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  Morris.日乘2016年5月

Morris.の日記です。読書控え、散策報告、友人知人の動向他雑多です。新着/更新ページの告知もここでやります。


 

今月の標語

下戸苦情


【2016年】 4月 3月 2月  1月
【2015年】
12月  11月  10月 9月 8月 7月  6月 5月 4月 3月  2月  1月 

2016/05/31(火)●甘利不起訴(>_<)
8時起床。
今朝の血圧は164/63/74。
東京地検が甘利明と秘書の不起訴処分を昨日発表した。あれだけ見え見えの収賄を、不起訴にするというのは、完全に検察が政権に阿っているとしか言いようが無い。明日国会が閉会するタイミンでの発表も、検察が内閣の思惑どおりに動いていることがはっきり見て取れる。
それにしても、このところのテレビ報道の生温さは目に余ると思う。
例えば、沖縄の米軍属の女性殺害事件をずっと屍体遺棄容疑」と報道して、容疑者は途中から黙秘続けている。これはもう確実に日米両政府からの干渉があることは間違いない。さらに報道の量自体が減っている。昨日も書いたが安田純平氏の報道もそうだし、消費税値上げ延長報道も政権に遠慮してか及び腰だ。
昼は青谷公園の四阿でくつろぐ。
帰り道、道路でティッシュをくわえた雀がいたので、観察してたら電線のカバーの筒の中に運び入れてた。巣作りしている事がわかった。
レマンでバケット買って4時帰宅。
久しぶりに普通のギター(YMAHA FG-130)もって屋上へ。ずっと以前ほおぼおさんから格安で分けてもらったもの。サランバンに常備するつもりで入手したのだが、サランバン店仕舞いした後引き取って、そのままケースに入れて放っておいた。アコースティックギターはもう一本あって、こちらもYAMAHAだけど、これは同窓の一木良治くんがYAMAHAに入社した直後に、特殊ルー(^_^;)トで手に入れたいわくのギターである。FGの方はそろそろ処分対象にしようかと思ったので、その前に一度弾き納めすることにしたのだ。どちらかというと小ぶりなギターなのだが、ミニギターと比べると巨大である。弦高も相当あって手こずってしまう。すでにMorris.はミニギターしか弾けなくなってるのかもしれない。
阪神-楽天戦。悪い予感は当たるというか、1-9のボロ敗け(>_<) 唯一の得点は犠牲フライで鳥谷が本塁に走った結果だが、これも最初はアウト宣告で、例のクロスプレー禁止に抵触するのではとの金本監督の抗議で、ビデオ判定に持ち込まれ、結果は、クロスプレーブロックではないが、鳥谷の足がボールより先にベースに届いてたためセーフ(@_@)。最近はホームランかどうかの判定をビデオでやるようになったけど、今日のは、ベースでのアウトセーフ判定をビデオで決定したケースになるのではなかろうか。
 今日の歩数は2258歩。

ティッシュくわえた雀? 

ここに巣作り中らしい 

久しぶりに普通のギター 

【引擎 : Engine】矢作俊彦 ★★★☆ 2011/05/30 新潮社
トルーマン・カポーティの「ティファニーで朝食を」と大藪春彦に触発されて書いた作品らしい(^_^;)
「エンジン」というコードネームの女性殺し屋を追う刑事片瀬游ニの物語だが、例によって、ストトーリーより、細部の凝りまくった文章に蠱惑されてしまった。
セックス描写も矢作にかかると散文詩みたいだ。

彼は反転し、押し倒し、脚を高く抱え上げた。膝を曲げ、腿を腹に押しつけ、まるで一冊の本のように彼女を二つに開いた。自分を栞代わりに、そこへ挟み込んだ。
本が彼を締め上げた。それは彼女の一部だった。しかし全体でもあった。
彼は激しく上り詰めた。しろい頁がはらわたを食いちぎり、割れ目から自分がどっと流れ出した。
やがて舌が口の中で朽ちた水道のような音をたて、女も静かになった。誰もいない午後の食卓で、紅茶が冷えていくみたいな具合だった。


最近の右翼は、けちな強請りタカリか経済事犯でしかメディアを賑わさない。まして飯島耕範はそうした街宣車右翼や経済右翼とは一線を画す筋金入りだ。刑事畑を一貫して歩いてきた游ニには無縁な存在だった。
飯島耕範は、関東軍の青年将校として敗戦を迎え、ソ連軍に抑留されることもなく、満州から復員した。戦時下の速成将校で、まだ二十三歳だった。
焼け跡の東京で放蕩無頼を繰り返すうち、戦後右翼の巨魁窪谷般彌に目をかけられ、最初から後継者として遇された。関東郡参謀部付の連絡将校であったころは甘粕正彦に可愛がられたとあるから、何らかの因縁があったのかもしれない。窪谷は大川周明の懐刀、K機関のボスとして、日中戦争下の上海でその名を轟かせ、日本軍の暗い闇の部分に君臨した。戦後は宙に浮いた機密軍事資金を背景に、戦後史を裏から彩った。保守合同で暗躍し、日本政界の首根っこを抑えると、日米安保改定、沖縄返還、ドルの自由化、日中国交回復と、歴史的事件の背景には彼の名が常に見え隠れした。アメリカ情報局との強い関わりも、しばしば取り沙汰された。
その窪谷の傍らに、飯島耕範は戦後一貫して控えていた。1984年に窪谷が死ぬと、もはや彼に並ぶ者はなかった。
飯島は1025年、昭和とともに生まれ、昭和を生きてきた。自ら昭和八十七歳と自称していた。
時代のせいもあるだろうが、飯島には目を引くエピソードがあまりない。疑獄事件や与党の派閥抗争に、しばしばその名が登場するが、窪谷に比べると見劣りする。
彼が首魁を引き継いだころ、イデオロギーの時代は終わろうとしていた。ベルリンの壁が落ち、東西冷戦が終結したのは、窪谷が死んでわずか五年後のことだ。
その数年後には暴対法が施行され、戦後政治と組織暴力の「幸福な関係」に幕が降ろされた。
それでも隠然とした力を誇り、各種団体の役員や顧問に名を連ね、企業犯罪の背後に見え隠れしていることに疑いはない。
ことに2000年サミットの沖縄開催や、SACO--沖縄における施設及び区域に関する特別行動委員会の発足から普天間基地返還提案に至る一連の出来事では陰にとどまらず、時には姿をさらして尽力したようだ。
そのときのことを飯島本人は、
『軍人として、満州に民間人をのこしてきたという悔いがあり、沖縄の方たちのこととなると、到底普通ではいられなくなる』と語っていた。
別のメディアではこうも言っている。
『中国が覇権国家として台頭する限り、沖縄こそ日本の生命線、真の要石だ」
どちらが本音か。本人にはどちらも本音なのだろう。


飯島耕範というのは児玉誉士夫のことだろう。飯島耕範のモデルが誰なのかよくわからないが、ともかくも戦後の裏世界をこれだけ説得力をもって描けるのも矢作の膂力というべきだろう。

「核技術者? イランに売ったのか」
ムーシカは返事をしなかった。「連中とは、その後も連絡があった。本物は難しくても、セカンドラインなら苦もなく造れる。一部の部品はわざと韓国でこしらえた。日本製の部品も使っている。しかし、多くは、アメリカ製だ。イラクで鹵獲された武器をばらして流用している。そこがミソなんだ」
「そんなものから核爆弾が作れるのか」
「核爆弾?」センターミラーの中で、ムーシカの目が面白そうに細められた。「セカンドラインと言っただろう。核爆弾なんて面倒なもの、こっちの方で願い下げだ。第一あんな安い金で取引きできるものか。あれは核爆弾なんかじゃない。汚い爆弾(ダーティボム)だ。いわゆる放射能兵器ってやつさ。爆弾ではなく爆発によって、--つまり普通の泥漿(スラリー)爆薬で効果的に放射性物質を撒き散らし、広範囲に深刻な核汚染を引き起こす。爆薬にはガラス繊維とアルミ粉末を添加して、さらに弾体にちょっとした仕掛けを施した。これで半径5キロの地域を長期間にわたって人の近寄れない、言葉通りのブラックホールにかえられるはずだ。原発の暴走なんかとは桁が違う。初めから核汚染を目的に設計されているんだからな。こいつをもう少し西の高台で爆発させてみろ。普天間と瑞慶覧、それに嘉手納の大半が三十年、うまくすれば半世紀以上使い物にならなくなる。大したもんだろう。

沖縄嘉手納基地を、このダーティボムで放射能まみれにするという作戦。核兵器ではなくとも、簡単に放射能汚染地域を作ることは可能なのだろう。日本全国に散らばる原発はそのまま、とんでもなく危険な自爆武器(>_<)であることを再確認した。

2016/05/30(月)●安田氏最後通告?!
8時起床。
今朝の血圧は165/70/96。
昨夜、シリアで拘束されているジャーナリスト安田純平さんの映像がネットで公開されたというニュース。赤い(濃いオレンジ)衣装を着た安田氏が手書きで「助けてください これが最後のメッセージです 安田純平」という白い紙片を胸の前に掲示しているもの。イスラム国とは別の組織ヌスラにこうそくされているようで、この組織は20日ほど前に拘束していたスペイン人ジャーナリストを開放したとの報道もあり、安田氏も開放される可能性はあるはず。政府が水面下の交渉をやっていないとは思いたくないが、少なくとも解放に向けて積極的な動きをしているとは思いにくい。
昼前、王子動物園。しばらくハンター邸前で読みかけの本一冊読み終えて、その後は指定席(^_^;) カンガルー広場裏手のベンチでミニギターレッスン。15人くらいの草刈り作業員がいて、中には面白がってくれる人もいたみたい。な、気もする。
4時帰宅。
7時のNHKニュースでは、安田氏の件はかなり後回しにされ、新しい映像も画像も出さず、映像を投稿した男に電話取材し「交渉が進まなければISにひきわたす」と言われたことを報じ、「政府は撮影時間が明確でない 分析急ぐ」とした。いかにもNHKが政府の御用放送局になってることを感じさせる。
今夜のKBS歌謡舞台1469回は-5월 신청곡-5月リクエスト
1) 고향 역故郷駅(나훈아ナフナ)/오승근オスングン
2) 고향에 찾아와도故郷を訪れても(최갑석)チェガプソク/박일남パクイルナム
3) 꿈에 본 내 고향夢見る故郷(한정무ハンジョンム)/최유나チェユナ
4) 두메산골山奥の地(배호ペホ)/진성チンソン
5) 항구의 청춘 시港の青春詩(남인수なむいんす)/배금성ペグムソン
6) 일편단심一片丹心(금잔디クムチャンディ)/김용임キムヨンイム
7) 몰래한 사랑捌けた愛(김지애)/김지애キムジエ
8) 연모恋慕(박우철パクオチョル)/박우철パクウジョル
9) 그때 그 사람その時その人(심수봉シムスボン)/최완정チェワンジョン
10) 연인恋人(한승기ハンスンギ)/최시라チェシラ
11) 모정慕情(이미자イミジャ)/박혜신パクヘジン
12) 어머님母君(남진ナムジン)/진송남チンソンナム
13) 꿈속의 어머니夢のなかの母(황금심ファングムシム)/송란ソンラン
14) 한오백년恨五百年/국악인国楽人 채수현チェスヒョン
15) 꿈의 아리랑夢のアリラン(조용필チョヨンピル)/김연자キムヨンジャ


まあ、リクエストだから、脈絡はない(季節感はあるのかな)が、あまり好きな曲もお目当の歌手もいなかった。その代わり太字の三曲は名曲揃いだな。
今日の歩数は3641歩。

公開された安田純平氏の画像 

今日のまぬう 

コアラ舎前の木の花 

獺 

河馬 

ピントロング 

【フィルム・ノワール 黒色影片】矢作俊彦 ★★★☆☆
2014/11/25 新潮社 初出「新潮」2010-12

フィルムノワールとは、映画のジャンルではない。あたかも他にフィルム・グレイやフィルム・オフホワイトというようなものがあって、それと対置されているかのように存在する、ただ"黒(ノワール)"なフィルムのことなのである。 ポール・シュレイダー

これは、巻頭に置かれたエピグラム風の引用だが、一般に「フィルムノワール」といえば、1940-50年代のアメリカ犯罪映画を指すようだ。その他にフレンチ・フィルムノワールと香港ノワールがあり、日本でも60年代にフィルムノワール的作品が数本作られたらしい。(、Wikipedia参照(^_^;))
本作は主要舞台が香港で、当然香港ノワールが大きく取り上げられているが、満映に関わった日本の監督が香港で撮ったとされる問題作品のフィルムを巡って、二村という元刑事が、監督の娘の女優から依頼を受けて香港に飛び、そこでの映画ちっくな冒険譚が繰り広げられるのだが、やたら、登場人物が多いし、シーンの転換も目まぐるしすぎて、なかなかMorris.には付いていけないところも多かった。
しかし、本書に満載されている、映画、酒、自動車、銃器、ファッション、邸宅、中華料理……などに関する矢作の薀蓄を傾けた贅を凝らした文章見るだけで充分楽しませてもらった。人物描写などの直喩(~のような、~みたいな、~らしいなど直接的比喩)も非凡である。

保土ヶ谷バイパスが国道16号線と合流した先で、東名高速のインターチェンジを取り囲んだラブホテルの一群が、アラモの砦のように文明から孤立していた。
そこを過ぎると、道の両側から緑が消え失せ、本当の"郊外"が始まった。洗剤の箱をそのまま巨きくしたような量販店とパチンコ屋、スキーロッジのようなレストラン、その隙間をまちまちと埋めつくす町工場と資材置き場とアパート、どんな旅回り一座の書割より薄っぺらな風景のことだ。


のっけから、人物以外の直喩になってしまったが、「アラモの砦のように」「洗剤の箱をそのまま巨きくしたような」「どんな旅回り一座の書割より薄っぺらな」などの、直喩は書けそうで書けない。

「何のコマーシャルなんですか?」隣りにいたスタッフに尋ねた。
「カイロですよ。ピラミッドとも紫のバラとも関係ない」彼はそこで、もの悲しげに目線を下げた。
「使い捨てのカイロです」


これは、本書にいやというほど出てくる映画ネタの一つだが、ネタ元「カイロの紫の薔薇」は、Morris.が見た数少ないウディ・アレン監督の映画の一つで、ミア・ファローが映画のヒーローに恋して、銀幕の中に入っていき、ウクレレ弾く場面などを懐かしく思い出したので、つい引用してしまった。

ロールスロイスが動き出した。あまりに大きいので、車ではなく道路が後ろに向って動いているように見えた。

ね、なかなかのもんでしょ(^o^)

世界中の観光客が行き交い、品定めをしていた。「わーっ、メッサ香港!」日本語が聞こえた。若い女がモノグラム柄の"ルイ・ヴィトン真品ワールドカップ公式球"を抱え、電話で自分を撮っていた。店の親爺が何やら怒鳴った。仲間の女たちが笑った。「観光客の特権ってやつ?」
何が観光だ。写真や動画で見たものと同じ風景、同じ食べ物があることをただ確かめ、目で見もせずに写真に撮ることが、今では観光のすべてなのだ。


「観光客」への辛辣な批判だが、おしまいの写真のところは、Morris.にはちょっと「兎の逆立ち(ミミガイタイ)」発言だった。

「二村さん。あのブルースブラザー、どうやって追い払ったの?」
「大したことはない。君と魚釣島を交換しただけさ」
ダイナは目を輝かせ、本当に笑い出した。
「すてき」という声が耳のすぐ近くで聞こえ、頬にキスが飛んだ。「今まで貰ったギャラの中で一番だよ」


こんな美女とのやり取りも無数に出てくる。

タクシーは動き出した。彼女がドアを閉める大きな音は、シェーンを呼ぶ子供の声のようにアスファルトの荒野に透明に響き渡った。

芸が細かい。

「何を飲んでいるんですか」
「ラスティネイル」彼はオールドファッションドグラスを差し上げ、氷を鳴らすと、舌打ちでデュエットした。「甘い酒だと思っているだろう。本当は違うんだ。スカッチに、その半量のドランビュイ。他にはなにも入れない。しかし、入れて掻き回すだけじゃラスティネイルにはならないんだ」
私は同じものを注文した。「錆び釘(ラスティネイル)って、時代後れとでも訳すんですか」
銀幕の殺し屋は、照星にたかった邪魔臭い蝿でも見るように、私を睨んだ。
中国人のバーテンダーは、英国製のスパイ映画に出てくる科学者がロンドンを消失させる新兵器を組み立てるような自負と緊張をもって酒をステアした。
「アルコールは映画に似ているな。闇をつくるために必要な無尽蔵の光」」錠は言って、グラスを空にした。
すかさず二杯目が登場した。
「1パーセントの真実を99パーセントの嘘で語るんだ。そのためには金が要る。原爆がつくれるほどの金」彼は言葉を続け、酒を口へ反動。「世界中どこの独裁者も、映画と原爆と女が大好きだろう。これは決して無縁じゃねえ」
「他人の代わりに見ず知らずの人生を生きる代償ですか」
「いや、ギャラだけじゃないんだ。あらゆる嘘が金を必要とする。青いバラを育てるのと同じだ」


実は本書には、宍戸錠本人が登場する。それもただの脇役ではなく助演クラスの役どころである。
宍戸錠は日本のノワール的作品に出演しているようだし、ニックネーム「エースの錠」が、ストーリーに大きく関わっている。表紙にもそれらしい人物が描かれてる。もうひとりは赤木圭一郎のようでもある。もしかしたら、二村は赤木の役どころなのかもしれない。

「銃犯罪ユニットの連中はカンボジア人だと睨んでいる。ポル・ポト政権に育てられたクメール・ルージュの精鋭。秘密警察や処刑人とは違う、ある種の「趣味人」。つまり完璧な殺し屋だとさ。それが本当なら皮肉な話じゃないか。原始共産主義を目指した社会が、消費行動としての人殺しを生んだんだ」

他の本に、クメール・ルージュのことが出てきたので、ちょっと目を惹いた。

彼はハンカチを出すと、犬を食う人間を目撃した植民地官僚のように口許を抑え、怒りと恐れを同時にそっと覆った

この官僚は、イギリス人だろうか、それとも日本人だろうか? 舞台が香港だけにイギリス人か。

「ええ、お姉さんがいることは。--苦労されたようよ。アルバイトと奨学金だけで大学を出られたと聞いたわ。学生時代、ある劇団の座頭に見初められて板に乗るようになったんですって。蜷川のシェークスピアにも出たというから、そこそこ行ってたんじゃないかしら。でも、結局はちゃんと就職されて中国に戻ってしまったの」

ちょうどこのページ読んでるときに、蜷川の訃報を知ったので、メモとして引いておく。

「それ、要するにペーパーカンパニーじゃないんですか」
彼は目で笑い、声をひそめた。「ものは言いようだよ。この町じゃ立派な会社だ。日本人は香港をタックスヘイブンなんて呼ぶが、おれらに言わせりゃ国際金融センターだ。それと同じだよ」


これまた、同じ頃、パナマ文書、タックスヘイブン問題が表沙汰になったことの心覚えに。

「大陸から逃げて来られたんですか」
「ああ。大躍進政策の失敗で、食うに困って逃げてきたんだ。知ってるかね、大躍進?」
「共産党の失敗で数千万人が餓死したんでしょう?」
目を逸らし、今度は口を歪めた。「三年で英米の経済に追いつけって、--というよりゃ毛沢東の大号令だ。」鉄もないのにあちこちに鉄工所おっ建てて、種も苗もないのに森まで潰して畑を増やして、米どころか木の根っ子も口に入らなくなってよ。--毛沢東様が事故批判せざるを得ないほど酷かったわけよ」


この話も、ポル・ポトの話が出てきたのと同じ本に出てきた。

再びエレベータのドアが開くと、目の前に背の低い中国人がメスジャケットを着て立っていた。
「お待ち申しておりました」彼はドイツ製の蝶番のようにきちんと一礼した。


秀逸な直喩の一つ。

「誰をかばっているんです? どうして、あんなところへ出かけていったんだ」
彼女は私の声を、ジェームズ・スチュアートが吹き鳴らすトロンボーンのように聞き流した。


これは「グレン・ミラー物語」だね(^_^;)

アリアーヌはいきなり立ち上がると私を残し、まるで白貂(オコジョ)のストールをまとったノーマ・デズモンドのように威風堂々と階段を上り始めた。

これは「サンセット大通り」でのグロリア・スワンソンの役名らしい。(ネット調べ(^_^;))
こうやって、今や、ネットで検索すれば、たいがいのことはわかるようになっている。10年くらい前にはちょっと考えられない状況だ。作中、二村もスマートフォンやPCを多用している。以前、携帯電話の普及によって推理小説は「携帯以前と以後」に大きな変革を余儀なくされると誰かが書いたのを見て、大いに納得したものだが、推理小説にかぎらず、映画もドラマも、全ての創作が、情報機器日進月歩に伍して変化していくことになるのだろうな。

小声で、しかも早口の広東語だったが、怒っていることは分かった。ついでに彼が、中国本土の警察を"阿Qども"と呼んでいることも。

阿Qども(@_@)//

「そうか。君はツィ・バンタムが好きだったのか。--だからやつらの強請に一枚かんだのか」
「昔のことよ。あの女が現れるずっと前、ちょっとの間--」
「ずっとがちょっと、ちょっとがずっとに聞こえたよ」


これまた、芸の細かさが……

「いいのかね?」
声に振り向くと、セーラー服を着た年寄りの乗員がこっちに汚れた歯を見せ、笑っていた。「もうひと押し。香港女は三回押さないと」
「いいんだ」私は首を振った。「出てったフェリーと女は、追いかけないようにしている。追えば必ず溺れるからね」


こういった映画風の決め台詞も多数。

そばだつ本棚の先の先で、猫を抱いて眠るにはぴったりなソファの端から真っ白い口髭をたくわえた老人がピョンと腰を上げた。高山寺のカエルのようにガニマタで、そのくせ足が長く、シルクのドレスシャツに小紋のボウタイをきりっと締め上げ、鼈甲縁の眼鏡をかけていた。半纏みたいな生地と仕立てのジャケットにストーンウォッシュのジーンズ、--観光ガイドで一山あてた留学生崩れといった出で立ちだ。

これまた凝りに凝った人物描写。

「どれほどバカな夢でも、夢は捨てちゃいけないんです。百万本の映画が百万回繰り返し教えている。映画のいいところは、そこだけだ。何しろ、人生は夢と同じものからできてるそうだから」

ほんの脇役にもこれくらいの台詞を吐かせるあたり。

「手を貸してくれない、二村さん。ここから降りたいわ」
「その前に、どうやってそこへ上ったか教えてほしいな」
「決まってるでしょ。--ジャンプカット」
言うなり、いきなり飛び下りてきた。それを危うく抱き留めた。


映画用語の使い方も堂に入ってる。
やっぱり矢作は、ニクい作家である。

2016/05/29(日)●大きな楠の木の下で
7時起床。
今朝の血圧は169/77/68。
朝の三点セット。
午後から雨になるとのことだったので、早めに部屋を出て、王子動物園駐車場の中央にある大きな楠の木の下のベンチでミニギター&読書。
昼過ぎまでここにいて、そのあと水道筋方面まわり、都賀川で一服して3時半帰宅。
「Mgic Pann」というサンドイッチ専門店で前から気になってたのだが、初めて買ってみる。時々自分で作るときの参考にしようと思ったのだが、まあ、可もなし不可もなしといったところ(^_^;)
阪神は巨人に3連勝を狙ったのだが、結局1点差で負けてしまった。来週からパ・リーグとの交流戦。最初の相手は絶不調の楽天だけど、逆に不安(^_^;)
森羅万象のあべさんから今月の標語「下戸苦情」に対して「難度に難あり」と言われてしまった。たしかに駄作である(>_<) たんなる「下克上」のダジャレだが、ほとんど意味をなしていない。反省。
今日の歩数は5558歩。

桔梗草 

王子公園駐車場の楠の下で 

見上げるとこんな風 

茱萸 

水道筋駐車場猫A 

土耳古桔梗? 

都賀川の白 

蔓性茄子科までは判るが 

寿司屋三猫 

サンドイッチ「Magic Pann」 

マジックボックス\360 

えらく大振りな紫陽花 

2016/05/28(土)●淀川あたり
6時半帰宅。
今朝の血圧は202/83/65。
自転車で摩耶倉庫に向かう途中、高橋猫の定位置にいりこ置いておく。
自転車の後ろのタイヤが空気少し抜けてる、一昨日空気入れたばかりなのに、パンクだろうか。いや、これは虫ゴムが劣化してるのだろうと思う。
荻野、喜田くんと3人で、大阪十三のポーランドからの荷物の配達作業だが、中に一つめちゃくちゃ重いダイニングテーブルがあるので、別現場に行く浅海くんにも手伝ってもらう。エレベータに入るかどうか心配したが、どうにかこうにか入って一安心。
昼食抜きで開梱もやって、淀川近くの食堂で遅目の昼食。
休憩を利用して淀川の土堤まで行き、下町散策。庭に桑の木を植えてる家があってちょうど実がなっていた。桑と言えば、蚕を思い出すが、養蚕がほとんど見られなくなった現在、桑の実もなかなかお目にかかれない。赤い実と黒い実が混じっているが、赤はまだ未熟で、熟して黒くなるらしい。ドドメ色というのは、この桑の実の別名に由来するらしい。黒の中にいくらか紫みのある、なかなかに味わい深い色と形である。
偶然自転車屋があったので、虫ゴム二つ買う。(一個百円)。
紙ゴミ処分場に持って行き、3時半倉庫に戻り、積み込みした後、早速、虫ゴム交換して、空気入れたらOKみたいだった(^_^)/
帰り道も高橋通ったが、今朝のいりこは置いたままだった(>_<) 午後は結構雨降ってたから、高橋猫、外に出て来なかったのかもしれない。
阪神-巨人二戦目、先発岩崎が3回にエラー絡みで2点取られ、ちょっとやばいかと思ったが4回に4点取って逆転、9回には原口、ヘイグの連続ホームランで4点差にして9回裏は藤川球児、一死満塁のピンチを作り、ワイルドピッチと犠牲フライで2点差に迫られたが何とか逃げ切り。これで巨人は7連敗らしい(^_^;)
今日の歩数は5113歩。

箆車前草茂る淀川土堤 

淀川 

時計草 

紫陽花 

桑の実 

虫ゴム(上新品) 

【森崎和江】内田聖子★★★
2015/12/20 言視舎
森崎和江と言えば、「からゆきさん」や「まっくら 女坑夫からの聞き書き」など底辺の女性をテーマにしたノンフィクション作家として知られているし、谷川雁、上野英信らと文芸誌「サークル村」を刊行。特に谷川雁とは恋愛関係にもあったことで知られるが、Morris.としては、Morris.の本名に酷似してるということで、なんとなく他人と思えない(^_^;)気がする。年齢的にはMorris.の母の一つ上である。
本書の筆者は、谷川雁が主催するラボ・パーティに参加して、森崎和江のことを知ったらしい。全体に、遠慮(森崎にも谷川雁にも)があるような気がする。読んでいて隔靴掻痒の思いがした。

ずっと後になって森崎は、自分の植民地体験を客観視したくて『からゆきさん』を書いた、と語っている。みずからの幼魂にきざんだ疑問を解く手がかりとして。『からゆきさん』でおキミと綾を追うことは、日本のアジア侵略が、異国で春をひさぐ彼女たちにいかに深い傷を負わしてきたか、それを描くことでもある。
森崎は、日本の植民地であった朝鮮で十七歳まで育っている。それは朝鮮の真綿でくるむようなもので、オモニ(おかあさん)の生活を知らず、ことばも知らず、ただただ一方的にその肌ざわりや香りを知り、負ぶってもらって髪の毛を唇につけ、昔話をしてもらい、眠らせてもらったのである。人格形成のほぼ成長期間を、まるごと黙ってくれた朝鮮への思いを忘れることはできない。自分という人間の基本的な感覚や嗜好はすべて、朝鮮の人びとや風土からもらったのであった。
森崎は、みずからの植民地体験と、自分が「日本人」であることが結びつかずにもがき苦しんだ。そして長い年月の末、ゆきついたのは自分自身のことではなくて、それとはまったく対照的な「からゆき」を書くことであった。


朝鮮生まれということは知っていたが、「からゆきさん」が植民地体験にそれほど密接に繋がるものとは思わずにいた。

朝鮮半島から奉天付近にかけて占領地がひろがると、「からゆき」の誘拐密航はどっと増えた。営利にめざとい業者は、占領地へなだれこむように娘たちを送ったのである。紙面には「韓国へ密航」という文字が多くみられるようになった。その前に朝鮮は国号を韓国とあらためていた(明治30年)

森崎和江は昨今の朝鮮人慰安婦問題について、どうおもってるのだろう?

日露戦争に勝利した日本は、日韓協約をむすび、一方で男たちによる公娼制をもますます盛んにしていった。当然のごとく遊郭が設置され、「居留地の一遇を区画し、名義は芸妓として内地よりぞくぞくと娼妓またはその類の女を輸入し、公娼を営ませ、検梅し」た。それにつれて、飲食店や小料理屋をかねた私娼窟が増えたのはいうまでもなく、日本軍隊が帰国する京城や仁川には、公娼私娼の家々が軒をならべた。1910年(明治43)8月22日、日韓併合がなると、それに呼応するように、関釜連絡船は「からゆき」で満ちた。(第一章 からゆきさん)

日清、日露の戦役は朝鮮半島を巡ってのものだったことを忘れるべきではない。

谷川家の秀才ぞろいは地元でも有名だったらしい。兄は民俗学者で『太陽』の編集長でもあった谷川健一、弟は東洋史学者の谷川道雄、その下の弟は日本エディタースクールの創立者となった谷川公彦である。

谷川健一が雁の兄ということも初めて知った(@_@)

森崎の叔父森崎実は満州新聞社の支社長をしていたが、敗戦とともにソビエト軍によって中央アジアに抑留され、数年後に帰国、銀座近くにある広告会社の本社に入った。その後、TV開局とともにビデオリサーチの創設者となる。

森崎和江の係累にも、こういった満州帰りの人がいたということか。

2016/05/27(金)●広島茶番劇(>_<)
7時起床。
今朝の血圧は153/54/77。
朝のうちは小雨降ったりもしてたが昼前には上がり、陽も射してきた。
今週の「ア・ピース・オブ警句」は、「悲劇が偏見を強化する」と題して沖縄の女性遺体遺棄事件と東京小金井のアイドル(シンガーソングライター)襲撃殺人未遂事件の二つに触れていた。沖縄の事件では、ブログで「最悪のタイミングでの事件」などと書いた自民党の中山成彬へのブーイング、小金井の事件ではアイドルとそのファンへの偏見への問題提起で、ちょっとどっちつかずの嫌いがあった。テーマからずれるけど、最近の集団アイドルへの次の発言

ひとつだけ言えば、CDのおまけに握手券をつけて、その握手券の枚数によって、握手できる秒数が決定されるみたいなビジネスを「アイドル」というタグで処理したことが、そもそもメディア側の不見識だったとは思っている。

には、両手を挙げて賛意を表したい。「CDのおまけに握手券」じゃなくて「握手券のおまけのCD」というのが事実に近いのではと思うけど。
王子公園のジョギングコース脇のベンチで、読書&ミニギター。リズムボックスのヴォリュームつまみ不調は、指で軽く触れるととりあえず音が出るので、髪留めのゴム輪で留めてとりあえず解決、弥縫策だけどね(^_^;)
レマンでバケット買って3時半帰宅。
4時過ぎにJRで六甲道に出て、灘区役所、灘図書館、こいずみ歯科を巡回。今日は右上奥歯の虫歯を削って詰め物して、いちおう今回の治療は終了だが、来月に一度口内清掃(^_^;)のため来るようにとのこと。
帰りは歩いて、マルハチに寄って8時帰宅。
東京ドームの阪神-巨人戦、岩貞と菅野の投手戦。1回に坂本のエラーで阪神1ー0のリード、そしてそのままなんと岩貞、初完投にして初完封(@_@)。岩貞は入団4年目で、今年ブレイク中。この初完封を機に一回り大きくなってもらいたい。
伊勢志摩サミットを終えた後、オバマは岩国基地に飛び、そのあとヘリで5時過ぎに広島平和公園入り。資料館10分(^_^;)見てから演説、原爆被害者2名と対面して、抱き合うパフォーマンスして、1時間足らずで公園を後にして帰国の途についたらしい。
サミットも何の成果も挙げずに終わったようだし。安倍の思惑もかなり空回りした感が強いが、ともかくもへんてこなグラフ提示して「リーマン前夜」などぶちあげて失笑買った理しながら、これで消費税先送りの札にするらしい。サミットそのものも、大騒ぎするほどのものではないしね。
今日の歩数は8152歩。

ゴム輪で弥縫策(^_^;) 

夕顔 

祝賀!! 岩貞初完封\(^o^)/ 

【ソウルでいただきます!】浜井幸子 ★★★☆ 2010/06/30 徳間書店
筆者は1966年神戸市生まれで、中国の穀物文化に関心を持ち、中国留学もしている中国おたくらしいが、1999年に韓国に初めて行って、当地の大衆料理とハンジュンマクにはまって、この本を出すことにしたらしい。
自分で撮った料理のカラー写真満載でコメントも臨場感にあふれたもので、熱意が伝わってくる。高級料理でなく、軽食堂、定食、チゲ、クッパプ、焼魚定食、各種麺類、パンチャンなどなど、庶民的料理中心なのもMorris.向きである。
特に彼女のおすすめであるカンジャンケジャンでは、ごちそうで豪華な「チンミシクタン(珍味食堂)」と、家庭料理風の「ワンカルビ」の両方を紹介。Morris.としてはアヒョンイドン阿峴ニ洞)のワンカルビに行ってみたい。
カルグクスでは、なんと10軒以上をずらずらと並べて紹介。だしもいりこだし、鶏だし、牛骨だし、あさりだし、鱈昆布だしなどきっちり書いてある。Morris.行きつけの南大門市場のカルグクス通りはいりこだし。たしかにそうだったと思う。
これはMorris.とはあまり縁がなさそうだが、城東区マジャンドン(馬場洞)は畜産市場があって、焼き肉通りがあるとか。市場見物だけでも行ってみる価値がありそう。
Morris.もよく利用するプンシクチェーン「キムパチョングク(海苔巻天国)のメニューの日本語訳があって、海苔を内側に巻いたいわゆる「海苔巻かず」をヌードキムパというのは、最近知ったばかりだった。

2016/05/26(木)●還って来た高橋猫
6時起床。
今朝の血圧は192/71/59。
天気予報ではは午後から降雨確率高かったので、歩いて摩耶倉庫へ。
高橋の坂を上る時柵の下に白茶の塊が見えた、お、高橋猫ぢゃ(@_@)  実に久しぶりである。でも、今日はいりこは持参してなかった(>_<) いつもどおりというか、けっこう元気そうだ。この高橋猫は結構ファンがいるらしく、いつも水の入ったカップとエサの鉢が置いてあった。
何かいい気分になって7時半摩耶倉庫着。矢谷くんら4人で北神のドイツ向け引っ越し荷物と保管荷物のピックアップ現場。
マンション入り口まで50mほどあって、そこからまた30mくらい横持ちある(>_<) 天気良ければともかく、午後から雨が降ったらと思うとちょっと不安。
午前中は台所、午後は洗面所とシングルベッド部屋の梱包。結構荷物多くて今日の作業終了は5時過ぎ。倉庫で荷降ろし、バン詰めなどやって7時過ぎ倉庫を出る。何かすごく疲れてしまった。なか卯で豚丼食べて、8時過ぎ帰宅。
阪神-ヤクルトは藤浪先発で5-5、そのまま9回まで進み、結局サヨナ敗け。なんとセリーグは現在首位は広島で2位に3.5ゲーム差である。
今日から始まった伊勢志摩サミット。安倍総理は今がリーマンショック前夜だと、都合の良いグラフ配布して、参加諸国の顰蹙をかったらしい。沖縄の女性殺害事件に関連しては、単に「再発防止」を繰り返すにとどまった。
今日の歩数は4922歩。

お、高橋猫では? 

お久しぶりー(^_^)