で買物して8時前帰宅。
「ノレ番Morris.8090」にパクサンチョルの「無条件 ムジョッコン」をアップ。
明日は久しぶりの休みであるが雨が降り続くらしい。
2009/01/29(木)●韓国メロディベストコレクション● |
矢谷、東山君と向日町の保管荷物引取り現場。昼食抜きで1時半作業終了。
昼は「金の豚」で豚骨醤油ラーメン。Morris.は大盛頼んだが、なかなかこってりで焼豚も多く、食べた後喉が渇いて困った。
午後は一部の家具を実家など2軒に配達。
5時に。倉庫着。
ロッカーに2枚組CDが入ってた。先日の現場の処分品の中にあったものを浅海君が取り置きしてくれたとのこと。ありがとうm(__)m
「韓国メロディーベストコレクション」というタイトルで、1992年11月26日日本ビクターの発行。あの頃
2枚組といっても、2枚目は1枚目のカラオケバージョンである(^_^;)
1.別離(イビョル)/パティ・キム
2.トラジ/パティ・キム
3.釜山港へ帰れ・チョー・ヨンピル
4.アリラン/パティ・キム
5.連絡船の歌/張世貞
6.黄色いシャツ/パティ・キム
7.ソウル賛歌/パティ・キム
8.帰らぬ河/チョー・ヨンピル
9.他郷ぐらし・サンク南
10.情/チョー・ヨンピル
11.愛してます(サランヘ)/吉屋潤
12.雨の湖南線/サンク南
13.あなただけを愛して/ヘウニ
14.カスマ・プゲ/サンク南
15.ノドル河辺/パティ・キム
16.涙の豆満河サンク南
17.木浦の涙/張世貞
18.海辺の女/チョー・ヨンピル
19.鳳仙花/パティ・キム
20.誰が泣く/サンク南
とりあえず韓国歌謡と民謡の有名曲揃いだが、パティ・キムが7曲、サンク南(誰ぢゃ?)が5曲、チョー・ヨンピルが4曲、張世貞が2曲、ヘウニと吉屋潤が1曲ずつと変則的である。当時ビクターが専属契約結んでた韓国の歌手を起用したといえばそれまでのことかもしれないが、カラオケ付き(カタカナルビの歌詞あり)ということからしても、韓国バーでカラオケを歌うお父さん向けの練習用CDといった感じが強い。
吉屋潤の歌というのは初めて聴くので興味深かったが、サランヘをさらっと歌いこないしてた。
「金の豚」 |
豚骨醤油ラーメン大盛 |
韓国ヒットソングCD |
【本の本】斉藤美奈子 ★★★☆☆ 彼女の1994-2007年の13年間の書評集である。730p、厚さ5cmもあるぞ(@_@)
新聞や雑誌に掲載したものの集成だが、一冊にまとめるにあたって
・小説と随筆の本
・文芸評論と日本語の本
・本のある生活
・社会評論と歴史の本
・文化と趣味の本
という5部構成にしている。この区分けはMorris.の読書控えにも流用できるかもしれないな(^_^;)
美奈子さんとMorris.は、読書分野の傾向はかなり似ているのに、個々の作品となるとかなりのズレがある。小説でも、芥川賞作品なんて、まず読まないMorris.だが、彼女は毎年のように受賞作に言及している。
ざっと千冊前後の本が取り上げられているが、Morris.が読んだ本は50冊前後だろう。それだけにMorris.の読んだ本の書評にはついつい目がいってしまう。
書評は「予習」より「復習」のために読んだほうがおもしろい。それが、私の実感です。「復習」とはすでに読み終わった本の書評を読むことです。
と、美奈子さん自身があとがきで書いている。
たとえば宮塚利雄「日本焼肉物語」。
周辺素材にまで目配りしすぎて、いささか資料を詰め込みすぎの感なきにしもあらずだが、韓国・朝鮮文化オタクであr(にちがいない)著者が丹念に調べ上げた労作。スノッブな薀蓄を語りたがる鼻持ちならないグルメ本にはない面白さだ。
たとえば金井美恵子の「恋愛太平記」
金井美恵子の小説には、多少理屈っぽい頭で読んだほうが楽しめるものと、つべこべいわずに身を任せたほうがよいものとがある気がする。
『恋愛太平記』はだんぜん後者。おびただしい数のモノの描写(それとはわからぬ程度の批評性がこめられている)にひたることが、いちばん正しい読み方だろうと思う。
たとえば、グールドの「ワンダフル・ワールド」
進化というと、とかく私たちは、下等なものから高等なものへ、単純なものから複雑なものへと、生物が進歩・発展してきたイメージを持つ。教科書などに載っている「進化の系統樹」の図もそのイメージを補強してきた。
だが、進化は進歩や発展のことではない。進化はまったくの偶発的なものであり、ホモ・サピエンスの出現なんかにゃ何の必然性もない、とグールドは主張するのだ。「カンブリア紀の爆発」と呼ばれる現象や、まさにバージェス頁岩体現しているように、短い時期に無数のデザインの生物が出現、そのほとんどがいったん死滅し、運よく生き残った少数の系統からまた爆発的なデザインの分化が起こる−−それがグールドの進化観である。自然淘汰によって進化は起こると説くドーキンスとは対立する考え方だが、グールドのアナーキーな発想は悪くない。
なるほどなるほど、押さえどころに迷いと狂いがない。
読んでない本だって、彼女の手にかかると、Morris.はすでに読んだ本のような気にさせられる。
たとえば梅崎義人「動物保護運動の虚像」
「動物保護」政策が、現実には何の実効性がないどころか、かえって裏目に出ていること。増えすぎたアザラシは北洋のタラを現象させ、漁業に深刻な影響を与えている。オットセイもまた増えすぎて群れのバランスが崩れ、オス同士の殺しあいが頻発したあげく、ここ十五年で二百万頭から八十万頭にまで数が減ってしまった。増殖計画によって増えたアフリカゾウが生息地の環境破壊を引き起こし、間引きせざるをえなくなったにもかかわらず、象牙の取引は禁止されている。
理不尽としか思えない数々の事例をとりあげながら、著者はその原因を、欧米を拠点に世界的な規模で活動する環境保護団体に求める。[動物の保護に成功した環境保護団体のメンバーには、動物を利用できなくなった人たちへの配慮は全くない。逆に大きな精神的満足感に包まれ、その上に巨額のカネを手にしたのである]というわけである。具体的に名前が出てくる団体はグリーンピース、WWWF(世界自然保護基金)、IFAW(国際動物愛護基金)、地球の友など。
たとえば森達也「世界が完全に思考停止する前に」
地上から軍事ヘリを撃墜することが「テロ」で、大量破壊兵器で民間人を巻き添えに軍事施設を攻撃することが「軍事行為」だなんておかしいじゃないか、その線引きはどこにあるんだ、と彼は書く。あるいは、それで拉致問題が解決されるわけでもなく、それを発動すれば北朝鮮の飢えは進むとわかっているのに、なぜ改正外為法なんか成立させたんだ。当事者でもない人たちが「家族会」や「救う会」に同調するのはおかしいじゃないかと彼は問う。
こうやって引用していくととどまるところがなくなるのが美奈子本の困ったところだが、本書には未発表の書評が掲載されている。朝日新聞記者野嶋剛「イラク戦争従軍記」である。実はこれは「週刊朝日」に原稿送ったが掲載を見送られ、翌週に手直しされたものが掲載されたらしい。本書にはその両者が並べてある。
これを読むとイラク戦争での各国の記者が米軍部隊に随行する「埋め込み(エンベッド)方式」の取材に参加したこの記者の報告書のあまりのひどさに、美奈子さんが思い切り脱力しながら書いたとおぼしい書評を「検閲」差し止め下「週刊朝日」も情けない。以下引用した部分は、手直し記事からは完全に消滅している。
本書は「イラクに遠足にいって。三年一組 のじまつよし」という作文に似る。「イラクにいくのはこわかったけど、いってみたら人が死んだりしてびっくりしましたが、いい人もいて、でも帰りなさいといわれたから帰ってきました。楽しかったです」。
軍事にも兵器にも疎く、[今回の戦争をどう考えるべきなのか。米国にもイラクにも問題がある、ということまでしか私には言えない]程度の感想しか持てぬ記者を前線に送り出す朝日新聞外報部もよくわからないし、この本を「きょう有事法制が成立する」という妙な文脈で紹介した天声人語(2003年6月6日)の意図もつかみかねる。爆発物を「おみやげ」に持ち帰った毎日新聞写真記者もこんな感じだったとしたら、朝日一社の問題でもないのかもしれないが。
「すまじきものは宮仕え」というのはこのところめっきり耳にする機会がなくなったが、「売文業」というものもなかなかにしんどいもののようだ。
2009/01/28(水)●疲労傾向(^_^;)● |
秋本君らと大和郡山のスイス向け荷物のピックアップ。秋本君からペコちゃんの絵皿もらう。セブンイレブンのくじで当ったものとのこと。白地に例のMilkyの箱の絵柄そのままの絵で、とても素敵である。ラッキー(^_^)(^_^)
秋本君ありがとぉーーっ!!!
昼食抜きで作業終わったのが2時半。その後、大阪都島区と北区に家具などを配達。
そのまま帰り道甲子園で降ろしてもらう。
22日から連続7日仕事続き。今月前半の仕事ひでりと、えらい違いである。今日ドラム式の洗濯機持ち上げるとき、左肘と肩をちょっと痛めてしまった。
秋本君からもらったペコちゃん皿 |
朝の雀 |
本庄の雉猫 |
2008/01/27(火)●1988年トップ100● |
昨日の午後から入った六甲アイランド高層ビル現場へ。六甲ライナーアイランド北口駅降りて現場の高層ビルを見上げると冬空に巻雲が美しかった。
今日はMorris.には珍しくソファやベンチやチェストなど家具中心の梱包。部屋が広くてやりやすかった。
昼は久しぶりに寄り合い向洋で天麩羅定食。ふきのとうの天麩羅などが季節感を強調していたがこれも特に美味いというものでもない。
ノレ番Morris.8090に1988年TOP100を更新。要するに1988年の韓国歌謡のランキングである。
今朝の現場の空 |
同じく |
今日の昼食 |
【聖灰の暗号 上下】帚木蓬生 ★★★☆☆ 日本人の歴史学者須貝がフランス、ピレネー山脈のふもとの田舎の図書館で14世紀のカタリ派の受難を記す地図と文書を発見。これを発表した後、地図と詩を手がかりに第二、第三の文書を追跡しているうち、カトリック教会の妨害と思われる殺人事件に巻き込まれ、恋人のフランス人精神医師クリスチーヌが誘拐され、第二文書を奪われる。
パリ警視庁で声紋捜査を研修に来ている日本人警察官今井や、田舎で砂鉄を集めてナイフを作る男エリックなどとの協力もあって事態は主人公の思惑どおりに進行していくのだが、小説としては、だんだんとりとめなくなっていくようだった。
本書の眼目はカタリ派という単純で純粋なキリスト教の一派が、巨大な権力となったローマカトリック教会から異端として糾弾され、ついには虐殺、淘汰される不条理への現代からの糾弾と復権の宣言なのだろう。
Morris.は小説としてより、宗教史、信仰の書として本書を読んだような気がする。
須貝知り合いの研究家の比較宗教論の、東西二人の宗教家の類似点。
一遍は聖フランシスコの死後13年経って生まれており、ほとんど同時代人といえる。宗教も生まれた場所も違うのに二人は似たような信念をもち、似たような宗教的人生を送ったというのだ。
聖フランシスコは、当時のローマ教会の聖職者たちの堕落に絶望し、教会を批判した。自らは清貧を旨として、何物も所有しない旅人のような人生を全うしていた。他方、一遍も既成の仏教界に反発し、寺や道場は無用だと説き、念仏一途の乞食(こつじき)の生活を送った。
聖フランシスコには新たな教団をつくる意志はさらさらなく、自分たちがいる所が家であり、自分たちを養う所が神の食卓であると解く。一遍も人々が念仏する所こそ寺だと考えた。
こういった新説?に、非常に刺激を受けた。
ちょうど日本における隠れキリシタンのように、密かな信仰がピレネー山麓の村々で続けられていたのは想像に難くない。
ローマ教会側の審問は、そうした村々のひとりひとりを呼び出し、心の底まであぶり出していったのだ。このとき、カタリ派の信徒が持つ特性が、審問から免れるすべを奪っていた。そのカタリ派の教えとは「嘘をつくなかれ」だった。
信徒たちは、審問官の詰問に対し、ありのままの真実を伝えるしかなかった。あるいはせいぜい、訊問に対して沈黙で答えるのがせめてもの抵抗だった。審問官にとって、これほど御しやすい相手はなかったろう。まるで兎小屋に放たれた狼のように、審問官はカタリ派の信徒を追いつめ食い殺していく。村から村へ、潜伏する信徒たちは芋づる式に検挙され、「良き人」や「全き人」の存在を問い詰められる。
これは、15世紀以降、アメリカ大陸で「嘘つかないアメリカインディアン」がヨーロッパからやってきた「白い悪魔」に食い殺されていく過程を髣髴させる。
「病気があるのも捨てたものじゃない」
「そうなの。病気が接着剤になって、人と人をつなぐの。かと思えば、病気が人の絆を断つことだってある」
「その差はどこから来るのだろうか」
「その病気を呪うか、呪わないかのちがいなの」
クリスチーヌがいとも簡単に言ってのける。「病気がもう変えられないものだったら、受け入れるしかないわ。でも病気の周辺にあるものは、変えられるでしょう。病気にもかかわらず明るく生きるとか、病気にもかかわらず懸命に働くとか。呪っていたら、変えられるものも変えられない」
「アキラ、わたしが精神科医になって学んだことがひとつある」運転席でクリスチーヌが頷く。
「何だい、それは」
「物事って、何とかしているうちに何とかなる」
「何とかしているうちに何とかなる」須貝はそのまま反復した。
「そう。精神科って、外科や内科と違って治療の道筋が見えないことが多いでしょう。でも諦めずに、何とかしていれば、本当に何とかなる」
「一種の楽観主義だ」
「そう言い切ってしまうと、少し違う。どこかずっと苦労はつきまとっている」
「希望を忘れずに苦労する?」
「それともちょっと違う。もうちょっとあたふたしていい」
このクリスチーヌの精神科医経験からの発言はなかなか味わいがある。
カタリ派異端尋問を記録したレイモン・マルティは、ドミニコ会の修道僧だが、実は父母はカタリ派の指導者で、故あって息子を残して布教を続けどちらも火あぶりになったということが明らかになる。
地方図書館で発見された最初の短い手記の末尾に、彼が土地の言葉オキシタン語で記した詩句が何度も繰り返し紹介され、この中に隠された暗号が第二、第三の手記のありかを示唆するというのがタイトルの由来でもあるのだが、この暗号があまりにちゃちなのが気になったし、全体を通してのご都合主義のオンパレードが、小説としての面白みをかなり殺いでいるのは否めない。
しかし、著者の善意と熱意と怒りと悲しみと望みが混交一体となった伝えたいという意志は、確かに読み取ることができたと思う。
本書を読みながらMorris.は辻邦生の「背教者ユリアヌス」を想起していた。帚木の新しい地平を見せる力作だということは間違いないだろう。
私は悲しい
空は青く大地は緑。それなのに私は悲しい。
鳥が飛び兎が跳ねる。それなのに私は悲しい。
生きた人が焼かれるのを見たからだ。
焼かれる人の祈りを聞いたからだ。
煙として立ち昇る人の匂いをかいだからだ。
灰の上をかすめる風の温もりを感じたからだ。
この悲しみは僧衣のように、いつまでも私を包む。
私がいつかどこかで、道のかたわらで斃れるまで。
ドミニコ会修道士 レイモン・マルティ、1316
2009/01/26(月)●人生はflash memory● |
先週通った芦屋のマレーシア人宅現場最終日。清水、浅海君らも一緒で、日曜日にオーナーがかなり整理してくれてたようで、午前中に作業終了。
午後は六甲アイランド高層住宅の現場のヘルプ。そのまま六甲ライナーで住吉に出て、駅1FのCoopで鯖など買って5時帰宅。今夜は味噌汁に舞茸入れてみた。思ったほど美味しいことも無かった(^_^;)
今日は陰暦の1月1日、旧正月だ。味噌汁にこのまえはらっぱ保育所でもらった餅を入れて、雑煮とする。
一昨日のつる姫長男の死や、最近読んでる本の影響もあって、ついつい生と死のことを考えてしまう。
「いつ死んでもいい」というのが、Morris.の口癖で、この言葉にウソはないと思うのだが、特に死に急ぎたいわけでもない。
そんなとき、閃光のようにひらめいたフレーズが「人生はflash memory」だった。「フラッシュメモリ」はある種類の半導体メモリの呼称だが、Morris.はその用語をそのまま「閃光のような瞬間の記憶」と解釈したわけだ。悠久の時の中で人の一生なんてまさにflashでしかないだろう。もっとも全く逆の考え方がないわけでもない。限りなく静止に近い時間単位からすると瞬きする時間も永遠に近く感じられるだろう。無限大と無限小の狭間で生きるしかないのが浮世であることは否定しない。それだからこそ面白い。と、いつもの伝で強引にまとめておく。
トリスタン(Tristan)
アウグスト・フォン・プラーテン(August von Platen (1796-1836))
美はしきもの見し人は、
はや死の手にぞわたされつ、
世のいそしみにかなはねば、
されど死を見てふるふべし
美はしきもの見し人は。
愛の痛みは果てもなし
この世におもひをかなへんと
望むはひとり痴者ぞかし、
美の矢にあたりしその人に
愛の痛みは果てもなし。
げに泉のごとも涸れはてん、
ひと息毎に毒を吸ひ
ひと花毎に死を嗅がむ、
美はしきもの見し人は
げに泉のごとも涸れはてん。(生田春月訳)
2009/01/25(日)●ソ連のロボット● |
朝JR灘駅前で市川さんの車に便乗して今日の現場、北野不動坂のアメリカ人宅ピックアップ現場。今日は作業員6人入ったので、ほぼ一人一部屋。Morris.はゲストルームを担当。かなりの趣味人らしく、でっかいタランチャラの標本やサンタクロースの等身大?ランプ、パーティ用変装グッズなどがあったが、ちょっと驚いたのが1950年代のおもちゃロボットコレクションだった。ほとんどがアメリカ製だったが、お宝番組に出したら相当な価格が付きそうだった。一体だけキリル文字書かれている箱入りのロボットがあったが、箱の絵はレトロで素敵だったのに中身はプラスチック製のしょうもない奴だった。これ、たぶんソ連製だと思う。
昼は下まで下りて味加味で定食、のつもりだったが、日曜日は別メニューで\1,100だった。刺身、掻き揚げ、ハンバーグなどにミニうどん付。金平牛蒡も付いてたが、これは絶対Morris.自家製の勝ちだと思う(^_^;)
4時半過ぎに作業終了。帰りも市川さんに送ってもらったので5時過ぎには帰宅。
大相撲千秋楽で、朝青龍−白鵬の決戦。本割では朝青龍の立ち合いミスで二人が十四勝一敗で並び、8年ぶりの横綱同士の優勝決定戦。今度は朝青龍が勝って三場所休場後の劇的優勝。よほど嬉しかったらしく、うるうるで、何度もバンザイしてたのが印象的だった。
明日は旧正月でKBSも正月特集番組が多く放映されているようだ。「開かれた音楽会」ではシムスボンとヤンヒウンがお互いの持ち歌を二人で一緒に歌ったりしてた。シムスボンの「ヨジャイニカ 女だから」は改めて良い曲だと実感した。たしかこれはナフナも歌ってたから、Morris.が歌っても良いだろう。今度楽譜拡大コピーして練習することに決定。
ざっと15cmはある |
50年代のアメリカ製ロボット |
こちらはたぶんソ連製 |
2009/01/24(土)●打出分室再び● |
今日も昨日と同じ現場。昨日と打って変わってえらく寒い。
JR灘駅の高架通路から西側を見ると、新灘駅の鉄骨が組みあがっていた。
JR芦屋駅南側の通りの片隅にハート型の紫色のクッションが落ちていた。ベティちゃん柄だったので思わず拾ってしまう。USJのキャラクタグッズらしい。キッチュの女神ともいうべきベティ・フープはMorris.好みである。落とし主には悪いが愛用させてもらうことにする。
今日はお父ちゃんのstudy roomから台所、寝室とあちこち梱包。
昼は近くのラーメン屋。さっさと食べて、昨日は閉館してた芦屋図書館打出分室にまた立ち寄る。ここは月火水は休館(時々木曜も)で、かなりやる気がなさそうだ。閲覧室はほとんど元の面影は残ってなくて、やはり例のガラス戸の内側の木製デコレーションだけが僅かに元のイメージを残してる。
気になってたガラス戸の飾り文字は、図書館員に訊ねたらやはり「松涛」で、大阪の銀行の建物をここに移築した金持ちが「松涛館」と名付けて住んでいたらしい。
ロビーのガラス越しに立派な日本庭園が広がっているのにはちょっとびっくりした。池に八橋がかかり、矢鱈石が多く使われているが、地震のせいか、燈篭の土台だけ残ってたり、古墳の石蓋みたいな正体不明のものが多かった。
この庭も、2階部分も一般は立ち入り禁止らしい。
今日は5時過ぎまで作業して、ちょっと疲れた。
帰りにikariで玉子と牛乳買って帰る。
骨組が出来始めたJR灘駅 |
Betty in Hollywood クッション(^_^) |
連日の打出分室 |
芦屋図書館打出分室閲覧室 |
同じくロビーと日本庭園 |
不機嫌な柑橘類? |
この地名は宝物(図書館は(15-9) |
福寿草の芽 |
見慣れぬ鳥 |
夜、有田のつる姫から電話があった。数日前出した写真葉書の返事だろうと思ったら、えらく雰囲気が暗い。それもそのはずで、何と長男が今朝急死したとのこと。インフルエンザが直接の死因らしいが、詳しいことはわからない。
Morris.も数回会ったことがあるし、彼が小学生の頃、熊さんと一緒に陶磁器博物館に行ったこともある。最近は短歌にいそしみ、ネット短歌会の新人賞を受賞して歌集を出したりしてたので、これからが楽しみ、というところだっただけに、享年二十六というあまりの早世は惜しむに余りある。身内や友人の悲しみは大きいと思う。Morris.もうろたえて電話でいいかげんなことを話したみたいだが、こういうときに冷静に話すことはできない。冥福を祈るのみである。合掌
2009/01/23(金)●芦屋図書館打出分室● |
昨日と同じ芦屋の現場。今日はえらく暖かい。
昼は香港茶館で中華丼。見た目はえらく綺麗だが何となくものたりない。
京極小児科という瀟洒な病院前に「阿保親王墓 ここより北へ三丁」という石碑が立ってたのでJR線路を越えて歩いたら、新しい山手幹線沿いのえらく大きな小山のような墓で、例によって宮内庁管轄立入禁止のエリアだった。そういえば天皇陵はすべてそうだから、ここも例外ではなかったわけだ。Morris.は石碑の「墓」の字についつられえて普通の墓所とかんちがいしてしまったようだ。阿保親王といえば、平城天皇の皇子で、在原行平、業平の父として知られる。そういえば芦屋には業平という地名もある。
現場近くにちょっと前に話題になった古い芦屋図書館があることを思い出したので、足を延ばす。今は芦屋図書館芦屋分室になっている。ごつごつした石材を規則正しく積み重ねた建築で、よく言えば重厚、悪く言えば洗練されてない、もっと言えばちょっと薄気味悪い建物だった。大阪にあった銀行の建物を移築したものらしいが、あまりMorris.好みのレトロモダンではない。内部は近代的に改装されてるみたいだが、5時閉館で入館は叶わなかった。普段は使用されてないらしい、ガラス戸はちょっと面白かった。まあ、この図書館のとりえは所在地の住所(芦屋市打出小槌町15-9)に極まるだろう。
隣の打出天神社に立ち寄ったら可愛い黒白猫がいてデジカメかまえようとしたら、窓から部屋の中に逃げ込んでしまった。
R2山打出交差点の石碑 |
面白みのない皇室関連施設 |
芦屋には希なディープな住宅 |
芦屋図書館打出分室 |
このドアはちょっと面白い。「松涛」? |
部屋に逃げ込んだ黒白 |
2009/01/22(木)●雨の芦屋● |
芦屋JR駅近くのマレーシア人の現場。
奥さんが日本語できて、洋裁はセミプロのようで、洋裁質にミシンが4台あり、ボディまでそろえてあった。今日はMorris.は一日この部屋に篭ってなんとかやり終えた。
昼は2号線沿いの洋食屋で日替わりランチ\940食べる。ステーキランチだったが、どうもMorris.の好みではなかった(^_^;)
昼前から雨になった。
今日は直行、直帰だったので、朝は8時過ぎに出て帰宅が5時過ぎとすごく楽である。明日もそうだ(^_^)
昨日一年半ぶりに更新したブログ「ノレ番Morris.8090」に、今日も調子こいて「むくげ通信 ノレ・歌の世界総覧」を更新した。実はこれは、完全に他人の褌で相撲を取る典型だけどね(^_^;)
2009/01/21(水)●1年半ぶりの更新(^_^;)● |
8時起床。今日も朝からどんよりと曇ってて、昼前から本格的雨になった。
今日もKBSアーカイブで「花より男子」5話と6話を見る。本放送は月曜火曜の夜10時かららしい。つまり毎週2話ずつ見ることになる。韓国ではこんな風に週に2日ずつ放映するドラマが多い。突然自家用機でニューカレドニアに行くなど、あいかわらず好き勝手なストーリー展開だが、ヒロインのおぼこい娘役が、のだめ(上野樹里)に似てるということに思い当たった。顔を崩したりふくれっつらして、口をとんがらかしたり、食い物ほおばってしゃべったりするあたり。
午後からはGyaOで「ラストダンス」と「宮S」こうなるとほとんどドラマ中毒である。
ほとんど死んでたMorris.のブログ「ノレ番Morris.8090」。ずっと更新しようと思いながらついついそのままになってた。過去ログみたら最終更新が2007年6月6日だった(^_^;) すでに1年半以上更新してないことになる。韓国歌謡への関心は治まるどころかますます深みにはまってる傾向にあるだけに、このブログで取り上げるネタはありすぎて困るくらいなはずなのに、このていたらくはどういうことだろう。「はてな」というブログサイトを選んだのが敗因かも知れないな。画像は小さな奴1点しか貼り付けられないし、色々と制約もあって使いにくい。
それならあっさり他のブログに乗り換えればいいようなものだが、それも面倒くさい、と、要するにMorris.の横着が全ての原因であるということになる。自業自得というか自爆だね(^_^;)これは。
それはともかく、1年半ぶりに更新したぞ。取り上げたのはこのところずっと愛聴、愛唱してきた「ポムナルンカンダ 春の日は過ぎゆく」。1953年発表の古い曲だが、Morris.はチャンサイクの最新アルバムで初めて知った。詳しいことはこちらを見るように。今回はチャンサイクの音源ページも紹介してるので、とにかく一度聴いてもらいたい。
夜、東京の徐正敏先生から電話が入る。今月末に一旦ソウルに戻り、整理つけて、2月末には完全に東京を引き払うとのこと。Morris.がソウルに来たら会ってノレバンに行くから絶対連絡するようにとの強いお誘いである。なんか嬉しいが、このところの仕事ひでりからすると、旅行資金貯めるのがなかなかむずかしそうでもある(^_^;)
2009/01/20(火)●花より男子(^_^;)● |
8時半起床。あぢゃぢゃーっ、足が痛い。昨日の登山がこたえたようだ。
GyaOで「ありがとう」3話と4話を見る。HIVに感染した8歳の娘の演技に感心する。
午後からKBSのサイトで、お馴染みの歌謡番組など物色するも、いまいいちだったので、たまには他の分野を、とチェックしていたら、ドラマ「コッポダナムジャ 花より男子」が現在4話まで放映されて話題になってることを知る。これは日本の漫画が原作で、漫画はずっと前から韓国でもベストセラーになってた。Morris.は日本の漫画も見てないし、タイトルのあまりのひどさ「花より男子(だんご)」に呆れてたのだが、ともかくアーカイブで見られるのならと、ためしに見ることにした。
洗濯屋のおぼこい娘がひょんなことから、金持ちの子息が通う超高級学校に編入される。そこにはF4というイケ面4人組がいて、学校を席捲していて、娘はさまざまないじめを受けながらいつしか、F4のリーダーに見初められ、どたばたを繰り広げていくと言う、いかにも少女コミックの典型的パターンなのだが、Morris.は最初、リーダーではなく、バイオリンを弾くジユという優男が相手役だと思い込んでいた。リーダー役はナフナを若くしたような濃いキャラクタで正直勘弁してよね、といった感じだったのだが、これが韓国の若い女性の好みなのだろうか。
結局、4話まで続けて見てしまった(@_@)ヒロインのチャンディ?はいかにもおぼこいキャラクタで、なまじ回りに美人キャラクタが多いだけに、存在が際立つというパタンである。台詞の半分は聴き取れないが、それでも充分ストーリーは追える。リアルタイムで、現在放映中のドラマを見るというのが嬉しいということにしておこう。
夜は日本-イエメンのサッカー見る。主力選手は出てなかったが、日本はパスも動きも良くて、2-1で快勝。
「花より男子」F4とヒロイン |
Morris.はこの優男が相手役と思った |
実はこちらがヒーロー |
2009/01/19(月)●麻耶山天上寺● |
2時半起床(@_@)
実は6chでa.m.1:40から神鋼-ヤマハのラグビー放映すると稲田さんから情報入ったので、昨夜タイマーセットして寝たのだが、夜中に目が覚めてトイレに行こうとしたのが2時半で、そのときビデオデッキ見たらスイッチ点灯してない(>_<) タイマー予約するとき、日付を18日にしたままだったのだ。「今日の深夜」というイメージに引きずられたものらしい。このての録画失敗はよくあることで、そのままラグビー見ることにした。後半も半分終わったところで16-10で神鋼リード。前半はリードされてて、後半すぐに引っくり返したらしい。6点差は、トライ&キックで再逆転されるから油断できない状況。ヤマハの攻勢を何とかしのいで、残り時間わずかのところで、相手のミスをついて追加トライで、結局23-10で神鋼勝利で4位を確保。これでプレイオフの権利を得た。ここ数年低調だった神鋼もやっと回復の目が見えたようだ。
目が冴えてしまってベッドで本読んだりしてるうちに夜が明けてしまったので、今日はそのまま起きることにした。
GyaOの「18・29 突然妻が18歳」最終回を見る。子供が生まれて絵に描いたようなHappy Endで、この作品には結構楽しませてもらった。
今日は冬晴れで寒さもゆるんだようなので、ちょっと近所の山方面を散策することにした。2時ごろ部屋を出て王子公園駅から北に向かう。神戸高校までの坂もなかなかのものだが、そのまま麻耶山登山コースに入る。摩耶山は六甲連山の一部で標高700mくらいだから、登山と言うより山歩きコースだが、最近ほとんど山歩きすらしてないMorris.には、それなりに大変だった。摩耶山の山頂付近には天上寺という大きなお寺があったのだが、昭和51年火災で焼失して廃寺となり、今は寺の伽藍跡しか残ってない。Morris.が神戸に来たのが昭和53年だから、その2年前に燃えてしまったわけで、神戸に来てすぐ、摩耶山にも登り、まだ火災の名残の残ってるこの寺に立ち寄ったことを思い出した。
新しき廃墟摩耶山天上寺伽藍の跡に風すがすがし 歌集『地名抄 KOBE』
途中休んだり、元供花屋の廃屋冷かしたり、寄り道したりして、天上寺に着いたら4時半過ぎてた。思ったより天上寺までは遠かったし、山門から伽藍跡までは石段が三百段以上あって、ちょっとめげてしまった(>_<)焼けてから30年以上経ってるだけに、見事に何もない。まあ寺跡というのは本来こういうものであるけどね(^_^;)
帰りは別のコースにしようかとも思ったが今は6時になるとほとんど暗くなるので、安全第一ということで来た道を引きかえす。さすがに下りは楽ちんだった。
ちょうど6時に帰宅。携帯電話の歩数計見たら、1万4千歩くらいだった。まあ上り坂だけに時間の割りに歩数は稼げないと言うことか。それでも普通よりヵなり余計歩いたことにはなる。
今日出会った唯一の猫(^_^;) |
神戸高校の建物はかっこいい |
まるで寺院建築 |
供花店「摩耶花壇」廃墟 |
摩耶花壇の地下 |
ゴム靴、ではなくて便器(^_^;) |
枯木に烏 |
青木の赤い実 |
猿の腰掛 |
紫陽花のドライフラワー |
ひっそりと立つ石塔 |
天上寺山門、この先三百段の石段(>_<) |
伽藍跡、正面は摩耶別山(714m) |
展望台から、もうすぐ夜景 |
西の夕空 |
【封印歌謡大全】石橋春海 ★★★☆☆ 大正から平成までの発禁歌謡や放送禁止歌謡を中心に158曲を取り上げ、年代順に見開き2pのコラムにまとめたもの。
・当局による検閲 1920(大正12)−1945(昭和20)
・放送局とレコ倫による規制 1946(昭和21)−1969(昭和44)
・反体制の時代 1970(昭和45)−1979(昭和54)
・エスカレートする言葉狩り 1980(昭和55)−1989(昭和64)
・規制の種は尽きず 1990(平成2)−2007(平成19)
と、五つの時代に分かたれ、5篇の関連記事が併載されている。著者はアニメの脚本、写真雑誌の取材記者、ライターとして活躍しているらしい。それぞれの曲の基本事項は下段にきちんと紹介してあるし、脚注も充実している上に、切り口も一貫性があり、共感を覚えるところ多かった。また意外なこぼれ話、秘話、裏情報なども盛りだくさんで、裨益するところまた大であった。
・「侍ニッポン」(徳山l)に出てくる侍の名「新納鶴千代」、レコードでは「しんのう」と歌われているが、正しくは「にいろ」である。徳山が間違えた説、にいろではわかりにくいため、あえてしんのうと歌わせたという説がある。
・「セントルイスブルース」日本での最初のレコードでは「ユウウツ」という邦題がつけられていた。
・「ブルースの女王」淡谷のり子が、故郷・津軽で凱旋公演を行うことになったが、駅前の垂れ幕には「ズロースの女王」と書かれていた。
・アン真理子作詞の「悲しみは駆け足でやってくる」は同じ年(1969)に出版された島田芳文の詩集『心のふるさと』にある「明日を明るく」という詩に酷似していた。しかも曲にも原曲があった。ブラームスの交響曲第3番の終楽章によく似ているのだ。
明日と言う字を知ってるかい 明るい日と書くんだよ(中略)
若いと言う字を知ってるかい 苦しい字と似てるんだ(後略)−−「明日を明るく」より
・1973年、部落解放同名が突如展開したマスコミ大糾弾がきっかけとなり、翌年、精神障害者団体が「きちがい」という言葉を排除する運動を起こした。この運動はエスカレートし、カーキチや音キチもだめ、ついには「狂」の字もダメと言い出すようになった。そのほか、阪神タイガース・ファンを指すトラキチや、漫画「釣りキチ三平」もダメだとされている。
・1972年(昭和47)以降、「四つ」という言葉が教科書から削除されたことがある。それは、昔、被差別部落の人々が「ヨツ」という隠語で呼ばれていたことがあるためだ。彼らは、四つ足の動物の皮を扱う仕事に従事していることが多く、そう差別的に呼ぶ者がいたのである。……某市役所の職員たちは、被差別部落の人たちが陳情に来ると「四つのお願いが来た」と言っていたという。呆れた酷い話である。
・乞食という言葉は、マスコミの放送禁止用語ではCランクとされている。つまり「注意して使う」ということ。それほど厳しくはないのだが、これが「河原乞食」となると、いきなりAランクとなってしまう。以前には「私は所詮、河原乞食ですから」などと自ら話す芸能人もいたものだが、同和団体の抗議によりすっかり廃れた。
・現在では、どのメディアも単に「北朝鮮」とするようになった。それはいったい、いつからなのか。筆者は2002年(平成14)10月15日、北朝鮮拉致被害者5人が帰国した日が、その境目であったと考える。それから数年、あれほど制限していた「単独での北朝鮮」表現が、当然のように許可されている。これは快挙なのか? いや、ほんの数年前までは、北朝鮮からの抗議を恐れて「朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)」としていたマスコミの手のひら返しに、ただ驚くばかりだ。
こういったネタ繰りは、枝葉末節のことで、本書を貫くのは表現の自由を妨げるさまざまな問題への疑義と批判である。
特に言葉狩りに見られる機械的な処理への不満と怒りはMorris.も全く同感である。
以前同じようなテーマの森達也の「放送禁止歌」を読んで感心したが、本書はそれに勝るとも劣らない好著であると思う。
殺人を犯し、歌手生命を剥奪された克己しげるや、戦中戦後を通じてさまざまな禁忌に触れた作詞家川内康範への直接取材、流行歌規制の歴史、歴代歌手の事件簿、NHKの偏向・矛盾した規制の概要と批判なども、貴重な記録といえるだろう。
2009/01/18(日)●金平の日々(^_^;)● |
9時起床。どんよりとした空模様である。昼前には雨が降り出した。
都道府県対抗駅伝を見るともなく見ながら、またまた金平牛蒡作る(^_^;) Morris.の金平は牛蒡、人蔘、蒟蒻に蒸し鶏という取合せである。もちろん、赤唐辛子と胡麻はふんだんに使うし、味醂、だし、醤油も使うのだが、参考にネットで金平牛蒡のレシピをいくつか見たが、大部分は人蔘と牛蒡だけで作るのが多いようだ。たまに肉入りのものがあっても牛肉がメインで、あまり鶏肉は使ってない。Morris.の生家では金平牛蒡と言えば鶏が定番だった。冷蔵庫に入れておけば結構日持ちするし、冷えるとさらにおいしくなる。おかずに肴にと
今日もついでに豚汁作る。昨日マルハチで岡崎の赤味噌買ってきたので、これを半分使ってみたら、やっぱりかなり豚汁らしくなった(^_^)
3時から卓球で愛ちゃんが出るかと期待したのだが、彼女は準決勝で敗退してた。でもベスト4はこれまでで最高だとのこと。決勝戦は平野-王輝で、これがものすごい接戦で見応えあった。
GyaOで「マイガール」第2話を見る。あいかわらずハチャメチャであるが、何となく面白い。これは意外と拾い物かもしれない。
島田和夫部屋スケジュール更新。
2009/01/17(土)●はらっぱ保育所● |
7時起床。ベッドで毎日ハングルの総集編聴く。
11時JRで西宮に出て「はらっぱ保育所」の持ちつき大会に。これは地震後毎年1月17日前後の土曜日に開かれるもので、春待ちファミリーBANDも参加してるのだが、今年はびったり17日に開かれることになった。
天気もよく、比較的暖かくて、いつもにまして参加者が多かった。
春待ちからは、社長、松尾君、みっちゃんの3人だけだったが、最近は社長は一人で幼稚園回りやったりしてるので、人数少なくても大丈夫である。今日も前半はほとんど社長の一人しゃべくり(^_^;)結局、1時間でやったのは4曲だけだった。でも子供たちも保護者も充分満足したようだ。おしまいはフィッシングの輪踊りで決めたのはいうまでもない。
つきたての餅の雑煮、ビールをふるまってもらい。お土産の餅もいただいて2時ごろ帰宅。
GyaOで「宮S」2話と今週から始まった「マイガール」を続けてみる。「マイガール」済州島に住む詐欺師父娘と資産家の息子などがからむ、どたばたコメディらしい。こういうの嫌いじゃないが、1話見た限りではかなりの際モノっぽい(^_^;) 次回が楽しみである。
今夜は矢谷君主宰のごパンでのライブサンドの日。自転車で7時半頃店についたら外に伊藤君がいた。今日は満員御礼の上、すでにお目当ての矢谷君のライブは終わったとのこと(>_<) で、結局今日はそのまま帰ることにした。
マルハチで買物して8時過ぎに帰宅して、鶏皮の湯引きなどで一献かたむける。
1/17を思って餅つき |
お手製巻段ボール紙芝居 |
演奏開始 |
社長キティちゃんネタ |
ライブも佳境に |
フィナーレはフィッシング(^_^) |
2009/01/16(金)●クレメンタインの歌● |
8時半起床。
午前中安孫子さんのHP就中「Today's Photo」についつい見とれてしまっていた。このところ寒さのせいか、外に出てもなかなか猫に出会う機会が少ないMorris.である。その点、部屋に12匹もの猫(犬も一匹)を飼ってる安孫子さんは被写体の猫には不自由しない。しかしそれ以上に写真の出来が素晴らしい。腕も機材もレンズも桁が違うとはいえ、こんなのを見せられるとMorris.の猫画像なんてまさに「お子ちゃまレベル」だということがよくわかる(^_^;) Morris.@Catographerという呼称も安孫子さんの掲示板では恥ずかしくて使えない(^_^;)
GyaOで先週から週2話ずつ更新の「ありがとう」3話、4話を見る。
ヨンシンは認知症の祖父と医療ミスからHIVに感染してしまった8歳の娘を抱えながら、懸命に生きるシングルマザー。娘の父親は分かっているが、決して明かそうとしない。それよりも娘には絶対に口外できない秘密があった。お人好しで、母性愛にあふれるヨンシンを「乾パン先生とこんぺいとう」のコン・ヒョジン。恋人の遺言を胸に刻み島にやってくる天才医師を「僕の彼女を紹介します」のチャン・ヒョクが熱演。「ごめん、愛してる」のシナリオライター、イ・ギョンヒが贈る感動のドラマ!
というのが、GyaOでの作品紹介だが、3話でヒロインが娘を寝かせるときに歌う子守唄に聴き覚えがあった。日本では「雪山賛歌」としてお馴染みの曲である。原曲はアメリカでジョン・フォード監督の「荒野の決闘」の挿入歌として広まったらしい。
In a cavern, in a canyon
excavating for a mine,
Dwelt a
miner, forty-niner
and his doughter Clementine.
Oh my darling, oh my darling,
oh my
darling, Clementine.
You are lost and gone forever,
dreadful sorry,
Clementine.
「forty-niner」という言葉が出てくる。これは1849年のゴールドラッシュでカリフォルニアに押し寄せた一攫千金を狙う男たちを呼ぶスラングである。1949年生まれのMorris.は、何となくこの言葉が気に入ってたが、この歌の歌詞に出ていたとは知らなかった。歌の後半でクレメンタインは溺れ死んでしまうという内容だが、韓国語の歌詞はこんな感じである。
広大な海辺に一軒のあばらや家 ノプコノルブン パダッカエ オマクサリ チプハンチェ
漁師と物心つかない娘が住んでいた コギチャムヌン アボジワ チョルモルヌン タル イッタ
私の愛よ私の愛よ私の愛クレメンタイン ネサランア ネサランア ナエサラン クレメンタイン
老父を一人残してどこに行くのか ヌルグン アビ ホンジャ トゥゴ ヨンヨン オディカンヌニャ
「雪山賛歌」ほどではないが、やはり原詩とはかなり違っている。それでもこの歌は韓国では広く愛唱されているようで、これまでにも何度か耳にしたこともあるし、金時鐘に「クレメンタインの歌」という著書があった。父が歌った朝鮮語のこの歌が軍国少年だった金時鐘の祖国回帰の契機となったという内容だったか、ともかく、そんなこんなで、この歌はレパートリーにすることに決めた。韓国ノレバンCDに収録されていたので、練習もばっちりである。歌詞はネットで見つかったし、楽譜は「雪山賛歌」がFだったのでGに転調。
午後は自転車で三宮図書館に寄り、そのまま元町の阪神理容で散髪。年末に初めてあたったおっちゃんに、うっかり短かめにと頼んだらほとんど丸刈りにされてしまった(>_<)ので、今日も同じおっちゃんだったら変えてもらおうと思ってた。でも今日はずっと前に一度やってもらったおっちゃんだったので一安心。今日は後ろと側面だけを刈り上げる形で上部はほとんどそのままで軽く梳いてもらう感じ。どうにか、いつものスタイルに落ち着いた(^_^;)
帰りは大安亭で野菜など買って6時帰宅。
今日もまた牛蒡買って来たので金平牛蒡作るつもりだったが、この材料に豚を加えて豚汁に挑戦。Morris.が今凝ってる味噌汁用の味噌は、タケヤ味噌と鹿児島の麦味噌でどちらも白味噌系なので、ちょっと豚汁には淡白過ぎたような気もする。今度は赤味噌も用意しておこう。
クレメンタインの歌 |
JR高架下のALBIOT |
ちょと淡白な豚汁 |
2009/01/15(木)●エレベータ停止(^_^;)● |
矢谷、西根君と3人で昨日の現場。今日はピックアップした荷物を大阪南港の別の倉庫に搬入ということなので、上手く行けば久しぶりに「オーション・ヴュー」のオムライスでも食べられるかもしれないと期待が膨らむ。
この現場は管理人がうるさくて、養生などに手間を取られることもあって、休憩、食事抜きで何とか作業終わったのが1時半。ちょっと遅いけど、オーション・ヴュー間に合うかもしれないと、床や壁の養生材を外す。7階エレベータ前のコルゲート(巻き段ボール)を剥いでいる途中、廊下に突風が吹いて段ボールの端がエレベータのドアに向かってたなびいてしまったところにちょうどドアが閉まり、そのまま段ボールごと下降を始める。あわてて引っ張ったけどあっさりちぎれてしまった。6階に降りたところで「休止」のマークが(>_<) 6階に下りてみたがドアはしまったまま。管理人に頼んでエレベータ会社に連絡取ってもらう。20分くらいで係り員二人が飛んできて、あっという間に修復してくれた。段ボールが内側の扉に挟まって休止状態になったらしい。特に機械部分に異常はないということで、ほっと一安心したのもつかの間、管理人が「責任者を出せ」と騒ぎ立てて、結局、元受けの担当者を呼び出すはめに。小一時間待って担当者が来て、二人で平謝りしてやっと解放してもらった。
荷物は矢谷、西根君二人で搬入に行ってもらい、事なきを得たが、結果的に元請にも矢谷君らにもえらい迷惑をかけたことになる。反省!!である。
帰りは北急行線で梅田に出て、阪神で西灘まで戻り、歩いて事務所に着いたら5時半過ぎてた。
【不許可写真】草森紳一 ★★☆ 初出は「20世紀の記憶 毎日新聞秘蔵 不許可写真1.2.」で98年と99年発行だが、本書は草森の文章を中心に文春新書の形で再版したものらしい。
見てはいけないもの。見せてはならないもの。不許可の烙印を押された禍々しい写真を次々と紹介しながら、卓越した自由な精神で、不自由な時代の残像を読みとった破天荒な試み。
というのが、カバー袖にある惹句である。
いくら惹句がセールストークと言っても、これはどうも的外れに過ぎるぞ。
まずは「不許可の烙印を押された禍々しい写真を次々と紹介」だが、本書が160数ページの新書という体裁ということもあって収録写真は35枚ほどである。フィルム1本分あるかないかの量は「次々と紹介」というほどでもないし、「禍々しい写真」となると、その1/3もない。別に禍々しい写真を見たいってわけじゃないのだが、兵隊が行進したり、慰問団のダンサーの写真や、歩哨のシルエットや、戦車の内部の写真等々、のとりたてて恐怖感を与えることもない写真も「戦争に関連してる」ということだけで全てを「禍々しい」と強弁してるのだろうか?
次は「卓越した自由な精神」というのも、本書を読む限りでは納得できにくいし、「破天荒な試み」というのは、「呆れる、無謀な、とんでもない」といった意味なら同調するところありだが、いちおう褒め言葉として使ってるのだろうから、原義の「これまで誰もやったことの無い」とか「未曾有の」という意味なら、Morris.はこれにも疑問を呈せざるを得ない。
草森はずっと以前に「ナンセンスの練習」「江戸のデザイン」「日本ナンセンス画志」などを読んで大いに畏敬していたのだが、5年ほど前に「本が崩れる」というエッセイを読んで、えらくつまらないのを書くんだなと思ってそれきりになってた。
しかし、驚いたのは著者略歴の欄に「2008年3月没」とあったことだ。1930年生まれだから享年七十。早世とも言えないが、この人は若い頃から老成しているような雰囲気があった。
2009/01/14(水)●氷雨● |
矢谷君ら4人で豊中の韓国人のピックアップ現場、二日取りの初日。
久しぶりに韓国語で会話できるかと楽しみにしてたのだが、お客さんはMorris.より日本語上手だった(^_^;)
5時までみっちり作業して6時前に倉庫着。
自転車で帰ろうと外に出たとたん雨が降り出した。天気予報では雨降るなんて言ってなかったのに(>_<) 結構本降りでおまけに寒気が強まってるだけに、まさに氷雨。風邪ひかなければいいけど、ちょっと心配。
今夜のクローズアップ現代、韓国のサイバー侮辱罪のテーマで思わず見入ってしまった。昨年のチェジンシルの自殺を契機にネットの書き込みを取り締まったり規制しようという気運が高まり、ハンナラ党が、法律で取り締まることを推進して、それに野党や市民団体が反対して国会は大荒れということらしい。日本でも似たようなことはあるが、韓国はネット普及率も日本を大幅に上回ってるし、発言も過激過激なようだ。しかし、これを政府や警察が取り締まるとなると即言論統制に結びつく。これはなかなか難しい問題である。
KBS日本語放送水曜日のひまわり・しおり乙女コンビの玄界灘に立つ虹で、今日もMorris.の投稿が取り上げられた。今回は紹介するほども無い内容だが、とりあえず名前が呼ばれるだけで嬉しい(^_^;)
【魔女の盟約】大沢在昌 ★★★☆ 去年読んだ「魔女の笑窪」の続編である。前作はかなりおそまつだった記憶があるので、あまり期待せずに読み始めたら、突然釜山が舞台になってて、それだけでも儲けものと思ってたら、途中から上海に飛び、100p頃から日本にもどってしまった。
あいかわらず、ヒロインを始め登場人物のリアリティがないし、台詞でストーリーを説明しようという趣向のためか、敵対者同士の会話でもお互いによくしゃべること(^_^;) 騙しあいや、駆け引きの中でこれだけ手の内を公開し合うというのはあまりにも嘘くさい。またそういった登場人物のくだくだしい解説を今度は作者が滔々と述べるあたり、小説以前かもしれない。
ただ国家を超えた民族のコネクションによる国際的犯罪組織というアイディアはそれなりに面白かった。
「ソビエト連邦が崩壊し、東西陣営をへだてていた壁がなくなってからのヨーロッパは、民族のモザイクが顕在化し、紛争が頻発しました。それはどういうことか。祖国よりも民族のほうが、自分のアイデンティティとして重要であると気づいたんです。中国が改革解放経済を掲げ、同じことが起きうる可能性が高くなりました。中国は民族のモザイク国家です。アジア全域に、中国に住むのと同じ何種類もの民族が散らばっている。漢族はもちろんのこと、中国では少数に属する朝鮮族ですら、北朝鮮、韓国、日本と散らばっているわけです。紛争後、ヨーロッパで力をつけたのは国家ではなく犯罪組織でした。武器、売春、戦争による荒廃が呼びこむのです。これらの犯罪組織が機能するために役立ったのは、民族によるネットワークです。グルジア、チェチェンといった民族マフィアがヨーロッパ全域をカバーするネットワークを作りあげ、旧来のたとえばシチリアマフィアなどを凌駕する勢いです。こうした民族マフィアのネットワークが、アジアにおいても出現する可能性を、密かに我々は恐れていました。民族マフィアの摘発は、一国家警察では不可能だからです」
「民族マフィアは、ただの犯罪者集団ではなく、その活動に経済行為を含みます。白、黒の線引きが困難で、経済活動を通し、国家の根幹にクサビを打ちこむ。そうなってからでは壊滅が不可能であることは、ヨーロッパの現状が証明しています。かりに自国内の民族だけでもおさえこもうとすれば、海外の、その民族を国民の多くに抱える国家から、弾圧だとして強烈な反発を招く」
「民族マフィアが台頭する理由は、その民族に対する、差別や弾圧です。優秀な人間が、特定の民族であるがゆえに、正業に就けなかったり、組織の中枢から弾きだされる。ルサンチマンの共有が、反社会的な行動を激化させるのです。たとえば、中国における朝鮮族や日本における在日韓国・朝鮮人の立場と、韓国における韓国人の立場はまるで異なります。朝鮮族や在日韓国・朝鮮人は、数の上で上回る土着民族の脅威を常に感じている。犯罪社会でそれに対抗するなら、同じ脅威を共有する者との共闘をまず考えます。」
2009/01/13(火)●三隣亡!?● |
4時半起床。
今日も早出で、6人で名古屋行きだったが、早朝集合した時点で溝渕君は風邪のため39度近い高熱でダウン。西根、秋本、浅海、秋本君と5人で出発。現場は名東区のアメリカ人だったが、見積もりよりかなり荷物が多そうだった。ところが、梱包材料を運び入れるときに浅海君が玄関前でへなへなと座り込んで動けなくなった。どうやら腰を捻った(ぎっくり腰?)になったらしい。かなり痛むようで、結局としろうに迎えに来てもらい、家まで運んでもらうことになった。
えらいこっちゃ(^_^;)であるが、刈谷現場の矢谷、東山君が午後からヘルプに入ってくれて何とか5時過ぎに作業終了。
倉庫に着いたのが8時過ぎで、材料下ろしなどやって帰宅したら9時過ぎてた(>_<) 流石にちょっとへろへろである。
2009/01/12(月)●強かった広島皆実● |
8時起床。今日も寒そうだ。昼前に水道筋まで自転車で行ったが、凍えそうだった。
猫を探して、市場の路地を徘徊したが、流石にこの寒さに猫も外に出るのを控えたのかとうとう一匹もお目にかからなかった(>_<)
今日は成人の日だったらしく、振袖姿の女性を数人見かけた。
帰って、またまた金平牛蒡作り、これを肴に2時から高校サッカー決勝戦見る。鹿児島の大迫が早速ゴールで、記録を作り、鹿児島楽勝かと思ったら、すぐ広島が同点に、さらに1ゴール加えて逆転で前半折り返す。後半で鹿児島同点にしたが、再び広島が1ゴールでリードし、そのまま広島皆美が初優勝を飾った。広島の守り勝ちといったところ。
一昨日、今日は鹿児島が圧倒的有利なんて書いてしまったが、見当違いも良いところだった。昨年広島皆実は鹿児島に遠征強化合宿して、鹿児島城西とも3試合練習試合やって、全勝だったとか(@_@) 何も知らずにうかつなことは言えないな(^_^;)
道幅50cmの細い路地 |
バリバリ年期の入った台車 |
この路地も細い |
2009/01/11(日)●煙突with満月● |
4時起床。今年の仕事始めは、溝淵、浅海、西根、清水君と5人で名古屋イギリス人のピックアップ現場。
よく片付いた現場だったので作業も順調に進み3時半に現場出発。
久しぶりの仕事で、やっぱり何となく身体の動きが鈍い(^_^;)が、幸い今日は重い家具など無かったので助かった。
6時前に倉庫着。
帰り道Morris.の好きな神鋼のツイン煙突が煙吐いてる傍らに大きな月が出ていた。今日は満月である。
GyaOの1話限定で「コーヒープリンス1号店」の初回を見る。ボーイッシュな女の子が、男と間違えられて云々という、いかにも少女漫画みたいなストーリーだが、初回だけではなんとも言えない。ぜひ全部無料放映してもらいたい。
今朝5時の月、月齢13.6 |
午後6時半の満月、月齢14.6 |
煙突with満月 |
2009/01/10(土)●西宮夷神社初詣● |
7時起床。ベッドの中で「まいにちハングル講座」総集編を聞く。7時15分から8時半までの75分。さすがにちょっと長いし、タイトルに準じて毎日15分ずつ聴くのが望ましいんだろうけど、それもなかなか難しい。留守録してまで本気で付き合うこともないだろうし、結局これからも聴けるときに聴くしかないだろう。
今日は十日夷。Morris.は毎年初詣は夷さんと決めている。昨日宵宮は徐正敏先生の宴会があったし、今日は昼から高校サッカーと大学ラグビーがあるので、明日の残り福にでも出かけようかと思ってたが、急遽明日早出の仕事が入った。
土曜日の十日夷の今夜は相当の混雑が予想されるので、いっそ早めにおまいり済ませることにした。11時前に阪神岩屋から西宮に出て、夷神社へ。出かけるときはちょっと小雨模様だったが、神社に着いたころは晴れ間も見えていた。この時間はそれほど込み合っていない。
さっとおまいりして、お目当てのおみくじ。今年は「第二番 吉」だった。
世の中のよきもあしきもことごとに神の心のしわざにぞある
商人 売買をいそぐべからず
訴訟 利あるべし
縁組 はやし
うせ物 いづべし
病人 長引くとも全快すべし
待ち人 きたるべし
方角 西北の方よし
このみくじにあたる人は心あせらずして時節をまつべしゆくさき幸あるべし
まずまず、というか、御籤はこのくらいが一番よいのかもしれない。昨年は大吉だったけど。
実は今年春待ちの年越し八幡神社ライブの後、阪急で帰るため本殿前通ったとき、ついここでもおみくじ引いてしまった。どうしてそんな気分になったのか良くわからないが。で、百円玉出したら巫女さんが「二百円ですよ」と無愛想に言う。ちょっと厭な気分になりながら引いたら出たのが「三十一番下下」という奴(^_^;)ご託宣は
ものごとさゝわりありて口ぜつわざわいおほし
たのみちからとなすべき人なくふし仕合あるべし
だと。
もともとここのおみくじは「上中下」と「吉」の組み合わせで良くわからないところがあり、以前井山君主宰でおみくじ罰ゲームやってたときも、どちらが良いのか悪いのか非常にわかりにくかったが、今年の「下下」はまあ最低のくじだというのはまちがいないだろう。それにしてもあんまりな御託である。初詣でに限らず、神社にお参りに来る人は多かれ少なかれお願いしたり、救いや希望を求めるために来るわけで、おみくじだって同様だろう。悪い卦がでたとしても、何なりと救いがあってしかるべきではなかろうか。この文面はまるで救い無しではないか。まさに木で鼻をくくるといった感じで一縷ののぞみすらない。たかがおみくじにめくじら立ててもしょうがないけど、Morris.の本命、西宮夷さんのおみくじはその点心配りが感じられる。(今年も百円だったし(^_^)) 以前「凶」を引いたこともあるけど、悪いなりに救いのある文面だったと思う。
今年の「方角 西北の方よし」は、やっぱりまた韓国に行くしかない、ってことになるかな(^_^)
帰りは阪神香露園から帰ろうと思ったのだが、JR桜夙川駅ができたことを思い出してこちらを利用することにした。
途中「栄文社」という古本屋を見つけたので冷かす。いまどき珍しい昔風のちゃんとした古書肆で、思想、文藝、趣味などなかなか良い品揃えだった。北原白秋の「雀の卵」など古い大型の詩集などもそろえてあり、ちょっと感心した。
帰宅したのが午後1時で、サッカー、鹿児島城西−前橋育英の試合はちょうど前半が終わったところで4-3と鹿児島がリード、大迫が1ゴールして大会タイ記録に並んだとのこと。後半どちらも積極的に攻め、結局鹿児島が追加点あげてそのまま逃げ切り。前の試合と比べると両チームともやや雑なところが目に付いた。
2時からは大学ラグビー決勝戦を中心に見る。早稲田−帝京の決勝戦というのはちょっと意外だったが、前半トライなし状態が続き、何とか早稲田がトライして10-3で折り返し、後半も同じような試合運びで、20-3とリードされた帝京がおしまい頃に意地でトライしたものの20-10で早稲田連覇。サッカー広島皆実-鹿島は1-0で広島が決勝に勝ち残った。明後日の高校サッカー決勝戦は鹿児島が有利だろうけど、時間が合えば見ることにしたい。
KBSアーカイブの「コンサート7080」に、ピョンジンソプとパンナムジョンが揃って出てた。懐かしい。80年後半の男性アイドル歌手ということになるんだろうが、当時の若者の歌番組「若者の行進」や「楽しい土曜日」では二人とも常連で、当時のビデオを友人から貰ったMorris.は良く見てたものだ。思ったより二人とも年をとってない。司会のペチョルスが「”マウム(心)”のピョンジンソプ、”モム(身体)”のパンナムジョン」と笑いながら言ってたのが印象的だった。言いえて妙である。
正午前なのでそれほど混んでない |
本殿前の逆さ門松とお払い |
恒例の大鮪 |
簪が似合ってる |
縁起物 |
西宮のマンホール蓋 |
上品なピンクの山茶花 |
こちらは花びら落ちた後 |
古書店「栄文社」 |
2009/01/09(金)●新年会兼送別会● |
7時半起床。
朝風呂、洗濯。
今日もちょっと冷え込んでるようだ。
昼はペペロンチーノ(^_^;)&簡易ホットドッグ&ミルクティ。
夕方灘図書館に行き、しばらく立ち読み。童話社の豆本、谷川俊太郎の詩集のなかにあった一節が心に沁みた。
百年前ぼくははここにいなかった
百年後ぼくはここにいないだろう
あたり前な所のようでいて
地上はきっと思いがけない場所なんだ (「朝」より−空に小鳥がいなくなった日)
言ってることは、ありふれたことだけど、すっと心に入り込んでくるところが谷川の「言葉たらし」たる由縁だろう。
6時半に六甲道ウェルブ2Fの「黄雲」という韓国料理店へ。徐正敏先生の送別会兼新年会である。先生は明治学院大学に客員教授として1年間東京に滞在されてたが今月末ソウルの延世大学に戻られるとのこと。
センターの朝鮮語講座で先生に教えてもらったのは90年だったからもう20年近く前になる。それでも出来の悪い生徒たちのことを忘れずにこうやってわざわざ会いに来ていただけるというのは嬉しい
信長夫妻、堀内、寺岡、深田、山根さん、徐正敏先生と教え子二人、ちょっと遅れて飛田さん、それにMorris.を加えて11人。
チヂミ、煮豚、チャプチェ、キムパ、石焼鍋、酒はビールとマッコリで、Morris.は当然、後半はミニギターに専念(^_^;)。
店の人も韓国人で、韓国の歌がどんどん出てくるので喜んでいたようだ。
この前2回はちょっとはめをはずしすぎたきらいがあるので、今回はやや押さえめにしたつもりだが、結局はかなりうるさかったと思う(^_^;) 山根さんが歌詞見なくてもどんどん歌えるのは周知のことだったが、堀内さんが「別れの釜山停車場」の3番を歌い継いだのには驚かされた。Morris.は3番があることさえ知らなかったもんね(^_^;)
先生はクラスで一番の問題児だったMorris.のことをえらく懐かしがってくれて、ソウルに来たらかならず会ってノレバンにも行こうと固く約束した。
ラストは先生の「昴」、これは前回歌いたいと言われたのにMorris.は伴奏できなかったので、今回はちゃんと楽譜を準備してたのだった。
10時半帰宅。そのまま日記も書かずに寝てしまう。
午後の紅茶とお手軽ホットドッグ |
有明の月 |
同じく |
メイン石鍋 |
宴会風景 |
先生と2ショット |
宴会風景その2 |
飛田&深田 |
宴会風景その3 |
2009/01/08(木)●TV国会観戦(^_^;)● |
6時半起床。
朝、事務所の小林君から電話。Morris.の初出は13日(火)になりそうな気配。と、いうことはまだ5日ほど正月休みが続くということか(^_^;) 嬉しいような困ったような(^_^;)(^_^;)
昨日ayateさんのブログ覗いたら、素敵な小鳥が紹介されていた。鶯色をメインにした渋い配色の雀くらいの奴で、名前は「ビンズイ」とのこと。Morris.は一目惚れしてしまったよ。漢字では「便追」と書くらしい(「大辞林」)が、あまりポピュラーじゃなさそう。面白かったのは大正時代発行の三省堂「野外鳥類図譜」に鳴き声を
地鳴き チーチー
囀り ツツツツツッピスピスピスピスチュイチュイチュイツツツツーイ
と表記してあったことだ。編纂者の努力が眼に浮かぶような擬音表記である。草野心平もびっくりだろう。このまま前衛短歌作品として応募できるかもしれない(^_^;)ソレハナイカ
こうなると一度本物の囀りを聴いてみたくなる。思いついてネット検索かけたら、ビンズイのさえずりページがすぐに見つかった。いやあ以前なら特殊な図鑑やCDで聴くことができたとしても、すぐに手に入るとは限らないし、かなりの出費を覚悟しなくてはならないだろう、で、Morris.なんか手を出そうともしなかったはずなのに、こんなに簡単に無料で、それもいくつものバージョンでお手軽に聴けるのは、インターネットの光と影のもろ「光」の部分に違いない。
昼前KBS第二ラジオの「テジナshow,show,show」を聴く。流れる曲の2/3は知ってる曲というのが嬉しすぎ(^_^)
昼はおろし蕎麦で済まして、午後はDEL坊の端にTV画面表示しながらPC作業。
特に見る番組もなかったので、つまらないと思いつつも作業がはかどるからまあいいか、といいうことで国会中継を垂れ流し(^_^;)してた。
自民、公明与党の質問なんて無くても良いのだが、民主党の菅直人の質問もスタンドプレイと詰めの甘さが目立ってつまらなかった。でも次のやはり民主党の仙谷由人(せんごくよしと)というじっちゃん議員(Morris.は名前も顔も知らなかった)の質問はなかなか面白かった。舌鋒鋭いし、態度も大きい(^_^;)、公明党は政教分離に反するのではないかとか、天下り+渡りへの追及、問題の給付金の法律的疑義など、質問も態度も久しぶりに国会質問らしさを感じた。
あとでWikipedia見たら、1946年徳島生れと書いてあった。Morris.と3つしか違わんのか(^_^;) 元、社会党から民主党だから、Morris.がイメージする国会質問に似てると思ったのも納得できる。別に社会党シンパでもなかったのだが、あの頃はいちおう「野党」ではあったもんね。今や与党が二つ争ってるだけ。縄張り争いに近い。
それにしても、よほど大きな事件や証人喚問以外で、国会中継見るなんて、ほとんどないよな。今日はたまたま面白い日に当たったのかもしれないが、いくら無聊を託っているMorris.といえど明日も見ようとは思わんものね。
夕方神戸HATのダイエーまで玉子買いに(^_^;)行く。途中島文ビル1Fのショールームにおいてある白いロールスロイスのエンプレムを接写。特に意味は無いが、このフォルムはアールヌーボー風のハルサリ(蜉蝣)を彷彿させて嫌いではない。
【Rの家】打海文三 ★★★☆☆☆ 4冊目の(Morris.にとって)彼の作品だが、凄い、凄い。
17歳の少年リョウが海沿いの不思議な複合住宅「Rの家」で、家出していた伯父と風俗業の従妹と暮らす中で十数年前に自殺したはずの母の秘密を解いていく。少年の父の愛人や、知恵遅れで色情狂的別の従妹、伯父が少年時に田舎で知り合った訳ありの姉弟などが絡み、ミステリーとしても楽しめるストーリーになっているが、メインテーマは、セックスである。エロチックな小説というわけではない(でないというわけでもないが)。セックスをその本質、社会的、精神的な面にまでわたって掘り下げ、ユニークな論を登場人物を通して開陳している。
Morris.はそこに痺れてしまった。評点の大部分はそこに依拠している。小説としてはやや荒削りだったり、無理や杜撰なところ無きにしも非ずだが、それを圧倒する面白さを感じたのも著者のセックスを軸にした様々な「論」だったと思う。
「世界はとっくに解読されてるのよ」と李花は言った。「にもかかわらず、ばかげた物語が大量に垂れ流されて、世界のありのままの姿を隠そうとする。心の闇っていうのは、物語がそれを隠してきたから、闇として存在するわけでしょ。もともとそれは闇でもなんでもないのに、作家と精神分析医がそれについて語りつづけている。ヒトゲノムは解読できるようになったけど、人の心の闇はまた解き明かされていない、と世間に信じ込ませようとしている。隠して、それについて特権的に語るんだから、一種のマッチポンプね。詐欺同然よ。どの新聞でもいいから、ある日の朝刊を端から端までざっと眼をとおしさえすれば、人類がこれまでどれほどの陰惨な殺人をくり返してきたのか、世界の終末までえんえんと殺人をくり返していくにちがいないってことが、誰だって理解できるのに」
「李花の言うとおり」ぼくは言った。
「世界は解読されている。せめてそのことは認めようじゃないの。でも出口はどこにもない」李花は言った。
失恋をきっかけに風俗嬢を始めた従妹のセリフだが、もちろんこれは打海自身の見解だろう。「出口なし」というとMorris.の年代なら、若い時期にブームになった「実存主義者」サルトルの著作を思い出す。と、いってもMorris.も当時読んだはずだが、その中身はすでに記憶の途方も無い彼方である。
「Rの家のことでいろいろもめているうちに、順子さんの心境に変化が起きたような気がするんですけど」ぼくは言った。
「心境の変化ってなんだ」
「人間の孤独についての深い感情のようなもの」
伯父さんはうなずいた。「人は誰でも孤独のうちに死ぬ覚悟で生きねばならない」
「議論の余地はありません」
「単純な事実だ」
「でも人はなかなか認めようとはしません」
伯父さんは人差し指を自分の即頭部に突き立てた。
「そいつの頭がおかしい」
「孤独を認めたことが、順子さんを失踪計画へと駆り立てたという面はありませんか」
伯父さんは僕の眼をじっと見た。
「あると思う」
「李花が言ったことがあります。リョウがいる。あたしがいる。リョウとあたしを隔てる絶対的なものを認めるのは、すごく淋しいことだって」
「人間が孤独な存在であることを認めると、どんな感情が生まれるか。それは淋しさにつうじる感情なのか?」
明らかに否定文だった。
「ふつうは淋しいと感じるんじゃないでしょうか。だから人は人とつながろうとする」ぼくは数えあげた。「飲む、おしゃべりをする。セックスをする。裏切られる。愛する。憎む。傷つける。懺悔する。なにかを必死で隠そうとする」
「旗をかかげ、隊列を組んで、行軍する」伯父さんは、行軍の果てが地獄のシベリア抑留であるかのように言った。
「うっとうしくなっちゃいますね」
伯父さんは微笑んだ。「だが、人間関係をぶん投げてしまうのはむずかしい」
「むずかしいと思います」
「暴力的な行為が必要になる」
「切断」とぼくは言った。
「切断だ」と伯父さんは言った。「愛の名で語られるもののいっさいを、問答無用で切断するんだ。結果としてきみを傷つけなければならなかった。それだけがあの女の心残りだろう。だが切断した。人間の孤独をまともに見すえることで、その勇気をえた。そして見事に姿を消した」
「自殺したんですよ」ぼくは言った。
アナーキズムだね、これは。しかし、これは打海の本音ではないような気がする。
「あれ(映画『プラトーン』を指す、Morris.注)は、ベトナム戦争についての、アメリカによる、アメリカのための自己説明だ」
「おっしゃる意味が理解できません」
イエローは言葉を補う。
「あの戦争で僕たちはこんなふうに傷つきました、とアメリカ国民を代表して全世界に宣言してる。能天気な映画だ」
「どこが能天気なんですか」
「アメリカの癒しが唯一の目的だからだ。傷つけられたベトナムは、製作者の関心の外にある」
「わたしは娯楽映画として愉しめましたけど」
「アメリカの自己説明は、いつだってエンターティンメントなんだ。そこが実に恐れ入る。ハリウッドのユダヤ人の底無しの欲望を感じる。彼らは神の存在を一度も信じたことがないんじゃないかと思う時がある」
打海作品の特徴として作中に実在の書物や映画や音楽などの名前を出して辛辣な批評を加えたり、賞賛したりしていて、そこもMorris.の好みでもあるのだが、この「プラトーン」への揶揄はちょっと甘いんじゃないかい。
他にも「My Way」や「昴」を歌う「大人」への批判も同様で、ややステレオタイプだな。
「書くという行為は不思議な現象をもたらすものだとつくづく思う。記憶になかったセリフがふいに鮮明によみがえる。そのとき意識になかった事実をいまここで発見する。視線の先の窓ガラスは青く染まっている。アパートの部屋のなかに夜明けの気配が強まりつつある。俺はペンを握り直す。再び書きつづける」
これは伯父が創作した物語の中間部に挟まれた一文だが、もちろん打海の小説作法の一端を述べているのだろう。記憶になかったセリフ、意識になかった事実などという、思わせぶりな表現は結局は「読者騙し」でしかないんだろうな(^_^;)
「妻の調達にはルールがある。お見合いもあるが、現代では恋愛が基本だ。ルールにもとづいた交渉期間を経て、売買が成立する。契約書にサインする。そのときちょっとした儀式がある」
「結婚式」
父さんはうなずいた。「男と女は来賓各位をまえに永遠の愛を誓う。新郎は自己のペニスを新婦のヴァギナに、新婦は自己のヴァギナを新郎のペニスに、永遠に、限定的にしようするものでありますと、男と女は厳かに宣言する」
ぼくは笑った。「ワイセツに聞こえる」
「ワイセツさこそ、結婚における愛の誓いの本質だ」父さんはやけに力をこめた。
「結婚と売春はワンセットで男に女を供給するシステムだ。ペニスの自由を、右手で禁じて、左手で赦すんだ。完璧に合理的なシステムだ。年齢を制限して合法化すべきだと思うがな。どう考えたってあれは労働だよ。選挙権といっしょに売春権も与える。それでいいんじゃないのか」
「李花が父さんの娘だったら、どう思うかってことだけど」
ネックの部分から顔を出して、父さんは言った。
「娘の売春は赦さないさ。妻の場合もしかり。絶対禁止だ。売春権を与えてもいいのは家族以外の女だ。あたりまえじゃないか。妻と娘の売春を認めたら、さっきの話と同じように、結婚にもとづく家族制度は崩壊する。この世の秩序は崩壊する。つまり男支配の世界が崩壊する。美由起が夢見る千年王国が到来する。そして男は漂流をはじめる」
父さんは髪を手で撫でつけると、鏡へ向けてなんだかうれしそうに微笑んだ。ぼくたちは玄関へ向かった。スニーカーに足を入れて、ぼくは訊いた。
「そうなったら、この世界はどうなるの?」
「美由起はみとめたがらないが、女は男によってかろうじてこの世につなぎとめられれる。したがって男が漂流すれば、女も漂流をはじめる。アナーキーがいっさいを支配する。それを言うと、美由起は怒るんだ。女を恫喝するつもりかって」
順子さんがロビンソンの家と名づけた理由がわかったような気がした。玄関を出た。ドアが閉まり、オートロックがかかった。エレベーターが1階に着くまで、ぼくたちは無言だった。エントランスホールを横切っているときに父さんが言った。
「恋愛も罠かもしれない、という議論を順子としたことがある」
「罠」ぼくは李花を思った。彼女も罠にはまったと言っている。「どういう議論なの?」
「社会は結婚と家族という制度によって女を保護している現実がある。なぜそういうことをするかと言えば、制度的に女を保護することによって、子供を生ませようってわけだ。男と女が結婚して家族を形成する。子供をしつけ、教育投資をして、一人前の労働力に仕立て上げて就職させる。この再生産のプロセスを充実させることが、社会の要請となる。つまり結婚と家族という制度がなければこの社会は崩壊する」
「崩壊する」ぼくは言った。
ここらあたりが、Morris.が本書のメインテーマだと思ってしまったのだが、写しながら読み直したら、これも打海の独創とは言い難いな。それでも、小説の中でこういった論の展開があると、ついゾクゾクしてしまうのがMorris.の性癖なのである。
タイトルにもなってる「Rの家」はもともと「ロビンソンの家」だったらしい。かなり本書の中で重要な役割を負っているし、前読んだ作品にも、壁に窓のない家が持ち主の深い思惑によって造られたりして、そのこと細かな描写や、複雑な構成からして、建築への関心と知識は生半可なものではなさそうだ。
先に引用したように「Rの家」は「ロビンソンの家」すなわち「漂流者の家」の謂らしいが、Morris.は「Rの家」というと、クレーの作品「R荘」を思い出す。
回り道が最短コースSt.Kは夜明けまでにたどり着くだらうかR荘に 歌集『雅歌』
本書は作品との出来としてはやはり「ハルビン・カフェ」を超えることはできないが、充分読みでのある一冊だった。こうなると、恐怖の三部作(全6冊、おまけに未完(^_^;))も読まずばなるまい(^_^;)
2008/01/09(水)●IEトラブル始め(^_^;)● |
8時半起床。ちょっと寒い感じ。
DEL坊立ち上げてIEのアイコンクリックしたとたんに「問題が発生しました」窓が開く。あぢゃぢゃ。何度やり直してもダメで電源入れなおしてもそのまま。IE6を再インストールしようとie6setup.exeをダウンロードして開くと「このコンピュタには最新バージョンのIEが既にインストールされています」窓が開いて続行不能。コントロールパネルのプログラムの追加と削除窓で、IE6消そうとしたが、なぜかIEは見当たらない。画面右下の更新アイコンをクリックしたらIE7インストールがあったので、この際IE7でもいいからインストールすることにした。インストールは無事終了したらしいのだが、再起動して、新しいIEのアイコンクリックしても問題発生の窓が開いてしまう(>_<)プログラム追加削除窓にはやはりIEは見当たらない。こんなことなら1E7にするんじゃなかった。ネットで色々調べてもよくわからず、ぐいぐい酒場に書き込みしたが、これにも反応なし。
ネット接続、Morris.部屋更新などはFirefoxなど別のブラウザでできるから、致命傷ではないのだが、GyaOやKBSアーカイブなどはIEでしか見られないのが辛い。
いろいろ触って「問題発生」窓を消さずに端に寄せてIE動かしたらとりあえず使えることがわかった。テストを兼ねて(^_^;)GyaOで「宮S」の8話、9話、「ラストダンス」の12話を続けてみる。別段問題ないが、やっぱり端っこの「問題発生」窓は露出したままであまり気分は良くない。
小倉の福田君から賀状代わりの読書控え届く。彼は学生時代からの数少ない友人の一人で、Morris.の賀状の読書控えに呼応して、ここ数年こうやって読書控えを送ってくれる。タイトルだけだが、それだけで大まかなところはわかるような気がする。
ずっとMorris.が冊数リードしてたが、2008年度はMorris.が96冊、福田君は116冊で、とうとう逆転されてしまった(^_^;)Morris.の激減が原因だろう。
福田君はMorris.以上に小説離れしているようで、評論、エッセイ、研究などが中心である。小室直樹(7冊)、副島隆彦(5冊)と、Morris.はほとんど無知の二人にかなり入れ込んでいる模様。Morris.が読んだ本は20冊くらいか。
夕方マルハチに買物に出て、帰宅してDEL坊立ち上げIE7クリックしたら、まだ同じ症状が出る。でも、コントロールパネル見たら今度はIE7が出てたので、削除して、IE6を再インストールしてみることにした。アンインストールして再起動して、IE6を再インストールしようと思ったのだが、画面上にはIEショートカットアイコンが残ったままだったのでクリックしたら、IE6が立ち上がって、「問題発生」窓も出ない\(^o^)/ でも、コントロールパネルにはIE6は見当らない。よくわからないが、結果オーライである。
今年最初のKBS日本語放送水曜日ひまわりさんのコーナー聴いたら、何と今日からひまわりさんと、日本人中枝しおりさんの女性二人でやることになったらしい。しおりさんは「ぴんとくるドラマ韓国語」でお馴染みだし、なかなか良い感じだと思ってたので、これは嬉しいコンビの番組になりそうだ。実は昨年の歌謡コンクール落選で気落ちしたこともあって、あまり日本語放送聴かなくなってたけど、今日から改めてマジメに聴くことにしよう。
ついでに年末の「アナウンサーオンパレード」もAODで聴く事ができた。
【1970年代記】畑中純 ★★★ 「まんだら屋の良太」でお馴染みの漫画家畑中純の20代の自伝漫画ということになるだろうか。きっちり一年ごとに章を立てて欄外にはその年の流行歌、映画、事件などの註もある。ほぼMorris.と同世代だけに、そのまま20代にワープしたような感じで楽しませてもらった。
1950年小倉生まれ、68年に上京して漫画家を目指しながら、鳶や鉄工所で働き、なかなか芽が出ず、79年から連載始めた「まんだら屋の良太」がヒット。
カートゥーン(一駒漫画)で立とうとしながら、趨勢には勝てずストーリー漫画へ転進したようだが、現在でも木版画作品を精力的に発表しているのも、カートゥーンの名残かもしれない。
74年の自費出版「それでも僕らは走っている」、76年「月夜」、77年「田園通信」、78年「みみづく通信」そして79年の「まんだら屋の良太」の一部が収録されている。これはこれでなかなか興味深かった。
よく作家は定年が無くっていい、などといわれたりしますが、とんでもない、どの世界の人も平等に、感覚の鈍化を体力の限界を感じて自分で退くか、依頼が無くなって引退させられるか、どちらかの形で晩年を迎えます。ごく希に生涯現役の人もいますが、どの社会でも希なことですし、死ぬまで成長などあり得ないことです。永遠の進化、なんてのは自己が周りがウソをついているのです。作家は二十代に登場し、四十歳代表作を作り、後は余力、バリエーションですね。長生きというのは、衰退を長らく晒すということでもあり、残酷な面もありますが、笑い飛ばして暮らしましょう。現象と戦うとか逃げるとか、対し方は色々あるでしょうが、楽しむという対応が一番強いようです。衰えを愛でる。負けを味わう。無用を笑う。
繰り返しますが、どんどん上手になるぞ、と意気込んだ二十代から、あっという間に、思い通りの線がひけずイラ立つ五十代。著書は百五十冊を超えているはずで、四人の子供たちは大人になった。猫は八匹になった。体重は25kg増えて駅の階段にも恐怖している始末です。
あとがきにこうあるが、ちょっと身につまされるコメントである。
10年ほど前に、印刷屋やってた小倉の友人が「みみづくの会」というファンクラブ作ってMorris.もいつの間にか会員にさせられ、会員バッジと会報も貰ってたのだが、いつの間にか消滅してしまった。
「まんだら屋の良太」は3/4くらい持ってて愛読したものだが、「愚か者の楽園」以来新作読んでなかったので、この年代記の続編を期待したい。
2009/01/06(火)●図書館始め● |
8時半起床。
午後からJR神戸に出て、湊川神社から中央図書館へ。
途中文化ホール脇の公園のいつも見かける「遊於藝(芸に遊ぶ)」の石碑、側面の説明文読んだら、日本画家橋本関雪がこの付近で生まれた由縁があると書いてあった。
中央図書館のマンガコーナーが前と比べるとかなり充実している。といっても、今や日本の漫画出版は天文学的数字に近づきつつあるから、本棚二つくらいではコンマ0001くらいだが、それでもMorris.にとって漫画喫茶代わりに利用できるくらいの冊数である。図書館なりにいろいろ考えて選書してるのだろうが、先日見つけた末永史みたいなユニークなものも置いてある。今日、何気なく手に取った「ちひろ」安田弘之という漫画は何か衝撃だった。中庭で思わず読みふけってしまった。ヒロインヘルス嬢の仕事と日常を不思議なタッチで描いている。Morris.はとりあえず絵柄に惹かれたね、続いて彼女のクールドライなそれでいて繊細な優しさの虜になりそうになった。図書館には上巻だけしかなかったので、機会を見つけて下巻も読みたい。
その後3Fに上って書庫から杉浦非水の図案集を数冊出してもらう。先日旭屋で見かけた花の図譜が素敵だったのでオリジナルかそれに類したものを見たいと思ったのだ。中央図書館には図案集など5,6冊があったが、あの花の図譜に近いものは無かった。それでもやっぱり非水は非凡である。「アヒルトニワトリ」「ザウノアソビ」という豆絵本も出してもらったがこれは復刻版だった。どこかで杉浦非水展やってくれないものか。
大倉山から裏道通って元町−三宮まで歩き三宮図書館にもちょこっと顔出して7時前帰宅。
夜は冷凍ゲソ、野菜、キムチなどをぶち込んだわけのわからない鍋。それなりに美味しかった(^_^;)
橋本関雪「芸に遊ぶ」石碑 |
地震で剥げ落ちた図書館の神戸市章 |
「ちひろ」安田弘之 |
杉浦非水の図案集など |
ちょっとロシア絵本のテイストが |
復刻豆絵本2冊 |
大倉山公園からの夕景 |
宇治川沿いアパート廊下の猫 |
ゲソ鍋? |
2009/01/05(月)●高校サッカーの日(^_^;)??● |
4時半起床。8時過ぎまでベッドで読書。
午前中は部屋でごろごろして、午後はずっと高校サッカー準々決勝見る。
見たのは
1.前橋育英(群馬)−国学院久我山(東京B) 1-0
2.鹿島学園(茨城)−大津(熊本) 2-1
3.鹿児島城西−滝川第ニ(兵庫)*これはサンTVで中継録画 6-2
もう一試合
4.広島皆実−四日市中央(三重) 2-0は実況も録画も無かった。
勝利したのは左側である。
いわゆるベスト8のぶつかり合いで、このあたりまで来るとそれなりに面白かった。Morris.は野洲の試合見たかったのだけど早々と敗退したらしいので見ることができなかった。
それにしても一日3試合も見るとちょっと飽きてくる。準決勝は10日、決勝は12日らしい。今日見た感じでは、前橋育英−鹿児島城西戦がちょっと楽しみかな。
空き時間?にGyaOで「恋人」最終回見る。とりあえず最後はハッピーエンドだけど、全体に暗い最終回で、Morris.好みではなかった。
世間は今日から仕事始めというところが多いと思うが、Morris.はいつから始まることやら見当がつかない(^_^;)。今日はまる一日部屋で逼塞していたが、明日はとりあえず外の空気を吸いに出よう。
【下妻物語 完】嶽本野ばら ★★★☆ 「ヤンキーちゃんとロリータちゃんと殺人事件」と副題にある。映画化された前作が面白かったので、つい借りてしまったがやっぱり面白かった。
副題にあるとおりバスの中で起きたヤクザ殺人事件に二人が巻き込まれるのだが、これもネタばらしすれば、有名なミステリのぱくりというオチだし、ほかはほとんど対照的な二人のやり取り、大ボケヤンキー娘イチゴとロリータ中毒少女桃子の極端コンビぶりを楽しむ場面しかない。まあ、Morris.はこういうの嫌いじゃないからついつい楽しませてもらったが、小説としてはすかすかだし、150pで充分語り終えるストーリーを倍以上に膨らましてる分だけだれるところもあるが、これがファイナルというのがちょっともったいないと思ってしまった。
BABY,THE STARS SHINE BRIGHTという1行の半分くらい占有するロリータ娘御用達のメーカー名が百回以上出て来るから、これだけで5p以上稼いでるし、舗亜ブランドやメーカー名も同じくらい出てくる。
戯作に目鯨立てることもないと思われそうだが、戯作こそ実は骨法をきちんと押さえておく必要がある。野ばらに言わせるとマンガ、あるいはマンザイなのだ、と開き直るかもしれないけどね。
語り手が桃子だけに、ロリータ講釈がやたら多くなるが、それはそのまま著者の嗜好だからしかたがない。
ロリータ娘の台詞の文体見本。
「お洋服の世界は、パクりまくって成立しているパクり王国だもの。例えばVivienne Westwoodは、新ロココとも呼ばれる十九世紀に流行したクリノリンをパクってミニクリニって、素敵なスカートを発表して世間をあっといわせたし、お尻がぽこんと突き出したようなシルエットのバッスルスカートだって、十七世紀末にリバイバルで登場したモードをパクったものなの。Vivienne Westwoodは、パクりの達人よ。ロココ時代の画家、プーシェの絵やフラゴナールの絵をそのままプリントして使っちゃうんだから。でも可愛いから赦されるの。私の大好きなBABY,THE STARS SHINE BRIGHTだってね、そのメゾン名はエヴリィシング・バット・ザ・ガールというアーティストのアルバムのタイトルをそのままパクったものだし、メゾンの名前で言えば、Jane Marpleも、アガサ・クリスティが書いた推理小説の中に出てくるおばあちゃんの探偵、ミス・マープルの本名をそのまま拝借したもの。さらにいうならJane Marpleは、ブランド名だけど、会社としての名前は、St.mary meadっていうの。これって、ミス・マープルが棲んでいる村の名前なのよ。お洋服の世界は、パクりが常識。何をどうやってパクるかでセンスが問われるの。反対にバッタものは敵。だってVivienne Westwoodのバッタものが出回ると、Vivienne Westwoodは売り上げが落ちて、困るでしょ」
2009/01/04(日)●猫始め● |
7時起床。
昼過ぎ歩いてナフコに行く。久しぶりにMorris.@Catographerモードで、猫を撮るつもりだったのだが、バイク猫も、猫屋敷もまるで猫の姿が見当たらない。薄曇でちょっと肌寒いこともあってどこか暖かいところに潜り込んでいるのだろう。
ナフコからJR横切るトンネルくぐって水神社の脇通ったら石垣に白トラ猫がいたので今年最初の猫撮り成功。
その後黒白と、水道筋の出口付近の民家の庭で雉の子猫も撮影できたので、何とか格好はついたと思う。
昼は今年初めて味噌汁作る。社長宅の新年会でも味噌汁の話題でいろいろ盛り上がったが、誰かが隠し味にナンプラーいれるというのを紹介してくれた。いくらなんでもそれは相性悪いかもしれないと思いながら、2杯めに少し入れてみた。ちょっとマイルドになったような気もするがあまり違いがわからない。違いがわかるほど入れるのを躊躇したというのが正直なところである。
夜は年越そばにかった半生蕎麦をおろし蕎麦にする。これは夏向きのメニューかもしれないが、Morris.は冬でも讃岐うどんは冷たいのが好きだからこれでよいのだ。
冬の黄薔薇 |
手長猿?(朝顔の種) |
ミニ柿を啄む目白 |
ミニ石榴 |
珠状葉植物の花 |
このトンネルも絵になる |
稗田水神社の白トラ |
同じく黒白 |
水道筋の雉子猫 |
【お茶のある暮らし】谷本陽蔵 ★★☆ 去年後半から部屋で日本茶よく飲むようになったので、タイトルに惹かれて借りてきた。
著者は昭和4年(1929)堺市生まれで茶舗「つぼ市」の社長で、世界のお茶の産地を回って、茶の研究家としても著書があるらしい。
本書はお茶の良さ、お茶の木の種類、風習、歴史、美味しい茶の入れ方、選び方などを暮らしとのかかわりを通じてエッセイ風に綴ったものらしい。
荒茶とは、農家で製造した加工されない前の粗製茶をいう。つまり製品になる前の原料茶のことを玄人筋は荒茶と呼んでいる。そんな荒茶から粉を取り除いたり、お茶に混じっている白い茎や葉軸を選別して、見た目には美しくしたお茶が煎茶と呼ばれる仕上げ茶なのである。ついでに玉露製の荒茶から出た白い茎や軸は、俗に雁ヶ音(白折れともいう)と呼んでいる。純玉露の雁ヶ音は量的にも少なく、お茶通の間で珍重されるほど勝ちのあるものだ。
雁ヶ音が茎茶だということは知ってたが、玉露の茎で「白折れ」と呼ぶとは知らなかった。以前アシナガさんから頂いた島根のお茶にも「玉露白折」と書いてあったが、確かにあれは茎茶系だった。
美味しい緑茶の入れ方は、Morris.が以前ネットで調べた方法とそれほど変わらない。
基本は茶の葉は少し多め、一度沸騰したお湯を茶碗か湯冷ましで少し冷ましてから急須につぎ、お湯は茶碗の分だけにして急須に残さないようにするというところか。
お茶の賞味期限は、開封後は夏なら半月以内、冬で一ヶ月が限度である。
そうか、Morris.亭の日本茶はもうそろそろ1ヶ月になりそうだ。やばいぞ。
1.都会の水道水に含まれている塩素イオン(カルキ)を取り除くためには水が沸点に達し、沸騰したからといって、すぐ日を止めることなく、せめて3,4分程度は煮沸させつづけること。
2.ビタミンCをとるためにも、深く味わうためにも、日常使っている茶葉の量を少し多めに使用するか、湯量を少なくして濃いめに煎出するようにしたい。
3.おいしくない都会の水に、よく合った香味のお茶を選ぶこと。それにはそういったことをよく考えて販売している熱心なお茶専門店を選ぶことである。
そもそもお茶は、いずれもカメリヤ・シネンシスという学名で呼ばれる同種のお茶の木なのだから、つくろうと思えば同じお茶の木から製法によって、緑茶類(不発酵茶)、中国ウーロン茶類(半発酵茶、または部分発酵茶)、紅茶(全発酵茶)の全てを作ることができるが、品種の適性によってそれぞれに使い分けられている。
中国では、茶葉に含まれているタンニンの酸化程度によって「緑茶」、「黄茶」、「黒茶」、「青茶」、「白茶」、「紅茶」の6種に分けられている。
思ったほどMorris.好みの内容ではなかったみたいだが、年の始めの1冊目が酒ならぬお茶の本というのは名目上だけでも、穏やかで(^_^;)良いということにしておこう。
お茶とは無関係だが、著者の故郷泉州堺の地名が、摂津、河内、和泉の三国にまたがる国境に発達したからというのは、全く気づかずにいたので面白かった。
千利休、武野紹鴎もこの堺の出身だというのが著者の自慢でもあるらしい。
2009/01/03(土)●三日酔い(^_^;)● |
8時起床。完全に宿酔、いや三日酔いである(>_<)
箱根駅伝の復路をまた見るともなく見る。東洋大と早稲田がしのぎを削ったが、最後は東洋大が初優勝。
宿酔でもおなかが空いたので、残り物のキムチでキムチチヂミ作る。思ったより簡単で結構美味しかった。
午後はライスボール、立命館大学−パナソニック戦を見る。アメフトなんて見るのは年に一度あるかないかだが、今日の試合は立命の守備がすばらしく、めずらしく熱中させてくれた。17-14で残り数秒のところで、パナソニックの最終タッチダウンパス成功かと見えたが立命がインターセプトで試合終了。実力では圧倒的に社会人と言われてただけに、今日の立命は快挙といって良いだろう。
今年の三が日はこうやってほとんど飲んだくれてたことになるが、まだしばらく正月休みは続きそうである(^_^;)
2009/01/02(金)●社長宅新年会● |
7時起床。晴れたり降ったりのちょっと変な天気である。
朝風呂つかい、見るともなく箱根駅伝見る。史上最高の20人抜きなんてのもあったが、ゴボウ抜きは前走者の位置取りに大きく左右されるから必ずしも抜いた人数がそのまま実力というわけではないだろうが、それにしても記録を一編に5人も超えるというのはやっぱりすごい。
昼過ぎに部屋を出て社長宅へ。
今年はさりーちゃんが年末から温泉旅行に出かけたので新年会無いかと思ったが、社長もMorris.たちのことを気遣ってくれたらしい。
井山夫妻、堀姉妹、中江君、悦ちゃん母子といったところで、例年よりはこじんまりした感じだったが、Morris.は延々日本酒飲んですっかり出来上がってしまった。
トランプで7並べやった辺りまでは覚えているが、そのあとどうやって帰ったか不明(^_^;)
デジカメ見るとやっちゃんが遅くに友だちと戻ってきた模様。
変な天気 |
社長宅宴会風景 |
ミニミニ鯛焼き |
久々7並べ |
悦ちゃんの息子(弟) |
やっちゃんと友だち |
2009/01/01(木)●ぐっすり元旦● |
夜f10時起床(@_@)
何てこったい。である。昨日八幡神社から部屋に戻ったのが2時前。DEL坊でKBSの歌謡番組見てそのまま寝てしまったらしい。
それにしてもよくまあこんなにも眠れるものであるな(^_^;)
絶対見るつもりでいたサッカー決勝戦も当然見られず(>_<) ガンバが延長戦でレイソルを下したらしい。まあ結果オーライとはいうものの、これは見ておきたかったなあ。
かなりアルコール濃度も高かったようだ(^_^;)
ともかくも新年あけましておめでとうごじゃりますm(__)m
新年恒例のMorris.読書控え2008年度を更新。
予想してたことだが、ここ10年では最低の冊数96冊、はちょっと情ない。多いときは200冊超えてたと思うので、実質半分以下である。
せめて百冊は切らないようにしようと思ったのだがそれもかなわなかった。理由は多岐にわたるが、老眼、韓国旅行前後の体調不良、ミニギター(^_^;)、谷崎潤一郎。谷崎にはまってしばらく他の本は読めなくなった時期があって、半分以上は読書控えにも書かずにしまったからそれを加えれば百冊超えてると思うのだが、これも言い訳に過ぎない。
読書控えではMorris.なりの4段階評価「イチ押し」「おすすめ」「無印」「とほほ」を明記してるが、2008年の「イチ押し」は12冊だった。
【ハルビン・カフェ】打海文三
【禁じられた歌 朝鮮半島音楽百年史】 田月仙(チョンウォルソン)
【暮らしの手帖 300号記念特別号】
【秀句の鑑賞】山口誓子
【コケの謎 ゲッチョ先生、コケを食う】盛口満
【真相はこれだ! 「昭和」8大事件を撃つ】祝康成
【クレーの旅】新藤進
【国境事変 Border Incident】誉田哲也
【街場の中国論】内田樹
【春琴抄】谷崎潤一郎
【細雪】谷崎潤一郎
【写楽 江戸人としての実像】中野三敏
年間で12冊ということは毎月1冊「イチ押し本」に出会えたという計算になる。タイトルで関心ある一冊だけでもMorris.の読書控えをチェックして読んでいただけると嬉しい。
【2008年】 | 12月 | 11月 | 10月 | 9月 | 8月 | 7月 | 6月 | 5月 | 4月 | 3月 | 2月 | 1月 |
【2007年】 | 12月 | 11月 | 10月 | 9月 | 8月 | 7月 | 6月 | 5月 | 4月 | 3月 | 2月 | 1月 |
【2006年】 | 12月 | 11月 | 10月 | 9月 | 8月 | 7月 | 6月 | 5月 | 4月 | 3月 | 2月 | 1月 |
【2005年】 | 12月 | 11月 | 10月 | 9月 | 8月 | 7月 | 6月 | 5月 | 4月 | 3月 | 2月 | 1月 |
【2004年】 | 12月 | 11月 | 10月 | 9月 | 8月 | 7月 | 6月 | 5月 | 4月 | 3月 | 2月 | 1月 |
【2003年】 | 12月 | 11月 | 10月 | 9月 | 8月 | 7月 | 6月 | 5月 | 4月 | 3月 | 2月 | 1月 |
【2002年】 | 12月 | 11月 | 10月 | 9月 | 8月 | 7月 | 6月 | 5月 | 4月 | 3月 | 2月 | 1月 |
【2001年】 | 12月 | 11月 | 10月 | 9月 | 8月 | 7月 | 6月 | 5月 | 4月 | 3月 | 2月 | 1月 |
【2000年】 | 12月 | 11月 | 10月 | 9月 | 8月 | 7月 | 6月 | 5月 | 4月 | 3月 | 2月 | 1月 |
【1999年】 | 12月 | 11月 | 10月 | 9月 | 8月 | 7月 | 6月 | 5月 | 4月 | 3月 | 2月 | 1月 |
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