top 歌集 読書録 植物 愛蔵本 韓国 春待ち calender mail 掲示板
Morris.日乘2004年7月 
ここは、Morris.の日記です。読書記録、夢のメモ、宴会の報告、友人知人の動向など、気まぐれに書き付けるつもりです。新着/更新ページの告知もここでやります。下線引いてある部分はリンクしているので、クリックすれば、直行できます。  
今月の標語 

七月は竹箆返し

Morris. personal calender

【2004年】 6月 5月 4月 3月 2月 1月
2004/07/31(土)●勇造送別LIVE PARTY●

西根君と豊中の上海向け荷物ピックアップの現場。今日は船便、明日は保管荷物の引き取りの予定で、作業は順調にはかどっていたのだが、昼過ぎに別現場からヘルプ要請の連絡が入り、3時過ぎに移動。かなりややこしい現場で、一向に終りが見えない。どんどん時間ばかり過ぎていく。
今夜は三宮ワカワカで、九州に戻ってしまう前田勇造さんの送別ライブがあるというので、前から楽しみにしていたのだが、この調子ではとても間に合いそうにない。結局倉庫到着したのが7時回ってて、荷降ろしはパスして、三宮に向かったがワカワカに到着したのが8時前で、最初のバンド、ブルースのスカンクウォータは終りかけだった(+_+) 店内は満席で、ヒアカムのママや、豊岡のリュウちゃんなど懐かしい顔も多く見られた。司会進行はお馴染みのグレート北川で、フクイーズ、ヤタニドットコム、など次々入れ替わり演奏するバンドで、勇造さんはほとんど出ずっぱりでドラム叩きまくってたし、途中ギターの弾き語りあり、来賓挨拶(^_^;)あり、交歓会あり、オークションあり、記念撮影会ありで、勇造さんの人柄と人望の厚さを反映して和気藹々のなかに、別れを惜しむ気持ちが充満していた。
Morris.は勇造さんとは、矢谷君やヒアカムを通じての付き合いで、それほど深い親交ではなかったが、明るく豪快、素朴でストレートのな人柄に、会うたびに楽しい時間を過ごさせてもらった。
特にドットコムのドラマーとしての勇造さんには心惹かれるものがあって、今年3月の豊岡遠征や、5月の十津川キャンプに同行したのは記憶に新しい。
8月初めから、しばらく家族で北海道旅行を楽しみ、その後郷里の宮崎で新生活を始めるそうだが、もちろんこれが永遠の別れでもないし、たまにはこちらに来ることもあるだろう。矢谷君らと、九州に押しかける計画なども密かに練られたりもしてるらしい。新しい楽しみのタネになるかもね。
ライブは10時頃終り、そのまま団欒タイムで11時15分におひらき。当然これから二次会、三次会になるのだろうが、明日は日曜というのにMorris.は仕事入ってる(+_+) 泣く泣く帰路についた。


「OL’55」をギターで熱唱

この笑顔ともしばしお別れ(^_^;)

お開きの後。これから二次会かあ


2004/07/30(金)●ヤグポダチュック(野球よりサッカー)● 

清水君と昨日と同じ現場の保管荷物引き取り。昼過ぎには終るだろうから、昼食抜きでやろうということにしたのだが、結局作業終了が午後2時半。そのまま神戸まで戻り西灘の「北海ラーメン」に入ったのが3時半。えらく遅い昼食となった。博多ラーメンフリークのMorris.は、名前からして札幌ラーメン系っぽいこのチェーン店はめったに利用しないのだが、西根君や清水君はえらくこの店(西灘店)がお気に入りのようだ。前回西根君と行ったとき、ここのトンコツラーメン頼んでやっぱりいまいちだったので、今日はこく醤油ラーメンを頼んでみた。ふーむ、これなら結構いけそうだ。この店のやや太くて縮れた麺も、このスープなら何となく納得できる。
4時過ぎに倉庫に到着した頃にすごい豪雨になった。台風10号の影響かもしれない。これで今夜の甲子園の阪神-巨人戦は中止かもしれない、と、ちょっと期待したが、5時過ぎには晴れてしまった。昨日死球の金本は4番でスタメン出場。42年ぶりの記録更新がかかってるから当然だろうが、左手首の状態はかなり悪そうなだけに心配だ。第一打席のビデオを見ると、完全に片手打ちの状態だ。無理はして欲しくないが、さりとて大記録は達成して欲しい。しかし、金本は、この状態でヒットを2本も打ってしまった。すごすぎる。しかし、ゲームは阪神いいとこなしで、完全に巨人のワンサイデッドゲーム(+_+)。
同時刻にやってた、サッカー日本-ベネズエラ戦の方が面白そうだ。五輪代表チームの壮行会を兼ねたものだったらしいが、これまでの日本チームとは別ものみたいなゴールラッシュで、何と4-0の完勝。それも大久保、平山、高松、田中というFW揃い踏みという、出来過ぎの結果。ベネズエラの意識の低さもあったとはいえ、それぞれにいいゴールで、久しぶりにサッカーの醍醐味を満喫させてもらった。
上京の前も結構忙しかったが、帰ってからも忙しさは持続しているようだ。明日31日(土)の夜は三宮ワカワカで勇造さんお別れ会を兼ねたライブ「YUZO'S BOX」があるので行くつもりにはしているのだが、Morris.は土曜も日曜も仕事が入ってる。ひさしぶりに飲めるかと思ってたのに(^_^;)
それはそうと、上京の日記「東京物語2」は、えらく不評のようだ。と、いうか、全く無反応である。まあ、韓国旅行日記なら、とりあえず、海外旅行記だが、東京はだれでもお馴染みで、知識量の差がありすぎなんだろうし、特にMorris.の場合、時間も金も使わずだから、当然なのかもしれない。Morris.には、ソウルより東京の方が物珍しいので、ついつい、ひとりで興奮してるきらいがありそうだ。
島田和夫部屋のスケジュール、一部更新。

2004/07/29(木)●やっとの思いで連敗ストップ● 

清水君と、千里丘の上海向け荷物のピックアップ。すごく奇麗に整理されていて、作業も順調にはかどる。
今夜はひさびさに、阪神-中日戦TVで熱心に観戦。3点先制しながら井川不甲斐なくも5回にあっさり逆転される。その後もシーソーゲームで結局12回まで縺れ込み、矢野のさよならヒットで連敗ストップ。昨日ほどではないが、4時間半超える長時間のゲームだった。金本は2本塁打の活躍だったが、12回裏岩瀬から左手に死球を受けてしまった。連続フルイニング出場記録かかってるだけにどきっとした。明後日の巨人戦でタイ記録、翌日新記録の予定だが、明日は台風の影響で、どうなるかわからない。

2004/07/28(水)●Over Work● 

矢谷君らと大阪瓦屋町のニュージーランド向け荷物のピックアップ。20M3たらずの現場のはずが、どんどん荷物が増えていく。午後から清水君らがヘルプに来てくれたが、なかなかはかどらない。結局現場を出たのは午後8時だった。普通ならこんなに遅くなると、マンションの管理人は腹を立てるし、帰ってしまったり、別の日にするように勧告するか、とにかく色々文句が出るところだが、ここの管理人は、嫌な顔一つせず、最後まで親切に応対してくれた。Morris.は長いことこういう仕事してるが、こんな親切な管理人は初めてである。
それにしても倉庫に戻って荷物を降ろし、帰宅したのは9時半。しっかり疲れてしまった。風呂入って飯食って後は寝るしかない。
双葉社の「あの国でこれがやりたい!」という分厚い雑誌が送られてきた。ワーキングホリデイや語学留学などを中心にした情報誌らしいが、綴じ込み特集「もっともっと韓国」という小冊子の17pにイパクサの小さな記事が出ていた。これは東京のヒョンミさんがらみの取材記事だと思う。イパクサに電話して、取材の連絡係みたいなことをやったので、これが送られてきたのだと思う。それにしても写真も記事も豆粒みたいに小さい(+_+)
阪神は延長に縺れ込み11時半まで戦った末、5連敗。これで今シーズン自力優勝は無くなってしまった。

2004/07/27(火)●東京物語2● 

昨夜9時に、東京から帰って来た。
23日から26日までの日記は「Morris.の東京物語 その2」と題してアップしておいた。この前の韓国旅行日記の遅延と比べると、おっそろしく速攻のアップである。
留守中に録画しておいた番組を一通り見る。
読売TVの「ホテリア」は、この前見逃した1,2話が、今週金曜日に再放送されるらしいので、そちらを先に見てからということにしよう。
女子バレー日本-韓国戦は3-1で勝ってたものの、加奈ちゃんはほとんど出番無しで物足りないことこの上無しである。この大会の日本の戦績は2勝7敗。20日後のアテネオリンピックは大丈夫かいなという結果だが、柳本監督にはそれなりに計算ができてるらしい。ほんとかなあ。でも、がんばってほしいぞ。特に加奈ちゃん。
そして「冬のソナタ」16話。ユジンとチュンサンは熱々で、チュンサンの新居で友人招いて誕生会やるなど、調子に乗ってて、さらにユジンがチェリンと仲直りするため会いに行くようチュンサンをけしかける。とんでもない残酷な行為を、本人は善意だと思ってやってるんだろうな。
突然の訪問に、まっすぐな女性チェリンは、チュンサンでなく、ミニョンのことが忘れられず、ミニョンを取り戻すと宣言。しかしチュンサンはとりあわない。
一方、チュンサンの父と、ユジンの父が同一人物ではないかという疑惑が出てきた。このままでは韓国版「兄妹心中」になるんではないかい。残り4回でどう転ぶのかMorris.には分からない。韓国人にとっては、過去の作品だし、日本でもBSやビデオやDVDですでに見た多くの人は経過もオチも知ってるわけだが、Morris.に、ネタバラさないようにお願いしたいm(__)m
最近、自宅の電話に、「奥様はご在宅でしょうか?」とか「奥様に代わっていただけますか」という電話が頻繁にかかってくる。化粧品や何かの販売なのだろうが、あまり愉快な電話ではない。こういう電話番号はどういうルートで流れているのだろう。それともランダムにかけまくってるのだろうか。
阪神はMorris.の上京中に3連敗してた。今日の中日戦も、下柳が初回に4点取られて苦しい展開である。
結局2-6で阪神は甲子園でまさかの4連敗(+_+) これはもうかなりヤバい状況である。

【ダニー・ボーイ】久世光彦 ★★★ マイ・ラスト・ソングシリーズの4冊目で、だいたいラストソングなんて一人一曲なんだろうに、えらいひっぱるなあ、と思いながら、ずっと読み続けてるMorris.もMorris.である。まあラストでなくフェバリットだと思えば腹も立たない。同様な読者が多いのだろう、雑誌『諸君』での連載はまだ続いているようだ。
森進一の「くちべに怨歌」の 前半が「兄妹心中」のメロディをそのまま使っているという枕から始まる一文は、野坂の小説で印的だったこの歌の、変遷や伝播を紹介して興味深かった。

所は福山三つ寺町の
辺りきこえた色娘
年は十八番茶も出花
いい寄る男は数あれど
男ぎらいか穴なしか
いやよいやよと首をふり
いやよいやよと首をふり
いやよいやよと首をふり
首をふりふり子をはらむ
三月四月は袖でもかくす
かくしおおせぬ岩田帯


これが野坂の「骨餓身峠死人葛」に出てくるものだが、本来のものはもっと陰惨で卑猥で、後半では殺人事件(それも兄が妹を誤って殺す)にまで発展する。

地の底から湧いて出たような歌がある。誰が最初に歌い、誰がそれを聴いて次の誰に囁いたのか---その辺りはわからない。ただ、その歌が日の射さない谷間の径を選んで、広まっていったことだけは、確かなようだ。いまから百年経っても、この国には山の数だけ谷があるだろう。そしてに谷間に日陰の径があるかぎり、それらの歌は亡びないだろう。

その他では、Morris.もお馴染みだった「五十音の歌」が北原白秋作というのは、迂闊にも知らずにいた。
今見ても、すぐれたことばあそびうたなので、ついでに引用しておこう。

水馬(あめんぼ)赤いなアイウエオ
浮藻に小蝦(こえび)もおよいでる

柿の木栗の木カキクケコ
啄木鳥(きつつき)こつこつ枯けやき

大角豆(ささげ)に酸(す)をかけサシスセソ
その魚浅瀬で刺しました

立ちましょ喇叭でタチツテト
トエトテタッタと飛び立った

蛞蝓(なめくじ)のろのろナニヌネノ
納戸にぬめってなにねばる

鳩ぽっぽほろほろハヒフヘホ
日向のお部屋にゃ笛を吹く

蝸牛(まいまい)螺旋巻(ねじまき)マミムメモ
梅の実落ちても見もしまい

焼栗ゆで栗ヤイユエヨ
山田に灯のつく宵の家

雷鳥は寒かろラリルレロ
蓮華が咲いたら瑠璃の色

わいわいわっしょいワヰウヱヲ
植木屋井戸換えお祭りだ


「夢は夜ひらく」の曲は曽根幸明だが、著作権協会に登録されているものだけで27曲もあるらしい。最初の園まり、藤圭子の「圭子の夢は夜ひらく」、三上寛くらいまではしっていたが、水原ひろし、田端義夫、梶芽衣子、五木ひろし、牧村三枝子、根津甚八、八代亜紀、ちあきなおみ、前川清---さらには藤竜也も歌っていて、これの作詞者「小谷夏」が実は、久世光彦のペンネームであったというのがオチになっている。なかなか抽斗の多い御仁ではある。三番の歌詞はなかなかよく出来ている。

とどかないから なつかしく
亡びていくから うつくしく
柳行李の 恋文に
夢は夜ひらく

2004/07/22(木)●青春18切符● 

9時起床。洗濯して、灘区役所に住民票など取りに行く。
昼から三宮図書館、中央図書館と回る。何とはなしに神戸駅を写していたらおばあちゃんが話し掛けてきた。70年近くこのあたりに住んでいるが、この駅の時計が気に入ってるので、何かいわれでもあるのなら教えて欲しい。って言われてもMorris.にわかるわけも無い。しかしそう言われてみるとステンドグラスをあしらったこの時計が、えらく素晴らしいもののように思えてきた。
六甲道駅で青春18切符購入。これで3回目だが、PCで印字した風情のかけらも無い一枚ものだった。以前はそれなりに風情があったような気がするのに。ずっと前は5枚組でばらばらで使えたのですごく便利だったのが、切り離せなくなり、とうとうこんな形にまでなってしまったのはさびしいが、ともかくもこれで期間中の任意の5日間、JRの普通列車乗り放題だから、使い方によってはすごく得になるはずだ。定価が\11,500だから、一日\2,300区間以上を利用すれば損はしない。今回の上京もこれを使って安くあげることにしたのだ。朝六甲道出て夕方に東京に到着すれば、普通の交通機関では、ほとんど最低価格で東京まで行けることになるが、そこまで、しゃかりきに使いまくることもないだろう。明日は浜松で下車して、一木良治君宅に1泊する予定。途中下車は自由だから、寄り道しながらのんびり行くことにしよう。
と、言うわけで3,4日は、留守にするので、日記の更新はありません。メールや掲示板は、旅先でも見ることは出来ると思う。

【探偵大杉栄の正月】典厩五郎 ★★★ 明治44年、大逆事件が起こった(捏造された)時代を背景に、無政府主義者大杉栄が、成り金富豪の行方不明になった夫人を探索する中で、樺太から持ち込まれたペスト菌ばらまき事件に巻き込まれるという、有名人多数登場作である。
「新基軸の歴史ミステリ、構想・執筆10年」と帯に書かれているが、確かに当時の新聞記事や資料を色々取材しているようで、各章の冒頭には正岡子規の「病牀六尺」が引用されているし、本文中にも当時の風俗や、事件、社会主義者の活動、日清、日露戦争の状況などを解説してる部分もあり、それなりに歴史の勉強にもなりそうである。「面白くてためになる」方向を目指しているようで、それにはMorris.も賛同するのだが、肝心の小説としての「面白さ」に欠けるというのは、致命傷である。
主人公大杉を始め、荒畑寒村、石川啄木、竹久夢二、添田唖蝉坊、黒岩涙香、中山晋平、神近市子など出てくる著名人たちも、単に出てくるだけに終っているのも物足りない。竹久夢二は治安当局に情報を売ったスパイとされてるから、それなりに出てくる意味もあるが、やたら立場を変えて登場する松井須磨子も、気を持たせる割に何の活躍も無し。
日清、日露戦争後の交渉不備による国民の不満を目くらましするためと、明治天皇の死が迫ってる上に大正天皇がたよりないことから、天皇制を固めるために、大逆事件がでっち上げられたという絵解きが、著者の独創だとしたら、それだけでも、本書の取り柄といえるだろう。

2004/07/21(水)●金本場外逆転本塁打\(^o^)/● 

昨日と同じ現場。今日で終了だったが、やっぱり締めは疲れる。
夕方にわか雨で雷まで鳴ったが、灘駅のホームで、何か不思議な匂いがするのに気付いた。矢谷君の説によると、オゾンの匂いで、雷が鳴ると空気中にオゾンが発生するとのこと。ほんとうだろうか?
今夜も、野球と、サッカー日本-韓国(オリンピックチーム)があったので、二元方式で見る。どんなかたちにしろ、日韓のサッカーは興味深いので、ついついサッカーメインに観戦していたのだが、結果は0-0のドロー。野球も金沢が3本も本塁打浴びて、劣勢だったが、何と金本の逆転場外3ランホームランが飛び出して、7-4の勝ち。これで後半は4勝2敗。とにかくずっと1勝2敗ペースを保って欲しいものである。
週末の上京のついでに、浜松の一木良治君ところに立ち寄ろうと、久しぶりに電話する。相変わらずの声に嬉しくなったが、いまだに携帯電話は持ってないとのこと。素晴らしい。

【あたりまえのこと】倉橋由美子 ★★★☆ 彼女はMorris.は学生時代に一番しびれた小説家だった。すべてを理解して愛好していたのではなさそうだが、ともかくも、その文体と、登場人物の(作者)の頭の良さに参ってた。
本書は70年代後半に「波」連載の「小説論ノート」24篇と、90年代後半に「小説トリッパー」連載の「小説を楽しむための小説毒本」(本書では「読本」になってる)29編を合わせて一冊にしたもので、前者と後者の間には20年間という時間が経過してる。Morris.はどちらかというと前者の方が面白かった。後者の方がやや丸くなった感じがするためだろうか。

要するに小説は嘘で固まっていなければならない。問題はその固まり具合が完璧かどうかということであるが、それは別に嘘が真に迫って人を騙す形をとらなくてもよい。全体が大嘘の塊であることを承知の上でその嘘が楽しめるならばそれは立派な小説である。むしろその方が、本当らしく見せかけて読者を釣る小説よりも高級であると言える。ただしそれは読者の精神を宙に支えて飛行させに足る強力な文書を必要とする。(「嘘」)

露伴の文章は難解であるとされているが、いくつかの現代小説に見られるような、辞書を引いても解消しない精神分裂症的難解さとはその性質を異にする。それは正確には誰かのピアノ・ソナタのように難曲であると言うべきで、大才ある文章家にしか弾けない性質のものである。これに対して、見たまま
観じたままを素直に書いたと称する稚拙な文章は指一本でピアノを叩いて何かを表そうとしているようなもので、それは音楽をなすには遠く、精神の飛翔を描くには無力である。
勿論、大勢はこの音楽から離れ、ただ平易を目指して、ぼそぼそまたはだらだらと語る調子の文章に向かっている。今日、名文で小説を書こうとする奇人もいなければ実際に書ける大才の持ち主もいあない。それで小説は次第に写真に似てきた。つまり偶然に恵まれてか執念によってか、とにかく珍しくて面白い被写体を見つけた者が勝ちということになった。近頃のカメラはその被写体に向けてシャッターを押しさえすれば写るようにできている。(「名文」)

素顔で自分のことを語ってはなぜ小説にならないのか。それは何になるよりも前に自慢話になってしまうからである。このこともわからない人にはついにわからない。自己批判をしているつもりの人もある。弁解をしているだけだと思っているひともある。(「小説の基本ルール」)

ここで言う通俗性とは大多数の人々の好みや欲するところに投じる性質のことである。よく売れるためには何が通俗的であるかを発見しなければならず、版元もその他の商売人も経済のこの秘密を求めて日夜苦労している。小説の場合なら、例えば多数の人々の涙腺を開かせること、私怨を義憤と化して発散させること、弱者を強者に、強者を弱者に入れかえて見せてりゅう飲を下げさせること、野合を恋愛に、暴力を革命に、等々にすりかえ、昇格させる手品を使うことなどがその通俗的なるものの例である。ダメな人間が実は高貴な魂の持ち主であり、その人間をダメにしたしゃかいや偉い人こそ本当はダメなのだという図式も立派な通俗性を備えている。(「通俗性」)


後半ではPCワープロを目の仇にまではせぬものの、あんなものでは、到底「小説」を書くことはできないという論調が、やはりワープロに頼り切りのMorris.には耳が痛かった。

2004/07/20(火)●二元中継● 

先週木曜日にプレパックに入った韓国人の現場。
Morris.は航空便だけに半日以上かかってしまった。
今夜は阪神-横浜戦と、サッカー日本-オマーン戦があって、完全2間放送スタイルで、同時に両方を見ていたが、阪神はいい所無しの惨敗。サッカーは中村俊介lの技巧的なゴール(相手のミスがきっかけ)で1-0で辛勝。GK川口の好セーブが評価できる。
観月のドラマ3回目にして、ますますげんなりしてきた。記憶喪失の男が出てくるからだけでなく、冬のソナタの二人が重なり合ってしまう。

2004/07/19(月)●ごろごろ● 

ヤマトシジミの交尾(マクロのテスト)11時起床(^_^;) やっぱり昨日の酒が応えてるようだ。といって宿酔ではない。
それでも今日も一日部屋でごろごろということになる。昨日作ったDITTIESのMDを繰り返し聴く。やっぱりビリーホリデイは特別な存在であることを再確認した。
今日は月曜日だが、休日ということもあって阪神-横浜戦があった。今シーズンは去年と全く逆にカモにされっぱなしの相手だけにそろそろ巻き返しをはかってもらいたいところ。1点先制されて7回まではやや悲観的ムードだったが、8回に今岡の同点ホームラン、片岡の逆転タイムリー、桧山の2ランホームランで4-1にし、9回にも1点追加してセーフティリードと思ったが、マイヤーズが一死満塁のピンチを招いてひやひやさせられたりしたものの、何とかそのまま逃げ切った。この調子で連勝して欲しい。

2004/07/18(日)●CD発売記念宴会● 

6時起床。明日の仕事はキャンセルになったので、久しぶりの連休ということになる。まあ、来週は上京するつもりなので、どんどん連休続きということになりそうだが(^_^;)
大画面のちびくろ実は、またまた、というか、とうとうというべきか、ノレバン2号がまたまた異常をきたしてしまった。すでにしてMorris.は動揺すらしない(^_^;)。これを機会に、ノレバン2号のディスプレイをちびくろに繋いでしまうことにした。Morris.部屋の更新は、事実上ちびくろで行っている。ノレバン98号はしっかりノレバン専用機になっている。画像の取り込みや印刷などはちびくろで出来ないのでノレバン98号を使っているから、LAN接続するべきなのだろうが、面倒くさいので、サーバーを通じてインターネットでファイルやり取りしている。
日曜日の朝の4ch「サンデーモーニング」はわりとよく見ている番組だが、大沢と張本二人をご意見番とするスポーツコーナーで、どうも張本の発言にいらいらさせられることが多い。これまでは在日だからある程度贔屓目に見てたつもりだが、最近の発言には目に余るものが多い。今日も、オールスターでの新庄のスタンドプレーに色々文句を付けるわ、一リーグ制を支持するわで、選手やファンへの配慮が全く欠けている。張本に「喝!!」ぢゃ。
昼間はPCからみでちょっとだけ部屋のレイアウト変えて、歌集『DITTIES』のテーマになった女声ジャズ小唄をMDに編集する。以前テープに全曲入れて良く聴いてたが、今はテープ聴くことがほとんどなくなったためだ。ドリス・デイのセンチメンタル ジャーニーから、カーメン マックレエ、ダイナ ワシントン、ヘレン メリル、ビリー ホリデイなどの女声シンガーのアルバムをとっかえひっかえ聴いてたら、すっかり引き込まれてしまった。
今夜は元町JAMESで、Morgan's Barや大塚まさじなど出演の「海、膳、歌、絵」を見に行こうとおもっていたのだが、先日島田さんに連絡したら予約完売とのことであきらめた。
矢谷宅CD発売記念宴会記念写真その代わりというわけではないが、今夜は矢谷君宅で「ヤタニドットコムファースト」発売記念のジンギスカンパーティがあるというので、そちらに顔を出す。
韓国から帰国して以来、何故か酒を控えていて、7月4日の春待ちファミリーBAND三宮ストリート打ち上げでビール2杯飲んだのが1ヶ月ぶり、今夜は半月ぶりの飲酒である。このまま止めることはまずありそうにないが、たまにはいいことかもしれない。
矢谷宅に集まったのは、福井君、山口夫妻、伊藤夫妻、竹田君、女性陣は谷口、ひろみちゃん、あさぎちゃん、遅れて飯島ちゃんといったところ。TVで阪神-中日戦、と女子バレー日本-キューバ戦を交互に観戦しながら飲んで食って騒いでしまった。阪神は何とか2-1で逃げ切りなんとか望みを繋いだが、バレーはまたまた1-3で完敗。加奈ちゃんはずっと出場していたが、ここというときの決めに欠ける。
零時過ぎまで盛り上って、帰りはタクシーに便乗して帰宅。

【トンパ文字伝説 絵のような謎の文字】王超鷹 ★★★★
中国雲南省奥地の少数民族ナシ族の司祭数十人だけが読み書きできるという謎の絵文字「トンパ文字」のことは、数年前に、同じ著者による紹介本を書店で見かけて興味深く立ち読み(^_^;)した。
CDROM収載のトンパ文字「大平鳥」?本書はそのハイテク版ともいうべきもので、付録のCDROMに、2千文字以上のトンパ文字を、jpg,gif,wmfの三種類の画像ファイルにして収めてある。モノクロで、手描き風の味わいには欠けるものの、ゴシック風でそれなりに親しみをもてるフォントになっている。
本書にはトンパ文字の故郷雲南省麗江地区の風景や人物写真が併載されていて旅情を誘う。本当に美しいところのようだ。ナシ族の伝説や、トンパ文字の主要文字の成り立ちや解説も分かり易く、もともとが象形文字だから、何となく想像が付くものが多い。漢字の甲骨文字や金石文の文字とも共通点があったり、さらに素朴な絵文字もある。Morris.は鳥や獣の目に強く惹かれてしまった。上目遣いの三白眼なのだ。
古くは韓国のセクシーアイドル歌手キムワンソン、今なら女子バレーの大山加奈ちゃんに代表される三白眼美女に、Morris.は弱い(^_^;)
ともかく、トンパ文字フォントはPC上で色々加工して利用できそうで、これで\1,600(税別)というのはお買い得だと思う。立体文字付の製品版もあるらしいが、一般使用にはこちらで充分だろう。

【続・情熱の花】大西ユカリ ★★★ ステージにラジオにテレビにと、今やメジャーで全国区に成り上がった(^_^;)大西ユカリと新世界。こうやってタレント本まで出る存在になってしまったんだなあ。と、感慨に絶えないMorris.である。2003年10月発行だから、いまさらということになるが、\3,000もするこの本はおいそれと買えなかった。中央図書館で見かけたので借りて来たわけだ。
内容は、ステージ、ライブの模様や、彼女のアルバム写真、ロングインタビュー、ディスコグラフィ、衣装コレクション、横山剣との対談、新世界メンバー全員のエッセイ(これがそれぞれに個性出過ぎの面白さ)、さらに高田文夫vs.大西ユカリTALK時限爆弾というCD付録付という、盛りだくさんな内容。面白くないわけがない。
ラジオやライブでお馴染みの、ユカリちゃんの語りそのままの臨場感あふれる一冊だった。
タイトルに「続」とあるが、これはDVD映像版「情熱の花」というのがあって、それの続編とでもいうくらいの意味だと思う。
ユカリグッズの紹介ページもあって、ユカリうちわやユカリマッチはMorris.も所有している。
しかし何と言ってもユカリちゃんの本領はライブに尽きる。また是非行きたくなった。

2004/07/17(土)●阪神大勝利!!● 

昨日と同じ現場。今日も一日Morris.は台所に張り付いていた。
昼食は芦屋2号線沿いの「漁師屋」でラーメン。名前の通り海産物系スープというのが売り物で、透明度の高いスープ、近くの楓林に似たタイプで、Morris.好みとはいいがたいがそれなりにちゃんとした味である。細くて腰もある麺は好感を覚えた。
今夜の阪神は、新外人ホッジスの先発で、どうなるんじゃ、と思ったが、阪神打線爆発で、7回まで15-0と無得で押さえるという好投。大量点のバックアップがあったのと、手の内を知られてないということからのビギナーズラックという面もあるだろうが、コントロールは悪くなくて、大崩れはなさそうなので、投手不安の阪神後半の救世主として期待できそうだ。結果的には、吉野が不甲斐なくもまた得点されて、継投での完封は逃したものの15-1での大勝利となった。たまには、こんな試合を見たかったので、大満足。
女子バレーは、日本-ドイツ戦だったが、1-3であっさり負けてしまった。加奈ちゃんは、始めと終りにちょこっと出ただけで、これではMorris.は欲求不満である。
そして「冬のソナタ」第15話。記憶を取り戻したチュンサンに、舞上がりのユジン、サンヒョクは例によって下手に出るどころか、ユジンに謝罪を繰り返すばかり。チェリンは、ストレートに怒り、悲しんでいる。ヤケ酒飲んでるチェリンにまた惚れ直したMorris.である。それに引き換え、能天気の二人ときたら(^_^;) もう怒る元気もなくなったよ。
ところで、今日から昼間の読売TVでペヨンジュン主演のドラマ「ホテリアー」が始まってたらしい。2時間番組の20回ということだから、結構長丁場ドラマである。特にペヨンジュンを見たいわけはないのだが、やはり二カ国語放送らしいので、エアチェックして見ることにしよう。そういう意味では初回を見逃したのはちょっと痛いか。

2004/07/16(金)●YUJI &CO.最後の現場●

としろうらと芦屋の4日取りの現場初日。米人夫婦で、荷物は上海向け。この現場はゆうさんの最後の仕事ということになる。Morris.は朝から台所で、黙々と食器の梱包に励んだ。
今日からプロ野球後半戦開始。一リーグ制に傾いていたセリーグのオーナーの中で、阪神が他のチームに呼びかけて、2リーグ制存続の気運が高まってきたことは喜ばしい。しかし試合の方は、井川がびしっとせず、藤本のエラーなどもあって、1点差の惜敗。ジャカルタでの女子バレー、日本-ロシア戦は日本が逆転勝ちをおさめたが、Morris.お目当ての加奈ちゃんが出てなかったので×である。

【男女の仲】山本夏彦 ★★★ 2002年10月23日に87歳で亡くなった著者が、自分の雑誌「室内」に長期連載していた「日常茶飯事」の最終回までの集成で、文春新書3冊にまとめられているものの最後の巻になる。これも一種の遺作ということができるだろう。
山本夏彦については、これまでも結構いろいろ読んできたので、詳細は省くが、例によってのマイペースな語り(騙り)が満載だが、内容的には、繰り返し、反復が多く、さすがに衰えも感じられるが、死の直前までこうやって、日常の勤めを果たしていたということだけでも、感慨深い。

「浅間山荘事件」あれはスペクタクルでした。赤軍派でも警官でもどっちでもいい、互いに撃ちあって目の前で血だらけになって息絶えるのを見たい。自分は安全地帯にいて、人が死ぬのを見たいんです。ビデオで見ればいいじゃないかと言ってもダメです。リアルタイムで死ぬのを見たいんです。我々人間どもは、こういうイヤな存在なのです。

僕たちは相撲の実物を知りません、テレビでしか知りません。百人中九十九人がテレビで見て、微にいり細をうがってカメラの目で四方八方からとても人間の目では見られないデテールまで見て、本ものを見たつもりでいます。たまたま国技館で本ものを見た人は映像と実物がまるで違うことに仰天して、帰ってテレビで見物した人と会話しません。今日の好取組はどうだった? と聞きもしません。テレビの見物の方が実物の見物よりよく知っているからです。これが写真の時代です。現代人は幻の時代にいて、これが実物だと思っているのです。
宮崎勤がその一代表です。彼は一室にとじこもってあらゆるポルノを見て、実物を知らないで知った気になったとすれば、少年の多くは宮崎勤だといって過言ではありません。それは老若を問わない、洋の東西を問わない。皆々幻影を本物と思って知ったかぶりのまま死ぬのです。

核家族になってお話上手なおばあさんは死に絶えた。いまの母親はただ本を読んで聞かせるだけで、覚えているわけじゃない。本はどこへでも持っていけて、いつでも見られるから便利だが一度読んだら、忘れられる。本はたいてい死蔵される。でも子供の時くり返して耳から聞いた話は死ぬまで忘れない。

鈴木三重吉は漱石の弟子で、天才と言われた人です。天才といった人は忘れるが、いわれた人は死ぬまで忘れない。


【ひとことで言う】山本夏彦箴言集 ★★★☆☆☆ これまた夏彦の遺作みたいなもので、「週刊新潮」昭和54年7月5日号から平成14年10月24日号まで連載された「夏彦の写真コラム」から選んだ「ひとこと集」。やはり、ほとんどが、お馴染みの内容だが、それでもついつい読まされてしまうところが、彼の凄さ、ということになるんだろうな。

・個人ではない細胞である
・大流行するものには気味の悪いところがなければならない
・畜生には畜生の可愛がりようがある
・差別しないでは生きられない
・人生は些事からなる
・金儲けは才能
・出来ない昔に帰れない
・人は知恵によって滅びる
・がんばるだけは封じたい
・羨望嫉妬こそ民主主義の基礎である

・美しければすべては許される

さすが「タイトルの名人」。こういったタイトルだけを見ても、なるほど納得そのとおり、である。
ただ「言葉とがめはだれでも一つは出来る」という記事の中での「四」文字の読み方に関しては、いろいろ考えさせられた。もっとも、きっかけは高島俊男の「お言葉ですが…」からの引用である。

手近にある平成11年9月16日号では宮沢賢治の「雨ニモ負ケズ」のなかの「一日玄米四合ト味噌ト少シノ野菜ヲ食ベ」というくだりを昨今の先生は玄米ヨン合と読んではいまいかと心配している。
「玄米四合(しごう)」をヨン合に誤る人も二十四の瞳を二十ヨンの瞳とは読むまい。「四十七士」「四十九日」「四百余州」ならシでなくてはならないと「お言葉ですが…」氏の説にうなずく人は多いだろう。


え"−っ!?!? Morris.はずっと「ゲンマイヨンゴウ」「ニジュウヨンノヒトミ」と思い込んでいたし、時々は「アコウヨンジュウシチシ」「ヨンヒャクヨシュウ」とも読んでたぞ。「四十九日」だけは「シジュウクニチ」と読んでたけどね(^_^;)
数字の読み方は、どちらでもいい場合もあるんじゃないかな。もちろん慣用句や固有名詞はその通りに読むべきで、「四万十川」を「ヨンマントガワ」と読んだり「シチゴサン」を「ナナゴサン」と読んだりするのは論外だろうが、「七月」は「ナナガツ」でも「シチガツ」でも、どちらも間違いとは言えないだろう。
「漢字引き・逆引き 大辞林」の「四」の項を見たら、「四大」は「シダイ」「ヨンダイ」の二つの読みが見出しに立てられていて「シダイ」読みでは「四大海」「四大奇書」「四大寺」「四大州」「四大弟子」など十を超える見出しがあるが、「ヨンダイ」では「四大工業地帯」だけである。でもきっとMorris.は「ヨンダイ奇書」「ヨンダイ弟子」などと読みそうだ。
「雪国」の有名な冒頭「国境の長いトンネルを抜けると雪国だった」の「国境」は「クニザカイ」で「コッキョウ」ではないというのは、言われてみれば理解できるが、おおよその日本人はつい「コッキョウ」と読んでしまいそうだ。そういうことからすると、やはり、日本の新聞から総ルビを無くしてしまったことは、間違いだったのではないかと思われる。本書にある、そのことに触れた部分を引用して〆にする。

戦前の新聞はルビつきだった。漢字に一々ルビを振るのは、時間的に経済的に負担だったから、新聞社はなが年これを廃止したがっていた。子供が近眼になるのはこのせいだと廃止したが、戦後子供の近眼は増えるばかりで、ルビのせいでないことがわかった。
けれどもこのルビのおかげで新聞は難しい漢字が使えたのである。読者もこれをたよりに読めたのである。これを廃したから読めなくなったのである。新聞は読めるようにするより、漢字を少なくする方に味方した。国のすることなら何でも反対する新聞が、当用漢字には一議に及ばず賛成したのはこのためである。
何度も言って恐縮だが、これだけは言わしてもらう。新聞は区々たる己が利益のために、一国の言語を売ったのである。一国の言語を売ったのである。


Morris.は、以上の意見に120%賛同したい。

2004/07/15(木)●パスカードトラブル●

矢谷君ら4人で、六甲アイランド高層マンション20Fの韓国人の現場。来週ピックアップだが、今日はプレパック。普通ならマスターベッドルームに使う部屋が子供部屋になってるという変則的なレイアウトだった。Morris.は午前中台所、午後は2Fの倉庫のパック。帰りのバスで三ノ宮駅で降りるときバスカードが読み取り機にひっかかってしまった。結局数日中にMorris.宅に郵送してくれるらしい。何となく面白くない。別に損したというわけでもないし、明日は200円現金で乗ればいいのだし、どうってことないのに--- 住所を書かされて、「定期券預かり証」という小さな紙切れを渡されたがその文面に「あなたは定期券をあやまって使用されましたので、神戸市乗合自動車乗車料条例第15条および第16条に基づき、定期券をお預かりします」なんてあったのが、神経を逆なでしたようだ。
ひさしぶりにサンチカ冷やかすも見るものはなかった。

【中国いかがですか?】【続・中国いかがですか?】小田空 ★★★☆ 漫画家小田空のディープチャイナレポートである。正編は2000年、続編が2003年に発行されている。
1996年に江青省の南昌という田舎町の大学に留学して、97年から更に超田舎の延安の大学で日本語教師としての生活を送る、という、一般のマニアもまず足を運ばない中国の僻地での暮しdがを、得意の漫画ルポで紹介されている。
Morris.は彼女のファンではなかったが、本人を戯画化した「空くんのなんたら」という作品はいちおう目を通してた記憶がある。わりとメルヘンチックなタイプだったと思う。
韓国一辺倒のMorris.でも、中国は行きたい国の一つだし、特に上海は母や祖父母たちから昔話を聞かされたので、是非一度行きたいと思ってるうちにどんどん上海の様変わりのニュースが入ってきて、ついつい行くきっかけを失ってしまった。
本書の舞台である、中国の田舎にはあまり行く気はないのだが、彼女のスタンスは羨ましいくらいだった。いちおう作品として、アレンジはあるのだろうが、水道が一日4回しか出ないような暮らしに、何とか溶け込んでいくし、何よりも、言葉への関心の深さには感心した。なりゆきで、にわか日本語教師(といってもちゃんとした大学の日本語の授業)をやらされる羽目になってからの奮闘ぶりと、日本語の再発見?には笑いながら共感するところ多々だった。

それでもそんなワケのわからん日本語に、一生懸命取りくむ学生達の姿に動かされ、おだも精一杯準備をし心を込めて授業に臨んだ。予想外の質問にフリーズさせられたり、思いもよらぬ日本語の複雑さに唖然とさせられたりもしたが--- 意表をついた学生達のつっこみに日本の面白さを再発見したり、ひょんな日本語表現に失笑したり、いろいろ楽しい時間を過ごさせてもらった--- 教師職というのはやりがいがある一方、人間が相手なだけにそれは身の細る仕事だった。特に外国で他の日本人と出会う機会のない田舎では、学生にとってその「日本語教師=日本」ということになり、責任は重大である。
おだの結論---言葉は教えるより習う方がなんぼか楽である。


続編では、中国のTV番組事情や、シルクロード、トルファンの旅ルポ、中華料理の記事など、割と一般的な内容になっているが、遅れ馳せながらC-POPに目覚めて、宣伝にあい努めているところなどは可愛らしくさえある。

2004/07/14(水)●休養日●

8時起床。最近にしてはかなりの朝寝である。いちおう6時に目が覚めたのだがそのまま二度寝してしまった。やっぱりかなり疲労が蓄積しているみたいだ。完全休養日にしよう。
実は今日の午前中はアメリカのオールスターやってて、それもNHK地上波で中継してたらしい。イチローや松井が出場するから中継したんだろうが、全く知らないMorris.はSTARdigioのJAZZなんか聴いてすっかりくつろいでいた。
午後は灘図書館に出かける。帰り道ひさしぶりにいやま君を見かける。アコーディオンやカバンなどどっさり抱えているので、ライブでもあるのかと聞いたら、甲子園の新居に行くとのこと。社長宅となりのワンルームは明日完全に引き払うらしい。小耳にははさんでいたが、いよいよ新しい生活を始めるとみえる。ご近所のお祭り男がいなくなるのはちょっと淋しいが、それほど遠くではないし、春待ちファミリーBANDやMorgan's Barのライブで会うこともあるだろう。
今夜も、日本-キューバの野球と、日本-チュニジアのサッカーがあり、今日もまたサッカー見てしまう。今日の試合はオリンピックの最終選考ゲームだったのだが、前半ロスタイム時間切れぎりぎりに、オーバーエイジで出場決定のGK曽ヶ畑が信じられないハンブルで転がったボールをあっさりゴールされてしまった。それはないよなあ(+_+)主力選手半分くらい来てないチュニジア相手に日本は、ほとんど攻めきれず、そのまま0-1で負けてしまった。野球も5-6でキューバに負けたらしい。

2004/07/13(火)●遠出はしたものの●

4時起床。西根君に迎えに来てもらい、吹田で溝渕君拾って、愛知県三好町の現場。広州向け荷物のピックアップ。作業は2時半に終ったのに、書類などに手間取って出たのが4時半。結構遠出したのに、大して見るものもない一日だった。まあ、仕事だから仕方ないけどね。
今夜は日本-セルビアモンテネグロのサッカーと、日本-キューバの野球があってどちらを見ようか迷ったが、結局サッカーを見てしまう。1-0で日本が勝ったが、前半は拮抗したいいゲームだった。野球の方は1-1だったらしい。
10時からは観月ありさの「君が思い出になる前に」の第2回。どうも、いまいちテンポが悪い。「冬のソナタ」もそうだが、ドラマや小説で安易に「記憶喪失症」が使われすぎだと思う。現実にこの症状はどのくらいの頻度で発生するのだろう。いわゆる「意識不明」状態や、アルツハイマーなどを別にすれば、めったに起きない症状のような気がするのだが---。

2004/07/12(月)●1枚で2度美味しい??●

6時起床。今日も休みだ。洗濯して部屋でごろごろ。外でも「ヤタニドットコム ファースト」を聴けるようにMDに落とす。以前矢谷君から貰った「音ネタ」というCDROMがあったことを思い出した。矢谷君のソロのスタジオ録音である。こちらも10曲が収録されていて、8曲がかぶっている。せっかくだから、「ファースト」の曲順に、ソロ版とバンド版を交互に入れたMDを作ってみた。16曲で80分のMDほぼいっぱいになった。これはなかなか興味深い一枚になった。これを聞きながら自転車で春日野道の勉強堂冷やかして、帰りにコーナンで六角の先端バイト買って帰る。古い韓国のどじまんのビデオをBGVにしてまたごろごろ。明日は4時起きなので早目に就寝。

2004/07/11(日)●ナイス!!新庄●

6時起床。本当は今日も仕事のはずだったのだが、キャンセルになった。明日も休みだし、そろそろひまになりそうな気配だ。
しかし、休みというのに早起きが続いていのは、きっと酒飲んでないせいだろう。ソウルノレバンでのドジの反省もあってか、あれ以来ほとんど禁酒状態だ。この前の春待ちファミリーBANDストリートの打ち上げでジョッキ2杯飲んだだけだ。このまま続くとは考えられない(^_^;)が、Morris.は10年ほど前にほぼ3年間ほとんど酒飲まない時期があった。さして深い理由はなかったのだが、その後はご存知の通り、酔って苦弾の如し(^。^)だったから、何のことはない。Morris.は断酒はできても、節酒のできないタイプなんだろうと思う。
朝一番に成徳小学校で参院選の投票済ます。後は部屋でごろごろしてたが、2時半くらいに外に出たとたんに大粒の雨が降り出したので部屋に戻る。ほぼ一時間スコールみたいに降ってからっと上がる。自転車で灘図書館からコーナンに回り、安物の充電式ドライバーセット買う。家具の組み立て作業が多くなったので、みんながこれを使いはじめたのでMorris.も迎合したわけだ。しかし、最近増えている六角穴用のパーツが無いので、これも買っとくべきだった(^_^;)
6時半から長野でのオールスター戦を見る。新庄は最初からホームラン予告しながらセフティバンド試みるも失敗。とりあえず目立っていたが、何と3回に本盗で先制点というスタンドプレイを成功させ、その後も連続2塁打などで、公約通りMVPを獲得した。エライもんである。
女子バレー日本-ロシア戦は野球とかぶさってたので録画していたが、野球の後、4セット目やってて、結局1-3で負けてしまったので、始めから見る気なくしてしまった。日本は緒戦から3連敗である。内容的にはそこそこだから、あまり悲観することもないだろうし、本番(オリンピック)の前哨戦という意味からすると、逆にこのくらいでいいのかもしれない。

【賃貸宇宙 UNIVERSE for RENT】都筑響一 ★★★★☆ 衝撃的だった写真集「TOKYO STYLE」(1993)の続編にあたる一冊である。オールカラー848pというボリュームにまず圧倒されるが、そのボリュームに充分拮抗しうる、いや、凌駕するくらいの中身の濃さには脱帽するしかなかった。
著者は1956年生まれで、ポパイ、プルータスで、建築、デザイン、都市生活などの記事を担当し、京都書院から80年代世界美術の動向を網羅した102巻の全集を作ったり、現在も世界のロードサイドを取材して回るなどすごいバイタリティと編集能力に長けた人物のようだ。
本書はTOKYO STYLE以降9年間に取材撮影して「SPA」「室内」「週刊アスキー」「TOKYO ATOM」などの雑誌に掲載したものを集成編集したものだが、いやあ、すごい。それぞれの住居(300件を超える)自体の存在感だけでも見ごたえ充分なのに、著者の目のつけどころがまた見事で、さらに紹介文とコメントがこれまた関にして要を得たもので、申し分ない。そして写真は記録に徹していること尋常でない。
ところどころに見開きで挟み込まれている、ニホン的小物(アンシーケース、タオルケット、多機能学習机、」ビニール傘、便座カバー、紐付きサークライト、カセットコンロなど)や、暮らしにまつわるコラムも楽しめる。
取材対象は20代前半が中心で、地域的には、東京、京都が多い。著者の交友関連で、編集者、画家、映像作家、ミュージシャン、学生も美大、デザイン関連の多さが目に付くし、それだけ部屋のインテリアも凝ってるものが多い。家賃は無料!!から、高くても十数万円くらいだから、モリス亭も当然この範疇に入ることは間違いない。別にインテリアなどへの興味はないのだが、本書の一部の部屋の姿はMorris.にはとても刺激的だった。本気で引っ越しを考えているMorris.だが、その意味でも色々考えさせられる一冊となったが、なによりも、さまざまな住居を取材して末尾に置かれた非定住への羨望の言葉が、痛かった。

大事なことと、どうでもいいことがきちんとわかったとき、人生ははじめて明確なかたちをとってあらわれる。ホームレスの「家」から海に浮かぶプレハブ住宅まで、どの空間にも共通しているのはある種の「はかなさ」というか「移ろいやすさ」であり、その匂いに移動型人間の嗅覚が反応してしまうのだ。きっちり作り込んでいるようでいて、どこか投げやりな、「いまはたまたまここにいるけどね」みたいな感覚、無常感、と呼んでもいいかもしれないその感覚に、おそらく日本人はどの民族よりも親しみを持っていたはずだ。「方丈記]を持ち出すまでもなく。
住居建築が定住嗜好の呪縛から解放される日々が、いつか到来するのだろうか(到来でなく、むしろ「再来」というべきか)。「城」ではなく、「そのときに身につけたい、からだを包むひとまわり大きな洋服」のような住まいがあってもいいのではないか。
地球上のどこに移動しようとも、人間は自分のこころとからだに「定住」するしかない。唯一変わることのない空間は、アタマの外ではなく内側にある。移動し続ける黒い箱の中にみずからを閉じこめた孤独な詩人は、それをだれよりも痛切に感じとっていたのだろう。
命を絶ち、移動を停止したとき、はじめて彼は定住することから解き放たれたのかもしれない。


本書の紹介文、写真コメント、記事のすべてに、英文が併記されている。このまま国際版として流通することが可能なわけで、著者(出版社?)のスタンスが感じられるし、たしかに凡百の日本紹介より遥かに直接的で、わかりやすいことはまちがいないだろう。
40ほどにタイプ分けしてある本書のタイトルを英文とともに紹介しておこう。これだけでも、著者の視点の一端を知ることができるだろう。

Don't tidy up 片づけないこと
If you must tidy, go all the way 片づけるなら、徹底的に片づけること
Don't fea cramped quaters 狭さをおそれないこと
Live dirt cheap とにかく安いこと
surround yourself with your favorite things 好きなものに囲まれること
Make do with any old apartment 部屋なんてどうでもいいと思うこと
Share your space シェアすること
Spend nothing on furnishings 家具に金を使わないこと
Do without furnishings 家具を置かないこと
Renobvate the place 部屋を改造すること
Wreck the place 部屋を壊すこと
Get out of the city center 都心から離れること
Live in the wilds 緑の中に住むこと
Live like the foreigners do 外国人に学ぶこと
Clonize the bedding closet 押し入れを活用すること
Live around the kotatsu heater-table コタツで全部すますこと
Consider a loft 中2階を使うこと
Paint everything ひといろに染めること
Tack things up all over the walls 壁にものを貼りつけること
Choose good sunlight 陽当たりのよさでえらぶこと
Block out the sunlight 陽当たりをさえぎること
Move to a neighbourhood you like 好きな街に住むこと
Find a hidden pocket in the city center 都心の死角を探すこと
Live with someone you like 好きな人と住むこと
Live communally たくさんで住むこと
Live with animals 動物と住むこと
Live with books 本と住むこと
Live with music 音楽と住むこと
Live with clothes 洋服と住むこと
Live in a game center, live in a toy chest ゲームセンターに、おもちゃ箱に住むこと
Turn your place into a gallery 部屋をギャラリーにすること
Rent in someone else's house 下宿式のアパートを活用すること
No bath? Then make one 風呂がなければ作ること
Live in a dormitory 寮に住むこと
Stake out a whole house to yourserf 一軒家に住むこと
Live in a housing estate 団地に住むこと
Live at the office 仕事場に住むこと
Don't bother to take your shoes off 土足で暮らすこと
Neve put on "finishing touches" 決して完成させないこと
Or don't live anywhere at all そしてどこにも住まないこと

2004/07/10(土)●豪雨のち快晴のち雷雨●

昨日、梅雨はどこに行ったんだろうなどと書いたら、今朝は豪雨である(^_^;)
としろう、清水君と六甲アイランドの現場。先週搬入した荷物の家具の組み立て。ところが特殊なネジが不足していて、昼休みにホームセンターに買いに行ったのだが、ナフコにもコーナンにもなくてお手上げ。
午後からは朝の豪雨が嘘みたいに晴れ上がり、真夏状態。
今夜は大阪アメリカ村で散打のライブがあったのだが、行けなくて残念。
やや東方面  20:12モリス亭ベランダから南方面 20:06頃7時からTVで名古屋ドームのオールスター見る。合併と一リーグ制問題で大揺れの日本プロ野球だけに今年で最後のオールスターになるかもしれないということで、いつもより真剣みがあるような気がした。結果はダイエー勢3人のホームラン揃い踏みもあってパリーグの勝利。
7時過ぎからまた空模様が怪しくなり、8時ごろから頻繁に雷が鳴って、時々稲妻が鮮烈に閃く。あまりすごいのでベランダに三脚をセットして半時間ほどVIDEO撮影。けっこう良く撮れたのだが、結局撮影したビデオをTV画面に流し、一時停止状態にしてデジカメで撮影するという、Morris.お得意のハイテクなのかローテクなのかわからない方法でPCに取り込んだのが右上の画像(^_^;)
9時からは女子バレー日本-ポーランド戦。今日は吉原を出さず、昨日出番の無かったチェリン似の大友愛が出てきたのは良かったのだが、おおい、その髪型はどうしたんだあ!!あのボリューム満点のカールした髪が彼女のチャームポイントだったのに、完全にストレートにしてかなり短くカットしてしまってる。気のせいかプレイにもやや生彩を欠いているような気がした。お目当ての加奈ちゃんは今日もフル出場で、相変わらずバックアタックのパワーは見るべきものがあったし、サーブも結構決まってたが、結果はフルセットの末連敗してしまった。アテネの前哨戦+調整試合という意味が強いとは言うもののやっぱり勝てないのは淋しい。加奈ちゃんがエースとして復活したのは喜ばしい限りだし、TVカメラが彼女をアップで追いかける場面が多く、それなりに嬉しがっていたのだが、応援団と称するジャニーズのグループやわけのわからん姉ちゃんは引っ込んで欲しい。今日も解説には中田、大林を呼んでる上に、応援席に斉藤まで呼び、うるさいったらありゃしない。敗けたはらいせの八つ当たりではない。本当に邪魔以外のなにものでもないのだ。
サンヒョク(左)とチェリン今夜は「冬のソナタ」第14話があるのだが、バレーがずれ込みビデオで録画しながら、15分ほどのところから見る。やっぱり予想通り、ユジンがミニョン=チュンサンという事実を知り、逆上して舞上がり、とどのつまりは空港のホテルで同宿して翌朝、ミニョンを追いかけて、交通事故に巻き込み、意識不明のミニョンに付きっきり。サンヒョクやチェリンのことなど、どこ吹く風状態である。ミニョンの母はあいもかわらぬ大根ぶりで、これまたよくわからん行動をとる。Morris.は今回少なくとも10回は、ユジンの言動のはしばしにケリ入れたくなったよ。酒場で飲んだくれたチェリンとサンヒョクのやりとりの場面が一番見ごたえがあった。ふられた同士で付き合おう、なんて、チェリンがサンヒョクを口説く見逃せない場面。でも、阿呆たんのサンヒョクは対応できない。このドラマで一番まともなキャラクタはチェリンであることはまちがいない。それにしても酔ったチェリンの表情はいいなあ。どんどんどんどんMorris.はチェリンが好きになっていくぞ(コレバッカリ(^_^;))

【西原理恵子の人生一年生 2号】西原理恵子 ★★★☆ 2001年に発行されたものの続編で2003年5月に発行されたもの。Morris.は前作見てないが、本書だけで充分に面白かった。タイ、中国への鳥頭紀行や、インタビュー、座談会、しりあがり寿とのお絵描き対決、疑似絵本、4人の漫画家が描くサイバラまんが等など盛りだくさんの内容。「ぼくんち」が映画化された直後だったのでその話題も多く、いかにも西原らしいテイストを満喫できた。
2003年10月5日新宿ロフトプラスワンで行なわれたトークイベント「西原理恵子の居酒屋煮え煮え」の誌上詳報は圧巻だった。
さいばらは、現代に突然蘇った無頼派女流作家であるというMorris.の思い込みがますます確固としたものになった。毒が強いほどに魅力も強烈になるが、本来がぬるいMorris.としては、対岸の火事として望見するにとどめておきたい存在ではあるな、やっぱり。

2004/07/09(金)●ヤタニドットコム ファースト●

[車で川流れの夢]韓国のうらぶれた田舎町のしもたやのマダンに子供たちがたむろしている。話し掛けたら日本人女性が出てきて、亭主がソウルで酒造りしてるのでいっしょに行こうと車を出し、Morris.も便乗する。途中で川の中に侵入する。彼女は素っ裸でどんどん飛ばして(流されて)行く。Morris.は車から降ろされるが荷物は積んだままなので走って追いかけるも無理。Art Book Artの展示会分室入口にたどり着き、入ってみると古い小学校のようで小さな机が並んでいる。展示会のことを尋ねると今日は木曜日で休日だと言う、日本に向かう飛行機が今夜だから間に合わないと、ソウルに向かおうとするも、たどり着けない。
ヤタニドットコムファースト例によって訳のわからない夢見て目が覚めたらまだ5時だ。今日も休みだというのに。そのまま起き出してしまう。
昨夜矢谷君がヤタニドットコムのアルバムを持ってやってきた。今日7月9日リリースとのことである。
詳細はヤタニドットコムファーストページを見るように。メンバーの一人勇造さんが7月いっぱいで神戸を離れるので、その記念の意味も込めて、数ヶ月前から取りかかっていることは知っていたが、こうやって完成したものを見ると、実感できる。10曲入りで、もちろんすべて矢谷君のオリジナルナンバーである。「にじます」「Africa」など名曲目白押しである。
昼前に自転車で2号線を東に向かい、御影公会堂地下の食堂でオムライス食べる。以前石屋川に住んでたときは何度か行ってたが、実に10数年ぶりである。味は不味くも美味くもないといtったところだが、戦前の建物だけに雰囲気は素敵だ。
今夜は女子バレー日本-イタリア戦、キリンカップサッカー日本スロバキア戦、フレッシュオールスターゲームがほぼ同じ時間に重なっている上に、ジャカルタでの、曽我ひとみさんと北朝鮮からの家族の出会いドキュメントもあって、どれを見ていいかわからない。ともかくも女子バレーは裏で録画しておくことにしよう(^_^;)
サッカーは3-1で日本が勝ったが、あまり面白くなかった。バレーは大山加奈が最初からフル出場、TV放映は例によって録画編集なのは仕方ないとして、NEWSとかいうジャニーズグループが、コートで歌って踊るわ、試合中も余計なコメントつけるし、今日なんか、みのもんたまで出張って、うるさいこと。

2004/07/08(木)●ひさびさの休日●

ひさびさの休みだが、つい、6時に起きてしまう(^_^;)
今日も朝から晴れている。洗濯掃除すまして、三宮図書館に寄ってから、元町まで歩き阪神理容で散髪。古本「つの笛」冷やかして、高架下経由で中央図書館へ。韓国旅行行く前に借りてた本返して、それ以来だから1ヶ月半ぶりということになる。これだけ中央図書館とご無沙汰したのも久しぶりだ。
驚いたのはMorris.偏愛の辞書「言海」が文庫になってたことだ。ちくま学芸文庫の1冊で、オリジナルの「言海」の一番小さい版がちょうど文庫サイズなので、版面としては違和感はないがどうも文庫というのが不思議である。1,000p以上もあるから厚さも5cmくらいあって、定価\2,200というのも、現在の相場からすれば特に高いこともないのだろうが、オリジナルも、古本屋でしばしば見つかるし、価格も千円前後、安いときは\500というのもあるから、そちらの方が絶対得だと思う。もちろん、ちくまの偉業にケチを付けるわけではないので、為念。
Morris.は、20年くらい前に一度通読して、それ以後も何かにつけて、やたらよく引きまくってたし、性懲りもなく数年前に再読して、その時までの版は太平洋戦争中発行されたもんで、造本がいまいちだったらしく、バラバラになってしまったので、新たに古本屋で購いなおした。これが大正元年10月20日改版第三百版のキリ版(^。^)になってる。とにかくものすごく版を重ねているロングセラーだったことは間違いない。いちおう昭和30年代までくらい刊行され続けたらしい。老眼がすすんでいるので、一回り大きな版が安く出ていたら買おうとも思っている。ただ、最近は引くとしたら大言海の方を主に利用してるから必要ないかも。
阪神、前半最終戦は井川を立てて必勝を期すも、いまいちぴりっとしない。金本の4試合連続本塁打などで2-2と縺れ込み,8回裏、安藤、ウィリアムスで2点取られておしまい。結局阪神は前半ちょうど5割で折り返し。まあ、これはこれで良しとしよう。
島田和夫部屋スケジュール更新。

【現代思想の遭難者たち】いしいひさいち ★★★☆ 講談社の「現代思想の冒険者たち」(全31巻)の月報に連載された漫画である。書き下ろしを加えて34人の哲学者がモデルになっているし、編集部による注(これはなかなか苦労したと思われる)もつけられている。
とりあえず、各章ごとの全員のご尊名をあげておこう。

[1.超えゆく思想家たち]ハイデガー、フッサール、ウィトゲンシュタイン、カフカ、ニーチェ、マルクス、フロイト、ユング
[2.疾駆する思想家たち]レヴィ=ストロース、アルチュセール、バルト、ラカン、フーコー、ドゥルーズ、レヴィナス、デリダ
[3.彷徨いゆく思想家たち]バタイユ、ジンメル、ベンヤミン、アドルノアレントガダマーハーバーマスロールズクリステヴァ
[4.一人ゆく思想家たち]ホワイトヘッド、バフチン、バシュラール、ポパークーンクワイン、メルロ=ポンティ、ルカーチ、エーコ

*ちなみに、太字の12人はMorris.は名前すら知らなかった。

当初のタイトル案は「超越論的認識不足」でした。わからないまま哲学パロディを描くとどうなるかというテーマでしたがさすがにそうもいかずパラパラ読んでみたもののお手上げでこんなことになってしまいました。

というのがいしいひさいちの弁明だが、Morris.もわからないままに楽しめてしまったから、それでいいのだ。
何より、各思想家のカリカチュアとしてだけでも楽しめる。もっとも顔を知ってる思想家の数は半分以下だけどね(^_^;)
本書で哲学をわかろうという馬鹿げた考えはもとより持たないが、ニーチェ、カフカやバタイユといった、数少ないながらもいちおうはお馴染みがモデルの漫画は余計に楽しめた。何と言ってもバシュラールが出てきたのは懐かしかった。フランスの詩学者というイメージが強かったので、哲学者としては意識してなかった。編集部による紹介を引く。

火は科学と詩を結びつける。---火は、物質の酸化過程だとわかるまでは、何らかの「実体」だと考えられてきた。この解釈の底には、バシュラールが[認識論的障害]と呼んだ先入観念が潜む。現象の実体化などの謬見が払拭される過程で近代科学が発展した、とするバシュラールの非連続的・革命科学認識論(エピステモロジー)こそ、フーコー、アルチュセールと続くフランス現代思想の母胎となった。一方、「物質」としての火に、バシュラールは生命の燃焼やゆらぎ、官能的エネルギーなど、豊かな詩的夢想の世界を見出し、水、空気、大地へと連なる、美しい物質的想像力の詩学に結実させた。

ああ、良くわからんけど(^_^;)、学生時代にやっぱりわからんながら感動しまくってた「水と夢」を再読したくなったよ。
Morris.はそれほどいしいひさいちの漫画は好みではなかったが、本書でその魅力の一端にだけは触れたような気がする。

2004/07/07(水)●夏ぢゃあーーーーっ!!●

夏といえばお決まりの入道雲今日も倉庫作業。トラックいっぱいの粗大ゴミ(ベッドとかソファとか箪笥とか)移動して、20フィートコンテナ荷物出し、通関、トラック積み込みと、いろいろ作業がある。結構休憩時間というか待ち時間もあって、働きっぱなしではないのだが、やっぱり疲れる。
相変わらずの晴天続きで、梅雨はどこに行ったのだろうって感じだ。午後には、、でっかい入道雲が出て、これはもう完全に夏ぢゃあーーーっ!!と思ってしまった。
東京のひらちゃんから、Morris.部屋を置かせてもらっているオルカランドの再構成を図るというメールが来た。サーバーのことはよくわからないが、8月中に移行して、料金体系も変更するらしい。実はMorris.はここのところ、料金(カンパ制)をずっと払ってなかったのだ。やたらコンテンツと画像の多いMorris.部屋だけに、率先して入金すべきなのに、お恥かしい仕儀であった。これを機会に、きちんと振り込むようにしよう。アドレスや、更新方法が変わったりするかもしれないので、ちょっと気掛かりでもある。
阪神は福原がまさかの乱投で2回に7点も取られてこれでおしまい。

【本の引越し】高橋英夫 ★★☆☆ 60年以上住み慣れた練馬の自宅を転居したドイツ文学者の、引越しエッセイと、雑誌に書き散らかした雑文の寄せ集めで、いちおう、引越し関連の仕事してるから、それなりの興味を持って読みはじめたのだが、あまりにも個人的な話が多く、建設関連の父が作った旧居への懐旧と自慢?が鼻に付く。この人の本は以前にも読もうとして途中で止めたことがあるのを思い出した。きっと相性が悪いのだろう。本に対しても、図書館漬けのMorris.とは全く違う。

しかし概していって、私は図書館愛好者でなく、十二分に活用してきたとも言えそうにないl。本は勝手気侭に自宅で、自室で読むに若かずという強い思いが私にはあって、抜きがたくなっている。図書館で読んだ本は頭に入ってこないからだ。

戦前生まれの著者だから、当時の図書館事情も、今とはかなり違っていることも考慮に入れるべきだろうが、やっぱり、こう決め付けられると面白くない。最近では近所の7館を利用してると捕捉しているが、それでも三つ子の魂百まで、の感がある。

いま私の書斎には七館から借出した本が16冊おいてある。きちんと通読した本、これから通読するであろう本は恐らく一冊もない。ほとんどが確認、参照、文献調査のためであり、数冊は漫然と打ち眺めるためである。

ドイツ哲学を中心とする、過去の日本語訳のひどさが、哲学を余計にややこしくしたという通説に対しての一種の擁護論には、いくらかの共感を覚えた。

箸にも棒にもかからぬドイツ哲学の翻訳が日本人を呪縛したということは、呪縛した連中と呪縛された連中の両方にそれぞれの意味で責任を負わせるべきで、それを日本近代の翻訳文化に絡みついた病疾と見るならば、この病める日本とあの抽象的・論理的大城塞ドイツ哲学を両端とする、文化・精神・言語の一過程を、修羅場としてそこから取り出さなければならない。

たしかに、哲学でも文学でも、難解さ故にありがたがるという風潮無きにしもあらずだもんなあ。自戒の意も込めて、引用した。

2004/07/06(火)●観月ありさの新ドラマ●

今日は一日倉庫作業。午前中は奥井さんは健康診断で不在で、木箱潰したり紙ゴミまとめたりと雑用に追われる。昼食は港湾食堂の不味いカレーとうどん(^_^;)
午後は20フィートコンテナの荷物出し、カヌーの梱包等々、総じて楽なメニューだったがやっぱりMorris.は倉庫作業は苦手である。
阪神-広島は、下柳が5回まで2点に押さえ、金本の4打点を中継ぎ陣が守り切って4-2で快勝。
10時から観月ありさの新ドラマ「君が思い出になる前に」の初回を見る。シンガポールで姉夫婦が強盗に遭い姉は死亡、義兄は記憶喪失、初回が葬式で始まり、観月もシリアスな役柄で、Morris.好みではなさそうだ。といいながらも、Morris.は見続けるんだろうな(^_^;)

2004/07/05(月)●東京湾景●

矢谷君と土曜日の韓国人現場の続き。昼食は「よりあい向陽」のミンチカツ。3時に倉庫に戻り、日英国際交流美術展の絵の梱包。
今夜のHey!Hey!Hey!にクレイジーケンバンドがゲストで出ていた。やっぱりかっこいい。
その後9時からスタートの新ドラマ「東京湾景」。在日三世の娘(仲間由紀江)がヒロインで、Morris.はいまいち彼女は好きでないのだが、韓国がらみのストーリーということなので、ついつい見てしまう。なかなかとんでもない筋書きだし、ヒロインの母親の悲恋物語があって、もちろん仲間の二役で、イージーそのもの。BGMにハングルの歌がばんばん流れるので、それなりに嬉しかった。結局これも見るつもりなんだろうな。
明日からは同じチャンネルで観月ありさの新ドラマ「君が思い出になる前に」が始まるし、金曜日からの、女子バレーも見逃せないし、しばらくTV漬けになりそうだ。

2004/07/04(日)●ひさびさストリート●

相変わらず素敵なキムヘヨン久しぶりの休みというのに、昨夜の「冬のソナタ」見返したりしてて、結局またまた徹夜してしまった。
朝になって、久しぶりにノレバン2号を起動してみる。とりあえず動いてるうちに、KBSのノレチャランのアーカイブ見る。ちょうど先週が今年前半期の特別番組だった。本当はMorris.は普通の番組の方が面白いと思うのだが、久しぶりだし、ゲスト歌手が豪華で多いというのが特長である。Morris.の思惑通り、キムヘヨンが登場。真紅のすごく派手で色っぽい衣装に身を包み、あいかわらずの笑みを振りまいてくれた。
昼前灘図書館に行ったら、偶然稲田さんが来ていて、本を借りたあと、ドトールで珈琲飲んで世間話。このところ忙しさにかまけてずっとセンターに行けなかったので、ちょうど良かった。
自転車でコーナンに回り、安全靴など買って帰宅。
午後5時に三宮センター街野村證券前に集合。春待ちファミリーBANDひさびさのストリート演奏することになってたのだ。4,5人くらいしか集まらないかと思ってたのだが、社長、小谷君、みっちゃん、伊藤君、松尾君、尾西君、それに秋本君も来ていやま君以外はメンバー全員集まったことになる。
野村證券前で演奏始めたが、1曲演ったところで、警備員からクレーム。何とかもう1曲だけやって、移動。結局ナガサワ文具本館とミュンヘンの間の南北の筋で40分ほど演奏。家族連れやカップル、通り掛かりの人も結構見てたし、さりーちゃん、堀姉妹、秋本家族、奈良の森一家、ますみちゃん、谷さん、NAMIさんなどの身内連中も来ていた。
演奏後、打ち上げで大丸東側地下のミュンヘン倶楽部へ。実はMorris.は6月3日(あのソウルノレバン事件)以来、一滴も酒は飲まずにいたのだ。ちょっとは反省の意味もあったのだが、ちょうど1ヶ月目ということで飲む事にした。ますみちゃん、社長、森一家と同じテーブルにつき、乾杯。ひさびさのビールだが、美味いのか不味いのかよくわからない。社長は森一家の二人娘(2歳と4歳?)にすっかりなつかれて、まさに「じいじい」状態。このところ全く更新してない社長部屋のトップ写真にこの2歳の娘とのツーショットを使用せよとのお達し。
9時過ぎにお開きとなり、社長らはてっちゃんの店「Moon-Lite」に行くと言ってたが、さすがに昨日徹夜のMorris.はパス。明日も仕事だしね。
帰宅して風呂使って日記付けようと思ったが、やっぱり駄目。バタンキューだった。


センター街野村證券前。すぐ退去させられた。

ナガサワ文具前でのストリートライブ。やっぱり春待ちファミリーBANDにはストリートが良く似合う。
2004/07/03(土)●昆虫写真●

矢谷君らと、昨日通関した荷物を六甲アイランドのチョナンから来たという韓国人宅に配達。6階なのに、エレベータが5階にしか停まらないので1階分階段上げということになる。一時期この手の「省エネ」エレベータが流行ったようだが、実に引越し屋泣かせである。昼食はクライアントと二人で近くの韓国キッチンに行き、コムタン定食頼む。不味くはなかったが量が少ないのとキムチが付いてないのは情けないし、これで\900はちょっと高すぎると思う。
今日は札幌で阪神-ヤクルト戦やってた。井川が7回まで1点に押さえ、その裏代打に出た鳥谷の四球から相手のエラーやアリアスの一発などもあって、一挙6点を上げて勝負を決めた。首位の中日が連敗してるので、いよいよ面白くなってきた。
11時5分から「冬のソナタ」録画しながら見るつもりだったのに、ウインブルドン女子テニス決勝をやってる。番組表で確認したら、今日は零時5分からの放送だった。ついでにテニスも見ることにしたが、3連続優勝を狙うセリーナ・ウイリアムズに、17歳のロシア娘マリア・シャラポワが胸を借りると思いきや、何とあっさり2セット連取で初優勝を決めた。あのウイリアムズの超弩級の腕力に一歩も引かず、逆に翻弄する若い力にはびっくりさせられた。
デッカイ目玉である(マクロ撮影テスト)「冬のソナタ」第13話は、チュンサンとイミニョンが同一人物であることが、複数の人間の知る所となり、それを巡っての攻防??が繰り広げられるが、知らぬはユジンばかりなりという状態。次回は当然この事実を知ったユジンの独り舞台になるんだろうな。今回もチェリンの出番はあまり多くなかったが、サンヒョクとのツーショットでのクローズアップはなかなか良かった。でも、チュンサンが事故で記憶喪失になり、そこにミニョンの記憶を植え付けたという設定は、あんまりである。いまどき少女漫画でも、ここまで無茶なことはやるまい。
ところで右上の写真は今朝、近所のフェンスに止まった虻のクローズアップである。余儀なく導入した新デジカメのマクロのテストだが、まあこれくらい撮れれば上等ではなかろうか。百万画素での撮影だから大きくプリントするにはものたりないだろうが、ネットで見る分にはこれでも大きすぎるくらいだ。こういった小さな昆虫の姿は、Morris.にはすっごく面白いし、美しいと感じられるのだが、世間には、こういった画像を極端に嫌悪する人もけっこういるんだろうな。

【二列目の人生 隠れた異才たち】池内紀 ★★★ あまり人口に膾炙していない異才16人のミニ伝記をまとめたもの。Morris.が名前くらいは知ってる人物では、モラエス、秦豊吉(丸木砂土)、州之内徹、尾形亀之助、福田蘭堂、中尾佐助くらいだった。
一時期池内の文体というか、著作にはまってたことがある。どちらかというと短文の積み重ねで、けっこうレトリカルなくせに、歯切れが良い。引用の手際が鮮やかだ。おとしどころをわきまえている。等々Morris.のだらだら文とは対極みたいなスタイリストだと畏敬の念すら感じていた。本書でもそういった特長はあちこちで見ることができるのだが、どうも、最近はそれほど感心しなくなった。Morris.の感性が鈍化してるからなのかもしれないが、何となく鼻に付く部分が多いのだ。
引用には流石に見るべきものがある。モラエスの項で日本語に関する彼のユニークな論義。

冒頭で、日本語には冠詞がなく、名詞も形容詞も変化しないし数や性のえいきょうも受けないことから話しはじめ、こう考えた。ヨーロッパ人が海を男性、雨を女性などと、すべての名詞を性で区分するのを日本人はりかいしないだろうし、「淫猥」とすら思うだろう。日本語の名詞が性をもたないのは、言語上よりむしろ心理上きわめて重要な一点なのだ。つまりは日本人につよくみられる「人生の現象を前にした人間の没個人性(非人称性)、いいかえれば自然の力づよい演劇を前にするとき、何をするにも自分をほとんどとるにたらない「単なるあまりもの」とみなす習性。

確かにMorris.も、フランス語に男性名詞、女性名詞があることを初めて知ったときは当惑したものだ。もっともMorris.は猥褻なんて思わなかったけどね(^_^;)

版画家でもあり、当人の没後、息子夫婦が彼のコレクションを世に示す場として作った阿佐ヶ谷の「小野忠重版画館」の紹介が一番印象深かった。

「小野忠重版画館」 わが国に数ある美術館のなかで、もっとも小さく、もっとも道筋のいいにくい一つである。とともにもっとも充実した、そしてもっとも心のやすらぐところでもある。
版画家小野忠重は平成2年(1990)10月死去した。八十一歳だった。画壇にあって、およそスター街道とは縁のない画家だったが、近・現代版画史の研究者として知られており、みずから生き証人ようにして収集と保存につとめた。その死を知って、おっとり刀で駆けつけた画商もいたのではあるまいか。
小さな古家と、父親の作品・収集を受け継いだ息子夫婦が、とても楽しい決断をした。のこされたものを予に示す場をつくる。それが若い研究者のたみの一つの拠点になればいい。まさしく版画の歴史を丹念に掘り起こした父親の意思にかなうものだろう。


本書に白黒で掲載されている小野忠重の版画作品「風」(1975)がいたく気にいったし、もともと版画は好きなので、上京のおりには足を伸ばしてみたいところの一つになりそうだ。

2004/07/02(金)●「芸術新潮」7月号●

日の出屋食堂今日も一日倉庫作業だった。でも、昼飯は奥井さん、矢谷君と磯上通りの「日の出屋食堂」でまぐろのスキ身に、コロッケ、ゲソ天のセットで満足した。
今日も2本のコンテナの荷物を下ろしたのだが、40フィートのコンテナより20フィートのコンテナの方が荷物多いという不思議なコンビだった。昨日より暑さは収まっていたので助かった。しかし明日のこの荷物の配達はちょっと大変そうだ。
昨夜、宅急便で「芸術新潮」7月号(特集「ロシア絵本のすばらしき世界」)が千葉の沼辺信一さんから送られてきた。明日(7/3)から東京都庭園美術館で開かれる「幻のロシア絵本1920-30年代展」に合わせたもので、展示会の監修者、沼辺さんの解説による、70pほどの特集で、懐かしのロシア絵本の傑作が多数の図版を中心に紹介されている。
沼辺さんとは面識はないのだが、3月の芦屋での同展示会のことをMorris.が日記に書いたのが彼の目にとまって、メールをもらい、その後メールのやりとりを通じて親しくさせてもらっている。今回雑誌を贈呈いただいたのも、その流れであるが、添付の手紙には「貴兄(Morris.のことね(^_^;))のHPでの率直なコメントから誘発された部分が随所にあり、ちょこっと無断引用までさせていただいた」なんてことが書いてある。
昨夜は結局ずっとこの特集にはまってしまった。引用というのは、たぶん、乗り物絵本で突出しているウラジミール・タンビの紹介の中の以下の部分ではないかと思う。

右から左へ、左から右へ、猛スピードで疾走する自動車は、なんだか生き物のように見えませんか。見開きページをワイド・スクリーン的に生かしたグラフィックな構成ですが、機械のメカニズムやフォルムに対する執着が不思議な回路をとおって、なまめかしい存在感に到達しています。友人がこれを「まるで熱帯魚の群れのよう」と評してましたが、わかる気がするなあ。

あの自動車が熱帯魚みたいに見えたというのはMorris.の素朴な実感だったんだけど、その前の「友人」という表現にはすっかり舞い上がってしまったよ(^。^)
例の展示会のカタログでもすっかり脱帽したが、10年以上前の著作「12インチのギャラリー」を遅まきながら読んで、完全にフリーク状態になった。そんな人から、おおやけの誌面上で「友人」呼ばわりされるなんて、嬉し過ぎぢゃあっ。
おまけにOpen前日(つまり今日)の特別鑑賞会招待券まで同封されていた。うーん、余裕があれば、今日にでも、大好きな展示会のプレミアショーに行けたわけだ。でも、東京はMorris.にはソウルよりうんと遠いもんなあ(@_@)
しかしこの招待券は会期中は使用できるということなので、何とか上京の機会を伺おうか、なんて不埒なことをこっそり考えたりしている。
ついつい話が横道に逸れてしまったが、本誌の特集は、カタログより一回り大きい誌面を最大限に活用してページ全面を使った大図版が10点以上あって、臨場感を出している。三方断ち切りでさらに大きく見せたり、見開きで迫力を増幅しているものもあるし、カタログを補完する感じで楽しめた。何といってもMorris.が一番印象深かった、アレクサンドル・デイネカの「雲の中で」のベストショット、飛行機を見上げる三少年の絵が冒頭に掲げてあっただけで、もう、Morris.カ・ン・ゲ・キ!!であった。
またロシア絵本の最重要作家レーベジェフについては6pを費やしてしっかり解説してあるし、夢の後の哀しいリメイク版(としか言いようがない)への、あまりの凋落ぶりにふれながらも、当時の苛酷な状況に鑑みて、彼の立場への同情と感謝のエールを送っている姿勢には、じーんとさせられた。

心ある芸術家にとって、スターリニズムの時代がどれほど想像を絶する苛酷な状況であったかと。そんななかでわずかながら許されている表現を十全にもちいることで、自分の生きている時代のこどもたちに絵本を差し出しつづけるということを、死ぬまでレーベジェフはやりつづけたんです。そのことはひとりの人間としてあっぱれだった、そう言ってやりたいですね。

本当に「奇蹟的」だった10年間のロシア絵本の素晴らしさを、ひとりでも多くの人に知ってもらいたいので、是非関東地方の方々には足を伸ばして欲しい。無理な方は、図書館なり、本屋なりでこの「芸術新潮」を手に取ってみて欲しい。淡交社発行のカタログも全国書店で販売されているようなので、こちらも超お勧め。
一言だけ付け加えておきたいのは、ロシア絵本の実物は、本当に粗末な紙質と製本で、それが一層魅力となっていたということだ。カタログもそうだったが、美術雑誌ということもあって、本誌の紙は上質紙で、ロシア絵本の大きな魅力である素朴なテクスチュアとは程遠いものになっている。だからこそ会場に出かけて実物に接するのが望ましいし、、展示会側では復刻版まで作ってたわけだが、もしも、今回の雑誌特集ページだけでも、光沢無しのザラついた用紙が使われていたら、その魅力は倍増したに違いないと思ってしまった。これは無い物ねだりというたぐいになるかもしれないが、先日韓国で購った「Art Book Art」展のカタログが、いかにもといった感じのザラ紙っぽい用紙で抜群の効果をあげていただけに、ついついそんなことを言いたくなったということだ。


「芸術新潮」7月号表紙

同、目次

「雲のなかで」からの一点
2004/07/01(木)●Yesterday's Paper●

今日は一日、苦手な倉庫周り作業だった。としろうと航空便荷物の採寸と計量に始まって、40フィートコンテナの荷物出し(これは暑かったあ)、通関作業、それでも作業はいつもより早目に終り、余った時間で、処分家具の解体などやってたら、古い箪笥の引き出しの中に、昭和49年(1974)7月24日(水)の毎日新聞夕刊が入っていた。ちょうど30年前の新聞である。すっかり茶色に変色しているが、ついつい読みふけってしまった。図書館に行けば過去の新聞はマイクロフィルムで閲覧可能だし、縮刷版も一部あるから、記事の内容はとりたててどうこういうこともないのだろうが、実際に30年という時間を閲した新聞自体の存在感に圧倒される。この新聞も大阪版だが、この年Morris.はたぶん大阪に住んでたと思う。73年に小倉の学校を卒業して、集団就職で(ウソ(^_^;))大阪のヨネミヤというディスプレイ会社(とっくの昔に消滅)に就職して、社宅(独身寮)に入ったが、Morris.の性格からしてとても我慢できず、数ヶ月で旭区のボロアパートに引っ越したと思う。
この年は田中角栄の金脈問題で揺れた年らしい。この日のトップニュースも臨時国会召集で首相の所信表明が無いことが大きく取り上げられている。世界的なニュースとしてはギリシャの軍事独裁が崩壊したというもので、これはなかなか意義深いものだろう。しかしMorris.の関心はそんなところより、三面記事やこぼれ話、TV番組などに向かう。朝日放送では「寺内貫太郎一家」やってるし、「ベスト30歌謡曲」の出演者は五木ひろし、森昌子、アグネス・チャン、南沙織、山口百恵、浅田美代子、中条きよし、山本リンダ、「スターむりむりショー」という記憶に無い番組の出演者は山本リンダ、平山三紀、あいざき進也他となっている。
大阪の天神祭りは財政難で船渡御は11年ぶりに中止になるという淋しい記事があったり、史上最大の選挙違反の糸山英太郎初登庁でのもみくちゃになったり、北の湖が55代横綱昇進があったり、と、いろいろ懐かしかった。
今夜の阪神-巨人戦は、左団扇で余裕を持って楽しめる試合だった。対巨人戦4連勝の福原が先発、巨人打線を抑え込んで久しぶりの完封勝利、打つ方も全員安打で、終ってみれば11-0の楽勝。アリアスも久しぶりにホームラン打ったし、これで巨人と入れ替わって2位になった\(^o^)/
夜久しぶりに社長が立ち寄る。明後日(7/4)日曜日の夕方に、三宮センター街で春待ちファミリーBANDストリート演奏やろうという話。そういえば長いことストリートやってないから、大賛成である。ただ日曜日は雨降りそうな気配というのがちょっと気になるところ。


【2004年】 6月5月 4月 3月 2月 1月
【2003年】12月 11月 10月 9月 8月 7月 6月 5月 4月 3月 2月1月
【2002年】 12月11月10月 9月 8月 7月 6月 5月 4月 3月 2月 1月   
【2001年】 12月 11月 10月 9月 8月 7月 6月 5月 4月 3月 2月 1月  
【2000年】 12月 11月 10月 9月 8月 7月 6月 5月 4月3月  2月 1月
【1999年】 12月 11月 10月 9月 8月 7月 6月 5月 4月 3月 2月 1月    

top 歌集 読書録 植物 愛蔵本 韓国 春待ち calender mail 掲示板
inserted by FC2 system