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          Morris.日乘2015年5月
 


Morris.の日記です。読書控え、散策報告、友人知人の動向他雑多です。新着/更新ページの告知もここでやります。

 

今月の標語

因果横暴


【2015年】 4月 3月  2月  1月
【2014年】 12月  11月 10月  9月 8月  7月  6月  5月 4 月  3 月  2 月 1月

2015/05/31(日)ちんたら歌本作り●

6時起床。
今朝の血圧は163/71/72。
午前中は部屋ゴロ。昼から王子公園散歩道の例の岩場で、くつろぐ。競技場では大学のアメフトやってるようだった。
2時半帰宅。
そろそろ韓国旅用の歌本二冊目作ろうと思う。前回作ったのは比較的最近のレパートリー中心で、次の一冊は、古くからのレパートリー中心。最初に作ったのがぼろぼろになったので、これをリニューアル&追加ということにする。最初の歌本は、チャンユンジョンとチュヒョンミだけで1/3超 えてるし愛着深い曲が多いので、60pまるまるそのままで、あと80pほど追加。センターの新しいホッチキスだと150pくらいまでなら大丈夫と思う。し かし、それでも残りの曲選択に迷ってしまって、じかんばかり過ぎてしまう。
今日はほとんど動いてないのに、疲れが取れない。もしかしたらこのところ、血圧がMorris.にしては低めになってるのが、原因ではないかと思ってしまった。160前後というのは、一般でいえば、決して低くはないのだろうが、此れまでのMorris.の血圧平均からするとかなりの低下である。血圧が高いというのは、それだけ血の巡りはいいわけだから、とりあえず、元気だったのではなかろうか。今度金沢病院に薬貰いに行った時訊いてみよう。
阪神は西武に連敗。それも、4-0でリードしながら、ひっくり返されて、終わったら4-9だったという、情けなさ。今回の交流戦は、3連戦を6回やって終わりらしいので、残りは4チーム12試合。明後日からはロッテ戦。
今日の歩数は2387歩。

長い尾まで入れても1cmくらい 

この樹の下で 

川辺の大きな枇杷の木 

2015/05/30(土)尾道方面●
4時半起床。
今朝の血圧は158/74/59。
溝渕くんら3人で、尾道市三軒屋町の現場。
船便、航空便、ローカル、廃棄といろいろある現場だが、ローカルと廃棄は当地の別業者が引き取りに来たので、昼前作業終了。
現場近くの小高い山に天守閣のミニチュアみたいなのが見えた。尾道城かと思ったが、どうやらお城の形した展望台みたいなものらしい。
昼食は福山SAで、チャンポンなど食べたのだが、かなり大きなローズガーデンがしつらえてあり、数多くの薔薇が咲いていた。でも、ちょっと盛りは過ぎた感じ。
3時に倉庫着。荷降ろしして4時帰宅。
ますみちゃんから封書で、ペコちゃんキャラクターの応急絆が送られてきた。ニチバン製品で、6種の柄16枚が入ってる。早速右親指の切り傷に貼ってみる。ジュニア用だが、防水で粘着力も強くなかなかしっかりしている。なんといっても可愛いので、剥がすのがもったいない気がする(^_^;) ますみちゃん、ありがとうm(__)m。
阪神はデイゲームで、案の定、ボロ負け(>_<)
仕事、予定が変わって明日から4日ほど休みになりそう。かなり疲労がたまってたので、ほっとする。
今夜8時半頃、小笠原付近でM8.5という大きな地震が起こったが、震源地が590kmという深発地震のため、最高でも震度5強くらいで、被害はほとんどなかったようだ。それにしても、日本は火山噴火や地震などが日常的に発生する地帯にあることを再認識。
今日の歩数は8399歩。

冥蛾の仲間?全長1.5cm 

尾道城? 

街角アート? 

福山SAローズガーデン 

船を運ぶトラック 

ぺこちゃん応急絆 


2015/05/29(金)阪神交流戦連勝●
6時起床。
今朝の血圧は169/75/66。
荻野くんら5人で、六甲アイランド高層マンション最上階現場。つまり、このところ、同じマンションの別の現場をかわりばんこにやってたことになる。どちらも今日が最終日。
昼は近くの中華ダイニング「たんぽぽ」で今日の日替わりランチ(900円)。結構満員のことが多い店で一度行こうと思ってた店だったのだが、今日のランチは回鍋肉で、いまいちだった(>_<)。
3時過ぎ作業終了。
5時帰宅。
小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」今週は新国立競技場を取り上げた「「当事者意識」を言う人は、たぶん他人事と思っている」で、久しぶりに小田嶋節が炸裂していた。

彼(舛添東京都知事)が指摘している通り、新国立競技場建設に関する国(下村文科相)の説明は、まったくもって当事者意識のかけらもない、葬儀屋の挨拶みたいな空虚な文言に終始している。

「葬儀屋の挨拶」(笑)

当事者以外の何者でもない文科相の発言を笑って、日本の「無責任体制」を批判。

うちの国の巨大組織は、誰も責任を取らないで済むタイプの決断を好む。 というよりも、われわれは責任を分散させるために会議を催している。 その種の組織で満場一致による決議が好まれるのは、「メンバー全員に決断の責任を分散させることで、事実上、責任の所在を無化」せんとしているからであり、役人が諮問機関や有識者会議に結論を委ねるのも、責任を外部にアウトソーシングしたいからにほかならない。

今回の新国立競技場の責任者の無責任さを、「大日本帝国陸軍を彷彿とさせる」と評した舛添を持ち上げた上で、横浜国際総合競技場(日産スタジアム)のネーミングライツを都の予算で買って名前を「新東京国立競技場」として、国立競技場跡地にはナショナルサッカースタジアムを造るるという名案を披露。

舛添さんが、この案に乗ってくれるのなら、副知事になっても良いと思っている。
電話を待っている。


小田嶋の自転車事故入院から2ヶ月以上になる。退院まで、もうしばらくかかりそうだが、これを読んで、大丈夫だと思った(^_^;)
阪神のことはあまり書かないことにしようと思ったのだが、交流戦でもスタート好調である。昨日まで楽天に3連勝したあと、今日からの西武戦、二軍から復活のメッセンジャーが7回まで無失点の好投、9回呉昇桓も三者三振で1-0の完封リレー。借金もゼロになって言うことなし。ただ、こんなことを書いて明日敗けたら、と思うとちょっと心配でもある。
明日は4時起きで尾道の現場。早く寝ることにしよう。
今日の歩数は5967歩。

色付く前の楊梅(やまもも) 

広帯蜻蛉枝尺 

全長1cm内外(^_^;) 渋い柄ぢゃ

2015/05/28(木)早くも過労(>_<)●
7時起床。
今朝の血圧は175/80/76。
浅海くんら5人で、昨日と同じマンションの別の階現場。
昼はお客さんお手製のパスタで昼食(^_^;)
4時過ぎ作業終了。
今日はそれほどハードな仕事でもなかったのに、首から肩にかけてえらくだるい。昨夜のビールのせいかもしれないが、首をまわすとゴキゴキと音がする(^_^;)。
マルハチで買い物して5時前帰宅。
今日の歩数は6392歩。

食事中の箱入り猫 

君子蘭A 

君子蘭B 

2015/05/27(水)●長田カラオケ
6時起床。
今朝の血圧は171/75/67。
荻野くんと二人で六甲アイランド高層マンション最上階(一昨日の現場)の三日目。
今日は朝から、ひたすら台所割れ物梱包に専念。4時までにざっと20箱ほど、割れ物梱包。これはこれで疲れる(^_^;)
4時半作業終了。6時帰宅。
風呂浴びて、JRで新長田に出て、長田カラオケ会。「歌居屋」の15人部屋に行ったら、来てるのは、山根さんと堀内さんのみ(^_^;) これはこれでつらいものがある(^_^;)
8時過ぎに朴昌利さんが来て、4人になった。カラオケボックスなら4人か5人がちょうどいいのだろうけど、こういった例会みたいなものだと、ちょっとさびしい。まあ、気を取り直して「慶尚道アジュマ」から歌おうとしたら音がでない(>_<)。原因はヴォリュームがゼロになってただけだったけど、これもちょっとずっこけ。会費負けしないようにビールどんどん呑む。
明日も仕事なので、9時半に退出。帰りは堀内さんといっしょで、群山のことを教えてもらう10時帰宅。
今日の歩数は5933歩。

蜘蛛と豆小金 

現場から 

瀧雲 

岩屋のチビ雉 

同じく 

歌居屋カラオケ会 

2015/05/26(火)●塩屋眺望
7時起床。
今朝の血圧は178/73/70。
8時にJR灘駅にとしろうに迎えに来てもらい、塩屋ジェームス山の中国人独逸向けピックアップ現場。
えらく見晴らしの良い現場で、おまけに今日は雲ひとつない快晴。午前中は、前庭で家具梱包。
午後はクローゼットや洗い場などのごちゃごちゃしたところの梱包。
4時作業終了。5時帰宅。
さっと風呂浴びて、久しぶりに古いヤマハのジャンボギター持って屋上に。ミニギターばっかり弾いてるので、普通サイズより大きめのこのギターはでかい、重い、弦圧が高いと、今やMorris.には無用の長物でしかないようだ(^_^;) まあ、これを弾いたあとで、ミニギター弾いたら、楽で、何か上手くなったみたいな錯覚を覚えることくらいか。
今日からプロ野球は交流戦で、阪神は甲子園に楽天を迎えての緒戦。お互いリーグ5位同士。岩田が4年ぶりの完封勝ち。
今日から国会で安保関連法案審議が始まったが、数を頼んでの安倍総理の答弁は相変わらず、というか、ますます居丈高、傲慢になっている。
今日の歩数は5144歩。

紫陽花咲きがけ 

塩屋の海とジェームス邸 

ひさびさジャンボギター 

2015/05/25(月)●時ならぬ農繁期(^_^;)
6時半起床。
今朝の血圧は167/82/73。
荻野くんと二人で六甲アイランド高層マンション最上階のアメリカ向けピックアップ5日取り現場の初日。
5月になってから、えらく暇だったが、今日から6月10日くらいまで、時ならぬ農繁期。すでに初日の今日から、やや疲労気味だが、まあ、円安ウォン高の韓国の旅(>_<)に備えて、ちょっとは稼いどかなくては。
一昨日、チャンユンジョンのDVD見たことから、ついつい昔のビデオ見たくなり、ずっと前にキキさんからもらった、80年代から90年代の韓国歌謡バラエティ番組「土曜日!楽しい土曜日!」。もらったのは87年、88年の10回分くらいだが、そのなかで一番印象深かった87年9月15日放映の「トトロータリー」これは何度見ても唖然としてしまう。ものすごくたくさんの曲が書かれたルーレットを回して、それをゲスト歌手が歌うという、かなり無理のある企画なのだが、ゲストの一人チョヨンナムが最初から完全に酔っ払って、やたら女性歌手に抱きついたりして、他の歌手に引き戻されたりで生番組ならではのハプニングの連続。You Tubeにないかと探したが見つからなかった。
今夜のKBS歌謡舞台1419回は"5월 신청곡5月リクエスト“

1) 동숙의 노래トンソクの歌/문주란ムンジュラン
2) 동백 아가씨椿娘/김연자キムヨンジャ
3) 해운대 엘레지海雲台エレジー/손인호ソンインホ
4) 목포의 눈물木浦の涙/금잔디クムチャンディ
5) 갈대의 순정カルテの純情/박일남パクイルナム
6) 산 너머 남촌에는山越え南村には/문희옥ムンヒオク
7) 어머님お母様/문연주ムンヨンジュ
8) 생일 없는 소년誕生日のない少年/김용만キムヨンマン
9) 동창생同級生/연홍비ヨンホンビ
10) 잊지 마忘れるな/이현イヒョン
11) 내 나이가 어때서年齢がどうだって/오승근オスングン
12) 석별惜別/홍민ホンミン
13) 공항의 이별空港の別れ/문주란ムンジュラン
14) 장녹수常緑樹」/전미경チョンミギョン
15) 강촌에 살고 싶네川岸に住んでたね/박일남パクイルナム, 홍민ホンミン
16) 내 사랑 지금 어디私の愛は今何処に/이현イヒョン
17) 봄날은 간다春の日は過ぎゆく/김연자キムヨンジャ


うーーん、特別目玉がない回だな。キムヨンジャが名曲2曲を歌うのと、最近Morris.の愛唱曲6.「サンノモナムチョエヌン」をムンヒオクがどんなふうに歌うのが興味しんしんといったところか。ムジュランは「女ペホ」と呼ばたりもしてた、しゃがれ声が特徴の女性歌手だけど、Morris.はちょっと苦手かも。今回の評点は★★★。
今日の歩数は4048歩。

【韓国 近い昔の旅】 神谷丹路 ★★★☆ 1994/03/18 凱風社。
「植民地時代をたどる」と副題にある。収められた取材地と年度は以下のとおり。(太字はMorris.がまだ行ったことないところ)

・ソウル1981-91)・扶余(1982)・水原(1982)・天安(1989)・釜山(1989、1991)・巨済島(1989)・全南 荷衣島(ハイド)玉島(1989)・全南 望雲(マンウン)(1989)・京畿道 幸州山城(ヘンジュサンソン)(1990)・全北 井州(ジョンジュ)・慶北 シノリ固城(1990)・済州島(1991)

著者は1958年生まれの女性(かみやにじ)で、81年に交換留学生として、延世語学堂で1年学んだとのこと。Morris.本書の背表紙見て、ずっと年上の男性だと思い込んでた。それで、読まずにいたのかも(^_^;) もっと早くに読んでおくべきだった。
ランダムに、ネタ元となりそうなところを、引用しておく。

広辞苑の「ととき」の項目に「ツルニンジンの別称」とある。「トドク」と「ととき」。偶然とは思われないこの類似。

トドクは韓国ではポピュラーだが、日本ではめったにお目にかかれない。トラジ(桔梗)の根にそっくりで、Morris.は見分けがつかない。どちらも根を洗ってそぎ切りにしたものをそのまま食べたり、ヤンニョンに付けて食べるのだが、美味いと思ったことはない。値段はトドクがうんと高い。

・焼酎(ソジュ) 韓国のもっとも庶民的な酒。二合瓶が約500ウォン。これを薄めずに銘柄が異なりソウルは真露(チルロ)、釜山は大鮮(テソン)、全羅道は宝海(ポヘ)、慶尚北道は金福酒(クムボクチュ)、慶尚南道舞鶴(ムハク)、江原道は鏡月(キョンウォル)である。それぞれに微妙に味が異なる。

20年以上前のデータである。今はソウルでも真露のライトバージョン「チャミスル」、そのそっくりさん「チョウムチョロム」なんてのをよく見かける。釜山では「C1(シーウォン)」がメイン。鏡月は最近サントリーが果実味シリーズで売り込んでるが江原道産とは知らなかった。でも、韓国ソジュは、ほとんど味なんてない(リカ-)みたいなものだと思う。

・幸州山城(ヘンジュサンソン)と金浦空港は漢江をはさんで、目と鼻の先である。バスは5分ほどで、幸州山城の入り口に到着した。幸州山城は、標高125mの小さな山にあった。

秀吉の朝鮮侵略時の古戦場で、ヘンジュチマ(エプロン)の由来になった、とある。ここは機会があれば足を伸ばしてみよう。

・1942年(昭和17)2月3日午前11時頃、山口県宇部郡西岐波にあった海底炭鉱「長生炭坑」が水没した。坑口付近の岩盤が崩れ落ちたため、坑内にいた人々のほとんどが逆巻く海水に飲み込まれた。助かった者は少なかった。そして、海底にいた183人のうち131人は朝鮮人犠牲者だった。(日本人の犠牲者はすべて「どうろう」と呼ばれる坑内監督で、採炭夫はひとりもいなかった)。
長生炭坑は、宇部炭田の一つだった。宇部炭田は海底炭田で、周防灘にずらりと並ぶ36の炭坑を擁していた。長生炭坑はその宇部炭田の東端に位置し、大正初期に開かれた。そして、もっとも浅い炭坑だった。すでに1921年(大正10)に一度、水没事故を起こしていた。採掘はもうそれ以上困難とみなされ、いったんは打ち捨てられた炭坑だった。
日本人鉱夫たちに敬遠された長生炭坑は、朝鮮人を大量に連れてきた。そのため地元の日本人たちは、長生炭坑のことを「チョーセン」炭坑と呼んだという。朝鮮からの強制連行者は、延べ1200人あまりといわれている。


朝鮮人強制労働に関しては、六甲学生青年センター関連人脈でも研究が進められているようだが、Morris.はこの炭坑の名前すら知らずにいた。それにしても、酷い話である。

・マジキ 韓国の土地の単位の一つ。一マジキを一斗落と表記しているように、一マジキは、種子一斗を蒔く広さの耕地を指していうので、土地の肥沃さなどによって絶対面積が異なる。およそ、150坪から200坪に相当する。李朝時代以降、普及した単位。土地によって、また畑か水田かによって一マジキの広さが異なる。まことに李朝人らしい合理性と大ざっぱさのないまぜになった数え方。ああ、これこそ朝鮮……と感嘆する。人々は、国土をこういう思考方式でとらえていた。

こういった融通無碍の単位というのは、興味深い。

・1907年、高宗が日本によって退位させられたあと、息子の純宗が即位した。といっても、彼の地位は名目的なものにすぎなかった。日本は、内外の政情や父親(高宗)の影響が本人に及ぶことを恐れて、若い皇帝純宗を父親の住む徳寿宮ではなく、昌慶宮に住まわせていた。
1909年、日本政府は昌徳宮に付属する昌慶宮に動物園と植物園をつくった。
純宗にめずらしい動物や植物を見せて、国が奪われていく現実から目をそらすように仕向けたのだ。


昌慶宮の動物園は話でしか知らなかったが、ガラス張りの大温室は好きで、何度も訪れたものだ。しかし、ここにも日帝の深謀遠慮があったとは(@_@)

・もともと龍頭山(ヨンドゥサン)と龍尾山(ヨンミサン)と二つの山があり、地脈のつながる縁起のよい双峰の山だった。龍頭山より小さな龍尾山は釜山の港湾埋立ての際にくずされてしまった。

これは、釜山ネタとしてチェック。

・沖縄本島に続く米軍の上陸先は、九州もしくは済州島と予測されていたのだった。もし米軍が済州島に上陸したら、この第58軍は、「独力をもって同島を確保せしむ」任務をおびていた。つまり、補給なしで最後のひとりまで戦うことを命令された、時間稼ぎのための決死部隊だった。済州島上陸は、「八月以降」と見られていた。

沖縄の戦闘は本土上陸を先延ばしするための時間稼ぎだった。そして、それが済州島でも繰り広げられた可能性があったとは。

・コトバとはコミュニケーションしようとする意志である。その意志に満ちあふれている人々の国を旅するとき、旅人のコトバがうまいとかヘタは問題にならない。文字どおり、コトバをからだから発散させながら歩くというのは、私が知らず知らずに身につけた旅の秘訣であるらしい。

・韓国語を話すとき、私は日本語を話しているときよりも口数が多くなり、おせっかいになり、ずうずうしくなるような気がするのだ。

たしかに、韓国語を発する時のMorris.は、普段より積極的になってるような気がする。。

・忠清南道天安からバスで20分のところにある温陽(オニャン)民族博物館は、多岐にわたる民具の収集においては、韓国でいちばんだろう。

今度独立記念館に行くことがあればこちらも覗いてみよう。

・奨忠壇公園 閔妃が虐殺された時、共に殉職した大臣らを祀った奨忠壇があったところ。日帝時代に取り壊され、そこへ伊藤博文を祀った博文寺が建てられた。解放後、博文寺は撤去された。

ペホの歌「霧深い奨忠壇公園」は知ってるが、ここも行った記憶がない。行ってみようか。

2015/05/24(日)●SP盤
6時起床。
今朝の血圧は172/68/70。
午前中は部屋ゴロ。
昼前に部屋を出てJRで神戸に出て、中央図書館へ。
中庭で漫画やガイドブックなどのヴィジュアル読書。例の漫画「もやしもん」4,5は、やっぱり酵母解説が理解不能。福島原発事故批判の萩尾望都「ナノハナ」は、プルトニウムやウランを擬人化して風刺した漫画らしかったが、ちょっと読みづらかった。吾妻ひでおの「うつうつ日記」は失踪日記の大ヒット前の文字どおり「鬱状態」の絵日記みたいなもので、じっくり読むきにはならなかったが、図書館通いと本屋で立ち読みのくだりは、何となく身につまされる。
今日は図書館猫は一匹も見当たらなかった。
大倉山公園で、ミニギターと読書。5時前からアイフォンで大相撲千秋楽中継を聞く。3敗の照の富士が勝って、結びの白鳳-日馬富士で白鳳が勝てば決定戦になるところ、日馬富士が勝って、そのまま照の富士初優勝。
帰り道湊川神社楠公祭をちょっと覗く。本祭は明日で今日は宵祭らしい。
高架下ひやかして、三宮まで歩き、7時半帰宅。駅前交差点の、お持ち帰りスペースにSPレコードがどさっと山積みになってた。浪曲や義太夫などが主だったが、美空ひばりの「りんご追分」発見。盤の端が破損してて商品価値はないのだろうが、ラベルだけでも嬉しくて持ち帰る。昭和27年発売で70万枚の大ヒットになったものである。
今日の歩数は6008j歩。

桔梗草 

陶器の狛犬 

葉と実 

今日のヴィジュアル読書 

今日の空 

草蜉蝣 

湊川楠公まつり 

SP盤の山 

美空ひばり(@_@)

2015/05/23(土)●箕面方面
6時半起床。
今朝の血圧は165/67/93。
浅海くんら3人で箕面小野原のアメリカ人宅のピックアップ。
一戸建てで、子供はいないのだが、とにかく小物が多い(@_@)
昼は近くの丸亀製麺で冷やしぶっかけ。
3時過ぎに作業終了。4時に倉庫に戻り、コンテナ詰めして4時半帰宅。
風呂浴びてから、屋上で読書(^_^;)
6時に部屋に戻り、録画してた韓国ドラマ見た後、久しぶりにチャンユンジョンの「10周年ビデオ」を見る。このビデオは、20曲収録されていて、それぞれヒットしたリアルタイムの映像の寄せ集めなので、結果的にそのときどきの姿が見られるので、彼女のコンサートDVDは3本持ってるけど、個人的にはこれがベストDVDだと思う。結婚、出産があって、しばらく芸能活動中止してたけど、通う舞台にはときどき出演してる。でも、オリジナルでなく、懐メロ中心だ。本当は新曲発表を期待してるのだが、せめて、オリジナルを歌って欲しい。
今日の歩数は5392歩。

鉄線 

庚申薔薇 

未容柳(びようやなぎ) 

2015/05/22(金)●大安亭猫場消滅(>_<)(;;)
7時起床。
今朝の血圧は165/70/65。
先月作った歌本の目次と、葉書などに貼る住所シール作り。
そのあと、録画したまま溜まってた韓国ドラマをまとめてみる。現在、サンテレビの「ウンヒの涙」とテレビ大阪の「刺のある花」の2本を連ドラ録画している。前者は70話で今半分くらい、後者(70話くらいから見始めた)はすでに121話でいつまで続くか不明。もともとサンテレビの11時からのシリーズをずっと見続けてて、ついテレビ大阪の8時、9時台の二本立てドラマまで手を出してちょっと時間取られすぎで、現在の「棘のある花」が終わるまで見ることにしたのだが、これがなかなかしぶとく続いている。今ネットで調べたら130話らしい。「ウンヒの涙」は、ヒロイン、ウンヒ役のキョンスジンが結構気に入ってる。
昼から、また屋ゴロ。陽射しはきついが、風が気持ち良い。
4時前、自転車で大安亭方面に買い物に出る。
春日野道の路地のスキヤ猫が二匹いて、幸先良いなと思って、そのまま恒例の大安亭に行ったのだが、何と、Morris.御用達(^_^;)猫葉が更地になってる(@_@) ここは、道路に面して古い民家が一軒あって、それを囲むようにコの字型の駐車場になってて、ここに八百屋猫を初め近辺の猫達のたまり場になってたのだ。マンションでも建ちそうな漢字である。猫たちが消滅するわけではないだろうが、Morris.としてはつらいところである(>_<)
6時半帰宅。
今日の歩数は2833歩。

春日野道スキヤ猫B 

春日野道スキヤ猫C 

大安亭車下猫 

大安亭八百屋横猫場が(>_<) 

全長4mmくらい

大安亭魚屋クロ 


2015/05/21(木)●屋ゴロ
6時起床。
今朝の血圧は161/61/68。
昼間ちょこっと、動物園に行って、資料館図書室で絵葉書書いて昼過ぎ帰宅。
プレイリードッグに子供が3匹できてて、ちょっとびっくり。
午後は屋上でゴロゴロ(^_^;) 30分ほどうたた寝もしたようだ。昨夜の雷雨のおかげで、空気も澄んで、さわやかな陽気だった。
5時半に部屋に戻り、またゴロゴロ(^_^;)
昨日の党首討論で志位委員長と安倍首相のやりとりで、ポツダム宣言が問題になっている。安倍首相が「ポツダム宣言を詳らかに読んでいない」発言には、Morris.も驚かされたが、考えてみると、Morris.もこの宣言をちゃんと読んだ記憶はない。ということで、ネットで探して見た。国会図書館のページの訳文はちょっと読みにくかったので、Wikipediaに頼る(^_^;)  日本の歴史教科書には本文が引用されてないということもわかった。たった13項で、現代語訳なら、10分足らずで読み終えるくらいの分量だから、安倍首相がこれを読んでないとは思えないのだが「読んでない」と強弁してる理由は何となくわからないでもない。はっきり言えば、開き直りだろう。
今日の歩数は2329歩。

天狗蝶 

プレイリードッグに子供が 

今日のまぬう 

【濁流】蔡萬植 三枝壽勝訳 ★★★
1999/05/28 講談社。初出 1937(昭和12)-1938「朝鮮日報」連載。

先日読んだ新書「韓国の「昭和」を歩く」に群山を舞台にした小説という紹介のみで、読むことにした。二段組500p近い長編で、ストーリーも、いささか常軌を逸しているし、文章も、えらくごつごつしてる。これは訳者が翻訳の仕方で実験的試みをやった結果かもしれない。

おちぶれたのにまじめに働く気もなく穀物投機にしか関心のない丁主事(チョンジュサ)の長女初鳳(チョボン)の悲劇です。両親の欲の犠牲で不正使い込みの銀行員高泰洙(コテス)と結婚させられますが、夫は浮気者、それがもとで夫がころされるわ、騒動のさなか夫の仲間(障害者)の亨甫(ヒョンボ)に犯されるわ、家出すると以前の雇い主の馬面男(朴済浩 パクチェホ)につかまって囲われ者とされて女の子を出産。馬面男がそろそろ別れようかと思いだした頃、折りしも亨甫が登場、おれの女を返せとつめよるや、これ幸いと引渡し交渉が成立。初鳳は亨甫のものに、しかし意にそまぬ生活と忍耐もついに限界、爆発。亨甫を蹴り殺して囚われの身というのが粗筋。話がいささか荒唐無稽なうえ悪役の亨甫は身体障害者、叙述がおだやかでない。翻訳に二の足を踏みたくなるのは無理もないわけです。(まえがきにかえて)

たしかに、これだけ見たらもう読む気を失くすパターンだな(^_^;)

いま現在初鳳の新たなこの運命だけをとっても、そうなった伏線はむしろ彼女が母親としてあまりにも松姫(ソンヒ)を愛している罪……マニア(狂)に近いといえなくもないが……とにかく母親になってしまった罪、その現実からは蔓は延びているのである。
しかし、そいつを再び持ちあげてみると蔓は、愛情なしには愛することができないという、哀しい人間の性のなかに埋まっている伏線が繋がった脈であることがわかる。そうして再びその端は繋がった脈であることがわかる。そうして再びその端は、運命を一度つまずいてしまった若い女性にとっては、売春の泥沼に転がりこむのでなければ、若い妾、愛妾の名前のもとにいつ何時棄てられてもいう言葉をもたぬ危険地帯に身を横たえ、性的職業にまでも従事するしかないほどか弱い立場であり、女としてよりまず人間であるという覚悟と、強靭に両足で大地を踏みしめ、立ちあがって踏みこたえる能力がないために苦しめられたという罪、その場で伏線の端は延々と延びて入りこんでいるのである。
万一この伏線をなしている蔓を、地に根を下ろしている最先端まで持ち上げてぬきだしたならば、そこには太い地下茎の二つの塊がよく実ったさつま芋のようにブラリブラリとぶらさがってくるだろう。その一塊は世の中の風習しきたりであり、もう一つの一塊は人間の食欲である。
数奇な生理が端緒をつかんで延びていく運命の魔法の袋とはまさにこれなのである。


文体見本を兼ねて、初鳳が、亨甫に再び絡め取られる場面での心理解説みたいな部分を引用してみた。
実はMorris.は、この初鳳よりその妹桂鳳(ケボン)と、まずしい人々を助けようと努力する医学生南勝在(ナムスンジェ)の二人に魅力を感じた。
発表時の時代背景と、新聞小説という発表形態から、その場その場で盛り上げるため無理にでも話を展開していき、途中で矛盾や無理が生じたことがあるにしても、あまりに場当たりなところが多い。
むしろ、「濁流の翻訳をおえて」という、解説めいた訳者の文章の中にいろいろと考えさせるものがあった。

この作品には登場人物の心理の動きや社会的背景がかなりふんだんに織り込まれており、この点では典型的な1930年代の作品といえるだろう。しかしそうやって読むと、かなりあらっぽく中途半端であまり出来のよくない女性の悲劇だともいえるのである。

訳者のものいいとは思えない(^_^;)。

たしかにに現在の日本では、たとえばテレビではたとえ事実を伝えるはずのニュースであっても血なまぐさい場面が放映されることは皆無である。というより日本のテレビのニュースというのはあたりさわりのない希薄な解説を流す番組になってしまった。その理由というのがお茶の間で見るのにふさわしくないからであるということらしい。ニュースというのは何を伝えるかと同時に何を伝えないかがかなり重要な沃素になっているはずだが、日本で後者が問題にされ取り上げられることはほとんどない。
問題は別にお茶の間の思想なんて高級なものでなく、単なる習慣の問題なのかもしれない。


これすなわち自主規制ぢゃ。自縄自縛ともいう。

異質な文化を異質なままで受け入れることをせず、自分の方に合わせて解釈することでは、結局異質な文化のなかに自分と同質なものをさぐることにしかならぬ。

わかっちゃいるけど、できないことのひとつだろう。

身体的な特徴に対する表現をいくら考えても健常者という言葉が存在する限り、健常者でないものにたいする表現はそれにたいする欠損を表現してしまう。言葉の言い換えで問題は解決せぬというのはその点では一理あるのである。健常者という言葉を肯定的に使い、そうでない身体を欠陥があるという意味で否定的にとらえる思考態度は、病気の場合でも性格の場合でもさまざまな場面で同様に起こりうる。
要するに問題は人間の職業、身体、性格、健康状態、社会的態度などに対して、垂直的基準の序列体系を設けたときに始まる。そして本来は単なる事実としての評価基準であったものを人間の存在価値としての肯定的、否定的な評価として比喩的に使うことから波紋が生じる。これには社会的な要素がかなり大きそうである。どうやら私たちの社会は、通常ではないとみなした事物を差別し排除する構造をもっているらしい。
たとえば、健常者のように利己的な人間とか、正直なので危険な人とか、明るく人付き合いがよいから悪辣な人物とかいった表現も自然に受け入れられる状態を想像できるとしたならどうだろうか。かなり柔軟な発想が背景にあると思われないだろうか。しかしながら発想が柔軟ということは一人一人が自分の責任で自分なりの価値判断をすることであり、これは社会を維持する立場からすると望ましいことではないのかもしれない。それどころかこんな主張は妄想どころか穏やかならぬ誤解を招きかねない。


これは、優れた差別に関する言説だと思う。後半の一連のアクロバチックな反語的形容表現には、目からうろこの思いがした。確かに権力・保守・勢力にとっては危険思想としか受け取られないだろうな。
肝腎の群山の描写はいまいちぴんとこなかった(^_^;)が、日本人が集中した新興地と、貧しい朝鮮人が追い立てられて住んだ貧しい地域との対象が、印象的だった。食うに困る生活というものが、どぎついくらいに描かれていて、こういった描写には、訳者の言う「ごつごつした」文体が必要だったのかもしれない。今後Morris.が原文で読む可能性はゼロである。

2015/05/20(水)●薔薇日和
7時起床。
今朝の血圧は191/85/81。
朝の3点セット。
10時に部屋を出てJR鷹取へ。
須磨図書館に寄ってから、須磨離宮公園に。今日は正門から入場。5月といえば薔薇の季節。当然満開だったが、これだけの薔薇を手入れするのは大変だろうな、と思ってしまった。
大庭園観覧の後、池の南の菖蒲園覗く。いくらか咲いてたが、やっぱり盛りは6月になるだろう。
後は植物園の一番奥の小庭園のテーブルで、読書とミニギター。
4時過ぎまでゆっくりしてまた須磨図書館に寄って、鷹取駅北のマルハチで食料買って7時過ぎ帰宅。
昨日、阪神のことはしばらく書かないと書いたが、藤浪が踏ん張って1-0の完封勝ち。プロ初完封ということで、ともかくおめでとう。
今日の歩数は8601歩。

金魚藻の花 

淡いピンクの薔薇(マチルダ) 

同じく 

西洋式噴水公園 

菖蒲園 

河骨 

塩辛蜻蛉 雌 

縞蛇 

モーリス・ユトリロ 

黄タテハ 

指定席(^_^;) 

米搗虫(こめつきむし) 

手入れも大変 

カルミア(花笠石楠花) 

捻木 

剪定袋 

月見山白

月見山白雉 

2015/05/19(火)●塩屋方面
6時半起床。
矢谷くんら5人で、塩屋ジェームス山のイギリス向けピックアップ現場。
Morris.はマスターベッドルームで家具梱包。
3時作業終了。4時半から倉庫でコンテナ詰め。数字が合わずちょっと手間取って6時前倉庫を出る。摩耶埠頭に貨物船停泊してたので覗く。パナマ船籍「GLOBAL VEGA」という5万トンクラスの船で2014年建造らしいが、えらく古い船のように見えた。
7時帰宅。
一昨日の川崎簡易宿泊所火災ニュースが何となく頭を離れない。他人事ではないという気がするからだろうか。宿泊者の大多数が生活保護受給高齢者ということからしても、いわゆる生活保護ビジネスの一環だった疑いがある、というか、ほぼ確実だろう。大阪でもこういった話はしばしば漏れ聞くのだが、弱い者いじめ、弱いものからの搾取というのは、ある意味やりやすい行為なのだろう。川崎の場合、アパートでなく宿泊施設、つまり日割のドヤということになる、三畳くらいの個室?には水道もガスもなく、トイレ、浴室は共同。一日2300円だから、月額69000円。これは生活保護で許されているぎりぎりの値だとか。Morris.亭よりかなり高額である。
今日から阪神-巨人戦。菅野に手もなくひねられて、0-8の惨敗。うーん、しばらく阪神のことは話題にしないことにする。
今朝の血圧は76/92/78の歩数は4842歩。

昨夜のチャンユンジョン 

昨夜のユジナ 

GLOBAL VEGA 

【調律師】熊谷達也★★★
2013/05/25 文芸春秋
音に「匂い」を感じる能力を持つ元ピアニストの調律師を主人公にした連作短編。ピアノにも、調律にも縁のないMorris.だが、そういった方面の薀蓄話はきらいではない。

ピアノの調律は、基準となるA音とその一オクターブ下のA音を正確に合わせたあとで、まずはオクターブ内の音程を合わせる作業から始まるのだが、その際に最も重要なのは、二つの音を同時に鳴らしたときに発生する周波数のずれによって発生する「うなり」が、毎秒何回発生しているか、正確にカウントできる能力だ。少々乱暴な言い方をすれば、調律師に絶対音感は必要なく、優れた相対音感もあればあったにこしたことはない程度。ただし、正確なリズム感は必須である、といったところだろうか。

グランドピアノは、ハンマーと鍵盤の動きの比率が、5:1になるように設計されている。専門用語で「整調」と呼ばれる調節の許容範囲は、打弦距離でプラス・マイナス1ミリメートルほど。したがって、鍵盤の深さではプラス・マイナス0.2ミリメートルになる。ただし、そこまで大きく変更することはめったにない。このピアノの場合、許容範囲の3分の1弱、つまり打弦距離を0.3ミリ程度短くしてやればちょうどよいのではないかと思えた。それによって鍵盤の深さは0.06ミリだけ浅くなる。最も薄口の上質紙一枚分の厚さにすぎないが、人間の指先はこの違いを感じ取ることができる。これによって、アフタータッチが始まる位置がわずかに上がって、タッチとしては軽い方向へと動くはずだ。おしなべてタッチが軽くなると、硬かったタッチが柔らかくなったように、人間は感じるものだ。


こういった、薀蓄話とは別に、亡くなった妻の妹(どちらも調律師)との新たな恋の予感やら、依頼主との音楽的なやりとりも、それなりに面白そうだったのに、

東日本大震災が発生したのは、本作の第二話を書き終えてから3ヶ月あまりが経過して、そろそろ第三話目に取り掛かろうとしていた矢先だった。
この作品は、第六話目で大きく転調している。転調せざるを得なかった。このような転調は、通常、小説の作法としては暗黙のうちにタブーとされてきたものだ。さらに、作品の底流に流れるテーマをも、当初のものから違うものへと変更した。大津波という自然の力が変更を余儀なくさせた。
人間が紡ぎだす言葉など、自然の力の前ではまったく無力だ。無力なことを承知した上で、私たちは言葉を探さなければならない。言葉に対して、過剰な期待や幻想を抱いてはならない。(あとがき)


というわけで、すっかり当初の予定とは違った作品になってしまったらしい。で、結果的には物足りないものになったように思える。

2015/05/18(月)●古本市撤収疲れ
7時起床。
今朝の血圧は149/69/68。
8時半に部屋を出て、歩いて六甲学生青年センターへ。
恒例古本市の撤収日。
いつもに比べてボランティアの数が少ない。
アジア図書館に回す本の詰め込みから箱作り、そして段ボール箱解体、一人手伝いを付けてもらったが、なかなか大変。
昼は例によって朴くんと、大衆食堂でガーリックチキン定食食べて、韓国話。Morris.が群山、鎮海に行くつもりと言ったら、いくつか近所の名所を教えてくれた。鎮海方面では、ポソン(宝城)、スンチョン(順天)、クヮンヤン(光陽)など、群山方面ではイリ(裡里)、イクサン(益山)などなど。
午後も撤収作業は結構大変で、ひと通り終わったら6時過ぎてた(>_<)
小雨の中歩いて帰り、水道筋で買い物して7時帰宅。仕事より疲れた気がする。
今夜のKBS歌謡舞台1418回は"사랑의 계절愛の季節“という、またまたよくある、あまり意味のない特集。

1) 사랑하고 싶어요恋したい/현숙ヒョンスク
2) 정열의 꽃情熱の花/장미화チャンミファ
3) 나 하나의 사랑私一つの愛/김수희キムスヒ
4) 꿈속의 사랑夢の中の愛/김수찬キムスチャン
5) 사랑은 계절 따라愛は季節ごとに/박건 パッコン
6) 사랑 사랑 누가 말했나愛、愛だれが告げる/장윤정チャンユンジョン
7) 타향살이他郷暮し/유지나ユジナ
8) 돌아가는 삼각지三角地ロータリー/이호섭イホソプ
9) 연안부두沿岸埠頭/우연이ウヨニ
10) 어린 시절幼い頃/이용복イヨンボク, 어린이합창단児童合唱団
11) 그날その日/김연숙キムヨンスク
12) 당신あなた/김정수キムジョンス
13) 아내의 노래妻の歌/이혜리イヘリ
14) 알뜰한 당신まめなあなた/김용임キムヨンイム
15) 섬마을 선생님島の先生/조은새チョウンセ
16) 누구라도 그러하듯이誰もがそうであるように/김희진キムヒジン, 최훈チェホン
17) 그대 그리고 나あなたそして私/적우チョクウ


ひさびさ、チャンユンジョン登場、そして今一押しのユジナも、ということで、今日の評点は★★★★\(^o^)/ 他にヒョンスク、キムスヒ、キムヨンイムと好きな女性歌手揃い踏みといったところ。6.サランサランヌガマレンナはナムグンオクプンのオリジナル、彼女はちょっとフォークっぽい歌手で、Morris.はいまいち好きじゃなかった(^_^;) 7.タヒャンサリは普通、しんみりと歌われる事が多いのだが、ユジナが歌うと朗々とした歌に聞える。
8.トラガヌンサムガクチはペホ(裵湖)の代表曲で、彼の歌は難しいのだが、今日歌ったイホソプは、ノレチャランの審査でもおなじみの作曲家で、自分でも歌うし、歌謡教室もやってるだけに達者なものだった。
11.クナル(1983)も懐かしい良い曲である。オリジナル歌手キムヨンイムはこの曲だけの一発屋だが、それでも一発ヒットがあればとりあえずそれでいいやね。
16.ヌグラドクレハドゥシ(1983)も、クナルと通じるところのある良い曲でオリジナル歌手はペインスクだが、原曲はフランスのシャンソン Alain Barriereのun poeteである。
今日の歩数は11490歩。

君子蘭 

撤収風景 

寿司屋猫 

2015/05/17(日)●神戸まつり2 そして博物館●
8時起床。
今朝の血圧は191/111/71。
朝の3点セット。
昼過ぎ歩いて三宮方面に。
途中初顔やおなじみの猫も撮影。
三宮図書館に寄ってから三宮フラワー通りに行くと、例年通り天幕と人だらけ。パレード自体にはあまり興味も関心もない。それなら見に来ることもないのだろうが、とりあえず朝日会館前でのジャズライブを見ておこうと思ったのだった。ちょうどバンド入れ替わりのタイミングで、テイクファイブというコンボ。リーダーは尺八の白人で、ベースは以前サムコーポレーションにいた小出さんだった(@_@) ゲストに女性ピアノと女性ボーカルを加えて、スタンダードナンバーのボーカル中心としたステージで楽しめた。
その後、久しぶりに博物館を覗く。今日は神戸まつりで無料開放だった。特別展はやってなかったが、それなりに楽しめる。ただ、Morris.が一番見たかった「南蛮美術館」は見ることが出来なかった。7月に公開とのことなので、その時に出かけよう。
ダイエー地下で缶酎ハイ買って、三宮図書館前庭でちょこっとミニギター遊んで、歩いて7時半帰宅。
阪神は今日もデイゲームで連敗したとのこと(>_<)
今日投票だった、大阪都構想選挙。9時からの開票中継で、かなりのデッドヒートではらはらさせられたが僅差(1万票)で反対票が上回った。
今日の歩数は10112歩。

春日野道スキヤ猫(Morris.好み) 

燕親子 

路上猫 

大安亭八百屋猫A 

B 

C 

大安亭裏猫 

「マダム・マッソン」石楠花園芸種? 

サンバ娘 

尺八ジャズ 

ベースは小出さんだった(@_@) 

在日コレアンパレード 

商船三井ビル 

十五番館 

市立博物館 

博物館内部 

切子硝子 

パーマネント機日本第一号 

紅塵荘のステンドグラス 

旧商館の礎石 

商館の瓦 

開化模様の絵皿 

火打箱と油壺 

モダン電燈の笠 

2015/05/16(土)●神戸まつり
7時起床。
今朝の血圧は156/76/72。
ピーター・バラカンの「ウイークエンドサンシャイン」BGMで聴いてたがおしまいに、先日亡くなった長田弘の話に。ピーターと長田は前に一度対談したことがあって本にもなってるらしい。そして長田自身が古いアメリカの歌に造詣が深く、彼の初期の本「アメリカの心の歌」を読んでアメリカ音楽に興味を持ったというリスナーからのリクエストが来ていた。間口の広い詩人だったな、と改めて思った。
昼過ぎ、王子動物園に行ったら、前の駐車場で神戸まつりの地域イベント「六甲ファミリーまつり」やってた。ちょっと冷やかしたが、特に見るものはない。数年前までは、東灘の地域イベントに「フォークコーナー」というコーナーを設けて、春待ちファミリーBAND主催のミニライブやってた。地震の前からだから、20年近くやってたのだが、それも3年前から無くなってしまった。地震後は一種の同窓会みたいな感じだったのに、と、ちょっと残念に思う。
原田の森ギャラリーの兵庫美術家同盟の公募展を流し見して、ギャラリー前で絵葉書と、ミニギター。6時帰宅。
今日は阪神デイゲームで、中日大野に2安打完封敗けしたらしい。
今日の歩数は1211歩。

動物園駐車場で神戸まつり(灘区) 

藤みたいな房の種子 

茱萸の実 

箱根空木 

今日のまぬう 

熊蜂 

定家蔓 

三筋蝶 

今日のヴィジュアル読書 

十薬(どくだみ) 

「遠景」長谷川たかこ 

ギャラリー前の夕空 

【女中譚】中島京子★★★ 2009/08/30 朝日新聞出版
3篇の短編で構成された一種の連作だが、それぞれ昭和初期の女中生活をテーマにした3作品をアレンジ(トリビュート)している。

「ヒモの手紙」林芙美子「女給の手紙」
「すみの話」吉屋信子「たまの話(小さな花々)」
「文士の話」永井荷風「女中の話」

Morris.が彼女にハマるきっかけになった「小さいおうち」も女中の物語だったが、本書はもっと下世話な設定で、トリビュートされた作品を読んでたらもっと興味深く読めたかもしれない。といって、いまさらそれらを読もうというほどの気にはなれなかった。

「なんで、ここ(メイド喫茶)にいるのかって?
どうだっていいじゃないか、そんなこと。
ばばあが来て悪いってこともないだろう。
それでもなんでって聞くのかい?
メイドつながりだよ。
そう、強いて言やあね。
女中つながりって、ことだよ。
あんたなんかそんなこと、これっぽっちも知らないと思うけど、昔、メイドといったら、女中のことじゃあなくて亀戸の私娼窟のことだったのさ」(ヒモの手紙)


「メイドつながり」を初め「冥土つながり」と思った(^_^;)Morris.だが、亀戸(かめいど)の「めいど」に持っていくあたり、中島京子のなみなみならぬところ。

あのバカ嬢さんは、なんにも知らなかった。
お嬢さんが<心惹かれる>ナチスが、レズだのホモだのの連中をユダヤ人と同じくらい酷い目に遭わせたことも、伯林で世話をしてくれたタナカミチコさんが最後の結婚をするときに、独逸人の血統に黄色人種の血が混じることを嫌ったナチス・ドイツから、不妊手術を受けさせられたことも。


ナチスの優生学は、現在でも、形を変えて生き延びている

「竹久夢二そっくりね」
りほっちは、埃のかかった額に近づいて、その傾きを直した。
「あたし、おばあちゃんの持ってるこれ、ずっと竹久夢二だと思っていたけど」
「あたしが死んだら、あんたにあげるよlずいぶん、しんせつにしてくれたから」
ばあさんはそう言うと、疲れたのか目を瞑って下を向いた。
アナタニアゲマス。スミサンハ、ゴシンセツデシタカラ。
めーそん・ゆめ。ニホンノ、ナマエハ、タケヒサユメジト、イイマシタ。(すみの話)


夢二が独逸で身の危険を顧みずユダヤ人逃亡組織の手助けをしていたという設定には、ちょっと鼻白んでしまった。

「お前は見方によっては、今の世に謂う一種の強者かもしれないね」
「なんのお話ですの」
「悲しく沈む夕日も、一晩たてば又明るくなって昇るのだと思って、泣き寝入りに寝てしまう強者さ。舞踏場が閉された暁には、その時とその場合とに応じて、さほど自分の思慮を費さず、仲間の者共のなすところを見て、これに倣って、容易にその日その日を送る他の道を見つけるんだろう」
「そうね。そうしたいと思ってますわ」
「お前、ここへ初めて来たのはいつだったね」
「ここ。さあ、五年前かしら。昭和七年ですわ」
「あの時分のほうが、少しまだよかった」(文士の話)


しかしこういったやりとりを、しゃあしゃあと綴る中島も、今の世の強者なのだろうな。

2015/05/15(金)●屋上読書
7時半起床。
今朝の血圧は165/66/74。
小田嶋隆の「ア・ピース・オブ警句」、今朝覗いたら、新しい記事が出てて(^_^) 前回分も11日に更新されてた。前回が安部首相の訪米演説、今週が大阪都構想選挙だった。安倍演説に関しては、フライイングと国会軽視、根本的疑念などで、まあ、予想通りの内容だったが、今週の「"都"の前には"未知"がある」は、扉イラストに付された「とこウソう まんなかへんに ウソがあり」という落首からして秀逸だったし、「都構想選挙」という名称への異議と、TOKYOに張り合おうとすることの無意味さを強調してて、はっきり反対の色濃い発言だった。まあ、Morris.も橋下への不信感は強いから、反対の立場だが、前にも書いたが、「余所もの」だから意見を控えるという立場である。
午後は屋上でゴロゴロ。ミニギター触ったり、折りたたみ長椅子に寝転がって読書したり、これはけっこう気持ちが良い。
6時に部屋に戻る。
阪神は中日に2-1で勝って、とりあえず3位に浮上。サンティアゴ来日初先発で初勝利と幸先良いスタートになった。
今日の歩数は536歩。

屋上で 

原田の森ギャラリー方面

隣の螺旋階段 

【昭和の犬】姫野カオルコ★★★
2013/09/10 幻冬社
一時期はまってた姫野の150回直木賞受賞作である。滋賀県田舎町の娘の、犬との付き合いを中心にしたパースペクティブな年代記といった感じかな。

柏木鼎 父 シベリア抑留経験者 しばしば「割れる」
柏木優子 病的に娘に厳しい
柏木イク 娘 昭和33生れ


主人公の家族構成である。

香良(こうら)市は、紫口(むらぐち)市から馬車で54分のところにある。

冒頭にこうあるので、モデルになったのはどこだろうとネットで調べたら、本人の弁?が見つかった。要するにフィクションとしての地名だから、詮索してほしくないらしい(^_^;)

よそから来る(インベーダー)のは「悪もの」である……、この感覚は、人に生来そなわっているものだろうか。こたえはともかくも、見慣れぬ様式は新鮮とは捉えず低級と捉える感覚は、地位を獲得した人に確実に備わる。
よそから来て領地を広げようとするものは、必然的に、前からそこにいる者の領地をインベードすることになる。とくに、前からそこにいる者たちの上部層の領地を。


侵略の定石とでもいおうか、日韓併合後の彼の地のさまを想起せずにいられない。

犬の足というのは存外に長い。かれらがいつも地面につけている部分はつまさきである。四指の先をつけている。親指は後肢だと退化しているが、前肢にはちゃんと肉球とともにある。親指の上方に、ちょっと曲がったところがある。膝ではない。ここが踵である。
この膝に見えなくもない親指からつまさきまでが犬の足なのである。獲物を追って速く走るべく進化していったかれらは、つねにつまさきで立っている。


本書にはこうやって犬に関する雑ネタが散見するし、猫も少しは登場擦るのだが、やっぱり猫好き(犬嫌いではないのだが、関心は薄い)のMorris.には、いまいちである。

イクはこの漫画が嫌いなのではなく、この漫画に出てくる鼠が大嫌いである。盗み食いや失敗やいたずらをぜんぶ猫のせいにする。怒った猫が捕まえようとしても、すばしっこく逃げおおせ、めずらしく捕まれば、そらぞらしい声音で誤り、そらぞらしく下手に出る。卑しい豹変を、これっぽっちも躊躇わない。相手の慈悲心や親切心に裏切りで報いる。なんといまいましいねず公。なんと哀れな猫。見るたびにイクはいつも一人で地団太を踏んでいた。
「なんにも悪いことしとらへんのにな。しよったんは、あのちびやのにな」


ぎゃははは(笑)。もちろん「トムとジェリー」である。たしかにそういわれるとその通りである。「いまいましいねず公」\(^o^)/

自分はいい時代に生まれたと思う。昭和という時代には暗黒の時期があったのに、日当たりよく溌剌とした時期を、子供として過ごした。ましてその昭和最良の時期にも翳りの部分はあったのに、その時期に子供でいることで翳りは知らず、最良の時期の最良の部分だけを、たらふく食べた。田んぼや畦道や校庭や野山や、それに琵琶湖のほとりの浜は、空想の中で変化自在の空間だった。正義と平和を、心から肌から信じられた。未来は希望と同意だった。

姫野は昭和33年生まれで、Morris.より9年後の生まれだから、上の感想とは少しずれるけど共通点も多い。しかし、これほど、明るくは振り返れないところもある。
Morris.としては前作の「リアル・シンデレラ」の方がうんと好きだったし、どうせならあちらで受賞して欲しかった。

2015/05/14(木)●嗚呼安保法制(>_<)
6時起床。
今朝の血圧は157/77/69。
朝の3点セット。天気予報では晴天が続くとの事だったので、自転車で中央図書館に行こうと思ったのだが、出かけようとした途端に雨が降りだした。
JRで神戸まで出て中央図書館へ。
ほぼ半日、中庭で読書。雨で猫はいなかったが、雀が足元をちょこまかと歩きまわる。
7時過ぎに圖書館を出て、元町商店街から三宮と歩いて、結局そのまま歩いて9時帰宅。
阪神は藤浪の好投で連勝。
政府閣議で安保法制議決とのニュース。一体全体どうしてこんなことになったんだろう。安倍総理は「先の選挙で国民の新任を得た」などとのたまってるが、唖然呆然である。共産党志位委員長が「戦後最悪の安倍政権による戦後最悪の憲法破壊の企て」と発言してたが、これには全く同感である。
今日の歩数は9819歩。

中央図書館中庭雀 

中央図書館中庭姫女苑 

宇治川商店街クロ 

2015/05/13(水)●嵐の後の宿酔(>_<)
8時半起床。
今朝の血圧は184/74/91。
昨夜はビールしか飲んでないのに、久しぶりに結構な宿酔(^_^;)
結局一日部屋ゴロ(^_^;)
阪神はヤクルトに7-5で勝って、連敗を3でストップ。
今日の歩数は0歩。

【韓国の「昭和」を歩く】鄭銀淑 ★★★ 2005/07/05 祥伝社新書

実はこの本、前に読んで酷評してた(^_^;)
6月予定の韓国行きでは、鎮海や群山を訪れようと思ったので、下調べを兼ねて読みなおすことにした。資料として割り切って読めば、それなりに役立つことも書いてあった。
要チェックの建物などをメモしておく。

・群山税関
・朝鮮銀行群山支店

・鎮海郵便局(映画「クラシック」ロケ地)中園ロータリー
・警察署
・文化院
・国鉄鎮海駅舎

・旧朝鮮殖産銀行大邱支店(現 韓国産業銀行)1931

・旧第一銀行仁川支店(港洞 1899)
・旧 五十八銀行仁川支店 1939

・慶尚南道庁(東亜大学釜山富民洞キャンパス内)
・釜山気象庁(1934)
・釜山博物館 近代展示室


木浦に来るたびに欠かしたことのない私なりのイベントがある。木浦港の近海の島々を巡る遊覧船に乗ることである。遊覧船といっても観光用の豪華な遊覧船を想像してはいけない。島の人々が利用する海上バスのような船である。船に乗って、だんだん離れていく木浦港の姿、あるいは逆に、次第に近づいてくる木浦の姿を眺めるのが私のお気に入りだ。
港から最も近いのは高下島(コハド)。遊覧船の最初の停留場でもある。島は細長く、まるで木浦を守る屏風のような形をしている。壬申の乱の際、李舜臣将軍の要衝となったことで知られている。また、1904年に初めて綿花栽培に成功したことでも有名だ。植民地時代、木浦が綿花の町として知られた所以である。
・木浦中央教会(旧本願寺木浦別院)


木浦は何度か行ったが、この島回りの船に乗ることは思いつかなかった。次の機会にはぜひ利用したい。

蔡萬植(チェマンシク 1902-1950)は植民地時代の代表的な小説家である。最も知られているのは、1930年代の群山を描いた長編小説「濁流」だ。ある女性の悲劇を通して、植民地時代の朝鮮社会の不条理が皮肉混じりに描かれている。彼が群山を舞台にした作品を書いたのは、群山近くの沃溝(オック)が故郷だったことと無関係ではないだろう。今も「濁流」に描かれた近代の群山の姿を求めて訪れる人が少なくないという。


これは出発前に読んでおこう。
後、小ネタをいくつか。

最近ではあまり見かけない質屋は、「典当舗(チョンダンボ)」という名で日本植民地時代に始まった。

日本と米国の独自ルールに翻弄され、自動車は右側通行、鉄道は左側通行、地下鉄は1号線だけ左側通行で、それ以外は右側通行という複雑なことになってしまった。

工事に十年を費やして完成された朝鮮総督府は、当時流行した和洋折衷のルネサンス様式であった。


あの総督府の建物が「和洋折衷のルネサンス様式」というのは理解できない。

2015/05/12(火)●サランバン会
8時半起床。
今朝の血圧は179/40/97。
今夜はサランバン会なので、早めに大阪に出ようかと思ったのだが、台風6号の影響で昼から雨になったので、部屋ゴロ。
ぐいぐい酒場にアシナガさんの書き込みがあって、カーンリーというベトナムの女性歌手の紹介があったのでネットで調べてみた。「雨に消えたあなた」という歌で、NHKドラマ「サイゴンから来た妻と娘(1978)」の挿入歌だったらしい。You Tubeに音源があった。「美しい昔」というタイトルになってる。オリジナルのベトナム語版もあって、日本語版とはかなり印象が違う。天童よしみが気に入って持ち歌にしているらしい。
4時に部屋を出て5時に洪ママのところに。顔色もよく左足がかなりよく動くようになったと表情も明るかった。後から栗崎さん、歌麿会長も来て、しばらくビデオ見ながら歓談。
6時過ぎに出て、雨の中サランバン会会場「ジュン」へ。途中、キムチ買おうと思ったのだが、台風のせいで店しまってた(>_<)。
台風ということもあって、サランバン会は10人足らずの参加者だった。丸山旦那は入院が長引いて連続欠席。丸山嫁は参加したが、やっぱりちょっと疲れの色が見えた。早く全快して元気な姿を見せて欲しい。Morris.は例によって榎本さんからビール浴びるほどごちそうになり。それでも何とか午前0時頃帰宅した模様(^_^;)
今日の歩数は6760歩。

招き猫展示会ポスター 

洪ママと手作り押し花 

こじんまりサランバン会 

同じく 

歌麿会長

鶴橋猫 

2015/05/11(月)●名張でお疲れ(^_^;)
5時起床。
今朝の血圧は193/74/87。
JRで住吉に出て、拾ってもらい、名張のアメリカ人宅ピックアップ現場。
あまり片付いていないうえ、旦那が事故で歩けないということで、なかなか作業捗らず、4時過ぎ作業終了。久しぶりの仕事ということもあって、えらく疲れた。
帰りは六甲アイランドのポートライナー駅で下ろしてもらう。駅前の広場に二匹の猫がいた。一匹は普通の白雉だったが、もう一匹がちょっと珍しい毛柄だった。ほとんどが白で、ほんの一部に茶色と黒がまじってるのだが、左目の回りに黒い三角の部分がある。まるで黒い眼帯してるみたいだった。しばらくMorris.@Catographerモード。
7時帰宅。
今夜のKBS歌謡舞台1417回は30周年記念「家庭の日」特別企画"가孝무대孝行舞台“

* KBS예술단 오프닝 쇼オープニングショー<성자의 행진孝子の行進>/KBS관현악단管弦楽団 KBS예술단芸術団
1) 청춘을 돌려다오青春を返せ/현철ヒョンチョル
2) 태평가太平歌/문연주ムンヨンジュ
3) 국악 원맨 쇼国楽ワンマンショー(놀부타령ノルブ打令+묻지 마세요訊かないで)/김성환キムソンファン
4) 찔레꽃野茨の花/평양민속예술단l平壌民族芸術団
5) 불효자는 웁니다不孝者は泣く/주현미チュヒョンミ
6) 홍시熟柿/조 항 조チョハンジョ
* 추억의 코미디追憶のコメディ/엄용수オムヨンス, 김정렬キムチョンリョル,황기순ファンギスン, 지영옥チヨンオク
* 효도사연 親孝行事情(VCR)
7) 비 내리는 고모령雨降る顧母嶺/김국환キムクッカン
* 서커스サーカス/동춘서커스단東春サーカス団
8) 임과 함께君とともに/마이네임マイネーム
9) 대머리 총각ハゲ兄貴+ 노란 셔츠의 사나이黄色いシャツの男/김상희キムサンヒ
10) 사랑의 트위스트愛のツイスト/설운도ソルンド, 평양민속예술단平壌民族芸術団
11) 내 나이가 어때서歳が何だって/송해ソンヘ
12) 십분 내로10分以内に + 동백 아가씨椿娘/김연자キムヨンジャ, 김연자母
13) 사랑의 배터리愛のバッテリ/홍진영ホンジニョン, 홍진영母
14) 일소일소 일노일노一笑一怒一老/신웅シニョン, 신유シニュ
15) 엄마와 딸母と娘/이효정イヒョジョン, 김혜미キムヘミ
16) 잘했군 잘했어よくやったよくやった/송해ソンヘ, 주현미チュヒョンミ
17) 어머니의 마음母の思い/전 출연자全出演者


昨日は「母の日」だった。韓国でも母の日は日本と同じ日にやってたのだけど、母だけでは不公平?ということで「オボイナル(父母の日)」になってたけど、どうやら更に範囲を広げて「家庭の日」になったらしい。
1時間半の長尺だが、途中サーカスやら舞踏などが挟まれてる。平壌民族芸術団の出演は「家庭の日」と微妙なところだな(^_^;)
チュヒョンミ連続出演、そしてソンヘさんと「チャレッソンチャレッソ」の掛け合いというのが、今日の目玉だね。
今日の評価は★★★☆。
今日の歩数は6841歩。

ポートライナー駅近くの二匹 

不動の白雉 

ブラックジャック 

2015/05/10(日)●長田弘訃報
8時起床。
今朝の血圧は166/91/65。
午前中から昼すぎまでベッドで読書(^_^;)
途中日曜美術館「仏像をよみがえらせた男 新納(にいろ)忠之介(明治元年~昭和29)」を見る。これは久しぶりに見応えのあるものだった。岡倉天心に命じられて仏像修理に従事して二千体以上の修復をてがけたとか。修復された仏像のラインナップが凄すぎる。東大寺三月堂の不空羂索観音を皮切りに、法隆寺の百済観音、唐招提寺の千手観音、三十三間堂の千体仏。それぞれの仏さまの普段見られない細部の映像もさることながら、修理のために描かれた図面の美しさにぼーっとなってしまった。
先日ひさしぶりに拝観した唐招提寺の千手観音も平成の修復なされたばかりだったが、何しろ手だけで千本あるもんなあ(^_^;) 作った方も大変だが、これを解体して修理してまた元通りにするのも、気の遠くなるような作業に違いない。
今日の番組はいつもの二人組が登場せず、内容の紹介に徹したのが良かった。
KBSノレチャランは全羅南道新安編。ゲストのユジナが素晴らしかった。
2時から4時まで屋練。
4時過ぎ自転車で大安亭方面に。途中ちょこっとMorris.@Catographerモードになったりsて6時帰宅。
ニュースで長田弘の訃報。5月日に胆管癌で亡くなったとのこと。享年七十五。
好きな詩人の一人だった。Morris.は「世界は一冊の本」を偏愛していた。究極の「読書のすすめ」みたいなものだけど。

世界は一冊の本

               長田 弘

本を読もう。

もっと本を読もう。

もっともっと本を読もう。

 

書かれた文字だけが本ではない。

日の光、星の瞬き、鳥の声、

川の音だって、本なのだ。

 

ブナの林の静けさも

ハナミズキの白い花々も、

おおきな孤独なケヤキの木も、本だ。

 

本でないものはない。

世界というのは開かれた本で、

その本は見えない言葉で書かれている。

 

ウルムチ、メッシナ、トンプクトゥ、

地図のうえの一点でしかない

遙かな国々の遙かな街々も、本だ。

 

そこに住む人びとの本が、街だ。

自由な雑踏が、本だ。

夜の窓の明かりの一つ一つが、本だ。

 

シカゴの先物市場の数字も、本だ。

ネフド砂漠の砂あらしも、本だ。

マヤの雨の神の閉じた二つの眼も、本だ。

 

人生という本を、人は胸に抱いている。

一個の人間は一冊の本なのだ。

記憶をなくした老人の表情も、本だ。

 

草原、雲、そして風。

黙って死んでゆくガゼルもヌーも、本だ。

権威をもたない尊厳が、すべてだ。

 

2000億光年のなかの小さな星。

どんなことでもない。生きるとは、

考えることができると言うことだ。

 

本を読もう。

もっと本を読もう。

もっともっと本を読もう。


合掌。

阪神は広島に3連敗(>_<)
今日の歩数は2065歩。

春日野道茶トラ 

春日野道クロ 

春日野道雉三毛 

同じく 

大安亭八百屋猫A 

後ろから八百屋猫Bも 


2015/05/09(土)●新開地音楽祭
7時起床。
今朝の血圧は163/60/76。
朝から雨。天気予報では回復基調とのこと。
今日明日は新開地音楽祭で、ネットで調べたら、12時半から(有)かるぱっちょが出るというので、久しぶりに見に行くことにした。
12時前に湊川公園到着。ここには何度も足を運んでいるが、片隅にあるトーテムポールに目が止まった。単純な形態で、彫刻より、ペイントメインで、その色もかなり褪せてるから、ずいぶん前からあるのだろうけど気づかずにいた。その絵柄がスズキコージ風なのだ。もしかしたら本人が描いたのかもしれない。
(有)かるぱっちょの演奏見るのも久しぶり。えりたんは巫女さんコスプレ、かおりんは黒い中国テイストのワンピース。あいかわらずのりのりで、キーボード弾きながら踊りまくるえりたんのパワー健在。しっかり楽しませてもらった。
2時半からは、滋賀からやってきた東京ベロ毒素。ビートリックスのメンバーで、ムックさんと野崎ランチもやってるROBO奥田さんの率いる前衛バンドで、奥田さんの個性的歌と、バックのぶっ飛んだ演奏をちゃんと聴くのは初めてだったが、大したものである。
3時半からメインステージの桂雀三郎とまんぷくブラザーズ。鶴橋駅の発車のお知らせにも使われることになった「ヨーデル食べ放題」名曲「やぐら行進曲」「江戸の人気者」「サッポロ黒ラベル」などたっぷり披露。リピート山中さんの才能に改めて脱帽。
4時からミナエンタウンの「グリーンラビット」で、ムック&森本(森本硝子社長)のライブ。ムックさんの「港町」、社長オリジナル、ディランの曲などのあと、大阪フィルのバイオリニスト小林亜紀子さんのサプライズ演奏。まさか、こんなところでこんな演奏が聴けるとは思いもよらなかった。やっぱりちゃんとした楽器でちゃんとした演奏となるとクラシック音楽の底力を思い知らされる。生で聴くバイオリンの音色は特別なものがあるな。
5時半からKAVCステージで激団モンゴイカ。以前ジャグバンド祭にも出演してた若いバンドで、今日も女房が消えた、ワシントンなど春待ちのやってる曲もあり、これはこれで聴き応えがあった。リーダーのオール金属のドブロ・ギターは垂涎もの。バイオリンの弓でメロディを奏でるノコギリの妙技も素晴らしかった。
本当は7時からメインステージで上田正樹ライブがあったのだが、混みあうだろうし、今日は充分音楽シャワー浴びたので、西出町あたりをふらついて7時過ぎ帰宅。
阪神は今日もデイゲームで広島に0-10でボロ敗けしたらしい(>_<)
今日の歩数は7650歩。

湊川公園のトーテムポール 

スズキコージ風だけど 

新開地猫 

新開地には演歌が似合う 

新開地音楽祭スタート 

(有)かるぱっちょ 

ひさびさえりたん 

湊川伝導場 

礼拝所 

雨に咲く薔薇 

東京ベロ毒素 

ROBO 奥田 

桂雀三郎とまんぷくブラザーズ 

リピート山中 

グリーンラビットライブ 

珍しい柄入り溝蓋 

激団モンゴイカ 

派手な花の木 

西出町稲荷神社のビリケン像 

文政7年(1824)銘の石灯籠 

平経俊の墓

2015/05/08(金)●薔薇と猫
8時起床。
今朝の血圧は154/76/61。
耳元でヴーーーンという羽音がする。なんだろうと思ったら部屋の中に雀蜂が侵入(>_<) Morris.はかつて昆虫少年だったから、蜂だってそれほど嫌いではない。野外だったら別になんともないのだが、この狭い部屋の中を飛び回られるのはあまりいいい気はしない。
窓を5cmほど開けておいたのでそこから入ったものらしい。窓全開したが、なかなか出て行ってくれず、しばらく蒲団の中に退避。
5分ほどブンブン言ってたがようやく外に出て行ってくれた。
昼前JRで神戸駅に出て中央図書館へ。昨日貸出期限が切れた本が一冊と明日までの本が数冊あったので、返却と延長が必要だったのだ。
途中体育館前庭の薔薇が満開だったので、しばし観賞。いよいよ薔薇の季節である。また離宮公園に行かねば、と思う。
図書館中庭で、漫画や新書など流し読み。なんとなく気にかかってた漫画「もやしもん」の1,2巻を読んで、ちょっとはまってしまった。手塚治虫賞、講談社漫画賞を受賞、アニメ化、実写ドラマ化もされて、かなり話題になった作品のようだが、すっかり漫画離れてたMorris.には、びっくりするばかり。14巻あるらしい。機会があれば読破したいが、酵母菌関連の注記が多くて半分も理解できなかった(^_^;)
途中、大倉山公園で休憩兼ミニギター。図書館猫撮影(「ネコにエサを与える場合はきちんと後片づけを、して下さい」の貼り紙があって、以前の「ネコにエサを与えないでください」から、大幅な緩和政策になってようだ。そのためか今日は4匹がいて、茶トラなんか、中庭まで降りてきて、エサねだったりしてた(@_@))
6時過ぎに図書館出て、高架下を三宮まで流す。アロハシャツでも買いたいと思ったのだが、ほとんど見当たらない(>_<)
三宮図書館ちょこっと覗いて、ダイエーで缶酎ハイ買って、広場の街灯下で一杯やりながらミニギターおさらい。8時過ぎお開きにして結局歩いて、9時帰宅。
阪神はデイゲームで広島に3-8で敗けてた(>_<)。
今日の歩数は0115歩。

部屋内に雀蜂が(>_<) 

体育館前の薔薇#1 

#2 

#3 

#4 

#5 

「もやしもん」 

取締緩和ぢゃ(^_^) 

図書館猫A 

図書館猫bBとC  

図書館猫D 

同じく 

図書館猫CとD 

宇治川商店街猫 

大日商店街猫 

2015/05/07(木)●大仏橋付近
8時起床。
今朝の血圧は174/94/74。
朝の3点セット。
昼前自転車で山手幹線を御影方面に。
途中石屋川公園で休憩兼ミニギター。
そのまま石屋川沿いに坂道を登っていく。急な坂は自転車押して、ふらふらと御影山手町あたりをうろついて、さらに頌栄短期大学横の川沿いの細道を上がっていったのだが、さすがに自転車押すのに疲れて、途中で自転車止めて、歩いて大仏橋に辿り着き、鴨子ケ原付近を散策して大仏橋下の河原で休憩兼ミニギター(^_^;)
3時半に引き返して、深田池回りで5時半帰宅。
今日の歩数は6281歩。

ユリノキの花 

青葉 

庭石菖 

白詰草 

御影山手のすてきな住宅 

蜜柑の実と花 

チビ毛虫 

龜虫の子供 

中毛虫 

尺取り虫 

展望 

赤花夕化粧 

大仏変電所 

大仏橋付近 

河原鶸(かわらひわ) 

切岸の住宅 

深田池 

前から気になってる建物 

【「踊り場」日本論】小田嶋隆 岡田憲治 ★★★☆☆ 2014/09/29 晶文社(犀の教室)。
小田嶋はお馴染みだが、岡田は1962生れの専修大学法学部教授で専攻は現代デモクラシー理論とのこと。
あまり期待もせずに読むことにしたのだが、いやあ、実に面白くてためになった。かな。

小田嶋 バンドワゴン効果(選挙予測で多くの支持を集めているとアナウンスされると人々がその候補に投票しがちになるということ)とアンダードッグ効果(選挙で票が集まっていないとされる候補者に同情票が集まること)の二つがアナウンス効果としてあげられているじゃないですか。あれは学者から見ると、どういうふうに見えるものですか。
岡田 学問的にはまったく実証されていません。「アナウンス効果」というのは、ほとんど、そう言えば言えないこともないが、そうだとちゃんと言えるほどでもないという程度のことだと思います。「われわれの報道力にはそれぐらいの影響力があるのだ」と言いたい方々の使う言葉ではないかと


「アナウンス効果」は、なんとなくそんなこともあるのだろうと思ってたのだけど、これだけはっきり無意味さを教えてもらってありがたかった。

岡田 当選者がすべての選挙区で一名とされている小選挙区制はまとまって戦わないとガリバーに勝てないから、対抗する政党が多党化したらガリバーが圧勝してしまうのです。自民党は総有権者の20数%ぐらいの支持で議席は、60%を超えるわけです。

小選挙区は問題ありすぎだな。

小田嶋 ブレたということも、悪いことのように言うけれども、政治はある種、妥協みたいなものだから、ブレないと政治は実現に行かないところがありますね。
岡田 安倍さんが2012年の選挙中に「マニフェストという言葉は恥ずかしくて使えませんね」と、あたかもマニフェストというやり方そのものがダメなのだと、まずい誤解をあたえかねない言い方をしていましたけど、自民党の公約だって同じことですよ。

自民党のは「二股公約」ぢゃ。

岡田 みんな「日本の社会は階級社会だ」というものの言い方を嫌がるのです。だけど、経済学者、社会学者は、これまで一億総中流と言っていたけれども、1970年代にはすでに「不動産を持つ層」と「持つ可能性が非常に低い層」というふうに、高度成長以降、はっきりと格差社会化は始まっているという議論をしています。今やまさにそれが顕在化してきているということです。

格差の根幹は土地持ちとそうでないか、か。

小田嶋 ジョン・レノンが「イマジン」で、「天国も地獄もない。財産もない。宗教もない。そして人々は今日だけのために生きている」という歌を書いたじゃないですか。1971(昭和46)の歌で、当時僕は高校生で「これ日本のことじゃん」と言って笑っていたのです。もっとずっと後になって振り返ってみると、あの話の元ネタは、オノ・ヨーコが『グレープフルーツ』という詩集の中に書いていたもののインスパイアです。

「イマジン」のネタ話として引用。

岡田 今や労働組合の組織率は二割を切っていますからね。世間では労働組合は労働者全体の利益の擁護者ではなくて、部分利益を主張する圧力集団だと思われています。
小田嶋 正社員の利益だということですか。
岡田 電力労連とか、日教組とか、世の中の今や少数派でしかない「部分利益」を主張するわがままな連中だというイメージですね。


ワシもそう思う。

岡田 実はちゃんと組織されている政党は日本には二つしかなくて、それは公明党と共産党です。でも草刈り場が重複するから、ものすごく仲が悪い。(1.選挙の言葉)

こういった、はっきりした物言いはわかりやすくて、好ましい。

岡田 小林よしのりはね、「わしは勝手に漢字の左翼を共産党、カタカナのサヨクを社会党的成るものだというふうに考えて言葉を使っている」って、これもまあムチャクチャなんですけど、とりあえず小林は保守的な評論家からこれまでに教わったこととかを素材に、へんてこりんだけどいちおう定義をしている……。
小田嶋 小林よしのりは、めちゃめちゃだし穴だらけだけど、あいつなりに筋通ってんですよ。
岡田 実は『ゴーマニズム宣言~脱原発論』とかを読むと、彼の言う「公(おおやけ)」というものは切なくも「ネイション」に全部回収されていくんですけど、そこを除けば「国を愛するってことは国土を愛するってことでもあるんよ! 福島の国土が失われとるのに何が尖閣諸島じゃ!」ってものすごくまともなことも言ってる……

Morris.もゴーマニズム宣言、結構読んでるし、感想としても同じような感じだ。

岡田 もはや本音のところで言えば、市場を通じた分配っていうシステムの中では、役割は二つに完全に分かれるんだということです。それをマルクスは階級社会って言ったわけです。労働を通じて自分の肉体を切り売りするしかない人間と、生産のための手段を私的に所有する人間の二つ。だから階級ってひとグループでは無意味で、二つあるから意味がある。つまり「諸」階級なんだっていう。敵対し合う、クラスってものがあるから関係的な意味があるわけです。
小田嶋 それって、曽野綾子の旦那、三浦朱門が言ってますよ。みんながみんなむずかしい方程式を覚える必要はない。実務だけを覚えてもらえばいい人たちがたくさんいるんだと。あとはエリートがやればいいんだからって。


「エリート」という言葉が問題だなな。大辞林によると
エリート [仏elite]ある社会や集団の中で、そのすぐれた素質・能力および社会的属性を生かして指導的地位についている少数の人。選良。精鋭。「--階級」「--意識」
とある。ついでにいろいろ調べたら、ギリシャ語「エリュシオン(死後の楽園)」が語源とも言われているが、ラテン語の「ligere(選択する)」で「神に選ばれた人」の意らしい。神に選ばれるというのは、他人のために死ぬ用意ができている人という、かなり高潔な人士のことをさしたらしい。現在日本で使われてる「エリート」とはかなり違ってる気がするな。

岡田 ソウルに行って、韓国の大学生を相手に「韓国語で」日韓関係についての講義を一年したいという野心があります。歴史っていうのは、真実に到達するかのように正解を探すようなものじゃないんだと彼らに伝えたいからです。
歴史っていうのは、あれはこういうことだったんだと、過去の出来事を理解「したい」おのおのの人間の「欲望の物語」に過ぎないんだと、わかってもらいたいんですよ。どちらの歴史認識が偏っているとかという議論をする前に、歴史解釈が必然的に抱える宿命みたいなものをお互いに冷静に確認しようよと、呼びかけたいんですよ。


岡田は韓国語も学んでいるらしい。それだけでちょっと好感度大。それぞれの歴史が、それぞれの欲望だというのも面白い。

小田嶋 グローバルな人間を教育システムで作れると思っている根本的な誤解がある。本当に人間をグローバルにしたければ、グローバルフィールドに放り出すほかに方法がないわけです。
岡田 日本のエリートたちが持ってるグローバル人材っていうものの素朴な原風景は何かっていったら、「外国語で交渉や会議ができる人たち」っていうだけです。
小田嶋 つまり、学校のような閉鎖空間でグローバル人材を育成できると思うような誤解をとにかく何とかしてほしいと。階級社会だったり多民族社会だったり、他宗教社会だったり、複雑な歴史なんかが全部含まれた中ではじめて出てくるのがグローバル人材で、グローバルってのはいいこなのかっていうと、いい場合もあるし不幸な場合もある。島国にグローバルが入ってきたときどんな悲劇がおこるのかってことを、あんたわかったうえで言ってんだろうね? って。
岡田 英語をどうするかって話は、日本語をどうするかっていうこととイコールですよ、ほぼ。
小田嶋 しかも、グローバル人材って文脈で外国語の話が出てくるときは、企業は自前で戦力を育てなきゃいけないはずなんですよ。それを教育現場に委ねようっていう志の低さというか、自分たちがコストを負担すべき教育、いや職業訓練ですね、それを公的教育機関にタダで丸投げしたいっていうのが柳井さんの欲望ですよ(笑)。(2.取り戻したい日本はあるのか、あったのか)

グローバルは日本には向いてない?
おしまいの「柳井さん」てのは、ユニクロ社長のこと。

岡田 この十何年かで、僕たちの社会は何でも自己責任と、平然と言うようになりましたね。
小田嶋 自己責任というのは誰も責任を取らないっていう意味ですね。
岡田 本来、責任をとるっていうことは理不尽なものなんですよ。でも、基本的には僕たちの社会は、たとえば丸山真男が言ったような「無責任体制」だと言われますよね。とりわけエリートが責任をとらない。原発事故で福島の国土があれほど失われているのに、ただの一人も何の責任も取らない。


自己責任=無責任。同感。

小田嶋 とにかく何でもいいから一回ひっくり返さないとだめだぞって、小泉さんが言ってたとき、「自民党をぶっこわす」っていう言葉に、すごく説得力があった。あれでみんなひっかかったわけですよね。
岡田 そのときマス・メディアは、「無駄な既得権益はだはするべきだが、社会が支え合わなきゃいけない領域は守るべきだ」と、きちんと話を分けなきゃいけなかったんです。ところが二項対立をおもしろく突きつけてくる小泉劇場に乗せられて、これからは構造改革を通じた市場志向じゃないと日本は立ちゆかないっていう、単純なストーリーを作ってしまったんです。竹中某みたいなペテン師を祭り上げて。これは朝日から読売まで、もうみんないっしょですよ。失われた10年とか20年とか言われますけれども、これは何度も言いますが、本当に失われたのはかつての自民党が持っていた擬似社会民主主義的なものなんです。

小泉にひっかけられた(^_^;) そのとおりだった(>_<)。そして今度は安倍にのっとられるのか。それだけは死守したい。

岡田 言うに事欠いて「世界で一番安全な原発です」と。世界で一番安全な原発を作ってる国が世界中に放射能をまき散らしているという、これはブラックジョークにすらならないですよね。
小田嶋 「これだけ設備投資をしてこれだけ積み上げてきた技術を、売り先がなくなったら三菱重工も東芝も日立も困るでしょう?」みたいなことを、政治家がやってるということは、物理的にあっちゃいかんということですよね。


「死の商人」という言葉を思い出す。

小田嶋 安倍さんは、TPP反対の人たちを左翼って呼んだでしょ。
岡田 そうなんですよ「美しい国」を守るならTPPに反対しなければいけないのに。
小田嶋 二重にねじれてますよね。だから「愛国左翼」になっちゃうわけでしょ。「愛国国家主義左翼」って何ですかって話ですけど。
岡田 愛国左翼は、一国社会主義的にアクセントを置くと、言わばスターリニズムですよ(笑)。つまり左翼だから本来ネイションを超えるはずなのに、同時にTPPから人を守ろうとなる。
小田嶋 インターナショナルな左翼とナショナルな左翼で、全然言ってることが違うよ、みたいにですね。


Morris.はアナーキーな左翼になりたい。

岡田 佐々木俊尚さんが、『「当事者」の時代』で、マスメディアはずっと、弱者に寄り添うというポジションを死守してきたと書いています。でもそれは、いわばイデオロギーなんだと言うわけです。ことが起きると弱者に寄り添うっていうパターンがあって、朝日も毎日もみんなそういう報道をする。
小田嶋 『朝日ジャーナル』みたいなものの進歩的民主主義、筑紫哲也に代表されるような人たちの言いざまの気持ち悪さが、ある時代は共有されてたじゃないですか。90年以降に、朝日って進歩的でいいメディアみたいなこと言ってるけど、結局あいつらっていいフリしたいだけだよねっていう指摘があると、ああなんと新鮮な視点であろうかっていうのが見えてきて、そっちが主流になってきてしまった。
岡田 カウンターであれば意味はあったんでしょうけど、カウンターが知らぬ間に主流になっちゃった、みたいなところはありますよね。


マスコミの「いいフリ」は今にはじまったこっちゃないけどね。大本営発表にまで遡るまでもなく、たとえば、北朝鮮帰国事業時にマスコミ(特に朝日)が煽った罪は重い。

岡田 昔、共立講堂のライブで、フォークの神様の岡林信康が言ってました。「僕はベトナム反戦歌の中でも『おお! 悲惨なベトナムよ! 可哀想なベトナムよ!』みたいな歌は好きやないんです。僕が好きな歌は、『工場で働かなければならんけど、そこでは武器を作っていて、この武器で私のお兄ちゃんが殺されるかもしれない。止めたいけどご飯が食べられへ。どうしたらえんや』みたいな歌は僕好きなんですわ」と。

同情するより金をくれ、のココロか。

小田嶋 ネットで出てくる批判のおよそ三割は、お前に何がわかる、ですよね。議論に至る前提をそもそも放棄している姿ですよ。お前に何がわかるって言われたら、おれにお前のことなんてわかってたまるか、っていうことはあるわけですよ(笑)。
岡田 世界の本来的な不可知性とは、世界を語る上のスタートラインですよね。世界はわからないんだということですよ。
小田嶋 お前に何がわかるんだって言葉の無責任さと、寄り添うってことばの無責任さって、ちょうど逆の対応関係だよね。
岡田 そうですよね。だからきっと「美しい日本」が大好きな人がね、おそらく「お前に何がわかる」っていう反転をすると思いますね。

小田嶋 ネットで行われている議論を一歩離れて見てて思うのは、ちょうとわれわれが大学に入った頃の論争ですね。原理研究会とか、革マルとか、創価学会とか、ニーチェをやる奴とか、そういう連中と議論するとひとたまりもないわけですよ。議論の相手をやり込めるにはどうすればいいのかっていうのを少しずつ学んで、論破ってことがおもしろくなってきた時期にやる議論はもう、およそ不毛なもんなんだけど。
つまり、実際に相手を説得しようとしていやるんじゃなくて、罠にかけてやり込めるみたいなことなです。橋下徹さんがやってるのはそういうことですよ。
岡田 人は何のために議論するのかっていう話ですよ。しっかり説得して相手に自分を認めさせることなんですけど、それはプロセスであって、その向こうに何があるんだよって話じゃないですか。だから議論する理由は「僕たちはどこまで同じ道を歩んでいて、どこから分かれてしまったのか、その分かれたY字路を確認するために議論するんじゃないか」と、うんとほぐして伝えるわけですよ。

岡田 (2ちゃんねるは)排泄行為ですよね。(3.どんな社会にしたいのか)


ネットそのものが排泄行為なのでは?

岡田 気がつくと、一生懸命東京の何かを変えようとしてる人たちって、みんな東京で生まれてない人たちなんですよね。
小田嶋 東京の経済活動を活性化させようってことですからね。で、活性化ってことは、夜中に電車が走ればみんな飲んだり食ったりするんじゃないのとか、夜中も働けるんじゃないのかってことだったりする。もうひとつは土地の売り買いが発生して、人の出入りがあったほうがいいと。ようするに、ダメなやつはどんどん出てってもらって、優秀なやつがどんどん入ってきてもらった方が、都市としては活性化するでしょ、っていうことを、たぶん猪瀬みたいな人が考えてるんですよ。
で、それの最たるものが、オリンピックってやつ。実際、前回の1964年の東京オリンピックのときは、赤羽あたりは、まさにオリンピック景気の中で、あらゆる貧民窟を全部排除した。
岡田 いろいろな人々やライフ・スタイルが同居しているこの東京という街場なのに、相変わらずひたすらナショナルなものを高揚させて、「オリンピックを望む気持ちはみんな同じじゃないですかぁ」って、ちげぇよ(笑)。
小田嶋 彼らは「日本をチームに」ってい言ってるでしょ。国家意識ってほどおおげさにはいわなくても、とにかく個人主義ってのが諸悪の根源だって考え方が、自民党の憲法草案を見ても露骨にあります。
日本人が日本人であることももっと意識しようだとか。で、個人に還元されてしまったことがいちばんいけないんだという考えの中心にオリンピックを置いているんだと思うんですよ。これは時代錯誤だという騒ぎだけじゃなく、あらゆる点ですごく勘違いしていると思います。
岡田 基本的にはオリンピックだって何だって、ようするに財界の顔色をうかがってやってる様子が濃厚でしょう。原発の再稼働だってジワリジワリとその線でキてますよ。
どうしてそう足並みを揃えて一方向へ行くかというと、政治学では「対抗勢力」がなくなっていくからと考えるんです。政治権力に養分を送る社会的資源(金銭だけでなく、政治的資源になりうるすべての財)を相対的に独占しているような社会集団ができてしまうと、簡単に言うと、巨万の富を抱えた財界や電事連のような組織が、それと対抗するような集団がない中で肥大化していくと政治権力はその妾になるって話なんです。
結局オリンピックもまったく従来と変わらない発想です。ただの一度も問われたことがないのは、なぜスポーツの祭典としてのオリンピックが大切なのかということです。(4.あらかじめ失われた東京民)

オリンピックに関しては、Morris.も言いたいことは山ほどあるのだけど、開催都市が東京だから他所ごとだということで、自重してるわけで、それが「チーム日本」とか「オールジャパン」とか「ヒノマル背負って」などと云われると、それはないだろうという気になってしまう。
オリンピックも、世界遺産も、何でもかんでも経済効果で考えてしまうのは、やめて欲しい。

このコラム(「無資本主義商品論」(『噂の真相』))の書き手は、「富の源泉は、富にではなく、貧困にある」などと、さらりと喝破し、そしてバリ島にて円との関係においてタダ同然の貨幣ルピアを大盤振る舞いし、大量の貝殻を買って成田に帰ってきた自分を、「貧乏人に戻っていた」と評価していました。この人は、マルクスの「マ」の字も書くことなく、こむずかしい現代思想用語も一切使わずに「この世の構造(からくり)」と、そこから立ち現れる日常をたった数百字のコラムで、表現していたわけです。小田嶋隆への憧憬は、ここから始まりました。(あとがき 岡田憲治)

前に読んだ「コラム道」の対談で内田樹がベタ褒めしてたが、岡田もこうやってヨイショしてる。小田嶋の株価上昇ぶりはなかなかのものだが、当人は自転車事故で入院中、愛読してるネットの「ア・ピース・オブ警句」も今週はお休みである。一日も早い回復を祈りたい。

2015/05/06(水)●4CAPOの日
6時起床。
今朝の血圧は169/82/68。
世間では今日がゴールデンウイークの最終日になるらしいが、農閑期のMorris.はしばらく休みが続きそうな気配。コール天ウィークとでもいうことにしておこう(^_^;)
昼間で部屋ゴロして、1時過ぎ、外にでる。
王子陸上競技場横の散策道路の途中にあるロックガーデンに。ここは普段はひとっこひとりいないのだが、今日はインドネシア人?の留学生団体が、バーベキューやってた。一番遠いところに陣取って、またまたミニギターおさらい。今日はカポタストを4フレットにつけてみた。普段は2フレットでやることが多いのだが4フレットだとかなりキンキラキンな音になる。もちろんキーも上がるわけで、女性歌手ナンバー(Morris.のレパートリーの2/3以上がそう)は、これでちょうどいいのかもしれない。
途中、ちょこちょこ、阪神-中日戦をiPhoneラジオでチェックする。7回までバルデスに抑えられて0-2と不利な展開。8回裏新井のソロホームランで1点差になり、9回裏簡単に二死になり、万事休す(>_<) と思ったのだが、ここからゴメスが渋いヒットに始まり、バルデスに変わった二人の投手が3連続四球で押出し同点、そして新井がとどめのタイムリーで逆転サヨナラ勝利\(^o^)/ 谷繁監督のパスボールもあったし、この投手交代も結果的に大失敗で中日の自滅という感じだった。
6時前にお開きにして、水道筋で買い物して6時半帰宅。
今日の歩数は4631歩。

昼顔の仲間 

ミニ薔薇 

花蜂 

野苺 

今日のレッスン場 

駐車場猫A 

2015/05/05(火)●ヴィジュアル読書
8時半起床。
今朝の血圧は168/79/78。
良い天気である。
昼から王子動物園へ。こどもの日ということもあって、家族連れ中心でかなりの人出だった。
資料館図書室はいつもどおりあまりひと気もない。このところ新着図書があまりなかったが、今日は久しぶりに新しい本が目についた。可愛い小動物の本が目につく。
「蝙蝠の謎」「世界の野生ネコ」「世界のかわいい小鳥」「カタツムリの物語」「ぷちもふ」「エゾシマリス」など、主に写真を流し読み。
「世界の野生ネコ」にはマヌルネコが6pにわたって取り上げてあった。世界中の野生ネコが取り上げてあったが、やっぱりマヌルネコは他人とは思えない(^_^)
「カタツムリの物語」はウクライナの写真家の作品でネットで話題になったものらしい。やや作為的だがカタツムリがこれだけフォトジェニックだとは思わなかった。「世界のかわいい小鳥」が一番興味深かった。何と言っても写真が素晴らしい。小鳥といえば、大きさと可愛らしさがその条件らしい。ほとんどが「スズメ目」の鳥で、例外として取り上げられていたのはコゲラ(キツツキ目)だけ。
スズメ目では、シジュウカラ科、エナガ科、ウグイス科、ツグミ科、メジロ科、ホオジロ科、ヒタキ科、ツバメ科、キバシリ科、ムクドリ科、セキレイ科、モズ科、ヤイロチョウ科、アトリ科、セッカ科、ミソサザイ科、ツリスガラ科、ムシクイ科、ハタオリドリ科、コルリ科、レンジャク科などの鳥が取り上げられている。バードウォッチングの趣味はないし、いつまでたっても見分けができないでいるが、これまで名前さえ知らずにいた「エナガ」という小鳥の可愛さにはすっかり参ってしまった。
4時くらいから原田の森ギャラリー前庭でミニギター練習。でもiPhoneラジオで阪神中日戦聴きながらの横着ぶり。何とか4-2で阪神が逃げ切った。
6時前帰宅。
今日の歩数は2163歩。

昨夜のチュヒョンミ 

今日のまぬう 

蝙蝠の翼は「手」 

曲虫引虻(まがりむしひきあぶ) 

毛虫の同定は難しい 

榎葉虫(えのきはむし)幼虫? 

今日のヴィジュアル読書 

これがイチ押し 

唐種招霊(からたねおがたま) 

2015/05/04(月)●雨あがり猫
7時半起床。
今朝の血圧は172/80/60。
朝から雨模様。
今日は部屋ゴロに決定。
例の新しい韓国歌本の課題曲を、You Tubeで引っ張りだして、ちびくろ2号でざっと40曲ほど録音して、その後iPhoneに移す。これで、どこでもオリジナルに合わせて練習できる。それにしても、ひと昔まえだとこんな作業はなかなか大変だったと思う。おまけにすべて無料というのがこれまたすごい。
録音作業しながら、阪神中日戦見てたが、メッセンジャーボロボロで6点取られて降板、その後も点取られて、終わったら2-9の惨敗。これで5月に入って三連敗(>_<)
夕方雨も上がったので散歩がてら、水道筋に買い物に出る。いつもの駐車場猫の他に、裏筋でえらく人懐こい雉猫2匹に出会い、Morris.@Catographerモード。ついでに照光寺も覗いたがクロはいなくて、そのかわり?畑原市場の空き地にべつのクロがいた。
アーケードを近所の神社の氏子らが、太鼓叩いて行進してた。須佐之男神社春季大祭で、明日が本祭で今日はお触れみたいなものらしい。明日は神輿も出るが、今日は鉦と太鼓のみ。これはこれでなかなか風情があった。
6時半帰宅。
今夜の歌謡舞台1416回は"가요 풍경화歌謡風景画“という、これまたわかったようなわからないような特集。

1) 대한팔경大韓八景/김부자キムプジャ
2) 흑산도 아가씨黒山島娘/주현미チュヒョンミ
3) 삼다도 소식三多島消息/염수연オムスヨン
4) 잘 있거라 부산항達者でな釜山港/오승근オスングン
5) 울릉도 트위스트鬱陵島ツイスト/조정민チョジョンミン
6) 첫사랑 마도로스初恋マドロス/남일해ナムイルヘ
7) 금수강산에 백화가 만발하구나錦繍江山満開だね/김부자キムプジャ
8) 꿈꾸는 백마강夢見る白馬江/김상배キムサンベ
9) 영산강 처녀栄山江娘/송춘희ソンチュニ
10) 한강漢江/주현미チュヒョンミ
11) 하이킹의 노래ハイキングの歌/김상배キムサンベ, 진송남チンソンナム
12) 울고 넘는 박달재泣いて越える朴建峠/오은주オウンジュ
13) 덕수궁 돌담길徳寿宮石垣道/진송남チンソンナム
14) 추풍령秋風嶺/남상규ナムサンギュ
15) 만리포 사랑万里浦の愛/서지오ソジオ
16) 비 내리는 명동雨降る明洞/김상진キムサンジン
17) 대지의 항구大地の港/전 출연자総出演者


おなじみの曲、好きな曲はまあ半分くらいあるけど、Morris.好みの女性歌手ときたら、チュヒョンミ一人(^_^;) でも、チュヒョンミさえ出てれば大丈夫だ\(^o^)/しかも、二曲も歌った ということで、今日の評価は★★★☆。
今日の歩数は3293歩。

水道筋駐車場猫A 

左には猫B も 

全く人見知りしない雉白 

連れの雉 

畑原市場のクロ 

須佐之男神社太鼓隊 


2015/05/03(日)●憲法記念日
6時起床。
今朝の血圧は159/82/58。
朝の3点セット。
今日は憲法記念日ということで、NHKの日曜討論もこれを主題にしていたが、ちかごろの安倍政権の憲法無視というか、姑息な解釈変更や、米議会での日本国会軽視などについて、野党から追求されても、高村副総裁は「何の問題もない」の一点張りだった。菅官房長官と「高菅コンビ」いや、安倍を加えた3人は「阿鼻厚顔トリオ」とでも呼びたくなる。
昼過ぎ、JRで元町に出て、この前行ったばかりのメリケンパークへ。ゴールデンウイークにはたいていここでフリーマーケットやってるので、アロハの出物でもあさろうと思ったのだった。ところが、まるで期待はずれだった。しかたなく、ベンチでiPhoneラジオで阪神巨人戦聴きながら、読書ということにしたのだが、これがまたげんなりする試合(>_<) 阪神はダブルプレー崩れで1点、無死満塁から犠打で1点と歯がゆい攻め方やって、すぐ片岡の2ランで、同点、その後3-3になり代打金城にうたれ、その後も拙守、失投もあって、終ってみれば3-10のボロ敗け。
5時前に小雨降りだしたので三宮図書館に避難したものの、今日は6時までということで、追い出され、そのまま歩いて、大安亭で買い物して6時半帰宅。
録画してた日曜美術館は京都博物館で開かれてる狩野派の特集でこれまたMorris.の好みとは合わなかった。
今日の歩数は4752歩。

横綱刺亀 

遊覧ヘリコプター 

豪州の鷲像 

 

商船三井ビル 

高架下のペンギン剥製 



2015/05/02(土)●コッピ(鼻血)(>_<)
6時起床。
今朝の血圧は167/85/77。
3人で昨日の宇治の現場。
二階でベッド分解してたら、突然左の鼻に違和感感じて、手を当てたら鼻血が出てる。あわててトイレに駆け込んでトイレットペーパー突っ込んで事なきをえたけど、蒲団など梱包してる時に、垂れてたら、と思うと危ないところだった。
一昨日の野外での直射日光による、熱中症?と関係があるのかな? それとも……
で、後で、ネットで調べたら、鼻血の止め方は、Morris.が考えてたのとはまるで違ってた(>_<)
「とりあえず小鼻を3分間つまむ」というのがもっとも良い対処法らしい。鼻にティッシュ入れる場合は取り替えずそのままにしておくべきとのこと。これまでもりすがやってた、顔を上向けにして、首の後を叩くというのは、完全に間違ったやりかただったようだ。
昼食抜きで1時に作業終了。
王将で中華丼+餃子の昼食。4時過ぎ解放。自転車で帰り道、iPhoneラジオで阪神-巨人戦中継聞く。8回まで藤浪が好投して1点で抑えながら、阪神打線は見殺し(>_<) これではあかんな。
今日の歩数は6002歩。

【雁】森林太郎 ★★★ 大正4年5月15日 籾山書店。
ちょっと前に読んで、そのままになってた。たまにこういった、きちんとした日本語の文章を読むのは、精神衛生上有益ではなかろうか。

白木綿の兵児帯に、小倉袴を穿いた学生の買物は、大抵極まってゐる。所謂「羊羹」と「金平糖」とである。羊羹と云ふのは焼芋、金平糖と云ふのははじけ豆であつたと云ふことも、文明史上の参考に書き残して置く価値があるかも知れない。

漱石のユーモア(幽黙)が英国仕込み?なのに対して、鴎外の場合はドイツ仕込みだけに、ちょっと屁理屈っぽい形で表れているような気がする。

店は仲町の南側の「たしがらや」であつた。「たしがらや倒さに読めばやらかした」と、何者かの言ひ出した、珍しい屋号の此店には、金字を印刷した、赤い紙袋に入れた、歯磨を売つてゐた。まだ練歯磨なんぞの舶来してゐなかつたその頃、上等のざら附かない製品は、牡丹の香のする、岸田の花王散と、このたしがらやの歯磨とであつた。

これも同上。

一体支那小説はどれでもさうだが、中にも金瓶梅は平穏な叙事が十枚か二十枚かあると思ふと、約束したやうに怪しからん事が書いてある。

「怪しからん事」というのがいいね。「ウィタ・セクスアリス」書いた人の言葉と思えばまた一興である。

一体女は何事におらず決心するまでには気の毒な程迷つて、とつおいつする癖に、既に決心したとなると、男のやうに左顧右眄しないで、oeilleres(オヨイエエル)を装はれた馬のやうに、向うばかり見て猛進するものである。思慮のある男には疑懼を懐かしむる程の障碍物が前途に横たはつてゐても、女はそれを屑(ものくづ)ともしない。それでどうかすると男の敢てせぬ事を敢てして、おもひの外に成功することもある。

鴎外の女性観として興味ふかいような、意外と皮相的な気もする。

一本の釘から大事件が生ずるやうに、青魚(さば)の煮肴が上條の夕食の饌に上つたために、岡田とお玉とは永遠に相見ることを得ずにしまつた。そればかりでは無い。しかしそれより以上のことは雁と云ふ物語の範囲外にある。
僕は今此物語を書いてしまつて、指を折つて数へて見ると、もう其時から三十五年を経過してゐる。物語の一半は、親しく岡田に交つてゐて見たのだが、他の一半は岡田が去つた後に、図らずもお玉と双識になつて聞いたのである。譬へば実体鏡の下にある左右二枚の図を、一の映像として視るやうに、前に見た事と後に聞いた事とを照らし合せて作つたのが此物語である。


この短編小説(中編というべきか)の結びというか、種明かしみたいな一文だが、鴎外の面白さが巧まずして表出している。

2015/05/01(金)●宇治あたり
6時起床。
今朝の血圧は151/74/89。
なんとなく寝苦しかった。どうも昨日の日光浴(^_^;)で、軽い熱中症になってるみたいだ。
荻野くんら5人で、宇治の上海向け他引取2日現場の初日。
荷物の整理ができてなくて、なかなかはかどらない。
ともかく3時半に、今日の作業切り上げて、5時半帰宅。
今夜は阪神の試合もない。
今日の歩数は4722歩。

【ラーメンと愛国】速水健朗 ★★★☆☆ 2011/10/20 講談社現代新書。
松岡正剛千夜千冊で本書が取り上げられてたのを見たのがきっかけである。紹介や特長も松岡の文章を読んでもらえればそれでいいようなものだけど、やっぱりMorris.の印象に残ったところは、かなりの違いもあるので、多めに引用しておく。

大量生産や大量輸送、データを利用した運行管理は、元々ロジスティクス(兵站)と呼ばれる、戦時の後方支援、物資尚達の分野において必要とされ、発展した技術である。第二次世界大戦の時代は、統計学がその先端技術として求められていた。戦後、フォードに入社し、のちにベトナム戦争時に、米の国防長官を務めることになるロバート・マクマナラも、第二次世界大戦中に陸軍で統計や解析の要員として活躍した一人であった。ちなみにB-29の量産を主張し、生産計画の立案に関わっていたのは、若き日のマクマランである。
デミングは、1947年、日本の統計学を正すべく派遣される。
デミングの講習会に参加した経営者、技術者たちは、情熱をもってデミングの講習を受け止めたという。デミングは、経営や生産のシステムやテクニックを伝えているにすぎなかったが、日本人にとっては、そうではなかった。彼の講演、技術指導は「アメリカはどうやって戦争に勝ったのか、その内なる秘密を解き明かしている」ように映った。
デミングの手法とは、生産された製品のばらつきを調べ、それが発生する過程を分析し、その原因を追求してシステム全体を改善するというものである。(いわゆるフィードバックの手法)しかし、デミングのアドバイスはそれだけに留まらず、従業員の行動意欲、顧客のニーズを把握することの重要性などにも及んでいた。
デミングの講習を機に盛り上がった日本の品質管理運動は、職人の匠こそが最上と理解されてきた日本のものづくり観に変化を与えた。生産技術という思想がないことで戦争に敗れた日本は、戦後、生産技術を身につけ、ものづくりにおいて世界に名をとどろかせていくことになる。


ラーメンを論じるのにデミングを出すあたりが筆者のユニークさでもあり、気負いでもあるのだろうけど、面白ければそれでいい。

チキンラーメンは発売開始から50年以上の歳月を経た現在もなお、第一線で活躍する商品である。その間には、細かなパッケージデザインの変化しかなかった。 百福は、この商品の発明以来、五十余年にわたって毎日の昼食にチキンラーメンを食べ続け、味のチェックと時代に合わせた改良をしていたという。
2007年1月5日、安藤百福は96歳で死亡した。多くの日本のメディアが褒め称えたのは、チキンラーメンを発明し、「インスタントラーメン」という巨大な市場を生み出した業績である。
アメリカの「ニューヨーク・タイムズ」の記事は、百福を「労働者階級のための安くて、きちんとした食べ物」を独力でつくった人物として評して、その功績をたたえたのである。これは彼を商品の"発明者"や新産業をゼロからつくった起業家として評価したのではなく、ラーメンを大量生産可能な"工業製品"として発明し、安価な保存食品として世界に広めたという、百福が持っていたものづくりの思想への評価である。(第二章 T型フォードとチキンラーメン)

チキンラーメンの登場はMorris.も、はっきりと記憶にある。たしかに画期的だった。今でも年に一度か二度、無性に食べたくなることがある。本書を読んで、またしても食べたくなった。

1967年から放送が始まったTBSラジオの「パックインミュージック」は、それまでトラック運転手向けの放送が中心だった深夜の放送枠を、若者向けの内容に切り替えた音楽番組だった。同じ年には、ニッポン放送が同じように若者に向けた「オールナイトニッポン」の放送を開始している。ちょうど、団塊世代が受験勉強で夜更かしを始めた時期だ。この世代の青春の記憶の一つとして、夜食のラーメンやラジオの深夜放送が結びついている。団塊世代とは、受験勉強のお供の夜食としてインスタントラーメンを食べた最初の世代なのである。

ラジオの深夜放送とチキンラーメン登場がしんくろしているということは、Morris.もまさにその最初の世代だったということになる。「パックインミュージック」は愛川欽也がメインだったらしい。ちょうど彼が亡くなったニュースと重なったので感慨深かった。

1972年2月のあさま山荘事件は、単に凶悪犯を警察が包囲したという性質のものではなかった。警察と連合赤軍は、互いにライフルを持って向かい合っていたが、それとは別の層で、メディアを通した空中戦が行われていた。当時、警察庁長官だった後藤田正晴は、絶対に犯人を殺すなと命じる。それは人道的な配慮ではなかった。過激を極めた反体制運動は、この当時、すでに多くの支持を失い、孤立していた。だが、ここでの銃撃戦で、連合赤軍の側に死者を出してしまえば、彼らを悲劇のヒーローにしてしまう。そこで、国民感情が逆に振れる可能性がある。いつ善悪が入れ替わってもおかしくない状況が、テレビカメラの前で進行していたのだ。

あれもこれも、Morris.世代のメモリアルである。この事件で、カップヌードルが普及したことが触れてあったが、Morris.は、このカップヌードルとは相性が悪かった。

戦後復興期を支えた世代、高度経済成長時代を支えた時代、そして、インスタントラーメンを最初に食べた団塊世代。これらの三つの世代の間には分断があるものの、自分がいつしか過去のものとして乗り越えていった"貧しかった時代"の刻印としての1958年という年やラーメンをめぐる思い出は、それぞれの記憶に深く留められている。こうして地層のように積み重ねられたラーメンの記憶が、やがてラーメン=国民食という、日本人全体が共有する共通意識に結実していったのだ。(第三章 ラーメンと日本人のノスタルジー)

この辺りから、ちょっと論旨が我田引水になっていくような気がする。

中央の財源をいかに地元に利益還元するかが、国会議員の能力の指標となる日本の政治構造は、角栄が中核となって築き上げた当時の中央集権システムが生み出したものである。土建屋や道路族などと呼ばれる政治家だけが潤い、無用な道路が全国にできてしまう悪弊の発端がここにある。だが、当初の「道路整備特別法」は、政府が公共事業でインフラを整備し、それを活用して事業を行う民間企業が進出し、経済が発展するという、本来あるべき公共事業を効率よく行うための仕組みとして生み出されたものだったのだ。

列島改造論で華々しく政治を引きずっていった田中角栄の時代。「いいこともした」という論じ方には賛同できない。

我々は、別々の場所に住みながらも同じニュースを見ている。本来であれば、自分の地域のことだけを知ればいいのに、ニュースはいちいち日本全国のお天気を知らせてくれる。これは、北海道から沖縄までが日本であるという帰属の意識を確認する作業として捉えることができる。ニュース番組が視聴者に愛国心を押しつけようと意図しているわけではないが、標準化された全国のお天気は、図らずもそれを生み出しているのだ。


これは、ラーメンとはあまり関係なさそうだが、言われてみれば、全国の天気というのは、大半が不必要だけど、それが国民意識を根付かせるというのは、面白かった。

我々は、ラーメンという共通の食文化を持つ民族であり、ラーメンを愛する同じ日本人であるという共通の意識を持っている。つまりチキンラーメンのCMによって「ラーメン」という「共通語」「国語」が生まれて以降、日本人はラーメンを通して国民意識を形成しているのだ。この国には札幌ラーメンがあり、博多ラーメンがあり、「東京ラーメン」も「熊本ラーメン」も「旭川ラーメン」もある。固有の土地に根ざしたご当地ラーメンが存在する。そんな、ラーメン列島の地図すら見えてくる。これをアンダーソン風にネーミングするなら、「味覚の共同体」とでも言ったところだろうか。

ベネディクト・アンダーソンの「想像の共同体」(1983)のもじりだが、この本に関しては別の本で紹介されて、興味をもったところだった。こうなるとそちらも読まねばという気になる。しかし、筆者の持って行き方には無理を感じる。

観光の産業化は、ときに地域に根ざさないものとして発展することがあるのだ。ご当地ラーメンの成り立ちもこれと同じである。ご当地ラーメンも、地元の歴史や固有の文脈に沿った郷土料理から切り離された観光資源として生み出されたものであろう。

「博多ラーメン」「喜多方ラーメン」「和歌山ラーメン」「札幌ラーメン」……といろいろあるだろうが、Morris.は「博多ラーメン」しか認めたくない部分がある。少なくとも観光資源として生み出されたラーメンなんてのは、問題外ぢゃ。

モータリゼーションとともに、街の中心部の商店街が廃れ、日本全国のロードサイドの光景が均一化していった様を「ファスト風土」という言葉で示した三浦展は、「ファスト風土化」の原点を田中角栄に見いだしている。
公共事業を通して地方にお金が流れるという、角栄が1950年代に手がけたシステムは、政治と地元産業の癒着を強くした。このシステムは戦後の復興期から高度成長時代までは、国内産業育成の原動力として役に立った。しかし、ある時点からは公共事業そのものが目的化してしまった。
不必要な高速道路や新幹線網だけがつくられていき、地元ならではの産業の育成などはなおざりにされる。ファスト風土化はこうした状況から生まれていったのである。
ご当地ラーメンは、「地元に根ざした」食文化の結晶である本来の郷土料理に成り代わって、観光課のニーズに応える形で全国的に増殖した。全国のご当地ラーメンを見ると、食文化の多様性が見えてくるように思えるが、日本古来の食文化という観点で見れば、ご当地ラーメンは、多様性が失われ画一化した、戦後日本の食文化の象徴でもあるのだ。

「ファスト風土化」というのは、言い得て妙な述語だね。今やたいていの地域に見られる、画一的なチェーン食品店の並んだ区画。ファーストフードそのものが苦手なタイプだと思うのだが、結果的に侵食されてるのだけど、出来る範囲ででも抵抗したい。

かつてであれば、観光地として地元に観光客を誘致するためには、それなりの名勝なり、歴史のある建造物なり、世界遺産候補なり、売り込むための観光資源が必要だった。しかし、状況は変わった。B級グルメにせよ、ゆるキャラにせよ、NHKの大河ドラマの誘致にせよ、偶然性の高い観光資源が突如生まれてブームとなるというのが昨今の傾向である。(第四章 国土開発とご当地ラーメン)

いまでは当たり前になったが、前線で行われる軍事行動を下請けの民間軍事会社にアウトソーシングするという方針は、湾岸戦争において検討・導入されたものだ。もはやすべての国民が負担を背負うような総動員、総力戦タイプの戦争は古いものとなった。総力戦時代の戦争では、生産や資源採掘などに力点が置かれたが、情報集約型の新しい戦争においては、無形の情報やメディアに力点が置かれる。そして、戦争は際限なく国費が投じられる公共性の高いイベントから、最前線から銃後に至るまで経済効率を優先したサプライチェーンマネジメントの利いた性質のものとなり、利益の最大化が求められる戦争の時代となる。

戦争ビジネスの合理化。こんなところまで踏み込んでいくのが本書の特徴だろうし、どんどん戦争がバーチャル化していくという捉え方は間違っていないと思う。、

公共の電波を独占する免許事業である放送局の仕事とはあくまで公共性を帯びたものであり、夕方のニュース枠はまさに放送局の公共性を担うものだった。そのためこの枠は、下請けの制作会社には任せず、テレビ局の報道局が自ら制作してきた。
しかし、視聴率を少しでも稼ぐために17時、18時きっかりに番組が始まるのではなく、数分前倒しして始まったあたりから、その原則は崩壊した。テレビが自らの公共的な役割を放棄し、利益の最大化を追求するようになったのがこの時代(80年代末から90年代初め)のことである。


ちかごろのテレビときたら、という物言いは、したくないのだけど、せずにいられない。その原因の一つがこういった「唯益論」なんだろう。

東京オリンピックの時代から、人気のテレビコンテンツの一角だったバレーボールは、日本チームが世界で勝てなくなっていった90年代を機に、大きくテレビコンテンツとしての最適化が図られていく。
まずは、ルールがテレビ的な理由で改正される。ラリーポイント制の導入により、試合時間が短縮されたのだ。会場では、日本チームを応援するDJが投入され、マイクを使ったワンサイドだけを応援するかけ声が響く、そして、開催地は、毎回、日本開催となった。もはやバレーボールは日本のテレビ局が独占するスポーツになっている。スポーツにおける公平性は価値を失い、商業的な価値が優先されるようになったのだ。


女子バレーが好きだったのだけど、どんどんつまらなくなっているのは、上記にあるいびつな放送にもあるに違いない。

日本の1990年代のテレビ業界は、他業種からの放送業への算入障壁は相変わらず高いまま、既存放送局が既得権益を保っている。こうした状態のまま、電波を自社の関連ビジネスの利益を最大化するために活用するという、都合のいい自由化を進めているのだ。

料理のモダニズム(近代主義)運動と言えるヌーベル・キュイジーヌの特徴は、確かに1990年代のラーメンと重なっている部分が多い。ラーメンは元々個人店舗が中心だが、90年代のラーメン屋は匿名的ではなく、ラーメン職人の存在が前面に出た属人的なものとなっていく。

日本においても、イタリア発のスローフード運動は人気が高い。そして日本にも、「身土不二」という言葉が存在する。これは地域の旬の食品が、最も健康にいいということを示す言葉である。
「身土不二」は、明治時代の食養運動のスローガンとしてつくられた言葉であるが、現代においてスローフード運動や「地産地消」を推奨する運動などと同調し、再び注目を集める言葉となっている。

「身土不二(シントブリ)」はMorris.には、韓国農協のスローガン、そしてペイロの歌う同名の歌謡曲でおなじみだが、スローフードと連携してるといウノにはちょっとびっくりだった。そして、韓国の「身土不二」が日本経由というのも。まあ、上記の引用もWikipediaにもっと詳しく解説してあった。どんんどん横着になっていく(^_^;)

世間で武士道や宮本武蔵がもてはやされるようになるのは、決まって外国との軋轢が生じ、日本人としてのナショナル・アイデンティティが問われる時期なのだ。世界という他者と向かい合わざるを得ない状況で、日本人は初めて「日本という自己」を意識させられ、自らの存在を問われる。あやふやな自己を肯定し、セラピー的な効果を持ち得る、「都合のいい過去」が持ち出されるのは、そんなときである。意地悪い言い方だが、これがセラピー的なナショナリズムのメカニズムである。

この「セラピー的なナショナリズム」というのは、昨今の日本の右傾化のメカニズムとしても有効ではなかろうか。

実感としてもラーメンの単価は高くなっている。いまどきのチェーン系を除いたラーメン屋のラーメン一杯の値段は700~800円が相場だろう。……1990年代初頭にはファストフードの客単価ほどしかなかったラーメンは、90年代を経てファミレスの中級店クラスの客単価にまで上がったということができるだろう。(第五章 ラーメンとナショナリズム)

せめて最後くらいは、ラーメン絡みの引用で〆ておこう。そう、いまどきのラーメンは高すぎるぞ。
本書は、Morris.にとっては、ラーメンをネタにした、同時代史として興味深く読めた。



 

 

 


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