今月の標語 TIGER DRAMA |
【2002年】 5月 4月
3月 2月
1月
【2001年】 12月 11月
10月 9月 8月 7月 6月 5月 4月 3月 2月 1月
【2000年】 12月 11月
10月 9月
8月 7月 6月 5月 4月 3月 2月 1月
【1999年】12月 11月
10月 9月 8月 7月 6月 5月 4月 3月 2月 1月
【1998年】 12月 11月
2002/06/30(日)●終わってみれば伯剌西爾● |
9時半起床。
今週はSTARdigioほとんどチェックしてなかった。今日は日曜日で、明日からは7月プログラムだから、目ぼしいのをエアチェックしとこうと思い、ネットで調べたら、408chで沢田研二、山口百恵の2時間特集がある。
全て録音するほどのこともないが、2時間番組を75分のMDに録音するには45分間カットしなくてはならないことになる。とりあえず曲目表を印刷して、カットする曲を省いて録音しようとしたのだが、これが結構面倒だ。二人分をエアチェックするのに丸々4時間かかり、おまけにミスがあったりする(+_+)
MD同士のダビングが出来ればこんな苦労もしなくてすむのだろうけど、今のところ新たにMD機器購入する予定はない。それより優先度の高いものさえなかなか思い切れずにいるところだ。
午後から三宮図書館に行き、隣のサンパル3Fの大型古本屋マンヨウを冷やかす。安彦良和の「虹色のトロツキー」8巻揃いを探したのだが、見つからなくて、代わりに?同じ作者の「ナムジ」5巻揃いが格安で出てたので、つい買ってしまった。大国主命を主人公にした、古代日本史漫画らしい。
その後、中央図書館に回る。日曜日は6時までなのでちょっと慌しかった、帰り道「トンコツ亭」という店で、ラーメンと餃子食べたが、大失敗だった。
今夜はワールドカップ決勝戦があるので、楽しみにしてたのだが、結果は2-0でブラジルの圧勝。鉄人GKオリバーカーンも、とうとう力尽きたという感じ。でも、ゲームとしてはいまいち盛り上がりに欠けた気がする。とりあえず、ブラジルおめでとう。
6月は、本当にサッカーで、楽しませてもらったし、時間も取られてしまった。その間に阪神タイガーズは、8連敗するなど貯金をほとんど吐き出してしまった。
7月から心機一転巻きなおしをはかってもらいたい。
【孤剣】【刺客】【凶刃】藤沢周平 ★★★☆☆ 先日読んだ「用心棒日月抄」4部作の、ニ、三、四部である。全集の9巻と10巻に収められている。昭和51年(1976)から平成3年(1991)の15年という長いスパンで、書き継がれているが、最後の「凶刃」だけは、3部から16年後の話で、主人公は北国の藩士にもどり、江戸に来ても用心棒などはやらないのだから、正確には後日譚ということになるだろう。
第一部は、忠臣蔵の裏話仕立てで、用心棒シリーズにするつもりはなかったらしいが、二部、三部では御家騒動がらみで、再三脱藩を装って江戸にのぼり、用心棒を続けながら、藩の機密を記した書状を取り戻したり、藩の隠密組織を助けたり、ハードワークをこなしていく。
忍び組の頭である女との色事もあり、用心棒仲間との連帯もあり、周旋屋とのやりとりもあり、単なる剣豪小説に終わらないところは、一部と同じである。
四部だけは、中年になった主人公が、藩士として、御家の秘密を探り、守っていく中で、用心棒をやってたころの自由さを懐かしんだり、仲間の落剥をつぶさに見ることになったりと、やや回顧的だが、確かに読者を飽きさせずに最後まで引っ張っていく、ストーリー構成と、ディテールの細かい描写と端正な文体は、見事といっていい。
NHKで「腕に覚えあり」というタイトルでドラマ化されたらしいがたしかに、そうしたくなるような筋立て、キャラクタ揃いである。
主人公は剣の腕は抜群だし、命を懸けて藩のために貢献するのだが、その割に藩からの報いは少なく、心の底では不満を抱きながら、結局与えられた情況で我慢していく。まるで、現代の中小企業の勤勉なサラリーマンみたいなところがあって、これがそういった読者層の共感を呼んだだろうということは、想像に難くない。
ひとつだけ気になるのは「腕をこまねく」という表現で「拱く/こまぬく」が正しい。最近は「こまねく」というのも辞書に「こまぬくの転用」という形で掲載されているから、間違いと目くじらを立てることもないのだろうが、これが、やたら頻出するので、そのたびに鼻白んでしまうのは、Morris.の偏屈なのだろうか。
「目をしばたく」「高見の見物」「腕をこまねく」、この3つはMorris.の文体評価では、減点対象となる。
2002/06/29(土)●たなばたコンサート● |
7時起床。8時に社長宅に行き、西区社会福祉協議会と西区児童館主催の「たなばたコンサート」。会場は区民センター大ホールで、10時半開演。600人を超える親子が詰め掛け、大盛況だった。
途中に児童館スタッフを交えて「たなばたさま」をはさんで、おなじみのナンバーをずらずらっと並べて、3rdアルバムの曲は演奏しなかった。
1時前に六甲に戻り、いやま、伊藤、松尾君と新在家の「椿寿亭」でそば定食食べる。近所にこんな美味しいそば屋があるとはしらなかった。
3時過ぎに雨が降り出したが、灘図書館に行く。途中大雨になりこの雨では甲子園は中止だろうとおもったが、帰ったら試合始まっていた。8時からはW杯韓国-トルコ戦が始まったので、ラジオで野球聞きながらサッカーを見る。開始10秒でトルコのハカンシュキュルが先制ゴールを奪ったのにはうろたえたが、イウルヨンのFKからの見事な同点ゴール、しかし、トルコはイルハンの連続ゴールで、前半は1-3で折り返し、後半も攻めつづけながら、トルコのGKリュシュトゥのファインセーブに阻まれた。試合終了直前にソンチョグクのシュートで1点差に迫ったがとき遅く、トルコが勝って3位になった。
まあ、なかなかいい試合だったが、しょっぱな韓国の油断による失点が最後までたたった。また、疲労のためスピードが落ちていたのと、決勝進出ならずで、ちょっとモチベーションを失った感じだ。選手もサポーターもベスト4ということで、ほぼ満足してたってことだろう。
韓国サポーターも、最初から韓国、トルコ両国の国旗を振って応援するなど、これまでとは全く違ったムード。試合後も、親善試合後の雰囲気。両チームの選手が、国旗を持って肩を組んでグランドでお互いの健闘を称えあう姿は、感動を演出しているという気がしないでもなかった。しかし、演出にしろ、これで韓国はほぼ完璧にW杯主催国としての責務をまっとうしたし、海外からの高い評価を得ることになったにちがいない。それに比べると日本は、チームの成績と同じくらい、いや、それ以上の差を付けられてしまった観がある。
阪神は延長の末やっと4-3のサヨナラ勝ちで連敗から脱出。今月最初で最後の六甲おろしを歌うことができたらしい。ほっ.
【おすず】杉本章子 ★★★ 「信太郎人情始末記」と副題にあり、5篇の連作短編が収められている。呉服問屋息子信太郎は、女性関係で勘当を食らい、愛人のつてで河原崎座勘定方の手伝いをしている。タイトルのおすずというのは、信太郎の元許嫁で、彼女が別の男に嫁ぐ直前に、強盗に襲われ自害した事件の真相を追う信太郎は、岡引の手下になっている友人の助けを借りて、犯人を突き止める。
これが初篇で、愛人の亡夫の隠し子出現や、材木問屋と役人の収賄に絡む殺人事件、などに、信太郎は時には自腹を切ってでも情報を集め、事件を解明していく、時代推理小説といえるのだろうが、本書の眼目は、ミステリー的興味にはなく、登場人物たちの人情の機微、市井の営みの描写、そして主人公の二人の女性への愛情模様。
杉本章子は「写楽まぼろし」
を読んで感激し「東京新大橋雨中図」
にすっかりはまったものの、その後はいまいちこれといった作品には当たらないし、寡作なので、ひさしぶりに本書を見つけて、これは、と期待して読んだ割には、物足りなかった。
本書は連作短編とせず、一本の長編にするべきだったような気がする。
2002/06/28(金)●またも負けたか8連敗● |
2002/0627(木)●指先の痛み● |
2002/06/26(水)●ブラジル貫禄勝ち● |
2002/06/25(火)●チャレックン チャレッソ● |
ところで、ぐいぐい酒場が、サーバーの移行で、使えなくなっている。biglobeの掲示板だが、Morris.は直接申し込んでいるのではなく、ししゃも文庫さんからレンタルしているので、今後どうなるかよくわからない。
はっきりしたら、また連絡するので、しばらくお待ちください。>>ヨロブン
2002/06/24(月)●さ、寒い● |
2002/06/23(日)●ちとせよりaiko● |
【昨晩お会いしましょう】田口ランディ ★★ ウェブマガジンに掲載したものや書き下ろしなど5編の短編を集めたもの。すべてsexを主題にしたもの。かなり露骨な書き方をしている割に卑猥さを感じさせないドライな表現は、内田春菊、岡崎京子などのマンガと共通点を持っているようだ。ただ、Morris.の好みではないな。
絵本「転生」 には、すごく感心したのだが、本書ではあの寓意性が影をひそめ、赤裸々風(赤裸々ではない)な文体に鼻白んだ。
彼女はネットコラムニストとして注目され、そこから出版界にデビューしたのだが、さとなおさんも指摘されてたように、ネット文体の匂いが抜けきれない。
複数の短編の主題に取りあげられているソフトSMの「ソフト」の部分が、彼女の人気の秘密でもあり、限界でもあると、原律子あたりは思うんじゃないだろうか(^_^;)
2002/06/22(土)●赤いアロハで心も熱く● |
合同観戦ポスター | 早くから来てた可愛い母娘 | Morris.も大極旗を額に応援 | 勝利の後は、みんな踊りまくる。 |
2002/06/21(金)●アメリカは強かったがGK一人に敗れた● |
【夢の島】大沢在昌 ★★★ 新米カメラマンである主人公が2歳のとき生き別れになった父の死が知らされ、遺品の「夢の島」という油絵を手に入れたことから、周囲に不穏な事件が頻発する。どうやら東北地方の日本海にある無人島に広壮な大麻畑があり、それを巡って、やくざや密売組織の抗争があっているらしい。
その島の大麻は、70年代に、主人公の父が男女の友人と3人のコミューンを維持するために始めたもので、女性は今は有名な作詞家となりプロダクションを経営している。主人公は彼女の助けを借りて、島の大麻を焼き尽くしに行くのだが、そこにはやくざたちがいて、闘争が繰り広げられる。
そもそも今の日本で、無人島にマリファナ畑が手付かずで残っているという設定からして無理があるし、主人公の行動も理解しがたい部分が多いが、Morris.は、冒頭から、本書は「大人の童話」だと直感して読みつづけたので、さほど抵抗無く最後まで読みとおした。
主人公と恋人とゲイの友人との三角関係?が、往年の夢の島のコミューンに投影されていたり、事件絡みで依頼されたカメラマンの仕事のこともそれらしく描きこんであって、なかなか頑張ってることがうかがえる。
大沢は「新宿鮫」シリーズが好きで、つられて他のものも読むのだが、それほどがっかりさせられることはないかわりに、瞠目させられることもない。
98年に「小説推理」に連載された作品だが、ちょうど携帯電話が定着し始めた時期なので、主人公が始めて携帯を使う場面や、島の地域によって使えたり使えなかったりするなどがことさらに強調されたりしている。すでに、携帯電話が日常のものになり始めた時期の作品という事になる。
【Windows 終了するのにスタートとはこれいかに?】藤田英時 ★★☆☆☆
「ふつうの言葉「新解釈」でウィンドウズを理解する」と副題にある。Morris.も以前からコンピュータの世界での、わけのわからないカタカナ用語の氾濫には、業を煮やしていただけに、もしかしたら画期的な内容の本ではないかと、手に取ったのだが、結果は満足すべきものとは言いがたかったが、それなりに触発されるところはあった。
ありていに言えば、新書版の本書は、いわゆるウィンドウズ入門の一つで、切り口が用語の言い替えというところが、ちょっと新趣向であるということになるだろう。
内容的にはそれほど際立ったものではないが、その新解釈の努力は認めよう。
タイトルに掲げてあるスタートボタンは「操作開始」と訳して、「終了作業を開始する」ボタンでもあるということで、いちおうの整合性に持ち込んでいる。MSがWIN95の発売に際して2億ドルの広告費をかけてキャンペーンを行った時、ストーンズの「スタートミーアップ」を流して、スタートボタンのわかりやすさの宣伝に努めたというこぼれ話は知らなかった。
CD-ROMを「読むだけディスク」、ハードディスクを「ずっと記憶」、フロッピーディスクを「一枚記憶」などと、舌足らずに訳したり、ダブルクリックを「カチカチ」と擬音で逃げたりと、笑わせるものあれば、デリートキーとバックスペースキーをそれぞれ「右削除キー」、「左削除キー」と意味を明確にする訳にしたりと、玉石混交状態だ。
ウィンドウを「窓」、アイコンを「絵柄」、ドライブを「円盤型記憶装置」というのは(ディスクドライブのことだろう)あまりいただけない。
Shiftキー「入替えキー」、Ctrlキー「特別キー」、Altキー「交代キー」というのは、わかったようで、わからなくなる。
全体にマイクロソフト一辺倒ではないところには好感を覚えた。
2002/06/20(木)●ほとんど死んでた● |
【はやり唄】小杉天外 ★★ これもセンターの古書展の中から 取りおきしてもらってたものの一冊。昭和5年(1930)発行の改造文庫である。小杉天外といえば、読んだことはないが「魔風恋風」という印象的なタイトルの作品を思い出すくらいだ。
宇都宮郊外にある淫乱の血筋であると噂される素封家での情痴小説ということになるのだろうか、画家である入り婿の浮気と、嫁の確執、東京から来た医学士と嫁との肉欲、ほとんど、これだけの筋である。
面白かったのは、地元の分家で養蚕をやっていてその描写があることと、例によって、ルビのコレクションがいくらか出来た事くらいだろう。
本書には短い序文が付してある。天外の小説論みたいなものだが、いかにもふるっているが、このマニフェストと本書の中身との乖離もなかなかのものと思う。
自然は自然である、善でも無い、悪でも無い、美でも無い、醜でもない、ただ或時代の、或国の、或人が自然の一角を捉へて、勝手に善悪美醜の名をつけるのだ。
小説また、想界の自然である、善悪美醜の孰に対しても、叙す可し、或は叙す可からずと覊絆せらるる理屈は無い、ただ読者をして、読者の官能が自然界の現象に感触するが如く、作中の現象を明瞭に空想せしむればそれで沢山なのだ。
読者の感動すると否とは詩人の関する所で無い、自然は、唯その空想したる物を在のままに写す可きのみである、画家、肖像を描く方に方り、君の鼻高きに過ぐと云て顔に鉋を掛けたら何が出来やうぞ。
詩人また其の空想を描写するに臨んでは、其の間に一毫の私をも加へてはならぬのだ。
2002/06/19(水)●去年の阪神?● |
【続金色夜叉】長田幹彦 ★★☆☆ あの金色夜叉の続編である。といったところで、今どきの若者は知らない方が多いだろう。貫一、お宮の恋物語、熱海の海岸の名台詞「来年の今月今夜のこの月を僕の涙で曇らせてみせる」なんてのも、知ってる方が年寄りの証拠かも知れない。ともかくも、尾崎紅葉の「金色夜叉」は、明治の大ヒット小説で、帝大生間貫一が、寄宿先の娘、お宮と相思相愛になるが、富山という成金に求婚され「ダイヤモンドに目がくらみ」それにお宮が応じたため、怒った貫一が、熱海でお宮を下駄で足げにするという、今なら即婦人団体から糾弾受けるようなことをやって、貫一は、学問も出世も諦めて高利貸しになって、金の夜叉になるという物語だったと思う。Morris.が読んだのは学生時代だから細かいところは忘れてしまった。
さて、本書だが、続編といっても作者が違っている。名前だけはどこかで見たような気もするのだがよくわからない。ネットで調べたら、明治後期から大正時代の、流行作家で、「祇園小唄」の作詞をしたことで有名な人らしい。
大正7年(1918)春陽堂発行で、文庫本の面積を変えずに縦長にした小型本で、700ページ近いから長編といえなくもない。
本書はあれから7年後、富山の豪邸新築の園遊会の場面から始まる。富山の妻となったお宮が、いまさらながらに貫一のことを思い切れずいて、そのため、身心ともに優れない。富山はそれとなくお宮が、自分に馴染まないのを不満に思い、うすうす貫一のことも疑っている模様。
高利貸しで、かなりの富を築いた貫一は、お宮からの詫びの手紙など貰っても、決して彼女を許そうとしないが、役人崩れの友人に諭され、人倫に外れた高利貸しを止めて、友と北海道で事業を興すこととなる。その前後偶然であった、お宮は、富山によって熱海の別荘に幽閉状態になっている。
貫一は、それらを振り切るように北海道網走付近の原野を開拓し始める。製材の機械の買い付けに東京に戻った時も、またお宮とのすれ違いがあり、貫一の心もじょじょに解けてきつつあるのだが、北海道に戻ったら、友人が暴漢に殺されてしまい、すっかり世をはかなんで、自殺を考えたところに、橇に乗ってお宮が飛び込んでくる。今は9年前の相思相愛の二人となり、新しい人生を始める決心をする。
たいがい、こんな筋である。
途中に貫一に懸想する女高利貸しの果敢な誘惑や、貫一が恩義を受けた人の息子が肺炎で死んだり、富山の腰ぎんちゃくになった同窓生、心中するところを貫一に助けられた夫婦など、物語の糸は元祖金色夜叉を元に、いろいろ展開していくのだが、小説としてははっきり言って面白くはないし、展開のいい加減さは、なかなかのものだし、北海道開発の場面が延々と続くし、肝心のお宮の事情や、曲折はほとんど描かれていないのだが、時代が匂ってくるのがとりえといえばとりえだろう。
いちおうこの続編もヒットしたらしく、同年に映画化(白黒サイレント)されたらしい。
この頃の本を読むときの楽しみの一つが、強引なルビを見つけることだ。
たとえば「高利貸」に「アイス」というルビが付されている。これは「高利貸→氷菓子→アイス」というながれなんである(^o^)
実はこの本、例の六甲学生青年センターの古書展に出ていたのを、鹿嶋さんと中野さんが、いくらかMorris.用にと取り置きしてくれた数冊の中の一冊だった。
かなり汚れてはいるが、布装の表紙に描かれている和装の女性の絵は、竹久夢二ではないかと思う。見返しの木版画風の植物の意匠も如何にも夢二らしいと思うのだがサインがないのではっきりしないが、どうだろう?
2002/06/18(火)●日本ここまで(+_+) 韓国凄い\(^o^)/● |
おおおおおおおおおっ!!!す、すごい、すごすぎる。なんと韓国、あのイタリアと堂々と渡り合って、延長の末、それまで決定的場面で外しっぱなしだったアンジョンファンが、ゴールデンゴール。いやあ、Morris.の想像以上に韓国チームは強かった。
試合内容も、テンションも、技術、ファイト、鬩ぎあい、全てにおいて、素晴らしい試合で、日本の試合の10倍以上面白いゲームだった。これは実質、決勝戦といっていいかも知れない。そのくらいいいゲームだった。
2002/06/17(月)●ブラジル強し● |
2002/06/16(日)●コンサート● |
2002/06/15(土)●真夏の風partII● |
2002/06/14(金)●日本、韓国共に勝って決勝Tへ● |
【真性活字中毒者読本】小宮山博史、府川充男、小池和夫 ★★★☆☆ いわゆる本好きをやや自嘲的に「活字中毒者」と称する傾向があるが、本書は「真性」の冠は伊達でなく、本当に活字そのものに憑かれた者による日本の活字にまつわるもろもろが扱われている。
副題に「版面公證/活字書体史遊覧」とあり、
「真性活字中毒者」とは? 前書きの一部を引く。
「真性活字中毒者」とは、活字書体ソノモノに中ってしまっている連中、何というか「絶対文字感」の持主のことである。この場合の活字とは、教義の活字、すなわち膠泥活字や木活字、また彫刻や鋳造された金属活字等に限られない。和文のmovable type全般、すなわち写植やディジタル・フォントを含む「広義の活字」のことである。新聞の切れ端から朝毎読を見分けるくらいは朝飯前、築地活版・秀英舎・精興社・三省堂・岩田母型・モトヤ・日本活字工業・錦精社等々、主要な活字の系統は細部に至るまで諳んじている、仮名なら何でも来いで、明朝体の漢字だけを見ても活字の系統をほぼ判断できる。一度アタマのなかに書体のイメージを叩き込んでしまえば、一年や二年くらいはその書体を目にしなくとも、再び同じ書体を用いた資料に出会った瞬間、記憶が一気にフィードバックされてくる----というようなのが、まあ真性活字中毒者の]症状に外ならない。
要するに「活字オタク」ってわけだね。こういう人から見ると、Morris.の活字好きなんて、小学生水準だろう。
本書は、彼ら活字オタクの印刷史研究の派生物とのことで、あちこちに発表されたものの寄せ集めだから、長さも話題も水準も面白さもまちまちである。
面白いのは、抜群に面白い。
1.日本語組版の歴史
2.古書温故知新
3.タイプフェイスとディジタル・フォント
4.明朝体の歴史とデザインを考える
5.神字と新字
6.千字文
7.印刷史研究と電子組版の往復運動
の7章で、講演や対談、小論、見本紹介など筆者を替えて並んでいるが、Morris.には、第一章、第四章が特に興味深かった。
2002/06/13(木)●阪神薄氷の勝利● |
2002/06/12(水)●阪神4連敗● |
矢谷、西根、秋本君らと、六甲アイランド高層マンションのインド人の現場。昼食は花邑のおろしカツ。
仕事の後、秋本君と一緒に新開地アートビレッジセンター地下スタジオで16日コンサートの練習。そうだ、コンサートまで4日しかないんだ。
お客さんははたして来てくれるだろうか。会場広いのにがらがらだと淋しいだろうな。当日時間のある方は、ご家族おともだちと連れ立って見に来てくださいm(__)m
W杯は、今日、アルゼンチン、南アフリカの敗退決定。今回は常連や優勝候補チームがばんばん落ちている。日本、韓国には勝ちあがって欲しいが、やはりスーパースターのいる国にも残って欲しい。そんな贅沢が言えるのも今のうちかも知れない。
野球は阪神また広島に敗れて4連敗(+_+) 井川で負けたというのがなんとも痛い。夢見も悪かったし。ともかく明日は連敗ストップしてもらいたい。
2002/06/11(火)●松山の路面SL● |
[オークションの夢]知人の画家の作品をオークションにかけるよう頼まれる。作品は横長の抽象的な銅版画で、とても気に入ったのだが、出品してからこれが贋物だということがわかる。画家の方からは入札の値段は取り消せないと言われるし、画商みたいな男から脅迫まがいの手紙が送られてくる。これを解決してやろうという人が現れるが、彼は作品を持って姿を消す。どうもMorris.は陰謀に巻き込まれたらしい。
朝5時に起きて、清水君と二人、松山に向かう。目まぐるしく天候の変る一日だった。
しかし松山は遠い。6時に出発したのに到着は10時半過ぎ。久しぶりに瀬戸大橋を渡ったが、そこがほぼ中間地点。
仕事は上海向けのピックアップだが、台湾から来た荷物の再梱包と、詳細リスト作成のため手間取った。
現場の近くに正岡家旧墓地跡というところがあり、子規の句碑が建っていた。
粟の穂のこゝを叩くなこの墓を 子規
あまり上手いとは言いがたい(^_^;)
もう一軒の実家に行く道は、松山城を東に見て上る電車道だった。松山はまだ路面電車が走ってるんだなあと、変に感心してたら、前からなんとSLが走ってくるではないか、いやどうやら、SLスタイルの電車らしい。ほとんどホザナ幼稚園の通園バス級の馬鹿馬鹿しさだと、あわててデジカメに収めたが、こちらはトラック、向こうも走って来てるという相乗効果で、ボケボケになってしまった。細部は想像で補って欲しい。
作業は4時前に終了。その途端雨が降り出し、豪雨になった。颱風の影響らしい。
帰りのトラックのラジオで、フランス-デンマーク戦を聞く。なんとすでにデンマークが1-0でリードしている。ジダンも出ているらしいがどうも形勢不利。後半にも追加点を許し、あえなく前回の優勝チームフランスは、一勝どころか、一点も取れず予選最下位で敗退。あんまりぢゃあ(゚o゚)
善通寺で高速道路途中下車して、11号線沿いの「やじろべえ」という讃岐うどんの店で、おろしうどんとおでん食べる。それほど期待してなかったが、いやあ、やっぱりうまい。太めだが歯ごたえ充分のしこしこ麺で、文句なし。
帰り道はまたラジオで阪神-中日戦を聞きながら帰ったのだが、なんと清水君は中日ファンだということが判明。おまけに阪神の先発谷中が、初回から3点取られるわ、阪神は、チャンスに凡退を繰返し、ほとんどボロ負け状態。結局1-8で3連敗の阪神は、2位巨人との差が1ゲームになってしまった。
帰宅は9時半過ぎ。ドイツ-カメルーン戦の後半から見る。荒れた試合で、イエローカードの大盤振る舞い。退場も一人ずつ出たが、1点取ったドイツが、ガードを固め、2-0で勝ち抜き。カメルーンはアイルランドが勝ったので、予選敗退が決定した。
2002/06/10(月)●日本初勝利韓国引分● |
2002/06/09(日)● いよいよロシア戦● |
2002/06/08(土)●おすわりペコちゃん×2● |
昼前に久しぶりにセンターに行く。稲田さんとサッカー&PC話するのと、信長さんからのペコちゃん人形を受けとるのが目的。先日の朝鮮語講座同窓会で、信長さんが偶然人形を入手したのでMorris.にいらないかとメールしたのに、返事がないのでどうしようか迷っていたという話になった。そんなメールはもらってないぞ。どうも、ヤフーに切り替えた時のメールアドレス変更の連絡が通ってなかったみたいだ。
それで、時間があるときにセンターに預けておいてもらうことになってたのだ。で、その人形というのが、以前、不二家のキャンペーンの景品の「おすわりペコちゃん」だった。ポスターで見て、欲しいと思いながら、甘い物天敵のMorris.には手の出なかったもの。思ったより大きくて(全長30cm)、作りも衣装もしっかりしていて、目茶可愛い上に、なんと衣装違いで2体もあったので、Morris.の喜ぶまいことか。
一体は、オーバーオールに黄色いシャツのお馴染みのスタイル、もう一体は、紺のブレザー、グレーのスカート、白いブラウスに赤い蝶ネクタイで、黄色いカバンまでそろった通学姿のペコちゃんで、これはたまらんなあ、もう。信長さん感謝感激雨霰です。
顔と手先と靴部分は合成樹脂でそれ以外は布地のぬいぐるみ、顔は最新タイプで、以前と比べると色白だ。
稲田さんが朝日新聞(4/27夕刊)の切り抜きをくれた。ペコちゃんコレクターの大学教授の記事。最初に真性ペコちゃんを手に入れたのがきっかけらしいが、これはずるいや、と思ってしまった。まあ、Morris.はフリークではあってもコレクターじゃないもんね。
鹿嶋、中野さんも一緒に4人で近くのびーあんで、昼食。ここは、南欧風の気さくなレストランで、今日のハンバーグランチもなかなか美味しかった。中野さんは、宮沢賢治と食べ物に関する著作を2冊も出してるのだが、岩手県花巻市の宮沢賢治イーハトーブ館で「宮沢賢治のごちそう博覧会」が開催されているという話を教えてもらった。東京でさえ、韓国より遠いと思っているMorris.だし、東北地方自体行ったことのないMorris.には、あまりに遠いところの催しだが、興味ある方は こちら
をごらんください。
午後2時から阪神-広島戦を見る。藪の先発で、シーソーゲームで、3-3の8回表、エラー続出で6点も取られ、ワンサイドゲームになり、9回裏アリアスの2ランも焼け石に水で5-9で連敗してしまった。。
W杯、6時からイタリア-クロアチア、8時から中国-ブラジルの放映があるので、またまたTV漬けになりそう。
2002/06/07(金)●イングランドvs.アルゼンティナ● |
としろう、市川、西根君らと六甲アイランドの現場。午前中は台所。午後は、トラックの荷台で、石灯籠の梱包。灯篭の笠が直径60cmくらいあって、結構な重さで、大汗かいてしまった。
西根君とW杯談義。日本の状況は対戦チームの順序が鍵を握るというのが西根説で、つまり日本としては、最初にチュニジアとやってたら(もちろん勝った場合)非常に有利に展開できたというわけだ。実際は、緒戦ベルギーと引き分けたのだが、次がロシア戦で仮に引き分けたとすると、チュニジア戦に勝たねばというプレッシャーが大きくなるし、ロシアに負けたらチュニジアに勝ったとしても、決勝リーグ決めたロシアはベルギー戦には必死にはならないだろうから引き分けの可能性が高くなるだろうしと、やや悲観的見方だが、ともかくも9日のロシア戦を応援するしかないという結論。韓国だって、10日のアメリカ戦が正念場だろう。
阪神-広島戦は、ムーア乱調で、1,2回で4点も取らたが、2回の裏に阪神が一挙同点に追いついて、やった!!と喜んだのもつかの間、5回表に5点取られてしまった。結局このままずるずると5-9で負けてしまった。巨人は5時間を超えるゲームで、延長12回の裏無死満塁のチャンスを生かせず負けてしまったので、首位と2位のゲーム差は2.5ゲームと変らないが、上位は団子状態になりつつある。これはこれで面白いからいいけどね。(と、ちょっと余裕こいておく(^_^;))
今夜は、W杯アルゼンチン-イングランド戦。いやあ、やっぱり凄い試合だった。ベッカムのPKの一点を守りきったイングランドも、後半、休み無く攻めつづけたアルゼンチンもとにかく凄かった。日本が強くなったと贔屓目に見ても、2ランクくらいはレベルが違うね。
【杉山平一全詩集 上】 ★★★☆☆ 先日「ぜふぃるす」を手に入れてその感想を書いたが、せっかくだから、こちらも、中央図書館で借りてきた。700p近い大冊だが、下巻は、童話や散文が中心なので、この上巻だけで実質的な「全詩集」といえなくも無い。
刊行された4詩集「夜学生」(1943)、「声を限りに」(1967)、「ぜぴゅろす」(1977)、「木の間がくれ」(1987)と、それぞれの拾遺、さらに150pほどの未完詩篇という構成で、詩人としてはかなり寡作ということになろう。
最後の刊行詩集「木の間がくれ」などは、限定八十七部ということだから、彼の詩業の全貌は、本書が出るまではほとんど窺い知る事が出来なかったということになる。
えらそうに言うほど、Morris.がこの詩人の事を知ってるわけでなく、矢谷君からその名を聞いて関心を持ったに過ぎない。
一通り読み終えた感想は、処女詩集より、後期になるほど、いい意味で枯れて良くなってるような気がする。特に寸言に近い短い作品に惹かれるものが多かった。
●月へ
いまにきつといい事があるよ
心がおもく沈んでくると
月光に海底のやうな青い夜 私は酒をのむんだ
すると海底に からだはかるく 力はぬけて行く
呼吸(いき)をつめ 月たかく手をさしのべる内に
からだは風船のやうにゆつくり浮んで行つた
楽天家よ
あかるい海原まで もうしばらくだ
わるい事がいつまでも続くもんか
●感傷について
その夜 木造洋館とポプラの町神戸を出発した阪神特別急行電車が 左手の窓に脈脈とつらなる漆黒の六甲連峰を従へ
右手の窓に海へ堕ちかゝる血のやうに朱い三日月をひきつれ 滅茶苦茶につゝ走る速度と轟音の真只中に 乗客である私は ひそかに持つたねぢ廻しを取り出し
木ねぢを一本一本はづして行くと
その電車はゆるゆると核砂糖のやうに崩れはじめた (詩集『夜学生』より)
●船出
夜ふけてやつと辿りついた寝床
船のかたちに足をのばして目を閉ぢれば
一日のはら立ちやお金のやりくりが
もうしずかに遠のいてゆきます
ボン ボワイヤージュ
僕の船出を送るかすかな犬の遠吠え
あけがたまたこの港に戻るのはいやですね (詩集『声を限りに』より)
●まっしぐらに
まっしぐらに
闇のなかを
パラシュートを負って
墜ちてゆく
もうひらくはずだ
いまか いまか (詩集『ぜぴゅろす』より)
●いま
もう おそい
いつも
そう 思った
いまから思うと
おそくはなかったのに
まだ 早い
いつも そう思った
そうして いつも
のりおくれた
大事なのは いまだ
やっと 気がついた
もう おそい
か
●万有引力
私の身体も荷物も強くひっぱってやまない地球の引力こそ 神と呼ばれ イデアと呼ばれるものではないか。この実体なく姿なきものに、ひたすらひかれ あこがれ 我々は統一されるのだ。大建築において、幾千万の石が、そこにひかれて組み合い均衡安定するように。
●進歩
人は同時に両側を見ることはできない
右なら右の 片側の景色ばかり見ているので
車がいつのまにか同じ道を 帰っているのに
行きと反対側の景色に接して
前へ 前へ進んでいると 思い込んでいるのだ
生涯の道に於いてもまた (詩集『木の間がくれ』より)
●竪琴
歩むにつれて
ハープのような梢をぬって
冬の星がりんりんと鳴る
●最後の一発
銃なら最後の一弾を
カメラなら最後の一枚を
つねに残しておくべきだ
その使い方によって
きみは評価される (『木の間がくれ』拾遺)
●白と黒
太陽は 雪を溶かしますが、闇も溶かしますよ。
●目
人は、目をとぢて世界は暗いという。人は、目をあけて世界は明るいという。
●ドア
ドアを押すとき
出るつもりだった
うしろ手にしめるとき
気づいた
入って行くのだ と
いくたびも出て
それだけ入ったのだ
出たいと思って
いつも 入っていた
●辞書
辞書の中に迷いこんで
行きつけないで
よその家へ上りこんで
紅茶をのんで帰ってきた (未完詩篇より)
2002/06/06(木)●JUZZ & JAG● |
社長宅に、お茶と羊羹をおすそ分けに持っていく。月初に出来上がった、春待ちファミリーBANDの3rd.アルバム「JUZZ & JAG」受け取る。
タイトルは、「JAZZ & JUG」のもじりだが、基本的には、前半がジャズナンバー、後半がジャグナンバーという意味をもたせてある。
春待ちファミリーBAND部屋に3rd。アルバム紹介ページ をアップしておく。例によって、試聴用にmp3ファイルも付けてあるが、やはり容量大きいので、HDなどにダウンロードしてください。
6月16日(日)には、新開地KAVCホールで「CD発売記念コンサート」もあるので、是非、これを見に来て、CDも買ってくださいm(__)m
3日休みだったプロ野球も今夜から再開。
大阪ドームでの阪神-広島戦は、アリアスのホームラン、連打続出で、7-0と井川完投勝利。ああ、すっとした。
サッカー、崖っぷちのフランス-ウルグヮイ戦は、前半フランスのアンリがレッドカードで退場。本当に窮地に立たされたが、GKの神がかり的ファインセーブもあって、結局0-0のドロー。いい試合ではあったが、どうも審判の判定に疑問が残る。
2002/06/05(水)●サッカーvs入籍● |
【情熱の女流昆虫画家 メーリアン波乱万丈の生涯】中野京子 ★★☆ マリア・シビラ・メーリアン(1647-1717)の名前を初めて知ったのは、80年代半ば頃、荒俣宏の本の中だったと思う。何よりもまずその「花虫図」の異様な美しさと面白さの虜になった。
これを描いたのが18世紀の女性で、それも五十歳を越えてから、南米スリナムに赴き、採集とスケッチしたものをヨーロッパに戻ってから彩色銅版画集として出版したと知って、ますます興味を覚えた。伝記的にもかなり起伏のある一生を送ったみたいだし、その最高作品集「スリナム産昆虫の変態」は、Morris.の幻の書となっていた。
その後断片的に図版を見るたびに、溜息をついていたのだが、91年にやはり、荒俣編著でリブロポートから出た「ファンタスティック12」シリーズ8巻「昆虫の劇場」に、完本が収録された時には嬉しくて、嬉しくて、もちろん即買った。
「昆虫の劇場」は、B5版ハードカバーで画集としてもしっかりした装丁で、Morris.の愛蔵本&愛玩本となっている。メーリアンの他に、エーレト「花蝶珍種図録」、ハリス「オーレリアン」も併載されていて、エーレトの画風も雅やかで味わい深いものだが、メーリアンの前には、顔色を失う。一枚の図の中に、美麗な植物と虫を配合する方法は、前例のないことでもないが、メーリアンは、蝶や蛾の一生を、一枚に描き出している。つまり、卵、幼虫、蛹、成虫を同時に描いているのだ。そしてそれが、構図としても不自然でなく、Morris.は見るたびに眩暈に襲われる。
世の中には、虫が嫌いな人種がいることは知っている。だから、万人に向く画集ではないだろう。でも、これほど凄い画集は、無い、と、断言したい。
メーリアンは、子供の頃から、虫に異常な愛情をもっていたらしい。誰もが「虫愛ずる姫君」の話を思い出すだろう。父がドイツの版画家だった事もあって、その才能を遺伝として受け継ぎ、技術の基本も身につける事が出来たというのも彼女の天職を全うするための天の配剤だったに違いない。
やはり版画家の男と結婚したものの、こいつがとんでもないぐうたらで、とうとう彼女は宗教的コミューンに入った兄の元へ逃げ出してしまう。
兄の死後、コミューンが経営していた南米スリナムに渡り、2年間観察とスケッチと採集を行い、帰国後、博物図集の奇跡「スリナム産昆虫の変態」を上梓したことは先に書いたとおりだが、彼女の数奇な伝記が出たとなると、これは、読まないわけにはいくまい。
と、いうわけで、えらく長い前置きになったが、2002年に出されたばかりの本書を、期待して読んだのだった。
だが、 読後感は、はっきり言ってちょっとがっかりであった。
たしかにメーリアンの一生というものを俯瞰して知ることはできた。家族や暮らし、技術の習得、コミューンから南米へ行った経緯などもわかったし、簡単ながら年譜も付してあるから彼女の一生を総覧することもできた。
それでも、物足りないと思った第一原因は、図版があまりに貧弱ということだった。例の「昆虫の劇場」より一回り小さいA5版だし、伝記という読本なのだから図版はおまけだとしても、これでは、本書によって始めてメーリアンに接する読者が、過小評価するのではないかと怖れざるを得ない。
本文中に挟まれているモノクロ図版はまだ許せるのだ。読者もそういう視点で見るだろうし、想像力を喚起するだけの力はある。困るのは冒頭4ページの光沢アート紙のカラー図版で、リブロポート版と比べても、あまりに貧弱過ぎる。
表紙のバナナの花はまだましだが、これもレイアウトとレタリングの拙さが足を引っ張っている。
贔屓の引き倒しではないのだが、傾倒している作家や作品を、紹介する本が、読者にマイナスイメージを与えるのにはがまんできないのだ。
著者がメーリアンに関心を持ったきっかけは「数年前ある雑誌にドイツマルク紙幣の肖像画に関するエッセイを書くことになり」その中にメーリアンの図があったからだと言う。しかし彼女の文献は日本にはほとんど無かったと前書きにある。
これもMorris.にはちょっと文句をつけたい。先にあげた「昆虫の楽園」は91年に出ているし、それ以前にも荒俣の著作の中に書かれていたことも先に書いたとおりだ。
著者がこの2冊を知らなかったとしたら、あまりに杜撰だし、知っていて無視しているとしたら、失礼だと思う。
本文に関してもいくらか気になる部分がある。たとえば時間軸で、伝記的事実を叙述しながら、文末に断定的未来形を使いすぎる。要するに小説家風に将来のことを暗示的ににおわす筆法のことで、
「これからの5年は、そのための蛹の時となるだろう」「マリア・シビラの住まいが昆虫やら標本やらで埋め尽くされるのもまもなくである」「いや、マリア・シビラ・メーリアンにこんなことは起こらないだろう。---この世で与えられた使命を、全力あげて果たすだろう」
などなど、意味のないもったいぶった口調、ともかく、Morris.の嫌いなタイプの文体だということになるのだろう。
本書一冊より、荒俣の4pの紹介の方がよほど分りやすく、要諦を掴んでいる。
悪口を書くために読んだわけではないのだが、メーリアンと彼女の図像を、多くの人に知ってもらいたいが、それを矮小化することになってはたまらないという、ディレンマに陥ってこんな歯切れの悪い物言いになってしまってるのだろう。
ちなみにMorris.in Wordland のトップにある、マッチラベルの中の蛾の図こそメーリアンの作品そのものである。注意深い読者ならとうに気づいてるだろうが、左右の翅の模様が微妙に違っている。これは、図鑑的理由から、片方(多分右)は、裏側の模様を見せているのだと思う。
【石神井書林日録】内堀弘 ★★★ 目録専門の古書店石神井書林の店主の日記風エッセイで、最近読んだ「古本屋
月の輪書林」に似てるなと思ったら、お友達関係らしい。著者の専門分野は詩歌句関係で、特に昭和初期のモダニズム、北園克衡、春山行夫など有名な詩人はもちろん、名前さえ知らないマイナー詩人、雑誌の発行者、画家や運動家などの名前がぞろぞろ出てくる。ちょっとMorris.とは趣味が違うようだし、古書市での本漁りも当然素人向きではないので、あまり面白くなかった。
昭和6年発行の「現代猟奇尖端図鑑」というグラフ本のことに触れてあったのがちょっと懐かしかった。学生時代に買った記憶がある。
内容的に重複する文が多いのもちょっと何だかな、と思う。
石神井書林にしろ月の輪にしろ、テーマを絞っての目録を作り、それが玄人むきで、評判になっているらしい。いわば「見えない古本屋」というわけだが、やはり、Morris.は直接本を見ることのできる古本屋が好きなのだろう。
そういう意味では、ブックオフや、ビデオコミック専門の最近のチェーン展開しているニュースタイルの古本ショップへの著者の嫌悪には、共感を覚える。
2002/06/04●日本引き分け、韓国初勝利● |
STARdigioのサイトは、検索しなおしたらちゃんと番組表も見えるようになった。マイナーチェンジしてたらしい。それならそうと連絡くれてもよさそうなものなのに。
今月は、やはりW杯絡みでか、408chで、4週連続「K-POPS特集」だ。今週が「DANCE」、以下「FOLK」「BALLAD」「ROCK」とジャンルわけされている。4時間プログラムだから、トータル16時間、200曲以上が流れるわけで、韓国最新音楽状況を知るのにはもってこいかも知れない。まあ、Morris.は、すでにオールドウエーブ親父に成り果ててるから、いちおう聞くけど、エアチェックまでする気にはならない。
今週は「DANCE」と言いながら、スローな曲も混じっている。ユ・スンジュン、キム・ヒョンジョン、CLON、ルーラ、ジェクスキス、イ・ジョンヒョンが5-6曲ずつ小特集扱いで他は、チョ・ソンモ、S.E.S.、hン・ギョンミンなどなどの名前がある。フォークやバラッドは、オムニバスアルバム持ってるので、最後のROCKに期待したいところだが、最近のでは、多分ついていけないだろう。
今夜は、日本と韓国の初戦を続けて観戦するつもりだが、チケット頒布の不手際は、目に余る。FIFAの傲慢な態度には不快を通り越して、憤りさえ覚える。
日本-ベルギー戦は、前半0-0で、後半点の取り合いとなり、やや押し気味の日本だったが結果2-2引き分けで、勝ち点1というのは善戦といえるだろう。韓国-ポーランド戦は、韓国圧勝。これで韓国の決勝リーグ進出の可能性はかなり高くなった。日本の場合は五分五分かな。
【用心棒日月抄】藤沢周平 ★★★☆ 婚約者の父である上司をよんどころない事情で切り捨てて浪人になった主人公が、江戸に出て、国元からの刺客に狙わる境遇の中で、糊口をひさぐため用心棒などをしながら、赤穂浪士と、吉良家の暗闘に巻き込まれていくという連作短編である。
用心棒の職を世話する周旋屋、妻子もちの浪人の相棒、ひとくせありそうな小唄の女師匠など、脇役もしっかり書き込みながら、忠臣蔵の裏話という、時代小説読者好みの設定を、無理なくストーリーにはめ込んでいて、確かに達者な書き手であると、感心した。
Morris.は、もともと時代小説は得意分野ではないし、筆者の名前も知ってはいても敬遠してきた。これが、最初に読むことになるかもしれない。
10篇の短編は、それぞれ独立しているが、やはりこれは、一つの作品として読みとおすべきものだろう。昭和53年発行とあるから、かなり古い。全集を見たら、このシリーズは後2冊くらいは続編があるようだ。
それくらいは読んでもいいかな、という気になってるくらいには面白かった。
しかし、図書館に並んでいる全集を横目で見ながら、藤沢作品にはまり込むのは、ほどほどにしなくてはと警戒の念を抱いている。
【蒲生邸事件】宮部みゆき ★★☆☆☆ この作家も名前だけは知っていながら、初めて読んだ。現代(95年)の受験生が、二二六事件(昭和11年)の現場近くの蒲生大将邸にタイムスリップし、
、大将の自決(殺人?)に巻き込まれる中で、現代史を体験学習しながら、現代に戻り、過去を改めてふりかえるという、よく分らない筋立てだ。
ミステリーとしては、トリックも、殺人事件も大雑把だし、ファンタジー色は薄いし、ロマンスとしても迫力に欠ける(^o^)のだが、とりあえず、最初から最後まで、よどみなく読ませる技量は、さすが最近の「国民小説家」と呼ばれるだけのことはある。のかな?
ジャンルもスタイルも幅広い作家ということらしいので、この1作だけで決め付けるのは早計かも知れないが、軽さと、明解さ、適度なセンチメンタリズムと、ロマンチシズムを適度に併せ持ってるところが、世間に受けいられているのではないだろうか。
しかしこれらの特徴は、そのまま、欠点、物足りなさにもつながりそうな気もする。
タイムトラベルものにつきものの、タイムパラドックスに関しても、新味は無いものの、過去への旅人の優位性をあまり表に出さず、「狡さ」と見るあたりに、彼女の良識みたいなものを感じた。二二六事件などの資料の読み込みや、紹介は、なかなか手際よくやっていると思う。
2002/06/03(月)●消えたビリケン● |
ここ三日ほど暑い日が続いている。今日も真夏日かも知れない。
昼前に自転車で出る。2号線、コーナンのやや東にある「めっちゃ屋台麺」で塩豚骨ラーメン食う。いちおう長浜ラーメン系で、キクラゲの線切、紅生姜、胡麻は小さなすり鉢で出てくるし、麺は細麺で、言うことなしみたいだが、どうも全体に迫力に欠ける気がした。「こくがあっても、後口さっぱり」と書いてあったから、これが持ち味なのかも知れないが、Morris.には物足りないということだ。麺も細いだけで腰がない。
昼食時は、ご飯付きで\600のサービス料金だし、高菜炒めも食べ放題だから、なかなか頑張っていると思う。粒胡椒をミルで挽くようになっているが、やはりラーメンには粉胡椒のほうが合うと思う。久しぶりにラーメンについて語ってしまったかな。
脇浜の子安地蔵の前を通ったので、久しぶりに祠に参ってみた。ここには、Morris.好みのビリケンさんの石像があるので、時々覗いて見る。前に来た時より、大小の地蔵像が増えているような気がする。ちょっと嫌な予感に襲われた。悪い予感はあたるというが、案の定、お目当てのビリケンの姿が見あたらない。
えーっ、そんな馬鹿な(+_+)
99年10月6日の日記
の写真でもわかるように、赤いチャンチャンコなんか着せられて結構大事にされてたみたいなのに。うーん、これはショックだあ。
ちょっとがっくりしながらも、今日の目的地、春日野道商店街の勉強堂へ。ここは時々行ってみたくなる古本屋で、割と回転もよく、今回は兵庫県郷土資料ののじぎく文庫が大量に入っていた。
と、いいながらMorris.の目的は雑本とマンガの冷やかしで、安彦良和の「虹色のトロツキー」1,2巻が出ていた。噂ばかり聞いて現物を見たのは初めてだったし、格安(1冊\200)で、とりあえず表紙のデザインとレタリングに釣られて買ってしまった。
満州の建国大学に特別入学した日蒙混血の少年を主人公に、石原莞爾、辻政信、東條英機、甘粕正彦など、日中戦争の大立者がどんどん出て来る、スケールが大きく、緻密な取材と見事な絵とあいまって、なかなか凄い作品らしいが、こうなると続きが読みたくなる。
ネットで調べたら、全8巻の大作で、今日入手した潮出版社版は絶版。現在は中公文庫で復刊されていることを知った。あと6巻もあるのか。Morris.は、マンガの文庫化というのは、あまり嬉しくない。
特に本作品のように絵柄を楽しみたい作風のものなら尚のことである。それでなくとも、漫画週刊誌連載時に比べると普通の単行本でもかなり小さくなっているわけだから、文庫サイズは悲しすぎる。
今夜は8時半からサッカー、イタリア-エクアドル戦がある。一昨日のドイツ-サウジのワンサイドゲームはさすがに、サッカーファンから、散々腐されているようだ。
明日の日本、韓国が、あんな結果にならないことを祈りたい。
W杯に合わせて、イパクサ自伝第二章の順番を飛ばして、 「アイラブワールドカップ」
の項をアップしておく。
【エノケン・ロッパの時代】矢野誠一 ★☆ このところ岩波の出版物をちょっと見直そうかという気になってたのだが、この岩波新書の一冊には、がっかりしてしまった。
いちおう啓蒙書、手引き、覚書みたいな著作のつもりらしいが、あまりにもおざなりな作にしか見えない。いちおう、戦前戦中戦後を通して、エノケン・ロッパの活動状況、主要出演作品、映画、共演者、当時の劇場と、松竹などの動きを、網羅してはある。
しかし、筆者が、エノケンにしろロッパにしろ、いかにも他人行儀なのである。
評伝なら当然、時代や、公演の記録でも、その人物、作品などへの思い入れがあればこそ、読むに価するものが書けるのではないだろうか。本書では、それがほとんど感じられない。
つまり、こんなものを書くことは無かったのだと思う。
エノケンに関しては「エノケンと呼ばれた男」(伊崎博之)、ロッパは自伝と日記からの引用が多すぎる。それらは確かに一級資料だろうが、それぞれを読んだほうが手っ取り早い。
とりあえず、岩波新書の質の低下は相当にひどいことになっているようだ。
2002/06/02(日)●サッカー中継● |
[強制送還の夢]どこか外国に到着。木賃宿を探してベッドを確保したら、そこは、その国のMorris.の友だちの家になっている。父親と娘がいて、昨夜の宴会でMorris.が飲みすぎて大騒ぎしたが、大丈夫かと心配そうに訊ねる。気分は上乗と答えたが、この国の係官みたいなのがやって来て、即刻日本に帰るようにという。日本に電話して説得してもらうおうとしたが、納得してくれない。しかたなく旅行社に赴き、航空券買おうとしたができない。意志に反してMorris.は係官二人に連行されて飛行場へ連れて行かれる。まだ何も見物してないのに、これじゃ勿体無いよとぶーたれながら飛行機に乗せられてしまう。
今日も昼からラジオで野球放送聞きながら、サッカー、アルゼンチン-ナイジェリア戦見る。阪神は安藤がぴりっとせず、1-7のボロ負け。サッカーはアルゼンチンが1-0で勝った。
夜もサッカー、イングランド-スエーデン(1-1で引き分け)、スペイン-スロベニア(3-1)と続けてみる。サッカーは野球と違って、見る方も気が抜けない。ちょっと疲れてしまった(^_^;)
ところで、サッカーのTV中継に関して、注文をつけたい。ゴールや決定的瞬間のリプレイ場面をリプレイするときには「再生、リプレイ」ということがはっきりわかるように画面に表示して欲しい。それでなくてもリプレイは最小限に留めて欲しい。先に書いたとおり、サッカーは一瞬として気を抜けないゲームなのだから、リプレイしている間にどんな重要なシーンが起きるか分らない。特にNHKの中継にこのリプレイが多すぎる。NHKに比べると関テレの方がずっと見やすかった。
2002/06/01(土)●P-MAN ウィルスメール● |
PCに、いやま君(P-MAN名義)からの不審なメールが届いていた。タイトルは「RE:」だけで、本文は無し。ファイルを開くかどうか表示されたが、ファイルの種類がわからないし、どうも嫌な予感がしたので、開かずに、いやま君の携帯に質問メールを送ったら、昼過ぎに電話があり、どうやらウイルスメールだったらしい。
彼のメールボックスのアドレス帖に記入されている全員にウイルスメールが送られたらしい(+_+)
自動送信のウイルスだからたぶん以前Morris.も被害を被った「サーカム」と同じように、IEのメーラー、アウトルックを狙い撃ちするタイプの奴だろう。詳細はわからないが、ともかくも開けなくて良かった。
今でもほとんど毎日のように、ウイルスらしいメールは来ている。ほとんどが本文無しのものだが、Morris.の使ってるネスケのメーラーには対応していないのか、今回のように、ファイルを開くかどうか質問するものはあまりない。
今となっては、手遅れかも知れないが、
いやま君の知り合いで、P-MAN名義のメール(txt以外の)が届いていたら、慎重に対応するように。
というより、即座に削除する方がいいだろう。
午後はサッカー、アイルランド-カメルーン戦を見る。前半カメルーン、後半アイルランドの攻勢で、1-1の引き分け。しかし、技術、身体能力共に、凄い。いよいよ日本の非力が実感される。
愛蔵本部屋に「句集 牧歌メロン」 をアップ。これは、加藤郁乎の句集で、学生時代にはまっていたものだ。百句のうち27句も引用してしまった。これはちょっとやりすぎかも。
その他、愛蔵本の中の「小型カメラの第一歩」 「ペンローズ年鑑」 をマイナーチェンジしておいた。