7月カレンダー  
Morris.日乘2002年7月  
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ここは、Morris.の日記です。読書記録、夢のメモ、宴会の報告、友人知人の動向など、気まぐれに書き付けるつもりです。新着/更新ページの告知もここでやります。下線引いてある部分はリンクしているので、クリックすれば、直行できます。 

今月の標語  ひやっとしたあの一瞬が忘れられなくなっちゃった

 

【2002年】 6月 5月 4月  3月     2月     1月   
【2001年】 12月 11月 10月     9月     8月 7月     6月     5月     4月 3月 2月     1月  
【2000年】 12月 11月 10月  9月     8月 7月     6月     5月  4月 3月    2月 1月
【1999年】 12月 11月 10月 9月 8月 7月     6月     5月     4月     3月     2月 1月    
【1998年】 12月 11月


2002/07/31(水)●アリアス故障●    

荻野君と二人、鴨子原で家具などの搬入+梱包引き取り、という、変則的現場。やっぱり暑い。キングサイズのベッドマットが階段を通らず。中庭から吊り上げということになって、これは二人では結構大変だった。
今日の阪神は、先発ムーアが1回に5点も取られて、それで終わり(+_+) おまけにアリアス練習でわき腹いためて2週間以上の欠場というニュースも。金曜日は、アリアスに活を入れに行くつもりだったのに(^_^;)

【ワールドカップの世界地図】大住良之 ★★★☆☆ 著者は80年ごろ「サッカー・マガジン」の編集長を務めた経歴を持つスポーツライターで、いわゆるサッカー畑出身ではない。タイトルと発行時(2002/03/29)からしても、2002日韓ワールドカップをあて込んでの本に違いない。その意味では、時期を逸した読書ということになる。
6月はにわかサッカーファンになりきってたMorris.だが、サッカーの歴史や、戦術などへの知識は、恐ろしいほどに貧弱である。だから、W杯も、ひたすら、贔屓国と選手へのエールに終始していた。
もし、大会前にこの本読んでたら、3割くらい深く楽しめただろうと思う。
230pくらいの新書だが、実に要領よく、ワールドカップの歴史、変遷、戦術、大会方式、伝説的試合とプレー、日本代表の道のり、強豪国の比較などをまとめてある。何より、サッカーファンなら常識であろう、エピソード満載で、知らない事だらけのMorris.は、すごく楽しめた。
ゴールの定義、ゴールポストのサイズ、オフサイドの歴史、なんてことすら、目からうろこだったし、東京12chが70年のメキシコ大会のビデオ放映権を安くで買い入れて、3ヶ月遅れで放映したことで、日本にW杯を知らしめることになったとか、66年の北朝鮮チームの伝説、70年のエルサルバドルとホンジュラスのサッカー戦争、86年マラドーナの神の手ゴール、90年のチリ選手の狂言傷害事件等々、いやいや、興味が尽きない事ばかりである。
サッカー解説でよく出てくる「謎の男」セルジオ越後のことも、本書を読んでやっと納得できた。

1972年に日本リーグに昇格した藤和不動産(後のフジタ工業、ベルマーレ平塚、現在の湘南ベルマーレ)は、その夏にブラジルからセルジオ越後という選手を採用した。64年の東京オリンピックに出場したブラジル・アマチュア代表の代表候補だった経歴の持ち主で、サンパウロの名門コリンンチャンスでプロとして活躍したこともあった。----数年で現役を引退したセルジオは、いったんブラジルに帰ったが、その後再来日し、全国の少年たちにサッカーの楽しさを教える仕事を始めた。十数年間の活動で、セルジオが教えた子どもは五十万人以上に達した。そのなかから無数の日本リーグ選手が生まれ、日本代表選手が生まれた。


うむむ、そういうことだったのか。

【THE インテリ・ショウ】清水ちなみ ★★☆☆ 「おじさん改造講座」「禿頭考」「大エッチ」など、OL委員会というアンケート集団??を率いて、一部で話題を巻き起こしているらしい清水まなみだが、Morris.はどれも読んだことはない。
本書は、彼女と19人の男性との対談集で、毎日新聞社の週刊詩「アミューズ」に99年の2月から4ヶ月ほど連載されたものだ。毎週対談というのも大変だとは思うが、対談相手によって、面白さががくんと違うのが、面白かった(^o^)
対談相手は、椎名誠、夢枕獏、岸田秀、阿久悠、後藤健生、毛利子来、荒木経惟、大岡玲、イアン・アーシー、五味太郎、魚柄仁之助、室伏次郎、イッセー尾形、早坂暁、野田秀樹、向井万起男、ピーター・バラカン、網野善彦、藤田紘一郎。

面白くなかったのは、岸田、毛利、イアン、室伏、向井など多数あり、面白かったのは、荒木、魚柄、ピーターなど少数だったが、一番面白かったのはおしまいの藤田紘一郎との、寄生虫&ウンチ対談だった。

藤田 そもそもウンチっていうのは、私たちを守ってる腸内細菌の死骸ですからね。腸内細菌っていうのは、ビタミンを作ったり、消化を助けたり、免疫力を高めたりする大事なものなんです。ウンチの2/3が、そうした共生菌の死骸なんですね。ですから、出てきたものは「ありがとうございました」って拝まなきゃいけない。
清水 拝まなきゃいけない!
藤田 それをね、薬でにおいを消すなんて、とんでもないですよ。あのにおいは神様が付けてくれたんです。(今度はインドネシアの子供たちが川で遊んでいる写真を取り出して)ここは、ウンチやオシッコがそのまま流れてる川なんですよ。そういう環境の中で過ごしてる子供たちは、お父さんやお母さん、お年寄りをすごく大事にするわけ。でもにおいを排除して暮らしてる日本の若い人は、お父さんのにおいがすごく気になるわけでしょう?

清水 そうだ私、「ウンチしたことがある」って原稿に書いて、「その原稿は載せられない」って、編集長に言われて、連載やめたことあります。だって、書いちゃダメっていうんですもん。
藤田 僕は「朝日新聞」で連載してて、「ウンチは汚くない」っていう原稿を出したんですよ。そしたら、つっかえされてきちゃって。

たしかに、現代日本の、清潔志向の行き過ぎが、さまざまな弊害を生んでいると言うのは正鵠を射ている指摘だと思う。


2002/07/30(火)●八木、代打逆転満塁ホーマー●    

としろう、清水君らとアメ領のピックアップ。荷物が予想より多く、階段3階ということもあって、作業終ったのが6時半。倉庫で降ろしたりして、帰宅は8時過ぎてた。
トラックで、野球聞いてた時には、井川が打たれて0-2でリードされてた。帰ってテレビつけたら、6回裏に八木が代打逆転満塁ホームランを打って、4-2にしていた。一番いいところを見損なった事になる。でも、嬉しい。

先日のフォークソングカバーとオリジナルクイズの解答。(ただし一部自信ないのもあるので、間違いあれば指摘してください。)

1.酒と泪と男と女/BORO→川島英五
2.イメージの詩/浜田省吾→吉田拓郎
3.翼を下さい/川村かおり→赤い鳥
4.たどりついたらいつも雨降り/ザ・モップス→吉田拓郎
5.時代/薬師丸ひろ子→中島みゆき
6.夢の中へ/斎藤由貴→井上揚水
7.いとしのマックス/館ひろし→荒木一郎
8.さらばシベリア鉄道/太田裕美→大滝詠一
9.雨が空から降れば/本田路津子→六文銭
10.外は白い雪の夜/DIAMON☆YUKAI→吉田拓郎
11.SORRY BABY/福山雅治→sion
12.心の旅/吉田栄作→チューリップ
13.時には母のない子のように/ビリー・バンバン→カルメン・マキ


2002/07/29(月)●オール5●    

矢谷君と吹田、門真の現場。
午前中の吹田の現場は、思ったより荷物少なくてあっという間に終了。次の現場に早めに行こうとしたが、不在。昼食は久しぶりに守口の「山南蕎麦」にしようと、店の前まで行ったのだが、パトカーがしつこく駐禁の取り締まりしてるので、泪をのんで諦める。未来と言う店で、あまり美味くないラーメンにしたので、ますます悲しくなった。
午後からの現場は、日本人の旦那と韓国人の奥さんの居酒屋。とても人あたりの良い夫婦で、店を畳んで韓国に行くことを近所の人が惜しんで、しきりに挨拶に来ていた。それはいいのだが、2階の荷物が見積もりより5割くらい多く、途中で、今日の車(ハイエース)には積み切れないことがわかり、溝渕君らにトラックで応援頼んだのだが、ちょうど渋滞に巻き込まれて、1時間以上待つことになってしまった。
結局トラックが来たのが7時ごろで、お客さんにはえらく迷惑かけてしまった。
帰宅は9時過ぎ。
55555 吉美ちゃんからメールで、キムワンソンのニューアルバム買って来たとの連絡。嬉しい(^o^)
Morris.部屋のアクセスカウンターは、先ほど55555をマークした。子供の頃の通知表みたいで、気分がいい(^_^;) ADSLになってからは、接続したまま、ときどき再読み込みすれば、きり番のチェックも簡単にできてしまう。
しかし、これはキリ番というより、ゾロ目だ。Morris.は、54321 を見逃したのがちょっと心残りだ。次は、 56789かな。あまりインパクトはない。昨日の日付になってるのは、まだ今日の日記などの更新をやってなかったため。
島田和夫部屋 のスケジュール更新。


2002/07/28(日)●フォークソング・カヴァークイズ●  

今日は一日部屋に閉じ篭もってた。
今週のSTARdigioは、いまいちだったが、421chでフォークカヴァー曲集というのがあって、エアチェックする気にはならなかったが、これは、ちょっとしたクイズになるのではないかと思いついた。

ラインアップは以下の通り。クイズは、もちろん、答えるのは、オリジナルアーティストで、これは結構おじさん/おばさん度判定クイズになるかも知れない(^_^;)
ちなみにMorris.は正解率80%超えた(^o^)

1.酒と泪と男と女/BORO
2.イメージの詩/浜田省吾
3.翼を下さい/川村かおり
4.たどりついたらいつも雨降り/ザ・モップス
5.時代/薬師丸ひろ子
6.夢の中へ/斎藤由貴
7.いとしのマックス/館ひろし
8.さらばシベリア鉄道/太田裕美
9.雨が空から降れば/本田路津子
10.外は白い雪の夜/DIAMON☆YUKAI
11.SORRY BABY/福山雅治
12.心の旅/吉田栄作
13.時には母のない子のように/ビリー・バンバン


正解は近日発表します(^o^)
阪神は新人藤川を先発に立てたが、あえなく1-3で連敗。巨人は連勝で、ゲーム差8.5だ。
サンボ部屋Botanical Gardenに「悪茄子」 をアップ。

【みみずく偏書記】由良君美 ★★★ Morris.も学生時代と、卒業後のしばらくの間は、現在より海外文学に関心が深かった。もちろんほとんどすべてを翻訳に負っていた。
その頃青土社から出た著者の「椿説泰西浪漫派文学講義」という本のことは、何故か良く覚えている。秀逸なタイトルのせいでもあるが、内容の濃密さに拠ることはいうまでもない。
かれこれ四半世紀前の記憶で心もとないが、澁澤龍彦の著作に比肩するものではないかと評価した。
しかし、彼の得意分野である幻想小説は、ちょっとMorris.の好みと外れていたこともあって、それ以後の著作はあまり読むことなく終ってしまった。そのうち、彼の訃報を聞いた。
昨日中央図書館の文献検索システムで検索して、書庫にある彼の著作を三冊借りて来た。
本書はその一冊で、刊行は83年。さまざまな雑誌、新聞に寄稿した短文の寄せ集めと言う感じだし、20年前という時間差が、思った以上に大きい。結構、癖の強いことも見えてくる。もしかしたら、Morris.とは「縁無き衆生」なのかもしれない。
でも、どこか惹かれるところがある。しばらく彼の著作に付き合ってみよう。
彼の専門外である、日本の作家への言及に、面白さを感じた。
例えば湯浅半月の「十二の石塚」こそが日本の近代詩の嚆矢であると言う指摘や、夢野久作の父杉山茂丸の文学的意味を提示したり、白樺派の異端児、郡虎彦のコスモポリタンぶりへの称揚などは、とても面白い視点だと思う。

【書斎曼荼羅 2】磯田和一 ★★☆☆ 「本と闘う人々」という副題がある。講談社の文庫月刊誌に連載されたものらしく、当然、それ絡みの流行作家が多く取りあげられている。
こういった企画はすでに複数のものがあり、目新しさはないのだが、とりあえず他人の書斎を覗くという野次馬根性を満足させると言う意味では、まあ、楽しめるのだろうが、いまいち物足りなかった。こういう企画は、やはりあっさり写真で紹介するほうが説得力がある。
イラストと文章の両方を負担している磯田氏の能力の限界(どっちも下手ではないんだけど)のため、何となく、息切れしてしまう。
この2巻には、鹿嶋茂、泉麻人、喜国雅彦、内藤陳などMorris.も知っている作家が登場するのだが、全般的に「ヨイショ」が多すぎるのが辛い。


2002/07/27(土)●うり丸サイト●  

9時起床。今日もすでに30度超えてる模様。
洗濯して、昨日の日記打って、昼から三宮図書館→サンパル→阪神理容→つの笛→中央図書館と廻り、JR神戸から帰宅。
パニエの北の伊藤ハム空き地で、夜市が開かれていて、naddismがラムネとバッジの屋台を出していた。慈さんはいなくて奥さんが店番していた。
うり丸さんがサイトを開いたらしい。数日前にホットメールの方にメールで連絡が来てたのだが、このところ、ホットメールのチェックをさぼっていたので、確認が遅れてしまった。
東京の旅行社で3年勤め、現在は同社のIT関連部署で、ウェブサイト作成などを手がけているだけに、Morris.部屋などとはくらべものにならないちゃんとしたサイトになっている。
トップページに直接リンクできないので、掲示板ページのアドレスを引いておく。ここからサイトを覗いてください。
http://plaza.rakuten.co.jp/nikkanv/bbs/

ワールドカップ関連の合成写真(キムジョンイルが赤いTシャツ着てる)などが面白いし、韓国関連の翻訳サイト、検索エンジンなど、便利なサイトの紹介が充実している。
タップダンスの飯島ちゃんも、自サイト立ち上げたらしい。
http://members.goo.ne.jp/home/iijiman
こちらは、日記、掲示板が中心らしいが、どんどん個人HPは増えていくようだ。

今夜の阪神はまるでいいところなしで、0-6で惨敗。
テレビやラジオだけでは、物足りなくなった。近くに住んでいるのだから、甲子園に応援に行こう。ぐずぐずしてると高校野球始まってしまうので、8月2日(金)の対ヤクルト戦を見に行こうかと考えている。

【歌集 日輪】永田紅 ★★☆☆ 作者の名は初めて目にしたが、馬場あき子の解説によると、ともに歌人の両親(河野裕子、永田和宏)の間に生まれ、中学生の頃から一部では注目されていたらしい。本書は彼女の第一歌集で、出版当時はまだ学生(修士二年)とのこと。
1988年から2000年までの作品500首ほどが収められている。
巻頭歌でもある

人はみな馴れぬ齢を生きているユリカモメ飛ぶまるき曇天


にちょっと惹かれるものがあったので借りてきたのだが、一通り読み通した感想は、あまり強烈なものではなかった。
引用歌でもわかるとおり、基本的には口語体だが、一部文語体が混じっている。このこと自体は、作者の趣味だろうし、Morris.も以前歌を作ってたとき、それに似たことをやったので、偉そうなことはいえないが、作品として読むときには、ちょっと不自然に思える。
大学に入ってからの作品よりは、後半にまとめられている初期歌篇(中学、高校の作品)の、ナイーブで修辞のない歌のほうがまだ好ましかった。

赤犬があんまり速く走るからからすのえんどう見るひまもない
白地図の作業に使う一色に忘れな草色 ツンドラ気候
いつからが夏だというのではないのだし私の夏は明日からにしよう(中学)
辞書の背の金文字ねむくなつかしいロンドンデリーの聞こえる夜に
街なかのアワダチソウの空き地から昼の花火を見たような午後
夜よりも昼に多くの夢を見る君をうらやむ蝉鳴かぬ夏(高校)


作者は京都大学で理学か静物学を専攻しているらしく、しきりに実験器具や、試薬、解剖の様子などが歌われている。始めのうちはそれも目新しくてよかったのだが、後半には、だんだん五月蝿く思えてきた。
年頃の女性のことだから、男性への淡い思慕や別れなども、多くテーマになっているのだが、何か作品としては消化不良のようでもある。

夕暮れて淡き輪郭 膜という概念の中に人は生まれき
骨格の内に林を育てきつ 自分を説明する人きらい
輪郭がまた痩せていた 水匂う出町柳に君が立ちいる
歩きつつ考えるとき川沿いに回想録の文体をもつ


これら、やや観念的な歌のいくつかが、Morris.の印象に残った。


2002/07/26(金)●ししゃも騒動●  

昨夜、酒のアテにシシャモを焼いた。J-MALLのバーゲンで買った一舟百円という超安物で、冷凍からもどって時間が経った感じでへなへなしてたし、Morris.の焼きが甘かったような気もする。特にグリルの端の方に置いてあった生焼けの奴を食った途端、やばい味がした。そのとき戻せば良かったのに。それから3分もしないうちに、吐き気がする。同時におなかもゴロゴロ鳴り出し、しばらくは、修羅場が続いた。
3時間くらい、トイレ往復して、正露丸飲んで、やっと治まったが、みなさんも、この時期、食あたりにはご注意ください。

と、いうわけで、今朝は、ちょっとふらふらしながら出勤。奥井さんと長田の米人宅のピックアップ。ビデオ関係者らしく、荷物の大半はビデオテープと、ビデオ機器だらけ。すっかり汗かいてしまった。
吉美ちゃんは、高校時代の同級生と4人で韓国旅行だとか。キムワンソンのニューアルバム「S」があれば買って来るように頼む。それにしても一泊二日で、\58,000というのは、シーズンとは言え高過ぎるような気がする。
阪神ー中日戦。先発川尻はぴりっとしなくて、2点先行されたが、中盤同点から逆転に持ち込み、ふたたび9回表に同点にされ、その裏、関本を一塁において、矢野がヒット+外野のエラーで逆転サヨナラ。これで三日連続のサヨナラ勝ちということになった。


22002/07/25(木)●雨に西施が●

早出して、矢谷君と鈴鹿の現場。名古屋から二人ヘルプに来る。
台風9号の影響か風が強く、名阪の道中では小雨も降った。月ヶ瀬あたりでは、綺麗な虹も見えた。
現場は奥さんがよく整理してくれてたので、作業もスムーズに進み3時半には出発できた。
名阪の道路沿いには合歓の木が多く、そろそろ開花を迎えようとする蕾が色づいていた。Morris.はこの樹の花を見るたびに、印度あたりの風景を思い浮かべるのだが、特に外来植物と言うわけでもないらしい。
久しぶりに、「言海」から引用しておく。大槻文彦の名調子を鑑賞して欲しい。

ねぶのき(名)|合歓木|古名、ネブリノキ、今、又、ネムノキ、略シテネブ、ネム、高サニ、三丈、枝繁茂シ、細小ノ葉、対生ス、さいかちノ葉ニ似テ小シ、晩ニ至レバ、葉、両両相合ヒテ眠ルガ如シ、朝ニ至リテ、復タ開ク、仲夏ニ、枝ノ梢毎ニ、穂ヲナシ花ヲ開ク、形、細糸ヲ聚メタルガ如シ、色、半ハ白ク、半ハ淡紅ニシテ、長サ一寸余、後ニ、莢ヲ結ブ、長サ三四寸、子ハ米粒ノ如シ。

今日の阪神ー巨人。初回にアリアス、濱中の連続タイムリー、平下の2ランで、4-0とリードしたので、今日は楽勝かと思ったが、8回松井の2ラン、9回にヴァルデスがニ死から同点にされてしまった。9回一死満塁で、沖原のサヨナラヒットで、どうにか連勝した。
7回裏には入来の暴投にあの大人しいアリアスが血相変えて迫って行き、両軍選手総出で乱闘状態になった。結局喧嘩両成敗で、両者退場。それほど危険球とも思えなかったが、何でアリアスはあんなに興奮したのだろう。ひょっとして今夜が満月だったのが影響したのか、って、アリアスは狼男か??


2002/07/24(水)●37.7℃ 神戸●

昨夜の「ナースのお仕事4」も、野球のため、録画して後で見たのだが、安達祐美は退職願いだして、引越しのバイト中に、事故に遭遇し、その救護活動の中で、恐怖症を克服して、看護婦に復帰、姑の秋川リサはレシピを残して海外に旅立ってしまうし、なんか最終回みたいだった。これからどういうストーリー展開になるのだろう。ところで、安達祐美は「子役」を脱却するのに躍起らしいが、観月と並ぶと30cmくらい身長差があるように見える。女優としてはこのタッパの無さはかなり大きなハンディになるのだろうな。

昼前に自転車で区役所に行く。暑い。今日は、フェーン現象で、神戸の最高気温は37.7℃を記録(7月としては観測史上最高)したとか。
そのままJR六甲道から大阪に出て、日本橋電器街を冷やかす。中古のノートPCを物色したのだが、Morris.の欲しいサブノート系は品薄で、ちょっと良さそうなのは10万円超える。
近鉄で上本町に出て、天地書房2軒回る。本店の道端の棚に創元社の「全詩集大成 現代日本詩人全集」全十六巻セットで\8,000で出ていた。これはMorris.の蔵書の中でも利用頻度が高いものの一つだが十、十四、十五の三巻を欠いている。そもそもが、あちこちの古本屋で、少しずつ集めてきたもので、欠巻がないかと気にはかけていたものの、この10年近くほとんど見かけなくなったところでの、全巻揃い、一冊あたり\500というのは安い。一瞬どうしようか迷ったが、三冊のために\8,000は出せないと、断念した。
この全集は昭和30年ごろに出されたもので、序巻(藤村、与謝野晶子他)を始め、十五巻まで、各巻に4人から6人の詩人を取り上げ、原則的に刊行された詩集の全てを収めるという画期的全集だった。
戦後の空気のなかで、いわゆる戦争賛美の詩集などは省かれているし、当時現役の詩人の30年以降の詩集は当然見ることはできないが、とにかく、日本の代表詩人70名以上の全詩集を掲載するなんて、ちょっと今では考えられない企画である。
Morris.は、この全集をレファレンスブックみたいに利用してきた。
この日記の読者の中で、有志の方は、ぜひ、上本町ハイハイタウン1Fの古書店までお急ぎください。
上本町から鶴橋まで歩き、ソウル書林、楽人館冷やかして、[福ちゃん」でコムタン食べる。不味くは無かったけど、前回ほどの感激は無かった。ちょっと温かったのと、大根が煮えすぎてたのが敗因だろう。これならユッケジャンにしとくんだった。
鶴橋市場も回ったが、閉まってる店が多かった。チャンジャ買って帰宅。
今日の野球は、先発の藪が2回に腰痛で降板、桧山がフェンス激突で退場、前半0-3で劣勢、と、きつい展開だったが、8回に同点に追いつき、9回二死から浜中のサヨナラホーマーでやっと勝利を掴んだ。

【砂のように眠る】関川夏央 ★★★★ 副題「むかし「戦後」という時代があった」とあり、半ば著者をモデルにした小説と、当時のベストセラーを主題にした評論が6編ずつ交互に並べられている。本書は平成5年(1993)に刊行されたが、Morris.が読んだのは4年後に文庫化されたものである。
いやあ、改めて関川の「力量」を認識した。。何でこれ、今まで読んでなかったんだろう。
韓国/朝鮮ものでも、Morris.の指針となる本を出し、日本漫画史上の金字塔ともなる「漱石の時代」の原作を書き、漫画論でも一家をなし、と、守備範囲の広さと水準の高さには、かねがね敬服していたものの、本書を読んで、すっかり脱帽である。
関川とMorris.は、同じ学年(1949生)である、関心を持つ分野も似ているし、青春時代の過ごし方も共通点が多い。
特に本書のような、編年体の叙述では、ほとんど追体験のように思えてしまう。単に同じ時代に同じ年齢で同じ空気を吸っていたというだけで、あたかも自分の分身が語っているような気持ちにさせられてしまう。そんなところから、逆に関川を過小評価していたのかもしれない。
とりあげられた6冊の時代を映すベストセラーのラインアップは

1.「山びこ学校」無着成恭 昭和26年(1951)
2.「青い山脈」石坂洋次郎 昭和22年(1457)
3.「にあんちゃん」安本末子 昭和33年(1958)
4.「何でも見てやろう」小田実 昭和36年(1961)
5.「二十歳の原点」高野悦子 昭和46年(1971)
6.「私の履歴書」田中角栄
昭和41年(1966)

Morris.は2.と3.しか読んでいないが、6.以外の内容は大体承知している。そのくらい話題になった本ばかりということだろう。
しかし、それぞれの評論は、書評としても秀逸だし、時代批評としても素晴らしい。

現在『何でも見てやろう』という書名は多くのひとびとが記憶していても、実際に読んだものはまれである。いまこそたんねんに読まれ学ばれてしかるべき、1960年代初頭屈指の青春小説、教養小説であり、ナショナリズムとインタナショナリズムの摩擦に関する重要な記録であるのに、現代日本人が自分たちの価値観をかたちづくった戦後時代を検証する努力を怠っているように、やはり誰もがそれをせず、小田実自身もしない。

6編の小説のほうも、それぞれに時代の匂いを色濃く描きだした力作で、評論のつなぎとして当時の雰囲気を醸し出す役割を果たしているが、小説としての出来は言わぬが花かもしれない。

技術の進歩が人間の進歩につながるという楽観こそ、実は戦後最大の誤算だったといえる。貧困は大きく後退し消費生活は著しく豊かになったが、人間の内実はかわらず、社会そのものにも本質的な変化は見られなかった。日本社会は、むかしあったような性格とかたちを温存しつつ全体の生活水準のみ ずりあがり、たとえば、ひとの嫉妬すべき対象がきょうあすの食糧や月ごとの収支から、世襲財産、美貌、血筋など自助努力によっては得がたいものに移っただけだということができる。
誰もが食うに困らず、誰もが意見めいたものを持ちながら自分の存在と仕事の社会的意味を問わずに済み、なにごとに対しても自分の快不快と幸不幸の基準に照らして判断すればこと足りる社会、それが経済成長と消費拡大とを絶対善とした「戦後」時代の到達した高度大衆社会である。無階級にして、ただ嫉妬心の濃淡の差のみが階層をなす、世界史上にもまれなそのような社会は、1970年代なかばには完全に、地域共同体としての「世間」にとってかわったのではないか。
「世間」が消滅しつつあるという不安、刻々と積み上げられる消費物資の豊かさと自分たちの精神の貧しさのアンバランスへの居心地の悪さ、それが1960年代末の青年たちを駆りたて、さらに東西冷戦下の世界には、いわれない貧困と不合理に満ちているという苦い認識が加速剤となって、当時の日本に小規模な価値紊乱期を呼びこんだのだが、この本ではその端境期についての記述を末尾においた。本書で描いたのは1970年代なかばまで、すなわち第一次オイルショックまでである。それ以後についてもおなじ方法で表現したいという希望を、作者はひそかに持っているが、いまだ着手するには至っていない。


後書きの末尾をやや長めに引用したが、関川が、それ以後の時代をとりあげて書いたかどうかは、今のところあまり関心はない。
やはり、本書に描かれた時代こそが、我等フォーティナイナー(1949年生±2,3年)世代のみの人格形成期の記録として価値があるのではないかと言う特権的疑念を押さえきれずにいるからでもある。


2002/07/23(火)●阪神崖っぷち●

[エキセントリック女の夢]年齢不詳の女性が訪れ、神戸を案内する事になる。顔は大人だが声と喋り方はまるで少女、おまけに性格奇矯で、誰かに話し掛けられると異常にハイテンションな受け答えをする。公園の塀の上に登ってオペラのアリアを歌ったり、市場で値切りまくったり、傍若無人。Morris.は気後れして注意できない。ぐったり疲れて帰宅すると、部屋はがらんとしていて、ステレオが未接続のまま置いてある。セットして、スピーカーに結線しようとするが、どうしてもできない。

市川さんらと、北野のスイス人の現場。室内は冷房がんがん効いていて、寒いくらい。ベランダに出たら、寒暖計は37度を示していた。
今日から甲子園で阪神巨人3連戦。井川-桑田の投げ合いになったが、投打ともほぼ互角の戦いのはずが、守りの差がくっきりでてしまった。特に仁志のファインプレーにヒットをアウトにされてしまい、結局2-4で負けてしまった。阪神としては3連勝するしかなかったのに、これでは、いよいよ年貢の納め時なのだろうか?

【黄砂の楽土】佐高信 ★★☆ 副題に「石原莞爾と日本人が見た夢」とある。このところ、満州や石原莞爾に関心が湧いてきたので、借りてきたのだが、これが意外なくらいに面白くない。
30章に分かれているのだが、ほとんどが、石原に関する書物の紹介とそれからの引用ばかりで、著者自身の感想は、ほとんどワンパターンの石原批判だった。
後書きによると、本書は朝日新聞の「一冊の本」の連載30回分をまとめたものだそうで、それならそれで、もっとヴァラエティに富んだ、石原莞爾のアウトラインを掴むことができるようなものなら良かったのに、どうも偏向した選択と、視野の狭い論評が、鼻につくばかりで終ってしまった。
石原も佐高も山形県生まれで、佐高は後書きに「郷里(山形県庄内地方)の英雄的存在である石原莞爾の"伝説"を剥ぐ作業を私は続けてきた。」とある。Morris.としては、まずその"伝説"の方を読みたかったのかもしれない。
一番関心のある、建国大学についても、ほとんどけちょんけちょんである。

たとえば中国において建大卒の経歴は強烈なマイナスとなり、「偽満州国的最高学歴出身者」とか「関東軍の手先」とか罵倒され、職を終われたりした。特に文化大革命の時には、虐待や迫害の口実に使われて、自殺する者まで出たのだった。

「北帰行」が建大の寮歌というのは知らなかった。作詞の宇田博は建大生で、建大を去った後、旅順高校を出て、一高、東大に進みTBSに勤務したが、現在歌われていない歌詞に、建大の名が記されている。

建大、一高、旅高
追われ闇を旅ゆく
汲めども尽きぬ悩みの苦盃
嗟嘆 ほすによしなし


2002/07/22(月) ●ワンソン COME BACK!?●

[爬虫類の夢]勤めている会社が不渡りを出し倒産、どっと押し寄せる債権者の応対に追われて、逃げるように外へ出て、川の流れに沿って歩く。ものすごく魚の多い川で、それも、原始的な魚だらけだ。徐々にトカゲのような爬虫類が増えてくる。大きさは30cm前後だがその形はまるで恐竜そっくりで、なるほど恐竜は爬虫類だ、と当たり前のことに感心する。当たりを見回すと、そこは完全に古代になっていた。

西根、溝渕君と、京都左京区山奥の現場。狭くて急な坂道の途中にあり、かなり厳しいロケーション。午後に矢谷君がヘルプに来る。でも2tトラックはこの坂道に入れない。仕方ないので、1.5tヴァントラックでピストンすることになった。

キムワンソン 宮崎さんの掲示板で、何故かイジヨンやキムワンソンなど、80年代後半から90年始めの女性歌手の話題になって、Morris.が、キムワンソンは、台湾でバラドルやって、韓国に戻って若手グループのプロデュースなどしたが、ぱっとしないなんて書いたら、ききさんから彼女がニューアルバムを出してカムバックするという情報が寄せられた。
あわてて、韓国の新聞サイトを検索したら、スポーツ朝鮮の音楽ページにいくつかの記事が見つかった。

5年ぶりに歌謡界にカムバックするキムワンソン(33)は、10代歌手BOAをライバル視してるとのこと。最近8集アルバム「S」を発表し、全盛期の悩殺的美貌を誇示するキムワンソンは、放送局などでBOAと出会うたびに尋常でない視線を投げかけている。
86年1月に「オヌルバム-今夜」でデビューしたキムワンソンは、86年11月誕生の、BOAとは17歳の年齢差がある。キムワンソンは「16歳で歌手活動を始めたので、BOAを見ると感慨新たなものを感じる」そうで、BOAと一緒に舞台に立ちたいとも。
自分が生まれる前にデビューした大先輩キムワンソンに対するBOAはどう思ってるのだろう? BOAは「ピエロの泣き笑い(キムワンソンのヒット曲)をよく歌ってる」そうで「まるで新人歌手みたいに思った」との感想。


ニューアルバムのタイトル曲「S」は、サイケデリックトランステクノナンバーで、夢幻的雰囲気のステージを演出するとか。ボーナストラックとに、「ピエロ」「仮面舞踏会」などのリメイクも納められているとのことで、これは絶対見逃せない。しばらく、彼女の動向から目が離せない。   


2002/07/21(日)●HAPPY BIRTHDAY!!●

BIRTHDAY CAKE [1000万円の夢]何か不正な手段で、金が手にはいる。一人当たり1000万円くらいになるらしい。その金は広辞苑として製本されている。今日中にこれを銀行に入金すれば自分のものにできる。今日は祝日なので銀行が開いてない。何とか銀行職員の家を探してむりやり入金する。社長の金は長い絨毯になっていたので、一人では持てない。社長は池田銀行でないと駄目だと言い張るので、一緒に運ぶ。何とか入金できたので、これでしばらく楽して暮らせると思ったところで目がさめた。残念。

昼間灘図書館に行き、午後3時から、社長宅で、堀昌美さんの誕生宴会。
秋本一家、堀姉、伊藤君、えっちゃんというメンバー。上げ膳据え膳で、ずるずると飲みつづける。6時からTVで野球中継見るも、7時半からは子供達が「ワンピース」(アニメ)見るというので中断。Morris.は、ラジオで観戦。
阪神0-3で負けてる途中で、帰宅し、続きを見る。9回に同点に追いつき、結局12回までやったところで、引分となった。うーん、負けるよりはいいけど、やや不満が残る。


2002/07/20(土)●4点もリードしてたのに(+_+)●

[韓国のどじまんの夢]ソウルヨイドのKBSホールで開かれてるのどじまんの公開録画。Morris.も出場者のひとりで、他はたいてい韓国人。ゲスト歌手に何と美空ひばりが来ていた。日本人のよしみで、いろいろ話してTシャツにサインももらう。彼女の出番では、通訳代わりに「彼女は日本のイミジャです」と紹介したりした。Morris.の出番は一番最後で、トイレに行ってて遅れてしまい、あわてて舞台に飛び出した。カラオケの字幕みたいなのが出ている。Morris.が歌うはずの曲とは違うのだが、あわてているので、それを歌う。聞いたことはあるのだが、おぼつかないまま、歌いつづけ、おしまいのところになってやっと、イパクサ自作の「人生は60から」ということがわかった。

10時起床。今日は「海の日」で、国民の祝日らしいが、ぴんと来ない。関西、中国、四国、東海、関東地方に梅雨明け宣言が出されたらしい。今日は土用の丑の日でもあるとか。
昨日の残りのタイカレーをしつこく食べる。うまい、からい、熱い(^o^)
今夜はせっかくの丑の日だから、ひまつぶしに、ひつまぶしでも作ろうかと思ったのだが、ぐずぐず部屋にいて、午後は[北の国から '84夏」の再放送なんてのを見たりしているうちに、結局一歩も部屋から出ずじまいで、買い物に行きそびれてしまった。
ドラマ「北の国から」は、だいたいリアルタイムで見ている。世評の高さにつられて見ているのか、よくわからない。中嶋朋子の生長ぶりを見るのが楽しみといえなくもないが、8年ぶりに見直してみると、どうにもかったるい。
だいたい、倉本作品は「あざとさ」が特徴で、そこが一般受けしてるのだろうと、Morris.は思っている。ぶつぶつ言いながら、結局最後まで見てしまったのだから、どこか惹かれる部分があるのだろう。

イパクサ部屋の韓国版CDページにアルバム「WINTER TECH-PON」の紹介 をアップ。ラストナンバー「イパクサの合いの手&アドリブ講座」の音源をMP3で添付しておく。これは約4分もあるので、ファイルサイズも4.5MBという、とんでもないデカさなので、ダイアル接続の方は無視してくださいm(__)m

今夜の阪神は、昨日の対象の余勢をかって、先制された2点をあっという間にひっくり返し、4点差までリードしたのに、6回にまさかの6点でひっくり返され、6-9で負けてしまった。今日の試合を見にわざわざ横浜スタジアムまで出かけている奈緒ちゃんは、さぞがっくし、だろう。横浜では花火大会もあっていて、球場からも見物できるようになっている。高い花火見物になったのではなかろうか。

【玩具草子 おもちゃぞうし】長野まゆみ ★★★
彼女の名前は図書館でよく見かけるので、前から気にはなっていた。どこの図書館に行っても多数がそろっていて、それぞれがちょっと洒落た装丁の薄手なものが多く、タイトルもレトロだったり、幻想的だったり、挿絵入りの作品も多い。
なぜか、Morris.はそれらを読むのがためらわれたまま、今日まで、一冊も読まずにいた。
本書は、表紙にあしらわれた、古びた配色の犬と時計の明治時代のプリント布地に気を惹かれ、中にも多数のそれらの図版が載せられているのにつられて借りて来た。
玩具といっても、やや時代がかりの、昔の少女御用達のこまごましたものたちをテーマにしたコラムが中心である。万華鏡、世界こけし、雛人形、金魚玉、木の葉石、裁縫箱、釦、千代紙、セロファン紙 etc.
選ばれた小物も、文体もやけに和風だと思ったら、本書の原型は、95年ごろ、生花小笠原流の雑誌「挿花」に連載されたもので、それにいくらかの書下ろしを加えたものらしい。
文章自体は、Morris.が敬遠していたのは正解だったと思えるタイプのものだったが、下手ではない。いや、語彙は豊富だし、主題に即した雰囲気を醸し出す手際はなかなかのもの。

凍解の水も温み、桃や蘇枋の咲き初めるそんな季節が、寒がりの私にはことのほかうれしく、毎年、桃の節句の訪れを心待ちにしている。一年に一度だけお目見えする雛は、いまだに昔のままの心を薫らせ、清々とした姿を保っている。記憶にない初節句のころから、はや幾十年。粗忽な私が、よく毀さずに持ちこたえたものだ。そのあいだに、行事の習いもうすれた。菱餅を買い求めることすらむずかしく、しばらく供えていない。鯛や、狗、赤子をあしらった金米糖も、手にはいる舗は消えてしまった。(雛祭 )

「凍解-いてどけ」などという、風雅な単語から始まり、「蘇枋」「毀す」「舗」などの漢字の使い方なども、計算されたものなのだろうが、何故かMorris.の苦手とするところだ。まあ、相性がわるいんだろうな。
たっぷり、紹介されている、明治の子供向けプリント地の意匠は、どれもこれも素敵にのびやかで、お茶目で、楽しいものばかり。これだけで充分本書を読んだ甲斐はあるというもの。もちろん点数の★の大部分はこれらに負っている。 


2002/07/19(金)●鬱憤晴らし●

red curry 矢谷君ら6人で、吹田の現場。引き取った荷物をトランクルームに搬入するため時間を切られたのであわただしい作業となった。
阪神は、今日から横浜スタジアムで3連戦。今日は昨日、一昨日の屈辱を晴らすような攻めで、9-1の快勝。
祝いを兼ねて??タイカレー(レッドカレー)作る。HOT(辛さ)をもってHOT(暑さ)を制するという心積もりだったが、やっぱり辛ぇーっ(*_*)

【レヴォリューションNo.3】金城一紀 ★★☆☆
「GO」が面白かったので、さっそく借りてきたのだが、そうそう柳の下に泥鰌がいるとは限らないらしく、ちょっと期待はずれだった。
表題作と「ラン、ボーイズ、ラン」「異教徒たちの踊り」の3篇が収められている。登場人物も舞台もほぼ同じで、連作ということになるだろう。
落ちこぼれ高校の悪ガキ集団(ザ・ゾンビーズ)が、お嬢様女子高の文化祭突入作戦に全力を傾けたり、病死した友人の墓参のためバイトして沖縄に行こうとしたり、ストーカーに襲われる女子大生のボディーガードをしたりという、あまりぱっとしない目的のために青春の有り余るエネルギーを浪費する物語である。
主人公のほかに、滅法喧嘩の強い在日朝鮮人、フィリピン混血の色男、厄病神みたいに引きの弱い男、哲学者じみた男など、けっこうあくの強い登場人物が多くて、それぞれをもうちょっと活躍させたら面白くなりそうなのに、どれも中途半端に終ってしまっている。


2002/07/18(木)●涙雨●

昨夜は深夜に帰り、風呂に入って、しばらく一杯やりながら、夜更かしした。
朝8時に事務所からの電話で起こされる。どうして出勤しないのか?という内容。??? 今日は休みのはずなのに。
昨夜、急に予定が変わって連絡が行ってるはずなのに、とのこと。携帯にも、PCにもメールは来ていない。もしや、と思ったのが、留守電で、そういえば昨夜帰宅したとき、メッセージランプが点いてたので、内容を聞こうとボタンを押したのだが、何も録音されてなかったので、消去したのだが、もしかしたら留守電がちゃんと機能してなかったのかもしれない。
ともかくも、今日は、そのまま仕事パス。
しばらくベッドでごろごろして10時過ぎに起き出して、録画しておいた「ナースのお仕事4」を見る。まだ、しつこく安達祐美の辛気臭い話が続いている。これなら、能天気のかんだうのの方がまだましだった。ところで「能天気」のこと、Morris.はずーーーっと「脳天気」だと思い込んでた。正しくは「能天気」または「能転気」と書くらしい。
「手をこまねく」「目をしばたく」なんてのを見るたびに激昂してたMorris.なのだが、これでは、その資格はなさそうだなあ。
午後から自転車で、灘区役所へ。ちょっと相談ごとなどがあったのだが、帰宅したら、住宅復興関係の封書がきていて、手続きに住民票などが必要とあった。すれ違いで、また区役所へ行かなければならなくなった。
今日の阪神、川尻が金本に本塁打浴びて1点、リリーフの高中がタイムリー打たれて2点とられ、大雨の中、エラーがらみで追加点取られて結局0-5でと突き放され、アリアスの久々の一発も焼け石に水で、9回にはボークで1点献上するなど、ばたばたとした試合振りで終ってみれば1-6の完敗。ああ。

【蕭々館日録】久世光彦 ★★★☆☆ 大正から昭和に移る時期、小島政二郎(蕭々)の館に集まる文士、編集者たちの言動を、小島の5歳の娘麗子が描写するという形式で綴られている。
主人公は九鬼(芥川龍之介)と麗子の二人といってもいいだろう。大人と子供という関係を飛び越えた二人の交感が重要なテーマになっている。
登場する文士は、菊池寛、川端康成、岡本かのこ、横光利一広津和郎、泉鏡花、などだが、登場人物たちが、他の文士の噂話で持ち切りだし、漱石、鷗外、一葉、露伴などの名作の引用が多くて、最近流行りの日本語の名文見本帳のようにも見えてくる。
身心ともに病み疲れながらも、蕭々館を訪れるたびに、皆の注目を集め、不在の時も皆の関心を壟断する芥川の存在の大きさ、麗子の印象批評などから、一種の芥川論ともいえるだろう。
そして、著者が一番描きたかったのは、大正時代の文化の空気といったものだろう。
好きな、歌謡曲や、詩歌をネタにした一連のエッセイを発表していることの続きで、好きな小説の棚卸を試みたともいえるだろう。ともかくも、本書は久世作品の最高峰になるのではないか、と思わせるくらいリキが入っている。
ただ、Morris.は彼の文体に、生理的反発を感じるもので、評点は厳しくなってしまう。
蒲池(菊池寛)が、芥川と谷崎の論争に関して吐くせりふ

「作家というものは、いつも嫉妬しているのです。むろん、褒めもすれば尊敬もする。けれど正直な話、九割は誰かに嫉妬しているのです。相手が[麒麟]と書けば、こっちは[獏]と書きたくなる。けれどそれでは面子がたたないから、我慢する。我慢も過ぎれば体に悪い。だから理知派で通る九鬼でさえ、ちっとは絡んでみたくもなるのです。それなら九鬼だけが嫉妬していて、谷崎さんの方はどうかというと、彼は彼で、もしかしたら九鬼の倍ほど九鬼に嫉妬しているのです。たとえば谷崎さんには、九鬼の、あの典雅な書院造りのような文章は書けない。竹林を走って過ぎた時雨の後の、竹の葉に差す薄い日の光にホッと息を漏らすこともできない。谷崎さんは心乱れ、みだれたままに『神と人との間』を書き、九鬼の冷たい横顔を思い浮かべながら『痴人の愛』を書く。もし谷崎さんがいなかったら「或日の」九鬼はいなかっただろうし、九鬼が現れなかったら、今日の谷崎さんは[筋のない小説]を書いていたかもしれません」

という部分などは、小説の中ならではの、小説論である。

【日本の町】丸谷才一、山崎正和 ★★★☆☆
昭和55年(1980)から62年にわたり、数種の雑誌に掲載された、二人の対談8篇を集めたものである。
とりあげられた町と副題は
・金沢---江戸よりも江戸的な
・小樽---「近代的]への郷愁
・宇和島---海のエネルギー
・長崎---エトランジェの坂道
・西宮 芦屋---女たちがつくった町
・弘前---東北的なるもの
・松江---出雲論
・東京---富士の見える町

この中でMorris.が一度でも足を運んだことのないのは弘前だけである。しかし、ちゃんと知ってる町といえば、西宮、芦屋くらいだろう。長崎は、出生地の隣県だったから、10回以上は行ってるが、ほとんどが日帰りだったし、修学旅行コースを回って、チャンポン食って帰るというていたらく。
東京も、10年近く行ってない。小樽と来たら30年ほど前、仕事がらみで札幌に1週間行ったときに半日見物した。その他の町は、仕事で、行ったことがある、というだけだ。
つまり、Morris.は、旅行するタイプではない。最近10年くらいの間に、韓国には20回近く往来したので、Morris.は旅行好きと思われたりしてるらしいが、韓国は例外みたいなものだ。
でも、旅行記を読むのは嫌いではない。本書はユニークな視点から各町を論じているし、小説家と劇作家だけに、筋を心得ていて、うまいものである。
25年近く前の対談だから、現状とはかなり違うと思われる町もあって、小樽の衰退を嘆き、いかにしてこの町が復興するべきかなどと議論しているが、秋本君の話によると、今や小樽は完全に観光地として生まれ変わっているという。そう聞くと、これまた喜ぶべきか、悲しむべきか迷ってしまう。
歴史的故事や、その町出身の作家や学者などの薀蓄もどんどん出てくるし、いい意味での「ヨイショ」もあり、ヨタ話もそこそこ混じってるが、全体的には真面目である。
陣内秀信「東京の空間人類学」という本からの引用だが「江戸の中心は江戸城であると考えるのは間違いであって、むしろ富士山をランドマークにして偏心的にできている町」という捉えかたは面白い。

山崎 長崎に対する幕府の態度は、ちょうど幕府が、いわゆる吉原、その他の悪所に対してとった態度と非常によく似ている。というのは、まず大門を作って外と隔離します。そのかわり、その中は厳しく取り締まるどころか、外にはない自由を与えて、まあ文化の華の咲くような町にする。---
丸谷 九州のほかの町の貧しい律儀な人たちから見ると、あの世界は、羨ましいというより、何か非常に異様な感じのする町だったでしょうね。何ていうのか---一種の軽蔑の対象だったんだろうなあ」
山崎 完全な非日常の世界ですね。
丸谷 そうみてくると、なるほど、悪所理論というのもうまくいく。(笑)


こういった調子である。


2002/07/17(水)●阪神もったいない●

[国際テニス大会の夢]大きな体育館か文化会館みたいなところで、国際的なテニス大会が催される。Morris.は取材記者として、会場に入ることが出来たが、国別の一般入場者はすごい混雑振り。4面もある室内コートでは試合が始まってるのだが、雰囲気は高校総体なみ。中継席で解説者が大きな白黒写真をひろげているが、それは、Morris.とイパクサが大写しになっているものだった。この解説者は芸能プロに属していてパクサのプロモーションやってるらしい。いろいろ話しに花が咲く。

部屋を出るときには曇りだったが、バスを降りたら突然の豪雨。倉庫にたどり着くまでにグショ濡れになってしまった。
としろう、市川さんと奈良西大寺の現場に保管荷物の搬入。新築でまだ内装工事が終ってない状態だった。
近くに八幡神社があり、本堂は室町時代の重文とあったので、ちょっと覗いて見る。屋根は桧皮葺で、こじんまりとしたいい建物だった。
仕事の後、三宮図書館、ジュンク堂冷やかして、JR三宮駅高架下東の「十番」で焼肉丼食べる。いつのまにか敷地が2倍になってる。元町にも支店が出来てるし、よく流行ってるらしい。ここはどんぶり自体はそこそこ(ちょっと甘い)だが、キムチは食べ放題だし、\50のスープが美味かった。ワカメスープや玉子スープは\300くらいするのに、破格の値段で、Morris.はこのスープ目当てに何回か行ったものだ。ところが今日のスープにはがっかりだった。
9時半ごろ北野坂「音屋」に行く。ヒアカム六甲ユニットのライブ。堀姉妹、奈緒ちゃんが先に来ていた。単独のライブで無く、3バンドもあり、ラストの六甲ユニットが始まったのが10時近かった。おなじみの曲ばかりで、バンドとして安定してきたと思うが、PAのバランスが悪く聴きづらかった。今夜は更に予定外の東京から来たダンスバンドが控えていて、これがまた、ボーカルが何を言ってるか全く聞き取れない。ただうるさいだけだったので、途中で帰る。といっても、帰宅したら午前零時近かった。
今日の阪神は、先発井川が8回まで1点に押さえて、その裏アリアス、桧山のタイムリーで2-1と逆転、9回ヴァルデスで、絵に描いたような勝ち方ができるものと思ったのに、まさかの2点を取られ、9回代打八木のゲッツーで試合終了。勝てる試合だっただけに惜しみても余りある敗戦だった。この試合落としたのは、イタイ(+_+)

【ぼくのスミレちゃん】今江祥智・文 宇野亜喜良・絵 ★★☆☆ 今江祥智は、現代児童文学では大御所といえるだろう。幼年童話から、少年小説、自伝的小説「ぼんぼん」、歴史小説など、多数の佳作を生み出し、Morris.も一時は、かなり入れ込んだのだが、理論社から全集が出たあたりから、あまり読まなく(読めなく)なった。
本書は、老夫婦の回顧譚で、若い日馬に乗って、プロポーズした少年が、少女と結婚し、馬がいなくなり、その馬を少女が幻想の中で育てていく。そういった、過去と現在が交錯していくなかで、二人の愛が物語られ、描かれている「大人の絵本」である。
少年、少女、馬、絵本ときたら、今江の初期の傑作絵本「あのこ」を思い出さずにはいられない。やはり、今江-宇野のコンビで、Morris.は日本の絵本のベスト10に入る一つだと思っている。これは数回にわたり再発行されたが、Morris.は一番最初のものを持っていて、愛読していたが、いつか友だちの娘にあげてしまったらしく、手元にはない。
しかし目をつぶるとイラストがくっきり浮かんでくるくらい印象に残っている。
あれから数十年を経て、本書を見ると、懐かしさを感じながらも、これは出版しないでおいて欲しかった、という感が強い。宇野亜喜良の絵は、相変わらず素晴らしいし、デザイン的処理も見事だし、少年、少女、馬の美を表現しおおせている。今江の物語も悪い出来ではない。それでも、Morris.は「あのこ」のイメージを、ちょっとだけ壊されたような気がして、切なくなってしまったよ。
今江が1932年生まれ、宇野が1934年だから、そろそろ還暦ということで、老境にさしかかっていることから、こんな作品ができあがったのかもしれないが、爺婆になった少年少女の姿はあまり見たくない。これも、やはり老い始めたMorris.の無駄な抵抗なのだろうか?


2002/07/16(火)●ひさびさ能斗也●

能斗也 [打楽器コンクールの夢]Morris.はとんでもないリズム音痴なのに抜擢されて古代の打楽器の競技会に出場する事になった。現場に行ったら、打楽器から、作文コンクールに変更になる。応募者の作文を次々に読まされるうちに自分が何を書くのかわからなくなってしまうが、実はMorris.は参加者ではなく選考者になっていた。

結局台風7号も、紀伊半島をかすめる形で通り過ぎてしまった。朝起きたらすでに雨は止んでたし、一部に青空さえのぞく天気。
朝、六甲アイランドに小さな荷物引取りに行った後は今日は一日奥井さんと倉庫作業。骨董ともがらくたともつかない引き取り荷物を梱包してヴァン詰するという、Morris.苦手の作業では汗をかいた。とにかく暑い。
今日一日で早くも日焼けしてしまった。
夜部屋で風呂に入り、ナイター見てるところに斉藤さん一家がやってきた。本当に久しぶりだ。能斗也は、前と比べるとすっかりスマートになっていた。先日ウイルス性の風邪にかかっていたらしい。
斎藤造園は、それなりに忙しいものの、不景気の影響でなかなか儲からないとか。

阪神は先発の藪が粘りのピッチングで広島を抑え、アリアスのタイムリーなどで3-0で快勝。後半戦緒戦を幸先良く白星で飾った。
[ナースのお仕事」は、ビデオに録画して、また後で見ることにした。

【余生】北野武 ★★★ ビートたけしは、結構著書も多い。エッセイ、小説、タレント本から詩集まで出している。本書は渋谷陽一のインタヴューをまとめたもので、[死」「愛」「笑い」「テレビ」「映画]の5つのテーマについて北野武が述懐しているわけだが、それぞれに違う撮影者のモノクロ写真が付してあり、これがなかなか渋い。
Morris.はビートたけしのファンではないが、すごい存在だとは思う。
例のフライデー事件の女性(少女というべきか)のことも、実にストレートに話しているし、後輩である明石家さんまへのコメントも単純明快にして、凄みがある。

さんまを見てると、その当時の流れは--今もそうなんだろうけど--こういう人のほうがいいんだろうなって思うよね。創造性はほとんどないと思うんだけど、昔ながらの演者としては最高じゃねえかなあ。与えられたものをどうやってこなすかっていうのは、ほんとうまい。職人さんだよね。俺は設計図描くほうは得意だったけど、職人にはなれなかったなあ。さんまとおんなじ土俵で勝負はできないなあって。ももとその素質もねえし。


2002/07/15(月)●台風接近●

[覚醒剤の夢]東南アジアのどこかに滞在している。はバックパッカーの巣みたいな安宿で、一部屋に5,6人いっしょになっていて、その内の一人から2本のL字型金属の角材を預けられる。実はこれが覚醒剤なのだそうで、つまりMorris.は運び屋にされてしまったらしい。空港でこれを丸めてポケットに入れるが重いし、金属探知機にひっかかりそうで不安になる。それでカバンに詰め換えて受付カウンターに預ける。
としろうと二人、午前は、西宮アメリカ人の航空便引取り、午後は大阪東成区からサンフランシスコ行き荷物の引き取り。朝から、豪雨になったり、晴れたりの繰返しで、これも台風7号の影響らしい。
夜、社長から誘われて、お好み焼きたけうちへ。社長一家と堀姉妹がいた。10時からの葬儀、斎場で荼毘にふして、5時過ぎまでかかったとのことで、やっぱり葬式って大変だなと思った。
社長は、葬式疲れもあってか、デスコン(Deth Consciouness)になってるようで、Morris.が死んだら、自分が喪主になるから死後の措置をどうして欲しいちゃんと文書化して作っておくようにとのご託宣。ありがたいような、困ったようなで、ちょっと戸惑ってしまった。
台風7号は、明朝近畿を直撃か?とのことだったが、現時点では宮崎の沖にあって、結局紀伊半島に向かっているらしい。


2002/07/14(日)●お通夜●

9時半起床。なんか、結構昨日は良く飲んだみたいだ。ちょっと宿酔。
4時半六甲道駅で、えっちゃん、堀姉妹と待ち合わせで、社長のお父さんの通夜へ。ちょっと早めに来て受け付けなど手伝うようにとの支持だったのに、JR鷹取での信号機故障のためダイヤが大幅に乱れてやきもきしたが30分くらい遅れて到着。
澤村夫妻、大谷一家くらいしか顔見知りはいなくて、バンドからは松尾のりひこ君が来た。明日の葬儀は、みっちゃんが受け付けなどで手伝ってくれるとのこと。
元来Morris.は、こういった席は苦手だが、思ったよりもお経も短くて、あっという間に終わった感じ。あまり故人とは面識なかった(二度ほど顔を合わせたくらい)で、遺影と化粧された死に顔を見て、やっぱり血は争えないと思ったくらいだ。
式が終わってから、通夜らしく、くつろいで、よもやま話ということになったのだが、そんなわけで、ほとんど大谷夫婦と、近況話すくらい。ここでもついつい缶ビールいっぱい飲む。
8時過ぎに失礼して、4人で、六甲道に戻り、東亜食堂で軽く麺類など食べて帰る。
矢谷智克部屋歌矢日記 に、3月から最新分を更新。

【三屋清左衛門残日録】藤沢周平 ★★★
52歳で息子又四郎に家督を譲った主人公が、悠悠自適どころか、次々に持ち込まれる相談事や、御家騒動に巻き込まれながらも、時には年を感じ、時にはまだまだ捨てたものでないと思ったりしながら、生きていくさまが、著者一流の筆裁きで綴られている。
舞台は庄内藩をモデルにした東北の藩で、先日読んだ「用心棒日月抄」も同じ藩を舞台としているようだ。
主人公は3年前に妻を亡くした男やもめだが、息子とよく出来た嫁の世話を受ける身分、しかし時々は妻が生きていればと、嘆息したりする。また嫁がせた娘の夫が浮気してるのではないかと心配したり、昔の過ちを後悔したり、財産目当ての縁談をつぶして逆恨みされたり、待合のおかみの力になって、つい一度の関係を持ったり、中風になった友だちを見舞って暗澹とした気分になったり、およそ、現代の人間にも起こりそうな事件ばかりである。
前にも書いたが、藤沢作品は、サラリーマン層に広く受けいられたらしいのも、本書を読むと納得できる。著者自身がそれを意識した部分すらあるような気もする。
しかし、彼の作り出す主人公は、スーパーヒーローではないものの、一本筋の通った気持ちの良さがある。血も涙もある等身大のヒーローということになろうか。
ヒューマニズムと言い切っていいのかどうか、ちょっとためらいはあるものの、そういった部分が、大衆が安心して愛読できたということか。Morris.のように、ややひねくれた読者には、そのまっすぐさが、まぶしいというか、物足りなくも感じられる。
中風になった友人が、壁にすがって歩く練習を始めたのをみての主人公の感想に、藤沢ヒューマニズムの一端をうかがうことができる。

人間はそうあるべきなのだろう。衰えて死がおとずれるそのときは、おのれをそれまで生かしたすべてのものに感謝をささげて生を終ればよい。しかしいよいよ死ぬるそのときまでは、人間はあたえられた命をいとおしみ、力を尽して行き抜かねばならぬ、そのことを平八に教えてもらったと清左衛門は思っていた。


2002/07/13(土)●訃報●

10時起床。
昼過ぎに伊藤君来て、月末にワカワカで開くライブのチラシ作りを手伝う。写真の処理に手間取り2時間ほどかかってしまった。
今年初めて冷房入れる。
春待ち社長のお父さんが今朝亡くなったとのこと。癌で、入院してたから、覚悟はしていたらしい。あす通夜で、月曜告別式とか。
夜は、「水軍」で、堀姉妹、伊藤君と飲む。仕事で世話になってるゆうさんが、奥さんとその友だちと一緒に来ていた。珍しいところで会うものだと驚いたが、奥さんがこの店のファンらしい。


2002/07/12(金) ●虎が目立ったオールスターゲーム●

奥井さんらと通関作業。久しぶりの屋外作業で、暑いわ、身体の節々が痛むわで、一日で消耗してしまった。
今夜はプロ野球オールスター戦。今年は、阪神から多数選ばれてるし、先発井川を応援しなくては、とちょっとリキ入れて見る。井川は3回に1点取られたもののまずまずの好投。結果は4-1でセリーグが勝ったのだが、何と、アリアス、片岡が本塁打をうち、アリアスがMVPに輝いてしまった。このところ1ヶ月近く公式戦で本塁打無しのアリアスだけに、嬉しいびっくり。この調子で、後半戦打ちまくってほしい。 ちなみに勝ち投手はムーアだった。

【超ビートルズ入門】中山康樹 ★★★☆☆ 今さらビートルズ本でもあるまいと思いながら、ちょっと面白そうなので読んでみたら、予想以上に面白かった。
Morris.は、そのまんま「ビートルズ世代」に属するのだが、元来天邪鬼でもあったから、当時は、Rolling Stonesに入れ込んでいた。でも、友人の一木良治が、ビートルズに狂ってて、全てのシングル、LPを買いまくったので、お相伴に与ったMorris.も日本での発売と同時に、ほとんど全てを聴いたことになる。
一木がジョンのファンだったので、Morris.もジョンが一番好きになった。Morris.は、ビートルズに関しては、一木というフィルターを通して見続けてきたようだ。
本書は、ビートルズの現役時代を知らない今の若者に、ビートルズの「正しい聴き方」を指南するという体裁を取っている。14枚のビートルズのアルバムを、聴くべき順番に並べて、聴き所のポイントや、ウラ話などを書いている。
その前に「予習編」として思い切り独断的なビートルズ論を繰り広げていて、その我田引水ぶりが際立っているのだが、結構Morris.が共感できる部分が多かったし、よくぞ、ここまで言ってくれたと拍手したいところさえあった。
ランダムに挙げてみる。

・ジョン・レノンを骨抜き状態にしたのはオノヨーコである
・ラブミードゥは、駄作である
・初期の2枚「プリーズ・プリーズ・ミー」と「ウィズ・ザ・ビートルズ」はライブアルバムである。
・ジョンの最高傑作は「ア・ハード・デイズ・ナイト」である
・ソロ時代のジョンはビートルズ時代を超えていない、つまるところジョンは早熟の天才だった
・ポールの頂点は「アビーロード」
・リンゴのドラムはへたではない、ビートルズサウンドには不可欠である
・「レイン」をきけばリンゴのすごさがわかる
・初心者は「アンソロジー」を聴いてはいけない。これはドキュメントであるから、オリジナルアルバムを聞き込んだ者のみが聴く権利を有する
・「ヘルプ」たんなる名曲集。だからすごい。リンゴの歌は飛ばせ
・ビートルズの[核」を形成する音楽は1.リズム&ブルース、2.ロックンロール、3.ブリル・ビルディング系アメリカン・ポップス(1950年代NYタイムズ/スクエアにあったビルの音楽事務所で、キャロル・キング、ニール・セダカ、バリー・マン、フィル・スペクターなどが、どんどんヒット曲を量産していた)
・「ア・ハード・デイズ・ナイト」は10曲目「今日の誓い」をスキップして聞くべし
・「レット・イット・ビー」はビートルズがフィル・スペクターに、投げ出したアルバム
・「サージャント・ペパーズ」はテーマ・パークである
・100%の完成度を誇る「サージャント・ペパーズ」、100%の崩壊感を描く「ホワイト・アルバム」
・「ホワイト・アルバム」は「アビー・ロード」のために存在する


特に、ジョンとヨーコの関係においては、著者の言うとおり、ヨーコは夾雑物以外の何物でも無かったということは、明白だろう。このところ、何かというとジョンの代理人として表に出てくる小野ヨーコを見るたびにその感を強くする。
マスコミも、彼女に変に及び腰になってて、いかにも「愛と平和」の伝道者というとりあげ方をするが、それと、ジョンの音楽とは、無関係だろう。
本来なら、こんな風に、あるアーチストの作品を、どういう風に聴けなんて物言いは、余計なお世話のはずなのだが、本書からは、そんなおせっかい感を受けなかった。
ビートルズが自分には必要なものだ、と言いながら、神聖視せず、生身で対象に体当たりしているからだろうか。
本書の著者が 「スイングジャーナル青春録 大阪編」 の著者と同一人とは、読み終えるまで気付かなかった。めっちゃ面白かった大阪編の続編(東京編?)を、早く読みたいぞ。


2002/07/11(木) ●寺荒らし●

昨夜のニュースで、加古川の鶴林寺に泥棒が入り、重文の絵巻物7巻が盗まれたことを知った。鶴林寺は、聖観音像の名品があり、何度か訊ねたことがある。とりあえず盗まれたのが観音像でなくてほっとしたのだが、絵巻物だって、重文だし、とんでもない仕業だと思う。
今日は、昨日までと比べると湿度が低くまだしのげる。
昼から、三宮図書館、中央図書館と回る。雑誌「ダビンチ」で少女漫画の小特集やってて、6ページほどにわたって大島弓子礼賛の記事があった。やはり彼女の熱烈な信奉者は、今もいるのだなあ。作品としては「バナナ・ブレッドのプディング」の評価が高いようだった。
確かにバナナ--は落とせない作品だが、あの頃の作品はどれもこれも、同等にすごかった。「ほうせんか・ぱん」「すべて緑になる日まで」「いちご物語」「さようなら女達」「海にいるのは」「アポストロフィS」「ジョカへ」「草冠の姫」「たそがれは逢魔の時間」「ミモザ館でつかまえて」「キララ星人応答せよ」「野イバラ荘園」「花・花・ピーピー草・花」そして「綿の国星」
きっとまた、読み返すことになるだろう。

【GO】金城一紀 ★★★☆ 在日の若い作家の、自伝的小説である。朝鮮学校から日本の高校に進学する時の軋轢、高校での差別を力で跳ね返すやり方、桜井というハイソな日本人女性桜井との恋、親友の呆気ない刺殺、元ランキングボクサーだった父への愛憎、在日による在日を主題にした小説には良く出てくる素材が詰まっているのは確かだが、本書は、あくまでからりと描かれていて、とても面白かった。
朝鮮籍だった父が、韓国籍に変えようとするところから小説は始まるが、その部分で、在日朝鮮/韓国人の状況を実にわかりやすく開陳しているし、朝鮮学校の空気まで感じさせる描写も決まっている。
学識派の親友が誤解から、日本人学生に刺されて死ぬ場面は唐突過ぎるが、主人公も腕力だけではなく、読書、音楽、映画と文化面でも一家言を持っている。
親友や桜井との付き合いの中で、おびただしい、小説、音楽、映画、美術の作品名が披露されて、一種の教養小説として読めなくも無いほどだ。
ミトコンドリアDNAで人間のルーツがわかるとか、人類の祖先はアフリカの一人の女性であるといった説の受け売りみたいなところは余分かな。
主人公がかっこよく書かれすぎてるところがあるが、在日の若い作品としては、出色のものだ。「私的プロバガンダ小説」という言葉が思い浮かんだ。作品を貶める意味ではなく、そうあってかまわないという肯定的な決め付けである。
これはたしか映画化されたと思う。


2002/07/10(水) ●台風肩透かし●

台風6号は徐々に進路を東にそらし、神戸は小雨で、風も吹かず、夕方には晴れ間さえ見えたのに、甲子園は早々と1時に野球中止を決定。ちぇっ。
Morris.は結構、台風好きなので、こうやって、あっさり身をかわされると、何となく面白くない。岐阜では大雨で被害が出てるし、今夜から東海,関東地方が影響を受けるわけで、好き嫌いなど言うべきではないのかも知れないが、こればかりは気持ちがそうなるのだから、仕方が無い。
昨日稲田さんから借りた漫画「神戸在住4」(木村紺)読む。地震後に東京から神戸長田に引っ越してきて、現在北野の女子大で美術を専攻してる作者の身辺雑記風漫画だが、なかなか繊細で、仲間をモデルにしたキャラクタも魅力的に描かれている。
プロのモデルの友だちもいるが、大半は普通の女の子だが、普通の子にもそれなりの事情があり、生き方があり、それを遠慮しながらしっかり観察してるあたりが面白い。もちろん地元神戸が舞台になってるということで、親しみを感じるし、追体験しやすいということも魅力の一つである。
韓国観光公社から伏字の多い日本語のメールが届いた。

はじめまして、韓??光公社と申します。貴サイトを?見いたしましてメ?ルを差し上げております。

この度メ?ルを差し上げましたのは他でもございませんが、現在私どものサイトにおきまして「韓??連ベストホ?ムペ?ジコンテスト」を行っており、
個人で韓??連ホ?ムペ?ジを運?されていらっしゃる方のご?募をお待ちいたしております。
イベントペ?ジ:
http://japanese.tour2korea.com/member/T2/WCEvent1/main.html

審査の結果、金賞に入賞された方には韓?旅行が?たるというイベントですので、ふるってご?加くださいませ。(?募締切り:7月15日)
ご?募お待ち申し上げております。

※このメ?ルは、韓??連の個人ホ?ムペ?ジを運?されている方にお送りしておりまして、推薦や必ず入賞するという意味ではございませんのでご了承くださいませ。


韓国では漢字は正字を用いるから、「韓国観光公社」「韓国関連」「運営」「参加」の?マークになった部分が消えてしまったのだろう。
せっかくだから、いちおう応募するとのメールを出しておいた。Morris.部屋の中の韓国部屋なんて、錚々たるサイトを多数知ってるだけに、入賞は無理ということはわかっている。でも、ひょっとすると残念賞(賞品は例の赤いTシャツらしい(^_^;))くらいなら貰えるかも知れない。2ヶ月も後になってあんなもの貰ってもしょうがないとは思うんだけどね。

【ビジネス・ナンセンス事典】中島らも ★★★☆
90年にリクルート社から出された本で、多分その前に同社の雑誌に連載されてたのではないだろうか。どっちにしても10年以上前のコラムなんて、旬を過ぎているどころか、たいてい腐ってるはずなのに、なぜか本書は面白く読み通した。
100個ほどのキーワードを3ページのコラムにまとめ五十音順に並べたもので、同時期に出た「しりとりえっせい」と同工異曲なものだ。たぶん、Morris.は、当時どちらも読んだような気がする。
それを今さら借り出して再読したのは、立ち読みしていて、ちょっと引っかかる部分があったからだ。
「それは温情主義」の項で、著者のスタンスは、もちろんその言葉を、シニカルに捉えて、茶化すのが目的なのだが、温情主義を人格者とみた場合、そんな人はそうそういるわけが無く、ただ一見そう見える人が多いのは、「人格者もどき」ともいうべき人々が多いのだと、枕をふって、彼らのタイプを箇条書きしている。

1.人に憎まれて危害を加えられるのはいやなので、とにかくいつも笑っている。
2.自分に自信がないから,人を叱るということができないで、とりあえず笑って対応する。
3.他人のことなどどうなろうと知ったことではないので笑ってすませられる。
4.そういう宗教にはいっている。
5.ハッパを吸っている。
このジンカクシャモドキをホンモノと錯覚して頼りにしたり、本心を打ちあけたり、愛を捧げてしまったりするとエライ目にあう。本人はただただ自分が可愛いだけの、優柔不断で非力なにんげんだからだ。


何でこれがMorris.の琴線に触れたのかというと、これって多分にMorris.の戯画ではないかと思ったからだ。4.と5.は措くとして(^_^;)
その他「薀蓄」の項で「講釈たれで博覧強記ではあるが、知識は断片的なデータの受け取りだ。体系的に物を勉強した人間のような底力はない」というのも、Morris.のことみたいでもある。
中島らも自身にもそういう傾向があるのかも知れないし、「同病相憐れむ」で、意外とMorris.は彼と似ているのではないだろうか。
本書のカットはひさうちみちおで、これがまた実にいい味を出している。

【フルーツの夜】本橋信宏 ★★☆☆
未知の作家の連作短編集で、中に「北朝鮮人民夜想曲」というのがあって、つい借りてきた。1956年生まれの作者自身をもモデルにした、現代版私小説といった趣。一時鬱病に陥り、睡眠薬中毒になりかけたライターである主人公が、20年ぶりに出所してきた左翼の大物、仲間のAV監督、女優スカウト、高校の同窓生などをネタに、ライター本来の仕事に戻ろうとしながら、それぞれの人生模様を物語ろうとしているもので、残念ながらそれほどMorris.には面白いものではなかった。
特に最後のタイトル作は、42歳で結婚して初めての男児を授かる話で、友人の映像業者に家族のビデオを撮影してもらったり、その友人が死んだり、たぶんこれも、事実に基づいている話なのだろうが、面白くも何ともなかった。
お目当ての北朝鮮関係の作も、友人と観光ツアーに参加した話で、ルートである少年少女の技芸を鑑賞するあたりにちょっと興味をそそられたくらいで期待はずれの感は否めない。

2002/07/09(火) ●恐るべきさぬきうどん●

[詐欺師の夢]放浪しているMorris.。着の身着のまま泳いで須磨の海岸にたどり着くと3人連れの男がいる。二人はフィリピン人で、一人は日本人。こっそり日本人が言うには、二人は詐欺師で自分はだまされて連れまわされている。これも巻き上げられそうだから預かってくれとNikonのカメラを渡される。隙を見てまた泳いで逃げる。道幅の狭い商店街の古本屋で、古い雑誌「少年」を買う。中にポルノ写真が巧妙に挟みこまれている。お祭りらしく、扮装した子供達が、次々とパレード行進して来る。

颱風6号の影響か、これまでにないほど蒸し暑い。扇風機からは温風というより、熱風が吹き付けてくる。そろそろ辛抱の限界かなと思う。
午後センターに行き、稲田、中野、山本さんとコーヒー飲んでだべる。鹿嶋さんは北海道に旅行中らしい。神戸学生青年センターは今年で30周年を迎えたそうで、先月記念式典が催された由、記念雑誌を貰う。Morris.がセンターに行きだしたきっかけは、88年から朝鮮語講座を受講したことだったが、色んな人との出会いがあった。地震の時はいろいろお世話にもなった。講座は3年前にやめてしまったが、今でも時々遊びに行かせてもらっている。
稲田さんからさぬきうどん(半生麺6食分)もらう。これは「恐るべきさぬきうどん」プロデュースの宮武讃岐製麺所の製品で、「宮武」といえば、琴平町の有名店だが、そこの製麺所なのだろうか。
ともかくも、帰って早速食べてみる。茹で時間は12分と、モリス亭御用達のふじ麺より長い。しっかり洗って、氷水で冷やして、しっかり水切りしたうえに、奴葱と大根おろしとレモンとしょうがと、添付のだしでいただく。うーん、やっぱりうまい。ふじ麺と比べると細い分、早く食べられるかな。麺のこしは同じくらいだし,まあ、どっちも美味しい。
社長宅にCD受け取りに行き、ついでに四国の酒「凱陣」というのを飲ませてもらう。吟醸と普通のがあったが、どっちも甘い。ラベルには「辛口」と書いてあったのに。
途中みっちゃんが来る。3rd。ALBUMの売れ行きがいまいちだとのこと。やはり、記念コンサートの不入りが響いているようだ。新聞ラジオでの情宣も出来てないし、ジャズストリートは10月だから、かなり時間あるし、何とかその前にまたキャンペーン兼ねてライブやろうかという話が出る。
9時前に帰宅。これはもちろん「ナースのお仕事4」見るため。でも、姑の秋川リサと、優秀新人ナース安達祐美の二人は、浮いてるよなあ。特に安達祐美は、前回の神田うのより、やばい。
秋川リサは、70年代のananのモデル時代の輝きは無くなったもののそれなりに、存在感を感じさせる。でも、この第4部は2回見た限りでは、Morris.の好きな朝倉いずみではない。先行きが心配である。
阪神-中日は矢野、濱中のホームランで5-1の快勝。明日は多分台風で中止になる確率高いので、とりあえず阪神は今シーズン前期を貯金3でおりかえすことになりそうだ。
矢谷智克部屋ライブ日記ページ に、今年1月から3月までのライブレポートを更新。 島田和夫部屋 のスケジュール更新。

【坊ちゃん忍者幕末見聞録】奥泉光 ★★ 奥泉は現在Morris.の一番好きな作家だから、大いに期待して読んだのだが、完全に肩透かしをくってしまった。
タイトルからも、冒頭の文からしても、漱石の[坊ちゃん」を下敷にしたものだろうから、傑作「吾輩は猫である殺人事件」と同様な作品だと期待して読んだのだが、その期待は裏切られた。
幕末に東北の藩から京都に出てきた主人公と幼友達が、尊皇攘夷、新撰組などで大揺れの情勢に巻き込まれる。沖田総司や坂本龍馬も出てくるが、肝腎の主人公がいまいち魅力に欠けている。
文体だけは、ぼっちゃん風だったりするのだが、ストーリーがあまりにも場当たり主義だし、特に後半、現代と幕末がタイムスリップで交錯する部分などは、ほとんど小説として破綻の態をなしている。
奥泉ほどの作家がこの体たらくに至ったのは、これが、讀賣新聞に連載されたことが大きな原因なのではないかと思う。

年少の頃より『坊ちゃん』を愛読してきた私が、その面白さを自らの手で再現したいとの欲望を出発点にして書いた作品であるのは間違いない。むろん出来あがったものは、あらゆる点で漱石の名作とは異なるが、読者の皆様に楽しんで頂けたら幸いである。

と、後書きに、いいわけめいたことが書かれているが、これは、奥泉の失敗作だと断定したい。

2002/07/08(月) ●タイムスリップ●

[背広の夢]Morris.は黒と灰色の混ざったスーツを着込んでいる。それもやけに厚手の生地で毛羽立っている。何かの打ち合わせに来ているらしい。左肩の部分が白っぽく煤けたようになっているのがすごく気になる。ハンカチを水で湿して拭くとますます目立ってしまう。時間が迫って追い詰められた感じでどっと汗が噴き出る。何か言い訳を言おうとするが言葉が出ない。(ちなみにMorris.はここ10年以上背広なんて着たことがない)

朝のうちに甲子園の小滝歯科へ。今日で奥歯の治療は終わってしまった。それも、一番奥の上の歯だから金冠はやめて硬質セメントで済ましておくことになり、何と今日の治療費は\380。交通費より安く上がってしまった。
久しぶりに今津の「珈琲香房」へ。最後に顔出してから少なくとも1年以上経ってると思う。三浦さんは、ちょっと太り気味か。3年以上前のコーヒーチケットがまだ2枚残ってた。次はいつになるやら。
11時過ぎに店を出たのだが、年配の常連客でほとんど満席になってた。中高年の社交場として結構流行っているようだ。
歩いて2号線南の「長浜ラーメン一番」で大盛り頼む。ここは、姫路が本店のチェーンだと思うが、阪神間では、名前どおり一番博多ラーメンぽいので、気に入ってる。でも、今日はちょっとスープがぬるかった(+_+)
そのままJR西宮駅まで歩き、JRで帰宅。

今週のSTARdigioは、417chのはっぴーえんどと、425chのテレサテンが双璧といえるだろう。
はっぴーえんどは、大滝詠一、松本隆、細野春臣、鈴木茂のドリームバンドで、このバンドを知らない者はもぐりだ、と言われたりするのだが、そうなるとMorris.は完全なもぐりなのだった。
何曲かは知ってたけど、今回こうやって60分聞くと、流石にすごいと思った。30年前の曲とは思えない。全然古くないのだ。これは大滝のセンスなんだろうと思う。
テレサテンは、これまでに何度か特集あったし、エアチェックもしてるのだが、今週の特集は、初めて聞くカバー曲が多かったので、改めてチェックした。テレサテンが亡くなってからもう7年たつが、彼女の歌も一向に古びない。いまだにカラオケでは何曲も定番として残っているし、ラジオでも良く流れる。それを聞く度に、ああ、いいなあと思ってしまう。
コレクターではないので、彼女のCDは中国語盤一枚しか持っていないのだが、今回の特集で、サザンの「真夏の果実」、美空ひばりの「川のながれのように」、島倉千代子の「人生いろいろ」などのカバーを聞いて、今さらながらに彼女の死が早すぎたことを恨む。
こうなると日本の演歌を中国語で歌った台湾盤を手に入れたくなるなあ。

韓国映画「イルマーレ」をビデオで見る。実はこのビデオは2ヶ月ほど前にくりさんという方から送ってもらったのだが、Morris.のVCRと相性が悪くて見ず仕舞いだったのだ。ダビング用に買ったVCRではちゃんと見ることが出来た。
2000年の現在に住む女性と、1998年に住む男性とが、川の上に建てられた家(この家の名が「イルマーレ=海」)の郵便函を通じて手紙のやり取りができるようになる。タイムスリップのSF仕立てだが、映画は普通の恋愛映画っぽく進行する。女性は別れた恋人とよりを戻したいと思い、過去に住む男性に手助けを頼むが、そのために彼は事故に巻き込まれる。それを知った女性は、メモで危険を知らせる。
結局男性が死んだシチュエーションのあとに、生き長らえて二人が出逢い、新しい出発をするハッピーエンドとパラレルワールドを匂わせて映画は終わるのだが、ファンタジーというより、おとぎ話といった感じの作品だった。
それでも、最後まできっちり見てしまったのだから、それなりに面白かったということになる。ヒロインがMorris.好みだったら、かなり高得点の韓国映画になったかも知れない。惜しい。

ぐいぐい酒場に吉美ちゃんの書き込みで、Morris.部屋が5月で停まった状態とのこと。イルマーレ見た直後だったので、一瞬???となってしまった。まさか、ね(^o^)
これを機に、ウリチプパンチャン(隠し吉美部屋)の 「朝鮮学校グラフィティ」 をこっそり更新しておこう。

【鉄輪】藤原新也 ★★★ 「かんなわ」と読む。地名である。大分県別府のすぐ北方にある温泉の名だ。生まれ育った門司の旅館が倒産したあと、藤原少年が移り住んだのがこの地だった。
本書は彼の自伝小説と銘打ってあるが、見開きごとに、カラー写真と、タイトルを付した短文を交互に配した、写真絵本みたいなもので、全体で120ページほどだから、文章量は少ない。
2000年1月から6月まで毎月配本された「藤原新也の現在」の一冊で、シリーズ6冊の内訳は写真集や自伝、エッセイなどとりどりだが、これだけを一気に出すというエネルギーには感心する。
もちろん本書は、数十年後の追体験、再構成、創作でもあるのだが、やはり藤原少年の目の記憶が大事に扱われている。小さいエピソードの積み重ねから、土地と時代が幻のように浮かび上がってくる。
文章も悪くないが、やはり写真がすばらしい。紙質がMorris.好みのザラ紙というのがさらにすばらしい。しかし、このくらい写真が撮れればいいだろうなあ。

美術の教科書のシャルダンの静物に惹かれ、その模写をはじめ、マチェールを出すために溶き油を作ろうとして、油と水をアルコールランプで煮詰めて事故を起こす。

ランプの火勢をいくぶん強めたとき、水が沸騰し爆発が起こった。油は部屋中に飛び散り、私は火傷を負った。誰にも言わず急いで鏡に自分の顔を映してみた。私はそのとき鉄輪に移ってはじめて自分の顔をまじまじと眺めた。顔に油飛沫を飛び散らせた少年のまなざしには、まだ何ものも手にしていない者の不安の色と、底無しの自由とが同居しているように見えた。(「鏡」より)


Morris.も佐賀県の温泉町に生まれ、生家はやはり温泉旅館で、小学生時代に家業が傾き、高校時に完全に破産したという、藤原少年といささか類似した状況におかれていたのだが、その対処方や、したたかさにおいてはあまりにもかけ離れていたんだな、と、今さらながら思わざるをえない。どちらがいいとか悪いの問題ではないけどね(^_^;)

●肥前なる生家湯の町「小桜」の屋号の宿も灰燼に帰す ( 歌集『櫻-はな』 )

2002/07/07(日) ●7並べ●

昨夜はウィンブルドン女子テニス決勝戦、ヴィーナス、セレナのウィリアムス姉妹対決というのを見た。女子テニスをパワーテニス時代に変える牽引車となったヴィーナスを初めて見た時はびっくりしたものだが、あれから数年ぶりに彼女のプレイを見たのだが、今回は妹に負けてしまった。
今年になって3回目の対戦で、妹の3連勝ということになるらしいが、どうも姉妹間での遠慮というか、手加減みたいなものを感じてしまった。
連日、30度を超える真夏日が続いている。今年はまだ冷房のスイッチ入れずに、扇風機でしのいでいる。時間の問題だが、とりあえずいつまで粘れるか、試してみよう。
テレビでは不信任を受けた田中康夫長野県知事関連のニュースでもちきり。朝日にはゲストで出演して、TV討論していたが、反対議員との直接討論でなく、隔離されたところからの対決という変なものだった。
午後灘図書館へ。雑誌の棚が模様替えで、どうも縮小基調のようだ。
今夜の阪神は意地を見せた。井川先発でそこそこの好投、9回ヴァルデスが1点とられたものの結局10-2で快勝、溜飲を下げた。今日は7月7日で、7回に7点、星野監督の背番号77に合わせたような7尽しの夜となった。

【サキエル氏のパスポート】石黒健治 ★★★ 第二次大戦末期4千人のユダヤ人に通過パスポートを出した杉原千畝のことがTVドキュメントを機に話題を呼んだが、杉原以外にも同様の行為を行った外交官がいたらしいという情報を得た著者が、TVプロダクションの仕事として、事実を追って行くうちに、満州国と日本政府ぐるみでの隠された事実が明らかになる。
資料館、図書館での調査、多くの証人インタビュー、数回にわたるアメリカ調査を行いながら、次々に明らかになる新事実をドキュメンタリーにまとめたもの。
ユダヤ人逃亡、建国、にまつわる戦前戦中のユダヤ工作エピソードと、日米開戦前の情報戦、満州国の推移など、時期もエピソードもあちこちとびとびになったり、まとまりのない部分が多い。
しかし、一時は満州か支那の一部にユダヤ人の建国をというプランまで出たとか、結果的に日本政府はユダヤ人を利用しようとして利用されたとか、杉原とそれ以外のビザ給付もヒューマニズムというより多分に政策的、あるいは混乱を避けるための成り行きで便宜的なものだったとか、興味深い事実をいろいろ知ることが出来た。
参考文献に「虹色のトロツキー」が挙げられていたのは嬉しかった。実は、件の漫画の影響が、本書を手に取る動機となっていたからだ。

【イマドキ現代用語50】南伸坊+朝日新聞学芸部 ★★★☆ 98年4月から2000燃画妻で朝日新聞夕刊に連載されたもので、50の用語を、朝日記者が識者のインタビューなどを通じて平易に解説し、それに対する南伸坊のコラムを付した構成。
50の用語のうち
・ほとんど初耳の語「アカウンタビリティー」「クィア」「セレブ」「サバルタン」「ディアスポラ」「エイジング」
・聞いたことはあるがよくわからない語「インフォームド・コンセント」「ガイドライン」「ひきこもり」
くらいで、後はまあ、だいたい知ってるつもりの語だったのだが、いざ読んでみると、けっこう意味を取り違えたり、狭い部分しか捉えてなかったりで、思ったよりためになったような気がする。でも、眼目は、やはり伸坊のおとぼけ風で正鵠を射る感想がおもしろかった。
50の語のうち半分は、読む必要もないものだったけど、この手の本では、そのくらいは許容範囲だろう。
「在日」という語に関する伸坊のコラムの一部を引用する。

戦後の日本人は、朝鮮人を「朝鮮の人」と、間にのの字を入れて言い換えをしたのだった。
「なんで朝鮮の人なの?」
と、きかれたことがある。きいたのは「日本の人」だったが、私はそのころ、特に考えもなく、世間並みにその「の」をつかっていたから、虚をつかれた気がした。二十年前のことである。
いまコトバ狩りといって、さまざまなコトバが「言い換え」されている。これには批判もあって、私も大いに同調する者だけれども、かといって言い換えが全く無意味であるとおもっているのでもない。
コトバというのは、そんなに理屈通りのスッキリしたものではない。
たとえば、在日というのは、日本にいる、という意味だ。だから「私は在日日本人だ」といえば、人は屁理屈だといって笑う。
私が「言い換え」にも意味があるというのは、こういう下らない冗談もふくめているのだ。
そんなこと言ってみたところで、イヤな思いをした在日の人の気持ちがわかるわけでは、無論ないけれども「在日」というコトバを、対象化してみることはできる。
そんなワケで私は、朝鮮人だろうが、在日だろうが、在日朝鮮人だろうが、在日コリアンだろうが、なんでもいいじゃないか、とは思わない。次々、色々に言い換えたほうがいいのだと思っている。


なかなか要諦を押さえて、言いたいことは言いいおおせていると思う。Morris.はこれに100%同感ではないものの、彼の言いたいことは充分に理解できる。それなりに達意の文章なのだろう。
「生徒の達人」として、多くの学者、研究家とのおもしろ講義録をものしてる、実績が本書にも生かされていると思う。
各項目ごとのカットも秀逸だし、装丁もこなしている。こうした八方美人(韓国語的意味で)の人といえば、和田誠など、数人が思い浮かぶが、実に羨ましいし、こういう人材は、我々凡人に神様がプレゼントしてくれたお宝ではないかと思ってしまう。


2002/07/06(土) ●としろうぎゃらりー●

先日のパクサ部屋のヤフー登録はいいのだが、Morris.部屋全体としては、相変わらず散漫というか、ほとんど収拾がつかない状態が続いている。コンセプトが「おもちゃばこ」だから、しかたがないのだが、やはりある程度整理する必要もありそうだ。
たとえば、ひさしぶりに今日、 としろうぎゃらりーに、4点の画像を更新 したのだが、こういうページは、イラストなり、デザインのサイトとして独立させるべきなのかもしれない。Morris.は彼のイラストがとても気に入ってるのだけど、今のところ、反応はほとんど無いに等しい。やはり、広告が足りないのだろうか。ページデザイン自体に問題ありなのだろうか。素材は充分鑑賞に堪えると思うだけに、ちょっとくじけそうになっている。はっきり言って、Morris.の努力不足ということになるんだろうけど。何かいいアイデアある方、お知らせください。

ああ、今日も阪神は巨人に10点差でボロ負け。ゲーム差も7.5で、いつのまにかBクラス(+_+) オールスターに7人も選ばれてるけど、これでは肩身もせまかろう。明日はたぶん井川先発、これで負けたらいよいよホンモノだろう(^_^;)

【生と死の歳時記】瀬戸内寂聴、齋藤愼爾 ★★★☆☆
二人の共著となっているが、ほとんど齋藤が、選び集めた句を編集し、、瀬戸内のこれまでのエッセイの中からの引用(これも齋藤の選)、齋藤のコメントを加えて、構成された、人間の生死を中心にした選句集という趣の一冊である。
齋藤愼爾は、俳人で深夜叢書を主催し、朝日の文庫版俳句の選集を企画したりして、昨今の俳句ブームの火付け役とも目されているらしいが、確かに、本書でもよくもまあこんな色んなところから見つけ出してきたなと感心するくらい間口広く佳句を集めている。それだけで、本書の価値は定まっている。
約200ほどのキーワードを提示して、それぞれ6句を引用し、それに合わせた二人のコラムを配合するといった按配だから、ざっと1200句くらいが収録されている。生と死にばかりこだわらず、人体や、喜怒哀楽、愛憎解離、花鳥風月、行事、季節の物事広くとりあげながら、つまりは、タイトルに収斂するわけだから、一般の歳時記に比べるとかなり生臭い句が多い。それでも安っぽさや、抹香臭さはあまり感じられないのは、作品の質を選択の基準に据えているからだろう。
齋藤という人をあまり良く知らなかったが、なかなか出来る人であると見た。

・この風の冬の含有率いかに 峯尾文世

・種撒きし手や火を創り火を育て 有馬朗人

・落椿われならば急流へ落つ 鷹羽狩行

・体内も枯山水の微光かな 橋フ石

・死は畳いちまいのくに天の川 三森鉄治

・わが山河まだ見尽さず花辛夷 相馬還子

・いのちあらば鈎にしておくにかぎる 阿部鬼九男

・凍蝶に待ち針ほどの顔ありき みつはしちかこ

・女若くあやめ切るにも膝まげず 桂信子

・ゆめにみし人のおとろへ芙蓉咲く 久保田万太郎

・雁がねや残るものみな美しき 石田波郷

・とほのくは愛のみならず夕蛍 鈴木真砂女

・虹二重神も恋愛したまヘリ 津田清子

・あひみての後を逆さのかいつぶり 柿本多映

・乳房みな涙のかたち葛の花 中嶋秀子

・世をいとふ心薊を愛すかな 正岡子規

・溺愛のもの皆無なり冬座敷 佐藤朋子

・菖蒲園この世あの世の人歩む 秋澤猛

・後の世に逢はば二本の氷柱かな 大木あまり

・忘年の女が鬼となる遊び 原裕

・一期は夢一会はうつつ旅はじめ 石寒太

・みちをしへいくたび逢はば旅はてん 高橋睦郎

・金亀子擲つ闇の深さかな 高浜虚子

・白粉花や月の出端は闇に似て 長谷川草々

・風立ちて月光の坂ひらひらす 大野林火

・秋灯し机の上の幾山河 吉屋信子

・秋の雲立志伝みな家を捨つ 上田五千石

・皆行方不明の春に我は在り 永田耕衣

・天の川死につつ渡る役者かな 摂津幸彦

・月光にいのち死にゆくひとゝ寝る 橋本多佳子

・黴の世や言葉もっとも黴びやすく 片山由美子

・音楽を降らしめよ夥しき蝶に 藤田湘子

・瞳に古典紺々と降る牡丹雪 冨澤赤黄男

・わが死後の植物図鑑きっと雨 大西泰世

・老子霞み牛霞み流沙霞みけり 幸田露伴

・老いながら椿となって踊りけり 三橋鷹女

・手毬唄かなしきことをうつくしく 高浜虚子

・蛍火や明治の夜は暗かりし 渋沢渋亭

・日本にひらかなの美や星祭 大橋敦子

・金魚売病める金魚を捨ててゆく 塩川雄三

・絶滅のかの狼を連れ歩く 三橋敏雄

・芽はこころの最も暗き部分かな 河原枇杷男

・花びらやいまはの息のあるごとし 長谷川櫂

・苔の花踏むまじく人恋ひ居たり 中村汀女

・水鳥のあさきゆみし声こぼす 青柳志解樹

・人殺す我かも知らず飛ぶ蛍 前田普羅

・花に花ふれぬ二つの句を考へ 加藤郁乎

・一度死ぬふたたび桔梗となるために 中村苑子

・桃のなか別の昔が夕焼けて 中村苑子

・菜の花に少年海を好みけり 五所平之助

・二十の恋五十の恋や花大根 石塚友二

・薔薇よりも淋しき色にマッチの焔 金子兜太

・合歓の花沖には紺の潮流る 澤木欣一

・銀漢やどこか濡れたる合歓の闇 加藤楸邨

・一蝶を放ちて蓮華浄土かな 富安風生

・紅葉して桜は暗き樹となりぬ 福永耕二

・木犀の金の着崩れはじまりぬ 加倉井秋を

・萩咲くやかしこの山も歌枕 石橋秀野

・枯れすすき海はこれより雲の色 平畑静塔

・狂死てふ死に方もあり曼珠沙華 能村登四郎

・鰭酒や鬼籍となりしひとのこと 瀬戸内寂聴

・いちまいの蒲団の裏の枯野かな 齋藤愼爾

1冊の選集から、さらに孫引きして60句以上というのは多すぎるかもしれないが、それだけ好みに適う句が多かったということになる。以前から親しんでいる既知の句も百句以上はあったが、これは省いている。

【曲者天国】中野翠 ★★☆☆ 山中貞雄、嵐寛寿郎、杉浦茂、松本かつぢ、古川緑波、式場隆三郎、斎藤達雄、清水宏、森雅之、桑野通子の10人をネタにした「好きな人コラム」で、往年の監督俳優が多い中、二人の漫画家に主に気を惹かれて借りてきたのだが、その二人に関してはMorris.の知らない事はほとんど書かれていなかった。
著者が初めから「あまりしらない」と書いてるのだから、そこに文句をつける気もないし、彼女なりの「発見記」というのが、本書(に限らず大概の人物コラム)の、売りなのだろう。
そういう意味ではミーハー系のノリと、手放しの偏愛ぶりには共感を覚えないでもない。
たとえば杉浦茂の絵について

すべてが丸く丸く、均質な線で描かれたキャラクターたち独特に曲芸的なポーズ。服や背景の壁などにあしらわれた水玉模様、ハート模様、マーガレット模様----。空に浮かぶ雲、街道の松、道ばたの草花のクッキリパッチリした描き方。動きを表わす線やビクビクしたときの冷や汗のマークまで、なんだかたまらなくかわいい。ポップなタッチで古風な講談文化の世界を描くというその混合ぶりも何とも言えず、味わい深い。
ディテールのすべてにポップな愛が宿っている。モダンアートの美が息づいている。
今の私は、この一コマ一コマをまさに舌なめずりするような気持で眺めてしまう。


こんなふうに身も世もあらぬていで子供のように「好き」を露わにしながら、それなりに押さえるところは押さえているようなスタイルが彼女の人気の秘密かもしれない。

松本かつぢに対しては

描線がスッキリ、サッパリ、キッパリしていてすばらしい。動きがある。リズムがある。モダンなのである。明朗なモダン美。ほれぼれ。

これである。なかなかこうは書けないよな、やっぱり。
松本かつぢの「少女趣味」は「おてんばな少女趣味」で、著者はこのおてんば少女趣味が好きなのだと言う。

もう一人映画畑でない人物、式場隆三郎の「二笑亭綺談」を巡る話題は、赤瀬川源平らの再評価で知っていたのだが、当の式場隆三郎自身の多面体的活動が、今ひとつ掴めずにいたので、とっかかりになるかと思ったのだが、これも空振りに終わった。
日本のクラシック映画に関しては門外漢のMorris.ゆえ、あまり知らない事ばかり出てきて、それなりに目新しいとは思いながらも、エピソードとともいえない、記述なので、結局読まなかったのと余り変らないだろう。
名前すら知らなかった、斎藤達雄という、2枚目半の俳優の写真がちょっと印象に残った。何となく聞き覚えがあるような気がしたが、これは能斗也の父である、斉藤辰夫さんと同じ発音だからだと後で気付いた。
そういえば、このところ、斉藤さんや能斗也に会ってない。元気でやってるんだろうか?


2002/07/05(金) ●ジャンボ古本市●

午前中に甲子園小滝歯科へ。欠けた挿し歯の補修は終わったのだが、右上奥歯に穴が空いてたのでついでにこれも治療する事になった。とりあえず消毒して来週にでも金冠を被せることになるだろう。それはいいのだが、治療の後、右下の奥歯に鈍痛を覚える。前回も同じような症状が出た。歯痛は長いこと忘れていたのだが、やっぱりかなり憂鬱な痛みである。

阪神、地下鉄乗り継いで大阪天満橋へ。今日から3日間、OMMビルの2Fで「古書ブックフェア」が開催されている。ポスターに「空前絶後の大スケール」と謳ってあるとおり、これまで見た中で一番大規模の古本市だった。ジャンルも全般的で、ポスター、雑誌、コミック、掛け軸、絵葉書に至るまで多岐にわたっている。
OMMのBホールとCホールぶち抜き、600坪に81軒が出店、公称50万冊!!さすがにこれだけあると、一通り見物して回るだけで2時間近くかかってしまった。場所代や準備などに経費もかかってるわけで、根付けは安くはないが、それでも掘り出し物的なものも散見する。
宮武外骨の「ありんす国語彙」(和装)が\5,000というのは、ずいぶん安いとは思いながら、今こんなのを買う余裕は無いなあ。
「虹色のトロツキー」が無いかと密かに期待してたのだが、「ナムジ」しかなかった。4時間近く粘ったものの結局1冊も買わず仕舞い。でも行ってみてよかった。Morris.にとって古本市は、美術展観覧に等しいところがある。
梅田に戻り、ひさしぶりに「まんだらけ」も冷やかして5時ごろ帰宅。

今日から東京ドームで、阪神-巨人戦。先発ムーアで、濱中のソロホームランで先制するも、あっさり逆転され、アクシデント降板のムーアに代わった遠山が松井に2ラン食らって、はいそれまで。
7月攻勢なんて言ってたが、このままではジリ貧である。

【ナムジ-大國主-全5巻】安彦良和 ★★★☆ 「虹色のトロツキー」2巻目までで、すっかりはまってしまい、サンパルのMANYOで、同じ作者のこの作品を買ってしまったのだが、日本古代史というのは、Morris.の苦手な分野なのだった。

ナムジの一場面 ほんの半世紀以前、日本人は大戦争をやらかした。何百万の日本人が死に、その十数倍の他国人を殺した。その蛮行の背景に古代史に発した選民思想があった、思えば日本の古代史ほど罪深い歴史は世界に例がない。その古代史が実は全然謎なのだ。これは重大な問題だと思わざるをえない。
かつて日本史は神話の熟読から始まった。九九のように二百有余代の皇統を諳んじた。大戦をはさんでのあまりの変わりようだ。その狭間に、たぶん真実の日本古代史は深く沈み込んでいる。古代史はすさまじい両極端に引き裂かれているといってもいい。不幸な、そして危険なほど不毛な状況なのではないか。(第一巻あとがきより)

確かに日本の古代史は、あまりに曖昧模糊としている。邪馬台国のみが派手にとりあげられていたり、古事記、日本書紀の神話は、戦前の皇国史観を忌避するあまり、ほとんどタブー視されていたし、古墳の発掘は天皇陵とみなされて制約が多すぎる。
安彦が取った方法は、古代英雄としては、やや地味目な大国主を主人公にして、古事記の神話を自分なりのフィクションに換骨奪胎する作業だった。

2世紀後半の出雲に流れ着いたナムジ(大国主)が、スサノオの娘と通じ、さまざまの試練を経て、地位を確保する。九州の邪馬台軍を討ちに向かったスサノオはヒミコに絡めとられ、援軍に向かったナムジも捕えられる、幽閉の後、ヒミコの娘と結ばれ、邪馬台軍として、出雲軍に向かう。
安彦は、3巻で物語をまとめるつもりが、結局5巻までふくらんでしまったようだ。「ナムジ」4巻目から、ちょっとそれまでとは勢いが変化しているようだ。
ガンダムの原画を担当した経験もある安彦の画は、達者である。ストーリー構成もしっかりしている。アニメっぽさがところどころに出てきたり、女性の顔が画一的で変化に乏しいが、それでも充分魅力的ではある。
ナムジの続編「神武」5巻も出ているようだが、やはりMorris.は、トロツキーの続きを読みたい。


2002/07/04(木) ●花の名はブッドレア●

1日の日記に写真付きで照会していた花の名は「ブッドレア」だと、吉美ちゃんがぐいぐい酒場に回答を寄せてくれてた。日本名は「フサフジウツギ」で、園芸品種の落葉低木とあるから、野生帰化植物というのも、草本というのはMorris.の勘違いだったようだ。そもそもBuddlejaというのが、フジウツギ科フジウツギ属の総称で、園芸上ブッドレアと呼ばれているのが中国原産の「フサフジウツギ Buddleja davidii French」や、その改良品種らしい。
日本には1890年ごろ渡来したとあるから、いちおう帰化植物といえなくもないのだが、最近急に目立つようになったのは、何か理由があるのだろうか。なんと吉美ちゃん自宅の庭で栽培しているとのこと。とにかく、情報感謝。
今週のSTARdigioの目玉は、450chのTOM WAITS特集で、エアチェックしながら聴いたのだが、好きとはいえ、トウウエイツ2時間聞くと結構疲れるものがある。隣の449chではSTEVI EWONDERの3時間特集というのもあるが、こちらははなからエアチェックする気にもならない。

阪神-ヤクルトは、久々の川尻先発で、5回まではどうにかこうにか0点で切り抜けたのだが、ペタジーニに2ラン浴びて、それでおしまい。1点も取れない阪神打線の不甲斐なさときたら。

【緋色の時代 上下】船戸与一 ★★★
86年のアフガン戦争戦場で出会った4人のソ連兵士と、秘密警察+諜報局員が、16年後、ウラル地方のエカテリンブルクに集結し、敵味方に分かれて争うことになる。日本の諜報員や、サウジアラビアのイスラム原理主義者なども絡み合う、国際的犯罪ドラマということになるのだろうが、ソヴィエト崩壊後のロシアの無法状態の描写が凄まじい。
「週刊ポスト」1999/05/28号から2001/08/10号に連載されたとあるが、まさにアメリカ同時多発テロ直前に連載終了したことになる。上巻の半ば過ぎに、大型テロを匂わせる原理主義者の発言がある。カレーニン(元KGB局員)とムンギス(イスラム原理主義者)との会話の部分である。

「おもしろいとは思わんか、カレーニン」背なかにムンギスの声が降りかかって来た。「世のなかはまったく」
「何がだね?」
「ソ連邦の侵攻を食い止めるためにアメリカはおれたちアフガーニを使い、用済みになると芥屑のように棄てた。まるで使用後のコンドームみたいにな。そのアフガーニがアフガニスタンの谷間に咲く真っ赤な芥子によって資金を調達し、アメリカに爆弾を仕掛ける。」
「で?」
「社会主義を防衛するためにアフガニスタンで血みどろになって戦いつづけたあんたらアフガンツィは撤退後は存在さえ無視された。そのアフガンツィが芥子を使ってこれからロシア全体をさんざん食い散らかす」
「それがどうしたんだね?」
「歴史の皮肉だとは思わんかね、これは?」
「ちがうね」振りかえって言った。
「どうちがう?」
「これは歴史の必然なんだよ」
ムンギスがふいにげらげらと笑いだした。カレーニンは立ち停まってその表情を眺めつづけた。このアラブ人がこういう笑いかたをするのをはじめて見たからだ。ムンギスが笑いながら言った。
「そのとおりだ。あんたの言うとおり、これは歴史の必然だ。おれたちアフガーニはその必然に則り、唯一神アッラーのために行動を起こす。一、二年後には世界を震撼させるようなでっかいことをやってみせる」


連載時にもこの通り書かれていたとしたら、あまりにタイムリーというか、予知小説めいて見えるが、単行本にする時に多少手を加えたのではないだろうか。(未確認)

昔ロシア小説を読むときにも苦労させられたことだが、本書でも登場人物の大部分を占めるロシア人(さまざまな人種)の名前には悩まされた。そもそもが長い上に、愛称、別称が多い。「主な登場人物一覧表」を何度も見返す必要があった。
そんなややこしいおびただしい登場人物を操って、最後まで引っ張っていく、船戸の力量には感心せざるを得ない。ただ、人物の紹介や、事情説明に重複する表現(ほとんど、コピー&ペースト状態)が頻出するのは鼻白むところ。


2002/07/03(水) ●阪神3連勝(^o^)●

昨日は、阪神が井川の好投で何とかヤクルトを押さえて頑張ってたので、うっかり、「ナースのお仕事4」のスタートを見逃すところだった。
結局劇場版は見ずじまいだった。で、昨日から始まった第4部だが、かんだうのが消えて、安達祐美が新人ナースとして結構目立つポジションを確保しようとしてる。 観月ありさは、新婚生活の中で相変わらずのドジぶりを繰り広げるわけだが、姑との軋轢もあって前回までと比べると、ちょっと軽さに欠ける感じがして、心配。
TVドラマといえば、NHKで、先日読んだばかりの藤沢周平「用心棒日月抄」を原作の「腕に覚えあり」が、10年ぶりに再放送されていて、今日は第3話だった。
やっぱり、原作を先に読んでいると、キャスティングに違和感を覚えるんだよなあ。確かにそれなりの努力はわかるのだが、どうしても自分のイメージとはかけ離れたものになってしまう。
たとえば、口入れ屋役の坂上二郎の、あまりに臭い演技だけで、もう次回から見る意欲を失なわせてくれた。
香介は今日から岐阜県に登山行らしい。
今夜の阪神は久々に打線爆発で、連敗の後の3連勝 \(^o^)/
サンボ部屋に 歌集『銀幕-Silver Screeen』 をアップ。思い入れのある洋画を主題にした25首だが、ベスト25というわけではない。映画そのものがドラマティックだから、歌も自ずと芝居がかっていて、ちょっと気恥ずかしいが、わりと気に入ってる。


2002/07/0(火) ●イパクサ部屋認知??●

[ライブハウスの夢]名前はわからないが顔なじみの店でライブやってる。会場が二つに分かれてて、Morris.は両方の連絡係みたいな役目外は雨が降っている。バンドのメンバーは半分くらいずつに分散してスタンパイしている。一つの会場でライブ始まるからと、もう一方に連絡に行くとそちらでも今からスタートだといわれ、あわてて連絡に走るが、両方がスタートするということで膠着状態になる。Morris.は外に出て立ち往生し、雨にずぶ濡れになる。

8時起床。一昨日挿歯の一部がかけてしまったので、甲子園の小滝歯科へ。久しぶりに通院したのだが、先生はかなりご高齢なので、まだ開業してるかどうか、ちょっと不安だった。幸い開業していたのだが、表に「しばらくの間、診療は午前中のみ」とある。先生も、前に比べるとだいぶんお疲れ気味のご様子だった。
ここは、20年近くお世話になっている歯科医で、すごく良心的なのと、地震の直後は、無料で診療していただいた。なるべく残ってる歯を生かそうとする診療方針がありがたい。

Yahoo!から「貴サイト登録のお知らせ」というメールが届いた。

こんにちは、Yahoo! JAPANサーファーチームです。突然のメールで失礼いたします。

さて、Yahoo! JAPAN<http://www.yahoo.co.jp/>では現在、情報提供サービス、
ショッピングサービス、オークションサービスなどのサービスを提供しておりますが、
なかでもディレクトリサービスはサイトをカテゴリ別に分類し、ユーザーの皆様に
ご紹介させていただくことのみを目的とする無料のインターネット総合ガイドとして
ご利用いただいております。

このたびは、貴殿が一般に公開されているサイト

イパクサ(李博士、E-PAKSA)の部屋
http://www.orcaland.gr.jp/~morris/korea/epaksa/tpaksa.htm

をこのディレクトリサービスにて広くユーザーの皆様にご紹介させて
いただきたく、ご案内差し上げました。

登録手続きを行わせていただきましたので、この後36時間以内に行われる
次回データベース更新で反映されます。
ぜひ、ご確認いただきますようお願いいたします。

(以下省略)

Morris.部屋というよりパクサ部屋が登録されたってわけか。そりゃまあそうだろうな。Morris.部屋は、カテゴリー分けするの難しいし、普遍性はあまりない。
第一、Morris.自身、検索はたいていロボット型出済ますタイプで、カテゴリー系はめったに使わない。
Yahoo!検索もあまり利用しなかったのだが、今回登録されたことで、新しい読者が訪れる可能性は増すのだろうから、取り合えず、めでたいということにしておこう。
せっかくだから、このところサボってた(W杯のせいもあって)パクサ自伝の 第二章「タダより高いものはない」 を、更新しておく。ついでに、公式サイトに載っていたパクサの名前を冠した 食堂の写真 も掲載しておく。

阪神は今日からヤクルト、巨人の6連戦。これは前期の正念場だと思う。阪神はエース井川の当番で意欲を見せている。初回押し出しで先制。結局、井川完全復調で、2-0の完勝。さあ、七月攻勢ぢゃあっ(^o^)

【日本語と韓国語】大野敏明 ★★☆☆
著者は産経新聞の人で、1998-2000年に同紙夕刊土曜日版に連載されたものをまとめたものだ。特に韓国専門ではなく、10年ほど韓国語を学んだらしい。内容としても、韓国語をネタにした肩のこらないコラムで、読むほうもひまつぶしに読むといったものである。
別に専門家でないから良くないなんてことは言うつもりもないし、話題も多岐にわたり、共通点、相反するところをランダムに挙げたり、韓国/朝鮮の呼称、敬語、諺、誤解しやすい言葉など、要領よくまとめてある。新聞記者らしく、読みやすい文章だ。
しかし、Morris.はやっぱりいいかげん退屈しながら読み終えたことになる。Morris.自身がやはり10年近く韓国語を学習(後半はほとんどさぼったけど)したから、既知のことが大半を占めていた事も一因だろうが、どうも、日本語と韓国語を同根と見る姿勢がどうも鼻についたのかもしれない。
単語の関連を類推するやり方が、時々、あまりにも民間語源説(フォーク・エテモロジー)っぽかったりするのが、みえみえというのが気になった。韓国語の単語や諺の説明するのに、ハングル表記がないというのにも不満が残る。最近は日本の小説でも、ハングル表記が併載される事もあるので、特にそう思ったのかもしれない。
一読、損も得もしない、あるいは、毒にも薬にもならない、そういったタイプの一冊だろう。
本書は文春新書の1冊である。しばらくまえから、書店で、やたら新しい新書が目立つと思っていたのだが、内容的には、このての「毒にも薬にもならない」ものが多いような気がする。手軽さが、内容にまで反映されているのではないか。一時カッパブックス、ワニブックスなどを代表とする、ベストセラー志向やハウトゥもの中心の新書が一世を風靡した。昨今の新しい新書ブーム(^_^;)は、あれの再現なのかもしれない。
文庫の雑誌化に続いて、新書も使い捨て読書傾向に拍車をかけているようだ。などと、偉そうな書き方してしまった(^o^)


2002/07/01(月) ●はなのななあに?●

朝のうちは雨が残っていた。
清水君と北区の引き取りの現場にいくはずが、突然キャンセル。
午前中は、六甲アイランドから三宮に家具を移動することになった。
昼は加納町の「丸高」で和歌山ラーメン大盛り。醤油豚骨のスープの濃厚さが絶妙で、時々食べたくなる。
午後は倉庫作業。とにかく蒸し暑い一日だった。汗びっしょりになる。
夜はワールドカップ総集篇といった番組を見るともなく見る。やはり森島のゴールと、韓国の健闘が印象的だ。
穂状花 全体図 ところで、ずっと気にかかってる植物がある。地震の後くらいから、あちこちで目に付くようになったもので、更地や、工事現場、植木の脇などに自生している丈の高い草花(木本ではないと思う)だ。
紫色の穂状花を上下左右に向かって開き、背の高いものでは2.5m以上にもなる。生長が早く繁殖力も旺盛だ。自生する場所からして、帰化植物ではないかとにらんでいるのだが、誰か、この植物の名前をしりませんか?
矢谷君が図鑑に「九重草」とかいてあったと教えてくれたが、手持ちの事典には見当たらないし、ネットで検索しても引っかからない。
例によってMorris.のデジカメの画像はかなりひどいけど、想像はつくと思うので、心当たりの方はお知らせいただけると嬉しいです。

【スタア】清水義範 ★★★☆☆ 30歳の女性タレントのインターネット日記と、地の文を交錯させて、主人公の本音を浮き彫りにしていくというスタイルは、いまどきありふれた手法かも知れないが、本書の場合、そういった形式より、内容がシンプルで、タレントと視聴者の関係性を明快に解き明かしているという点に、小説としてより小論として評価したくなった。
ストーリーとしては、それほど起伏はなく、ちょっと飽きられかけたタレントが、後輩歌手の自殺未遂で悪い噂を立てられたり、同じ傾向のタレントに活躍の場をうばわれそうになったり、イメージチェンジをはかろうかとか、ヌード写真集の話に迷ったりしながら、タレント(スタア)という存在の危うさ、根拠のなさ、そのくせ捨てきれない魅力などをいろいろ考えていくというもので、ミーハー気質のけっこうあるMorris.は、ついつい裏面からスタアの立場をおもんぱかったりできたような気がした。
ライバルタレントの交通事故で、主人公の活動の場が開けそうな雰囲気になったところでの結末というのは、何となく後味の悪さを感じさせるが、これも、作為的なものかもしれない。
清水はとにかく「蕎麦ときしめん」という傑作に瞠目させられていらい、けっこうよく読んでいる。守備範囲が広く、パスティーシュ(文体模写)も達者で、アイデア豊富で、読者へのサービス精神にも富んでいるのだが、どうもムラがありすぎる。たまに彼の作としては毛色の変わったものに好篇があったりする。本書や「春高楼の」などが、その好例といえるだろう。




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