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          Morris.日乘2016年1月

Morris.の日記です。読書控え、散策報告、友人知人の動向他雑多です。新着/更新ページの告知もここでやります。

 

今 月の標語

発電途上


【2015年】 12月  11月  10月 9月 8月 7月  6月 5 月 4 月 3 月  2 月  1 月

2016/01/31(日)●猫公園でのんびり
7時起床。
今朝の血圧は198/82/58。
昨夜の日韓サッカーは最後までテレビで見た。前半半ばに韓国が先制、後半始まった直後に追加点で0-2とリードされて、これは日本負けたかな、と思ったが、半ばの2分位の間に日本が連続ゴールで同点、さらにゴール重ねて結局日本が3-2の逆転勝ち。見てる方としてはそれなりに面白いゲーム運びだったが、内容としてはパスミス、無駄なロングキック、意味のないラフプレイ……と、かなりの低水準だった。
昼からJRで神戸に出て、中央図書館に行く前に、お馴染みの猫場宇治川小公園でくつろぐ。今日はちょっと暖かそうだったので、ミニギター持参。ここの猫たちは、少々の騒音には全く我関せず、である。
図書館今日は日曜日なので6時に閉館。帰りは高架下通って三宮まで出て、そのまま歩いて7時過ぎ帰宅。
ラグビー日本選手権パナソニック-帝京は、予想通りパナソニックの圧勝に終わったらしい。
今日の歩数は7069歩。


紅茶碗マーブリング 

神戸駅東のBAR Morris 

おなじみ宇治川小公園 

雉 

白茶 

同じく 

雉 

こふじ食堂横車上猫 

大安亭白黒 


2016/01/30(土)●あわや洗濯機が(@_@)
7時起床。
今朝の血圧は184/85/75。
朝の三点セット。
ところが洗濯の途中で、洗濯機がストップしてしまった(>_<) おいおい、壊れたんじゃないだろうなと恐る恐る点検。すすぎの途中で排水ができてないようだ。延長ホースを外したらどばっと水が流れた。延長ホースを風呂場に持って行き水道の蛇口に突っ込んで水出したら、黒い異物がドロドロと流れだした。古いゴムみたいだ。ホースの内側のゴムコーティングが劣化してそれが詰まってたらしい。その事自体がちょっとヤバそうでもあるが、ともかく、排水はできるようになったので、洗濯も終了できた。今後にやや不安も残るが、まあ、排水できる間は大丈夫だろう。
午後、王子動物園に行ったら、ボブキャットの檻に花束がおいてあった。21日にボブキャット死んでしまったらしい。この前行ったのが18日で、その時もボブキャットの姿は見えなかった。裏の寝床に引っ込んでたのだろう。享年24歳の大往生だったとのこと。隣の大山猫は去年死んでしまったので、王子動物園の小型野生猫はまぬうだけになってしまった。
水道筋まわって4時帰宅。
今夜の「ABC池上彰のニュース解説」は、なかなかに充実していた。一つは中東問題、イスラム国を誕生させたのはアメリカであるとか、スンニ派とシーア派早わかりなど、非常にためになった。もう一つは沖縄基地問題。沖縄財政における基地関連の占める割合は現在5%でしかないことや、地位協定のこと、地域振興予算は沖縄県は九位でしかないなど、現状のマスコミでは精いっぱいの情報を提供していた。池上彰日和見主義説に傾きかけてたMorris.だが、撤回しよう。彼なりのスタンスで活動続けてほしい。
深夜零時からサッカー日韓戦がある。TVでリアルタイム観戦するつもりだが、いちおう録画予約もしている。
今日の歩数は5413歩。


豪猪(やまあらし) 

今日のまぬう 

プレーリードッグ 

1/21に死んだボブキャット 

錦蛇の眼 

マーモセット 

イグアナ 

目白 

椋鳥 

水道筋駐車場猫A 

冬の薔薇 

照光寺クロ? 

【山口百恵は菩薩である】平岡正明
★★★★1979/10/01 講談社
【完全版 山口百恵は菩薩である】平岡正明 四方田犬彦編 ★★☆ 2015/06/09 講談社
このところ、日本歌謡史みたいなもの数冊読んで、この本のこと思い出して、ネットで調べたら、昨年「完全版」なんてのが出てることを知った。中央図書館の書庫から原本、北図書館から「完全版」を予約借り出しして、両者を見比べる。
原本は発行当時読んで、凄いなあ、と驚いたことを鮮明におぼえてる(^_^;)が、今回再読して。やっぱり凄い再確認した。平岡正明は2009年に亡くなっている。その6年後に「完全版」がでたわけだが、もし生きていてこちらを見たら憤慨するのではないかと思った。というか、生きてたらこういう形での「完全版」なんか出るわけもなかったろう。

本書は、文庫版「山口百恵は菩薩である」(講談社、1983年)を底本とし、単行本原著(講談社、1975年)の刊行以降に著者が山口百恵について書いた文章、行った対談を四方田犬彦の編集により収めて完全版とした。(「完全版」追記)

とある。原本の4年後に文庫版が出ていて、そちらには、原本にはなかった、百恵引退結婚、そして自伝「蒼い時」に関する80枚程の追加と、全曲紹介の一部追加がなされていたらしい。そして「完全版」で新たに追加されたのは、野坂昭如との対談と、四方田の8pの解説くらいのものだ。原本から36年も経って出した「完全版」がこれでは、期待はずれというしかない。何よりも装丁というか、造本に問題あり過ぎぢゃ。
原本は、平岡と杉浦康平の合作というべき作品である。紙質+複色、レイアウトはもちろん、「夜へ……」の歌詞をモノクロの曼荼羅の残闕に散りばめた中央の8p(ほとんど八双の曼荼羅屏風である)、渡辺冨士雄の入魂のイラスト……どれをとっても極上の出来である。それにひきかえ「完全版」ときたら比べることが馬鹿馬鹿しくなるくらい。何よりも、駄目なのは、本文活字すべてゴチック体ということである。意味のない二色刷りと相俟って、読みづらいことこの上なし。罰当たりぢゃ。「完全版」ではなく、原本の完全復刻版を出すべきだった。

山口百恵は不可逆性の歌手である……
山口百恵は歌謡曲コルトレーンである……
山口百恵と大衆の関係は相互の丸齧りである……
山口百恵の転換は戦後史の転換である……
山口百恵の埋蔵量は大地母神(パチャママ)のそれである……

これらのテーゼは、まさにお題目である。
ついでに、あまり百恵と関係なさそうな、小ネタを幾つか引いて終わりにする。

・庄野真代の「飛んでイスタンブール」中、「だからであったひとも金嬉老 真昼の夢」と聞こえて俺は転げ落ちそうになった。

・西田佐知子に端を発する近代女性の艶歌が、いしだあゆみを経て、あゆみのうまくできなかったことを百恵が実現したと断定してまずまちがいない。

・本来のサンバが日本で流行するには決定的なものが欠けている。群衆である。カーニバルで踊る群衆がなければ本来のサンバが日本に定着するはずはない。サンバの本領はリズムにあるが、むしろ、日本でマークすべきはサンバ・サンサウン(歌うサンバ)の甘美なメロディだと思っていた。70年代にはいって世界の大衆音楽はメロディーの回復に向かっているとはいい得る。その盈虚は山口百恵にあらわれたのである。

・山口百恵は他の日本のいかなる若い歌手に比べても、格別に残心がうまいのである。これは技術ではない。資質である。

・その一--西田佐知子からパティ・キムを通りジャンゴ・ラインハルトにいたる、時空を超えて顔を出す、エトランゼの感覚。
・そのニ--自分の足跡以外、いかなる音楽的伝統も背負わずに忽然とあらわれた山口百恵。

・「横浜ストーリー」は、初恋をあつかって、樋口一葉『たけくらべ』以来の傑作である。



2016/01/29(金)●高浜再稼働(>_<)
6時起床。
今朝の血圧は184/85/75。
朝から雨。
JRで三宮に出て、バスで第八突堤の別業者の倉庫に集合。午前中は吹田の台湾人現場、午後は六甲アイランドのオーストラリア人宅のピックアップ。吹田では扉から外の横持ちが長かったので結構濡れてしまった。
午後は楽勝で、昨日に続いて2時に作業終了。またまたここで開放してもらい、六甲ライナー、JR乗り継いで2時半帰宅(^_^)
今週の「ア・ピース・オブ警句」はタイムリーかつ真っ向ストレート勝負で甘利辞任をとりあげていた。
まずは「政治とカネ」という括りに反論、常套句、キャッチフレーズ、レッテルなどの、意味の鈍化に注意をうながし、こういった言葉を安易に使い続けているマスコミへも苦言を呈している。そして今回の甘利大臣の問題については「今回の甘利経済再生担当相のケースは、「政治とカネ」というタグでまとめられるエピソードの中で、近来では最もたちの悪い事件」であり「あからさまな贈収賄疑惑」だと決めつけている。
それなのに、当人も、安倍首相も、なんとか大臣の職責を防衛しようとしていた。これだけでも、とんでもない事態であり、昭和時代なら3日ももたずに首が飛んでたはずと、現政権の脳天気ぶりに呆れている。さらに、安倍政権の思い上がりを、受け皿が見当たらないと国民が思ってるからではないかと勘案し、新しい民主党の「自虐ポスター」をとりあげてけちょんけちょんにけなしている。「民主党は嫌いだけど、民主主義は守りたい。そんなあなたへ。すぐに信じなくてもいい。野党として、止める役割をやらせてください」(>_<)
いくらなんでも、あんまりである。これが参院選向けのポスターというのでは、戦わずして負けたようなものだ。
甘利元大臣は今日の内閣府での別れの挨拶で「自分なりにやせ我慢の美学を通した」などと、ほざいてたらしい。けっ!!!!!!!!!!!!!! 反省のかけらも見られない、どころか、仁侠映画のヒロイン気取りである。
そして今日の夕方、高濱原発が再稼働を始めた。福島原発事故以来、川内原発に続いて2箇所め、しかも、高浜原発は「プルサーマル」を行うとしている。これまたとんでもない暴挙だと思う。
プルサーマルについては、吉岡斉「原子力の社会史」のメモを参照のこと。一言で言えば「プルサーマルは口実」である。
今日の歩数は6947歩。


朝の艀

海鵜の群れ 

魚崎工場地帯 


2016/01/28(木)●大阪府庁~大阪城公園
6時起床。
今朝の血圧は187/83/75。
阪神で梅田に出て谷町線天満橋で降りて、大手町のフィリピン人宅のピックアップ現場に直行。
昼食抜きで2時前に作業終了で、現場解放(^_^)/
すぐ近くの大阪府庁。ここは一度ゆっくり観察したい(^_^;)と思ってたので足を運ぶ。大掛かりな改修中だったが、正門から入ることができた。うーん、正面の大理石造りの階段ホールは豪華である。府民食堂でランチ食べようと思ったが、品切れ。カツカレー(440円)を頼む。もう時間ぎりぎりで、Morris.が今日の最後の客だったらしい。ご飯大盛り、ほうれん草のおひたしもサービスで付けてくれた。この値段でこの量で、まあまあの味だったから、これは大当たりと言えるだろう。
気分よくして、そのまま大阪城公園へ。花見に来たりはしてたが、天守閣まで行くのは久しぶり、平日でも結構人出は多い。例によって中国人の団体が目立つが、結構韓国語も聞こえてた。まあ、Morris.はコンクリート造りで一見プラモデルみたいな大阪城自体にはそれほど思い入れはない。隣の旧大阪博物館のレトロな建物に心惹かれる。
この建物はもともと陸軍第四師団司令部として昭和6年に竣工したもので、繊細を免れ、1960年から博物館として使用されたが、2001年大阪歴史博物館の開館にともなって閉館され、以後15年間は未使用である。何らかのやりかたで有効活用を望みたい。って、Morris.としては内部を見たいだけかも(^_^;)
大阪城公園駅からJRで4時半帰宅。
5時から甘利大臣の言い訳会見。だらだらと言い訳めいた作文朗読のあと、大臣辞任を表明。ちょっと意外だったが、これも作戦なのだろう。これで幕引きという事にならないよう願いたい。後任は石原伸晃とのこと。これを機にTPPも無かったことにしてはどうだろう(^_^;)
今日の歩数は
7388歩。

マンションみたいな中央高校 

冬の薔薇 

絞り椿 

大阪商工館 

大阪府庁 

レリーフ 

レリーフ柱 

豪華階段 

シャンデリア 

府民食堂でカツカレー 

渋い扉 

脇階段 

大規模改修中 

大阪城 

アートなトイレ 

銃眼 

自慢の巨石 

豊國神社 

旧博物館 

同じく 

結婚写真撮影中 

石垣の美 

堀の家鴨 

中央区のマンホール蓋 

【グレイ】堂場瞬一 ★★★ 2014/04/30 集英社 初出「小説すばる」2013年連載
主人公の貧乏大学生が、情報会社のバイトを始めたことがきっかけで、詐欺事件に巻き込まれ、社会の裏を知り、成長?していくという、ストーリー。1983年を舞台として、その小道具(ポケベル、NEC98シリーズ、自動車電話等々)が懐かしくもあり、ちょっともどかしくも覚えた。ストーリーのご都合主義と雑さもあって、これは著者の若書きの復刻ではないかと思ったのだが、後で雑誌連載が2013年とあったので、そういうわけではなかった。執筆時の30年前の時代小説とでも言うべきだろうか。
主人公学生の中途半端な上昇主義も、ちょっと鼻白むところがあり、アンケート調査などで得た名簿の犯罪利用など、いまいち後味がよくなかった。


2016/01/27(水)●魚崎辺り
7時半起床。
今朝の血圧は191/91/69。
昨夜のサッカーは、1-1の同点で後半ロスタイムにはいり、また延長戦かと思ったところで、日本のミドルシュートが決まって日本が決勝進出。五輪の出場権も得た。韓国は3-1でカタールに勝ったので、30日は日韓決勝戦である。よしよし。
六甲アイランド現場最終日。昨日まででかなり片付いたので、今日はMorris.は2階の倉庫のガサ物梱包。2次前に作業終了。そのあと、魚崎の別業者の倉庫に荷物引取に行ったが準備ができてなくて、ここで開放してもらう。魚崎からふらふら散策してJR住吉駅に向かう。
公園の中に「雀の松原」という立て看があり、大小の石碑があった。

浜辺の松林であったこのあたりは、古代にササイの里と呼ばれていた。この地名に「雀(ささい=鳥の名)の字を当てていたのだが、「すずめ」と読み替えられ、雀の松原という地名ができた。古来の景勝地で、源平盛衰記の中にも山陽道沿いの名所としてこの名が記されている。また「雀合戦」の伝説も残っている。 東灘区役所。 (立て看)


小さい石碑には「雀松原遺趾、杖とめて千代の古墳とへよかし是や昔の雀松原 平安山田寿房」、大きい石碑には「竹ならにかげも雀のやどりとは いつになりけん松原の跡 中納言君尹卿」と彫ってある。
4時前帰宅。
今日の歩数は7032歩。


菊正宗酒造記念館 

日光電気工事の螺旋階段 

阿弥陀如来 

蝋梅 

雀の松原歌碑 

梔子の実 

東灘教会 

住吉小学校 

籠入り木菟 

【談志絶唱 昭和の歌謡曲】立川談志 ★★★☆☆ 2006/03/25 大和書房
この本は出たばかりの頃読んだ。最近、歌謡曲の本を何冊か読んで、この本のこと思い出して、10年ぶりに再読した。やっぱりものすごい記憶力と、広い交友と、思い入れと思い込みの深さにあらためて感嘆させられた。

小畑実さんは韓国人だ。六本木で韓国料理店をやっていて、冷麺がうまかった。で、言葉も韓国なまりを隠さなかった。
"紅白もだんだん面白くなくなってきちゃったから、「日韓歌合戦」にしたらどうだい"に、"そんなことしたら韓国だけになっちゃう"とNHKのプロデューサー。名前はいえない。それにしても、あの地の人たちは歌が上手い。韓国の役者じゃ安聖基(アンソンギ)が家元ヒイキ。歌手では「吉屋潤(キロギュン)」の女房になった「パティ・キム」こりゃ上手い。ジャズ歌手だが何でも上手い。上手い人は何でも上手い。この人の『ソウル讃歌』が大好きだ。


談志の韓国理解?の一端がしのばれる。

「ひばり」のポピュラーソングというか、「英語の歌」とでもいうのか、上手い!いや、英語の発音はあたしには判りません。けど、ひばり、ちゃんとしてるんだ、家元判んなくても判るんだ。『上海』を聴いたとき驚いた。上手い、うめえうめえ、もう一杯。

美空ひばりの「上海」はMorris.も偏愛している一曲である。談志の「判んなくても判る」というのもMorris.と同じだと思う。

これ、書いてて、何だろうと。歌手の名と、その人の唄った歌の名を覚えているだけではないか。そんなものは、本を見れば、資料眺めりゃ判る。
けど、関心のない人は資料を見ても感じない。
いえることは、市丸だ、勝太郎だ、音丸だ、李香蘭の山口淑子だ、東海林太郎だ……と、戦後まで唄っていた人ならば記憶に残っているが、小野巡は、近衛八郎は、二村定一は、徳山璉は、児玉好雄は、樋口静雄は、喜代三は……と、その前になると"思い"だけなのだ。
ついでにいうと、その"思い"を持った者だけが、その世界に入れる、「それを愛する資格がある」のです。
落語もそうなのです。


おしまいに、ちらっと本業を持ち出すあたりもいかにも談志らしい。

ふと思った、「そうだ、歌謡曲自体が青春だったのだ」と。
歌謡曲が、歌謡曲自体が青春だったのだから、「時代劇」を唄おうが「世の事件」を唄おうが、もちろん、「恋」があり「戦争」もあり、「人生の落ち目」を唄おうがかまわない。あの時代には歌謡曲が日本人にとって何よりの文明であり文化であった。しかしその青春も当然のこと、いつしか老いた。
歌謡曲が老いたのです。
なぜ老いたのか。「日本が老いた」からです。

本書を出したのが70歳のとき。その5年後2011年75歳で亡くなった。つい先日談志をモデルにしたテレビドラマを見たが、談志役をビートたけしが演じていた。これはあんまりだと思った。


2016/01/26(火)●漠然とした不安
7時半起床。
今朝の血圧は177/97/80。
六甲アイランド、昨日の現場二日目。
昨日に比べると寒さはやわらいだ感じ。昨日の昼食で懲りたので、今日はちょっと足を伸ばして大衆食堂「匠」で白身魚フライ定食。揚げたてのフライと味噌汁。まあ普通に美味しいくらいの水準だが、昨日のことがあったので、えらくおいしく感じた。
甘利大臣は明後日記者会見とのことだが、どうもいやな予感がする。
五輪予選サッカー準決勝日本-イラク戦。Morris.としては、やはり日韓戦を見たい。韓国は開催地カタールと準決勝だから、日韓の両方勝つか(決勝戦)、両方負けるか(3位決定戦)のどちらかで日韓戦。
今日の歩数は
4123歩。

 昨夜のソンデグヮン

チャンユンジョン 

今朝の灘駅 

冬青(ソヨゴ) 

雀 

六甲ライナーから螺旋階段 


2016/01/25(月)●沖縄に雪
7時起床。
今朝の血圧は196/100/83。
昨日の宜野湾市長選挙。自民推薦の現職知事が当選してしまった(>_<) ひたすら普天間基地縮小をのみ主張、辺野古移転には完全沈黙だったようだが、ともかくも翁長知事も応援した新人は敗北したわけで、自民党はこれでまた辺野古基地新設に勢いづきそう。沖縄では昨夜観測史上初めての雪(みぞれらしいけど)が降ったとか。
JR、六甲ライナー乗り継いで、高層マンション22階の3日取り現場初日。
昼は簡易食堂のサービスランチ(肉丼と味噌汁 500円)食べたが、これがもうとんでもない不味さ(>_<)
6時帰宅。
今夜のKBS歌謡舞台1451回は-1월 신청곡-1月リクエスト

 1) 터미널ターミナル/윤수일ユンスイル
 2) 석별惜別/홍민ホンミン
 3) 이정표 없는 거리里程標のない街/김상진キムサンジン
 4) 여자의 일생女の一生/한수영ハンスヨン
 5) 세월이 약이겠지요歳月が薬でしょう/송대관ソンデグヮン
 6) 백 세 인생後ろ向きの人生/이애란イエラン
 7) 고향 무정故郷無情/태진아テジナ
 8) 터질 거예요胸張り裂けそう/김동자キムドンジャ
 9) 만포진 길손万浦津旅人/진송남チンソンナム
10) 용두산 엘레지龍頭山エレジー/임현정イムヒョンジョン
11) 물방아 도는 내력水車の回るわけ/현당ヒョンダン
12) 바다가 육지라면海が陸地なら/유지나ユジナ
13) 임의 향기貴方の香り/김경남キムギョンナム
14) 그때 그 사람その時その人/반가희パンガヒ
15) 우정友情/우연이ウヨニ
16) 마지막 잎새最後の一葉/윤수일ユンスイル
17) 찔레꽃野茨の花/장윤정チャンユンジョン


まあ、リクエストだからテーマも何もないのだが、ユジナとチャン・ユンジョンが出るだけで良しとしよう。そして、今日の目玉は、何と言っても、お久しぶりのソンデグヮンである。不動産関連の不祥事で、しばらく干されてたようだが、やっと解禁になったようだ。同じ頃に仲良しのテジナがラスベガス賭博でしばらく干されてたがこちらは割りと早めに復活した。今日は仲良く二人揃っての登場で、まずはめでたい。ご祝儀も入れて★★★☆。
今日の歩数は4439歩。


現場の窓から 

Twin煙突 

六甲ライナーから夕日 



2016/01/24(日)●極寒
7時半起床。
今朝の血圧は153/71/70。
今日は底冷えしている。こたつにはいっててもじわっと寒さを感じる。
日曜美術館で韓国の画家イジュンソプの特集だった。1916年生れで太平洋戦争末期に東京で出会った日本人山本方子と結婚、故郷元山で結婚したが朝鮮戦争で済州島に避難。妻と二人の子どもは日本に帰国、画家は済州島に残ったが、貧困の中39歳で亡くなる。死後名声が高まり、韓国では有名らしいが、Morris.は全く知らなかった。いや、考えてみると韓国でMorris.の知ってる画家はほとんどいない。フォービズム風の牛の絵が有名らしいが、Morris.の好みではなかった。ただ、妻子に送った多数の絵葉書はなかなか感動的だった。
Morris.部屋のリンクページをチェック。リンク切れのもの10件ほど削除。Morris.のブックマークみたいなものだが、最近は、直接グーグルなどで検索すればいいのかなとも思う。
昼過ぎ三宮に出る。愛用の小銭いれのファスナーが壊れたので同じものを買おうと、そごうのLoftに行ったがみつからず、東急ハンズで見つけた。吉田カバンのLUGGAGE LABElというブランドの塩化ビニール製で、なんとなく気に入って30年以上使い続けている。今回で5個目か6個めだと思う。
大相撲千秋楽で琴奨菊が優勝。日本出身力士の優勝は10年ぶり。
今日投票の、沖縄宜野湾市長選挙の結果が気になるところ。
今日の歩数は8198歩。


しっかり氷張ってる 

三宮神社の白黒 

螺旋階段 

紅梅 

生田神社 

包丁塚 

【庭木・花木】川原田邦彦 ★★★ 2000/02/15 NHK出版
「NHK趣味の演芸 新版・演芸相談3」というテレビ番組から生まれた入門書みたいなもの。最近、身近な樹木の名前を覚えたいという気になって、いろいろ樹木図鑑など見るのだが、この樹木というのは、とっかかりにくいところがあって、とりあえず、庭木の有名どころを再確認しておこうという気持ちで本書を手にしたのだが、あまり役に立たなかった(>_<)50種ほどのうち、知らなかったものと、名前と実物が一致せずにいたのは

梅擬(ウメモドキ)、唐種招霊(カラタネオガタマ)、伽羅木(キャラボク)、ゴールドクレスト、セアノサス、姫沙羅(ヒメシャラ)、手巾の木(ハンカチノキ)、紅要黐(ベニカナメモチ)、木斛(モッコク)、老爺柿(ロウヤガキ)

の10種くらい。そのうちカラタネオガタマは王子神社、ベニカナメモチはHAT神戸の生け垣にあることを思い出した。オガタマは日本神話で天照大神が天岩戸に隠れた時、これを呼び出すために天細女命がこの枝を持って踊ったとも言われているらしい。小さめのマグノリア系の花は確かにちょっと霊的の雰囲気を持っている。
ベニカナメモチはアントシアニンのため新芽の頃紅葉する。

2016/01/23(土)●楢葉町再見
8時起床。
今朝の血圧は185/93/68。
このところ余り見てなくて、録画がたまってたサンテレビの韓国ドラマ「大切に育てた娘ハナ」を見る。善話で今63話くらいだから、2月中には終わりそう。今日は韓国語聞き取り訓練のために字幕無しで見ようと思ったのだが、サンテレビ版は字幕消す事ができなかったので、字幕部分を本で隠すことにした。こんなドラマでも、字幕なしだと2割くらいは聞き取れない。それでも画面があるからおおまかに筋は追えるようだ。
予約してた図書2冊が三宮図書館に準備できたとメールで連絡来たので取りに行く。めったに予約はしないのだが、今日のは北図書館にしか置いてない図書だったので、三宮で受け取れるように予約したのだった。
歩いて往復したのだが、帰りは小雨になった。5時半帰宅。
「原発事故5年ゼロからの"街再建"楢葉町」というドキュメント番組見る。原発事故で全員避難になり、昨年9月に避難解除となった町で、原発隣接町で最初のケースで、一種のテストケースのようでもあるが、問題山積みのもようだ。町長インタビューでは「ゼロからでなくマイナスからの復興」と言ってたのが印象的だった。町内には黒いビニール袋に入った放射能廃棄ゴミが放置されてるし、ほとんど商店もなく、戻ってきても普通の生活は望むべくもない。そもそもこの時点で避難解除というのは、どういう根拠に基づくのか疑問である。
今日の歩数は6241歩。


字幕隠し(^_^;) 

紫狗尾草

春日野道スキヤ猫C 

小さな松毬? 

三宮クリーニングシロ 

白雉 

雉 

冬の黄薔薇 

螺旋階段 


【「暮しの手帖」とわたし】大橋鎮子 ★★★☆☆ 2010/06/18
「暮しの手帖」といえば「花森安治の雑誌」というイメージが強いが、大橋鎮子は創刊時からの社長で、経営、編集実務の中心でもあったようだ。
Morris.は幼少の頃から「暮しの手帖」は身近にあった。小学校時代に創刊号から50号くらいまでは拾い読みしてた。Morris.の教養の3割くらいはこれに負ってるような気もする。
大橋は1920年生れだから本書刊行時は90歳近くで、2013年93歳で亡くなっている。
「すてきあなたに」という複数の筆者による連続エッセイの書き手のひとりで、このエッセイは5巻発行されているが、単独図書としては最初で最後のものらしい。なかなかに魅力的な人だったようだ。
本書読んで、彼女のことをネットでチェクしてたら、今年4月から始まるNHK朝ドラ「とと姉ちゃん」が、この大橋鎮子と暮しの手帖をモデルにしたものらしい。ヒロインを演じるのは「Docomo光」のCMで脚光浴びた高畑充希だと。これは見ることにしよう。

【花森安治の青春】馬場マコト★★★ 2011/09/25 白水社
先日読んだ「従軍歌謡慰問団」の著者が、花森安治のことを書いてるということを知ったので読んでみることにした。「暮しの手帖」より、戦中の大政翼賛会での活動を中心にしたものだが、ちょっと期待はずれだったかな。

経済がなくなり、戦争という時代がやってきたとき、私は花森安治と同じように「戦争と広告」「広告と戦争」を語るクリエーティブ・ディレクターに就くだろう。
それが怖いのだ。そんな自分の弱さが。
だからこそ、戦争が起きてほしくないと願う。
だらかこそ戦争を起こしてはならないのだと考える。


「あとがき」からの引用だが、ちょっとピントがずれてるような気がする。
正直といえば正直な感想だけど。

2016/01/22(金)●他力本願(^_^;)
7時起床。
今朝の血圧は176/74/60。
朝の三点セット。
今週の「ア・ピース・オブ警句」は「カナリヤたちの謝罪中継」というタイトルでSMAPの解散騒動を取り上げていた。Morris.はまるで関心のない話題なので、飛ばそうかとも思ったが一通り目を通したら、最近のテレビで視聴率稼げるのは、謝罪ライブというパフォーマンスであるとか、芸能界の旧態然たる体質(闇社会)と、それに乗っかってるマスコミと、視聴者への批判があって、なるほどと思った。

日本ではいまだに芸能プロダクションが、マネジメントとブッキングを独占している。さらに、そのブッキングとマネジメントを制圧している大小の芸能プロダクションは、互いに所属するタレントの移籍や独立を阻むことについてカルテル的なブロッキング体制を築いている。本来なら、移籍や独立を禁ずる契約自体が違法なはずだし、そうでなくても、複数の事務所が結託して、独立を画策した特定の芸能人の移籍や独立やテレビ出演を阻むべく協力しているのだとしたら、それは間違いなく独占禁止法に違反しているはずだ。

これはおおよそ誰もが漠然と知ってることだが、これを見て見ぬふりしている(是認、応援、加勢、助長している)のが日本のマスコミでありファンであるということだ。
昼から外出するつもりだったが、1時からの国会中継が2時からに延期になってるというので、ついつい見ることに(^_^;) 例の甘利大臣の口利き金問題絡みだろう。
午前の記者会見では「一週間以内に自分の記憶を確認したい」などと、わけのわからない弁明?に終始。本会議での甘利演説時には、野党議員が議場を退席するという意志表示した。週刊文春の記事では、贈賄側が長時間の録音や多数の写真を証拠として提示していることから、初めから仕組まれた疑いも拭い切れないし、発表のタイミングなどから、考えれば何らかの別要因があるような気もするが、
とにもかくにも、これを奇貨として、安倍政権の凋落につながることを期待したい。
反安倍運動がなかなか実効につながらない状況の中、他力本願ではあるが、この甘利問題を取りこぼすことは現金、いや厳禁である。
告発者(一色某)の身の安全+翻身なども気がかりなところ。
五輪予選サッカー日本-イラン戦。前半はどちらも決め手を欠いて無得点、後半も同様で延長戦にもつれこみ、前半GKからゴール、後半には2ゴールで、結果は3-0の圧勝。この試合は延長戦だけ見たらよかったかもしれない(^_^;)
今日の歩数は0歩。

【時代との対話】寺島実郎対談集 ★★★2010/03/01 ぎょうせい
雑誌「フォーブス日本版」掲載対談を中心に21人(加藤周一、船橋洋一、姜尚中、藤原帰一、榊原英資  、堺屋太一、明石康、緒方貞子、田原総一朗、残間里江子、鳥越俊太郎、半藤一利、中村桂子、堀田力、安藤忠雄、佐高信、宇沢弘文、塩川正十郎、三村明夫、毛利衛、佐藤優)との対談が収められている。いちおうイラク戦争に反対を表明した人士をメインにしているとまえがきでことわっているが、徹底していない。寄せ集めという感は否めないし、平均して一人あたりのページ数が少なすぎる。

加藤周一 「テロに対する戦争だ」とブッシュ大統領が言ったでしょう。それには矛盾があると思うのです。戦争では、相手がはっきり見えるわけです。ところが、テロリストは見えないわけです。どこにいるかわからない。見える敵を攻撃する手段は、見えない敵を攻撃するためには有効ではないのです

「テロに対する戦争」という言葉自体が矛盾を含んでいるということになる。

寺島 広島の原爆死没者慰霊碑の前にある「過ちは繰り返しませぬから」、というメッセージです。要するに誰が謝ったのかということや、あるいはどういう責任を誰が担うべきだと考えているのかということにいっさい言及しないで、とにかく一億総懺悔のような、みんな悪かったんだよね、というところで合意を形成しようというような曖昧さなのです。

Morris.もこの慰霊碑の文章を見るたびに、疑念を禁じ得ない。原爆投下の加害者が誰なのかははっきりしているわけだから、「過ち」はアメリカのはずなのに、それを「一億総懺悔」(>_<)に転嫁するのはまやかしでしかない。この碑は1952年に除幕式が行われ、当時から、論争もあったようだが、現在のところ主語は「人類」で、「戦争という過ち」を再び繰り返さないということになってるらしい。

加藤 私は、その言葉の使い方、ものの考え方として、いきなり世界や人類と言うところが問題だと思う。やたらと人類というふうに言わないほうがいいと思うのです。いきなり、アフリカと言っても、アフリカのことなんか知らないでしょう。知りもしないで全世界の幸福ということを呪文のように唱えていると、実は何も言ってないのとおなじになってしまう。

宮沢賢治に聞かせたい言葉である。

加藤 必要なのは、人間的な感情と知力です。ところが日本では、その感情が全く麻痺してしまった。だから何にも出てこないんだと思います。いくら頭が良くてもダメなんで、目の前で子供を殺されたら、怒る能力がなければなりません。あるいは、何か一種の感情を生じないとダメですもしそれを平気で見てられるんだったら、いくら頭が良くてもダメです。情報を集めただけじゃどうにもならない。
寺島 人間の、何か、本質ですよね。
加藤 そうそう、人間的な質みたいなものです。人間の尊厳と言ってよいかもしれません。例えば、平和と福祉というのは、平和と福祉があっても奴隷状態ということがありうると思います。奴隷の平和、奴隷の幸福、だから、おいしいものを食べて幸福だということはけっこうですが、ただそれだけでは、ある状況の下では、奴隷的状態と共存しうるんです。(2004年2月)


対米依存で高度経済成長を謳歌してた日本がつまりはこの奴隷の幸福状態だったのかもしれない。が、今や不幸な奴隷になりつつあるということかも。

船橋洋一 テロリストは軍事作戦で退治できたとしても、テロリズムはどうかとなると、軍事力だけでは解決できないわけで、政治、経済、社会、文明といった非常に広がりのあるテーマになってくる。その問題にアメリカ自身がどこまで取り組むつもりなのか。
寺島 9・11というのは瞬間的にはアメリカの結束とか唯一の超大国アメリカというイメージのシナリオが展開されたけれども、長期的に見ると冷戦後のアメリカ主導型の世界システムが終わりの始めに入ったことを示すシンボリックな出来事ではなかったか、という見方が強まっています。
船橋 アメリカは多くの矛盾を抱えて戦わなければならない。テロの犠牲者より対テロ戦争の犠牲者に同情が集まっていくという矛盾。人権と民主主義の普及こそがテロリズムに対する究極の解決策であるはずなのに、です。(2002年12月)


9・11がアメリカの「終わりの始まり」。その可能性は高いと思う。

寺島 それから「私生活主義」。団塊の世代は、戦後民主主義をフルに受けた世代です。戦後民主主義教育が何を生んだかというと、かつて山崎正和さんが「柔らかい個人主義の誕生」という言葉を使ったけれど、実は個人主義でも何でもない。個人主義は全体が強制してきても、逆さづりにされても自分の思想を守るという確固たるものです。戦後民主主義教育が生んだのはそうではなく、単なるライフスタイル。例えばせいぜいパンが好きかクレープが好きかという好みの問題です。私生活の好みをいかにも思想の問題のように置き換えて生きてきたのです。私生活主義は「自分の空間だけ保ちましょう」という考えだから干渉されたくない。だから干渉もしない。子供にも「他人に迷惑をかけなければ自分の好きなことをやればいい」という価値観で向き合ってきた。私生活主義と経済主義を掛け合わせたところにホリエモン的存在がモンスターのように生まれたものだと思います。
残間里江子 そう、「とりあえず」の人たちなんです。居酒屋で「とりあえずビール」と言うでしょ。本当にビールが飲みたいかどうかではなく、今の一瞬ののどの渇きを癒したい。(2006年1月)


寺島も残間も(Morris.も(^_^;))団塊世代だから、つまりは自己批判だが、ホリエモンは団塊ジュニア世代ということになるのだろう。「他人に迷惑をかけなければ何をやってもいい」というのは、たしかによく言われたし、自分でも言ったような気がする。「迷惑をかけてでもやらねばならぬこと」もあるかもしれないし、「迷惑をかけなくても、やってはいけない」こともあるはずだ。

寺島 半藤さんが著書で言っておられる「現代と1931年の満州事変のころが似ている」というご指摘にたいへん興味があります。どこがにているのですか。
半藤一利 まずは指導者の問題です。東条英機、永田鉄山、石原莞爾、服部卓四郎といった人たちは、日露戦争の経験がない。彼らは戦争の本質、本当の悲惨さは経験せずに、日清・日露戦争に勝った帝国陸軍の栄光だけを背負って出てきた。それと同様に、現代の指導者も戦中・戦後の苦労、悲惨さを知りません。
日本の国がおかしくなるのは1933年ごろからで、1935年までの3年間で一気にいろんな面で変わります。
1.教育-国家に忠誠を誓うことを教えこむ
2.テロの恐怖-5・15事件、2・26事件
3.言論に対する圧力-天皇機関説攻撃
4.法改正-憲法改正


この対談は2007年だが、今、現在もまさに同じ状況にある。いや、類似している度合いは高まって、まさに臨界点にある。半藤は保守派(寺島もそう)だが、真っ当な歴史感覚を持っている。

半藤 「軍事とは何か」というテーマです。今はシビリアンコントロールだから軍は制御できるなんて思ったらおおまちがいですよ。軍には軍政と軍令があり、軍令はシビリアンではコントロールしきれない部分がある。そこをよく勉強してから、第九条の議論をしてほしいです。
寺島 かつて2・26事件の時のように「兵隊さんは歯を食いしばってがんばっているのに、軍のことを何も知らない『腐敗した政治』が間違った判断をしている」という空気が出てきたら、コントロールなどすぐに利かなくなります。
半藤 「軍隊によって守られる安全」がある一方、「軍隊からの安全」も考えておかないと大変なことになります。満州事変が起きたのも、そもそもは政治がひどかったからですから。(2007年5月)


「軍隊からの安全」確かに。しかし、満州事変の原因を政治のひどさに帰するという発言は歴史を論じるには、ちょっと雑かも。半藤は学者じゃないからね。

寺島 最近毛利さんは「宇宙より海洋に関心がある」と言われています。地球の3/4は海ですからね。
毛利衛 国際宇宙ステーションはアメリカ主導です。しかし日本は地球の深部を掘って自信や過去の気候変動や生命の起源を調査する船「ちきゅう」を持ち、世界中から科学者が乗り込んでいっしょに研究しています。海洋の研究では日本がリーダーシップをとり、世界に貢献できます。それこそ、日本の総合安全保障になると思います。(2009年5月)


宇宙飛行士の毛利が、深海に目をつけて、海洋研究が日本の安全保障につながるという視点を持つというのは、すばらしいと思う。

佐藤優 新自由主義的なものが進むにつれ、競争社会の格差が生まれてくる。これは資本主義だから当然生れます。ところがその構造であまりに格差が開き、絶対的貧困層ができると、労働力の再生産ができなくなってしまうんです。質も落ちるし、資本主義体制が弱くなる。そうなると、国家として生き残らないといけないというときに、二つの処方箋が出てくるんです、一つは共産主義。ただ、この共産主義の可能性はもうありません。そうなるともう一つ、潜在的な可能性を使い果たしていないファシズムの可能性です。

おしまいの佐藤との対談だけが、本書のための語りおろしらしい。新自由主義が格差を生じ、それがファシズムに偏りやすいというのは、わかりやすすぎて怖い(^_^;)

寺島 私は小泉改革を、冷戦後の世界への誤った認識がタイムラグを経て引き起こした悲劇だとおもっているんです。単純に言えば、アメリカ一極支配の構図をグローバリズムと言い換え、それに日本が順応することが正しい選択だと思い込んでいた、あだ花のようなゆがんだグローバリズムのピークが小泉構造改革の時代と思います。(2009年9月)

小泉以上に異常な時代錯誤の安倍政権の再登場がさらなる悲劇となりませんように(祈)。

2016/01/21(木)●越冬蜆
7時起床。
今朝の血圧は201/91/64。
参院決算委の中継。甘利明TPP担当大臣の賄賂問題に関心が集まった。野党の追求にほとんどまともに答えられなかった。高木復興相とともに、早急に辞任に追い込むべきだろう。これで安倍政権に打撃を与え、支持率低下を期待したい。
昼から大安亭に行く前に神戸文学館に寄って、久しぶりの写真絵葉書書いて、岡部伊都子のヴィジュアル本を冷やかす。
向かいの原田の森ギャラリーは改修工事のため今月から来年3月まで閉館になっている。時々覗いてたので、ちょっと寂しい。西側の横尾忠則現代美術館は開館中だけど、なかなか入場料払ってまで見たい企画はあまりない(^_^;) その美術館横の植木に裏銀蜆発見。そういえばこの蝶は越冬すると聞いた覚えがある。後翅が破れてかなり傷んでいる。Morris.は何故かこの蝶にはシンパシー(^_^;)感じる。同じ植木にもう一匹裏銀蜆見つけた。こちらは翅の傷みはなかった。春まで生き延びてもらいたい。
今日の歩数は
4276歩。

先日も会ったペット豚 

神戸文学館で写真絵葉書 

岡部伊都子コーナー 

越冬中の裏銀蜆 

大安亭八百屋猫 

駐車場三毛 

【深海のアトム】服部真澄 ★★☆ 2014/02/28 KADOKAWA 初出「デジタル野生時代」2012-13
原発、廃棄物処理場、海洋資源などを巡る陰謀渦巻く、三陸地方をモデルにした陸滸(リアス)国を舞台に、電力会社、マスコミ、生物学者、子どもたちが巻き込まれ、アドベンチャーゲームみたいなどたばたやってる時に、東日本震災をモデルにした地震津波原発事故が起こり、これから大変ぢゃ、というところで、トンデモ解決法が出てくるか、というところでばたばたと終わってしまう。二段組500p近い長尺なのに、ほとんど破綻の終わり方だと思う。「震災後の日本に希望をもたらす、圧倒的スケールのスペクタクルエンタメ巨編!」(BOOKデータベース)という、惹句は開いた口がふさがらない思いをした。
またこの作家のクセなのか、やたら場面転換が多く、何か事件が起こったところでその状況を伏せたまま話を跳ばすものだから、読む側からするとイライラさせられっぱなしだった。処女作「龍の契り」と次作「鷲の奢り」にすごく感心したので、その後も何作か読んできたが、これでやめる。


2016/01/20(水)●寒中離宮公園
7時半起床。
今朝の血圧は176/58/64。
朝風呂浴びて、11時に部屋を出てJRで鷹取に。鷹取図書館ちょこっと冷やかして、今年はじめての須磨離宮公園に。
昨日と同じくらい寒かったのだが、青空が広がってたので、日向ならそれなりに暖かいだろうと思ったのだった。
冬の薔薇というのも、また良いもんじゃないかとも期待したのだが、こちらは、まるで駄目(>_<)
町中の花壇だと、結構この時期でも忘れ咲きみたいな薔薇見かけるのだが、
、この公園は薔薇園が売りなだけに、年中剪定やってるので、開花期以外は見事に丸裸なのだった。
植物園奥の、ミニ洋式庭園も薔薇は皆無に近かった。もちろん客も皆無。
日のあたってる側でミニギター。駄目もとで持って行ったのだ時々雲がかかると寒いけど、日光があたってれば寒さは感じない。久しぶりに大声で歌って気持ちよかった。
3時半には日差しもかげったので、温室に避難。流石に暖かい。ここの椅子でちょこっと読書。上段の白いダチュラが満開になってて、びっくりした。温室だから、えらく早い開花である。
4時半に公園出て、東須磨回りで、鷹取のマルハチで買い物して5時半帰宅。
今日の歩数は
8244歩。

寒々しい離宮公園 

ほとんど薔薇無し 

寒中ミニギター(^_^;) 

ダチュラ満開(@_@) 

黄色い花(^_^;) 

須磨の浦 

山麓の教会 

鷹取雉猫デュオ 

雲の行列 

【さらば、ヘイト本】大泉実成、加藤直樹、木村元彦 ★★★ 2015/05/25 ころから
「嫌韓反中本ブームの裏側」と副題にある。
「嫌韓」本といえば、2005年に出た「マンガ嫌韓流」のことを思い出す。当時「『マンガ嫌韓流』のここがデタラメ」という本まで出されて話題になったが、本書でいう「ヘイト本」は2013年から14年にかけて大量に発行された一連の本のことらしい。その数年前から盛んになった、在特会などのヘイトデモや、ネット内での嫌韓反中発言ヘイトスピーチに便乗して、売らんかな精神で、大量発生したもののようだ。このブームも2015年にはほとんど終息したようだが、本書はそれらの総括という意味で、ヘイト本の編集者などに直接取材して、かなり突っ込んだものになっている。
「宝島」はかなり前から、暴露雑誌みたいになってたので、ヘイト本発行してることは、表紙みるだけでもわかってたが、
驚いたのは、『ガロ』の青林堂が、ヘイト本を発行してたということだった。
青林堂は長井勝一が死後、会社が分裂したような噂は聞いてたが、ヘイト本や、保守右翼の雑誌「(ジャパニズムまで発行しているとは知らなかった。
青林堂関連記事を書いてる大泉実成は「消えた漫画家」シリーズの著者だった。
また、「
関東大震災「朝鮮人虐殺」はなかった!」という工藤美代子と加藤康男の歴史歪曲本を批判、実証した章を担当している加藤直樹は「9月、東京の路上で 1923年関東大震災ジェノサイドの残響」の著者である。
「「ヘイト本」羊頭狗肉度ランキング」という、ヘイト本ガイド?みたいなものもあるが、やっぱりどれも読む気にはなれないな、と思ったが、中に一冊だけ既読の本があった「嘘だらけの日韓近現代史」(倉山満)」 (^_^;)

2016/01/19(火)●月命日?デモ
8時起床。
今朝の血圧は181/89/69。
えらく寒い。
北海道、北陸では1m以上のドカ雪が降ったらしい。
参院中継。さして見るほどの事もなし、これで午後には補正予算案議決。
夕方三宮図書館に行き、5時半に花時計前へ。
昨年9月19日に戦争法案の強行採決のあと、毎月19日に抗議行動をということになって、10月、11月とデモに参加したのだが12月は、昼間に別の所で抗議行動やってたのを知らずに、花時計で肩透かし食わされた(^_^;) 今日はちゃんと集まってた。だが、やっぱり寒いっ(>_<) 各種団体の挨拶(アピール)が続く。集まったのは100人ちょっとだだった。
6時過ぎデモ出発、だるま森&えりこ、それにジュンベ奏者が加わって、これで結構賑やかに行進できた。三宮、元町アーケード通ったので、助かった。そうでなければ寒さに耐え切れなかったかもしれない。元町3丁目で解散。次回は厚着して行かねば。
JRで8時帰宅。
今日の歩数は5225歩。


Twin煙突 

花時計前17:30 

アンチ安倍政治デモ 

三宮センター街 

だるま森&えりこ 

元町3丁目マンホール蓋 

2016/01/18(月)●家庭内ノレバン
8時起床。
今朝の血圧は201/94/63。
夜中にえらく強風で窓がガタガタ言ってた。
長野のバス事故。調査が進むほどにバス会社の杜撰さが際立ってきた。CoCo壱番屋の廃棄食品横流しも調べるほどにひどい実態が明らかになりつつある。参院では自民議員が山本五十六の言葉読み上げたり、大阪維新は憲法改正で安倍に擦り寄ったり、ろくなことはない。
午後はちょこっと王子動物園に寄る。恒例の年賀状コンクールの発表やってたが、今年は申年で、99%は猿ばかり。あまりおもしろいのは無かったが銀賞の小6鳴尾律輝くんの作品がMorris.いちおし。
4時半帰宅。久しぶりにノレバン98号で家庭内ノレバン(^_^;) 今日は「ㅇ(イウン)」つまり母音で始まる歌ばかり40曲ほどピックアップして流す。半分くらいはこのところ歌ってなかった曲。半分くらい忘れてる(>_<)
メールでMorris.部屋のServerFC2から、来年度の更新のお知らせ。ここはFC2ポイントというので支払いするシステムで、去年は、コンビニでこのポイントを買って支払った。今年は楽天カード作ったからこれで簡単に支払いできる、と思ったのだが、これがなかなかすんなりいかない。何だかんだで1時間近くかけてなんとか入金できた模様。うーん、やっぱりMorris.はカードは苦手ぢゃ。
今夜のKBS歌謡舞台1450回は-가요산맥 시리즈歌謡山脈シリーズ영원한歌姫 장세정 永遠の歌姫張世貞(チャンセジョン)-

 1) 연락선은 떠난다連絡船の唄1937/주현미チュヒョンミ
 2) 꼭 열일곱 살이에요まさに17歳よ1937/금잔디クムチャンディ
 3) 아시나요ご存知?1937/정정아チョンジョンア
 4) 불망(不忘)의 글자不忘の文字1937/최유나チェユナ
 5) 백만 원이 생긴다면百万ウォン貰えたら1937/김용만キムヨンマン, 문희옥ムンヒオク
 6) 젊은 날의 꿈若い日の夢1938/신유シニュ, 장보윤チャンボユン
 7) 장전(長箭) 바닷가チャンジョン浜で1938/배금성ペグムソン, 정수빈チョンスビン
 8) 남장미인(男裝美人)1938/김용임キムヨンイム
 9) 항구의 무명초港の(無名草1939/박혜신パクヘシン
10) 잘 있거라 단발령おさらば斷髮嶺1940/오은주オウンジュ
11) 역마차駅馬車1941/문희옥ムンヒオク
12) 울어라 은방울お泣きなさい鈴蘭1948/권성희クォンソンヒ
13) 즐거운 목장楽しい牧場1953/김희진キムヒジン
14) 샌프란시스코サンフランシスコ1953/서지오ソジオ
15) 워디꾸냥ウォディクーニャン(我的姑娘)1955/송란ソンラン
16) 그리운 고향 길懐かしい故郷の道1957/주현미チュヒョンミ
17) 고향초故郷草1952/전 출연자総出演者


チャンセジョン(1921-2003)は平壌生れ。15歳で歌謡コンクールに出場したところOkeyレコードの李哲にスカウトされ、16歳のデビュー曲「連絡船の唄」(パクヨンホ詞、キムヘソン曲)が大ヒット。「木浦の涙」のイナニョンと並ぶ人気女性歌手となった。
李哲の学劇団の一員として日本でも活躍。戦争中は日本帝国を讃える歌を歌ったということで、戦後つらい目にあったようだ。菅原都々子が歌った「連絡船の唄」は日本でも大ヒットした。今日はこれをチュヒョンミが歌った。朝鮮戦争後は自分の持ち歌の作曲家の多くが北朝鮮に北越したため、歌を制限され、後年はアメリカで暮らしていたとか。ほぼ発表順に代表曲を網羅した特集だと思う。
今日の歩数は
2526歩。

今日のまぬう 

木瓜 

赤鼻熊 

鼠糯 

白銀糯 

有明の月 

賀状コンクール 

夕空 

外からぶんちゃん 

2016/01/17(日)●21年目
5時半起床。
今朝の血圧は175/98/77。
別に意識して早起きしたわけではないのだが、テレビつけたら、三宮東公園での集まりの映像が映った。
21年前の今日、午前5時46分に神戸大地震が発生した。
Morris.の住んでたアパートもほぼ全壊状態で、あれからの数年はいろいろ大変なこともあった。去年20周年を迎えて、そろそろ記憶に封印すべきでは、と思ったりもしたのだが、やっぱり、そう簡単に忘れることはできないようだ。
昼からは、海岸沿いの震災記念館前で式典も行われたが、Morris.はこういった式典には一度も参加したことはない。
日曜美術館「
蠣崎波響の「夷酋列像」の特集」は見応えがあった。松前藩城主の五男で家老職をもつとめた蠣崎波響は幼くして画の才能を見込まれ長崎帰りの画家から細密画を学んだと言われる。このアイヌ酋長の絵は、ずっと以前に見て強い印象を受けた。しかし、松前藩のアイヌ人への過酷な侵略統治がこの絵の裏に潜んでいることは知らずにいた。華麗な衣装を着たアイヌ酋長のきらびやかさがなんだか恐ろしいもののように思えてきた。
You Tubeでこんなの見つけた。1999年19歳のチャンユンジョンがカンピョン歌謡祭で大賞を取った時の動画だ。歌う前にちょこっとダンス披露して、「ネアネノン(私の中のあなたは)」というポップスを歌っている。歌はともかく(^_^;)「オモナ」の4年前の彼女の素顔見られるだけで嬉しかった。
先日51歳で亡くなった竹田圭吾の追悼番組(8chMr.サンデー)。Morris.はあまり馴染みなかったが、番組でのフラッシュ見るだけでも、貴重な存在だったんだということがよくわかった。合掌
今日の歩数は0歩。

【疾走】重松清 ★★★☆ 2003/08/01 角川書店 初出「KADOKAWAミステリ」2000~02
少年少女が主人公だったので、気楽に読める作品かと思って読み始めたのだが、結構きつい作品だった。

「人にはそれぞれ、人生の双六盤のようなものがあるのです」
神父は静かに、エリとおまえに語りかける。
「運命は、双六盤です。たくさんのマス目に、いろいろなことが書かれていますそのひとにとって幸せなことも、不幸せなことも。そのマス目の、どこに停まって、どこを飛ばしていくのか……それが人生なんだと私は思います」
「キリスト教では自殺を罪悪だとみなしていますが、私はそうは考えません。たまたまその人は、『自殺』のマス目に停まってしまいました。さいころの目が、ほんの一つ違っただけで……」

殺人を犯して服役中の弟を持つ神父の台詞。人生を双六に喩えるのは割と平凡だが、神父が自殺を否定しないというのがちょっと目を引いた。

ぜつぼうはかこのひさんなたいけんがうむのではなく、みらいになにもたくせないことなのだ。俺はおまえだ。ぜつぼうをせおった。せおったまま、そのぜつぼうを、べつのひとにぶつけた。みらいをたちきった。おれがしんでいれば、あいつらはしななかった。おれはしななかったが、あいつらをころした。だからおれももうすぐころされる。これはむくいだ。おまえは、俺だ。おれはあにきとはちがう。おれにことばはいらない。おれはからっぽになってしんでいきたい。からから、からっぽのおれだ。おれはおもうのだ、ことばがあるから、ひとはなやむ。そうだろう。ひとはことばでものをかんがえる。ことばでかこをきおくにのこし、ことばでみらいをおもいえがく。ぜつぼうはことばがうむ。きぼうもことばがうむ。つみはことばによってかたられ、ばつもことばがつくる。しあわせをせつめいするにはことばがいる。ふしあわせだとわかるのにことばがいる。だから、うそだ。かこもみらいもぜつぼうもきぼうもつみもばつもししあわせもふしあわせも、ほんとうは、さいしょは、もともとは、ことばなどないせかいにあったものなのだ。おれはことばなどおぼえるのではなかった。ことばさえなければ、おれはあんなにもくるしまずにすんだ。ひとをころさずにすんだ。あにをにくまずにすんだ。おれにはことばはいらない。おれは、からっぽのぜつぼうでありたい。からから、からっぽのおれが、ぜつぼうだ。俺たちは、同じだ。ことばとは、なんだ。人がかいわをするためのものだ。だが、おれにはことばをかわすあいてはいない。ことばをかわすあいてがいないおれには、ことばなどいらない。ことばをうしなえば、もうなにもかんがえないですむ。おまえはなぜことばをほしがる。なぜおれにあいにきた。おれとことばがかわせるとでもおもっていたのか。おれはからっぽだ。からっぽのまましんでいってやる。おまえも、やがてそうなる。おれにはわかる。俺はおまえだ。おまえは、俺だ。俺たちは同じだ。
「もう終わりです」
刑務官が怒気をはらんだ声で言った。


その死刑囚の弟が、面接にきた主人公に対して一方的に放ったメッセージ。ほとんどひらがなで表記してる理由がいまいちわからないのだが、読みにくいことは事実で、それが作者のねらいなのかもしれない。「ことばなどおぼえるのではなかった」というフレーズは、田村隆一の「帰途」のなぞりみたいだが、対照的な印象を受ける。意味の整合性にも欠けるところがある。まあ、弟が興奮しての長台詞のなせるわざという解釈もできる。

いまの、けっこうよかったな。自分が口にした言葉を耳の奥で反芻して、くくっ、と笑う。「死ぬぞ」と脅すのは、「殺すぞ」と脅すのより、ずっとリアルだ。腕力の強い弱いなど関係ない。人を殺すより自殺するほうが簡単だ。自殺者と殺人者の数を比べたら、自殺者のほうが遥かに多いのだから。
人質だ、と思う。自分自身を人質にして生きていけば、怖いものなんてなにもないじゃないか。


これも自殺をいささかひねくれて解釈しているとも取れる。ストーリーの紹介全く無しで、こんな引用しても理解不能だろうが、気楽な本と思って、逆ねじ食わされた(^_^;)仕返しなのかもしれない。

2016/01/16(土)●猫米屋(@_@)
7時起床。
今朝の血圧は175/94/74。
一昨日起きた長野のスキーバス転落事故のニュース。詳細がわかるほどに、長距離夜行バスの低価格競争が生み出した事故ということがわかってくる。Morris.は自動車の免許は持っていない。今の時代に車を運転しないことは、かなりのマイナス要素なのかもしれないが、交通事故の加害者になる確率は相当程度低くなることは確かだ。運動神経や反射神経にはかなり低レベルのMorris.だから、何度か事故起こしたに違いない。それを思うと運転しなくてよかったというべきだろう。
昼から大倉山の中央図書館まであるくことにした。今日は国体道路で加納町に出て山本通りを通るコース。
宮本通で猫二匹に出会い、イスラム寺院の先の古い商店街で、人見知りしないトラ猫みつけて、すぐ近くの米屋にもねこがいたので断ってデジカメ撮影。米屋のおかみさんが、中にもいるからというので、覗いたら、台所の床に3匹がいて、我が物顔してた。おかみさんは、みんな野良だよ、と言うのだが、ほぼ飼猫状態である。階段横には大きな紙袋がいくつも積み上げてあって、商品かと思ったら、すべて猫のエサだった(@_@)。
近くの自宅には飼猫が数匹いるし、ほとんど毎日諏訪山まで上ってエサやってるとのこと。かなりの猫おばさんらしい。話し好きで、過去に隣のカナダ人が置き去りにした洋猫の世話することになってしまい、その猫が交通事故にあって、獣医複数まわって50万円くらい取られたというびっくり話も披露してくれた。
相楽園近くの民家の玄関前に、これまで満たことのない綺麗な青い星形の花が咲いてた。あとでネットで調べたらボリジという、一種のハーブだった。
その後中山手、下山手でも猫に出会い、中央図書館の崖っぷちでも雉猫がいた。結構肌寒いひだったのに、Morris.には猫びよりだった(^_^)
図書館では漫画と雑誌閲覧。「世界」でオリンピック特集。利権と政治主導のオリンピックは、安倍首相の「フクシマアンダーコントロール」という大嘘発言に始まり、森委員長の代々木開発再優先方針、「復興五輪」「コンパクト五輪」などのスローガンとは全く逆方向の展開。マスコミ総掛かりの「オールジャパン」の連呼も「全体主義」を目指す安倍ファシズムのプロパガンダと化している。
帰りはJRで8時半帰宅。
U23サッカー日本-タイ戦は4-0で日本圧勝。
今日の歩数は9881歩。


宮本通の白斑 

白黒 

同じく 

姫路信金春日野支店 

薪で沸す風呂屋 

ヒツジヤ 

文化住宅えびす荘 

トタン芸術 

スナック「ポート」 

加納町の不思議なビル 

「JUKE BOX」ベランダ 

一宮神社 

螺旋階段 

絞染山茶花 

同じく 

モスク 

学生にかまわれてた茶トラ 

同じく 

山本通「吉田米穀店」 

台所を占拠 

黒白 

箱入り白黒 

半端でない猫の餌備蓄(^_^;) 

さっきの茶トラぢゃ 

猫好き 

おしゃれな雉

ボリジ(瑠璃苣 るりちさ) 

中山手のトラ 

福建同郷会 

下山手の三毛 

図書館猫雉 

同じく 

八宮神社 



2016/01/15(金)●お試し社会復帰(^_^;)
5時半起床。
今朝の血圧は208/101/87。
自転車で摩耶倉庫へ。久しぶりの仕事。
浅海くんら4人で大阪梅田の高層マンションの米国人宅の引越し荷物配達現場。
午前中はMorris.はトラックからの荷降ろし。
午後は開梱作業。実に2ヶ月ぶりの作業である(^_^;)
心配してためまいの症状は見られずとりあえず安心。でも万全とは言えない気もする。
6時半倉庫に戻り、積み込みなどやって8時半帰宅。
やっぱりちょっと疲れた。
今日の歩数は4034歩。


タワーマンション 

ジグザグ住宅 

淀川夕景 


2016/01/14(木)●緊急速報(訓練)
7時半起床。
今朝の血圧は170/79/75。
10時過ぎiPhoneに緊急速報(訓練)が。「10時03分、兵庫県瀬戸内海沿岸部に訓練大津波警報が発令されました。直ちに高台へ避難し、身の安全を確保してください。これは訓練です。実際の災害時には、身の安全を確保し、適切な情報に基づき避難してください。(神戸市)」とある。要するに低地に住む者は高台にいどうしなくてはならなかったのだろうか? どうもよくわからない。ちょっと前に和歌山で、誤報があったばかりなので、それと関連するのかもしれないが、もう少し明確な説明が必要では?
午後ふらふらと六甲道方面へ。
灘図書館で、雑誌「世界」のバックナンバー拾い読み2015年5月号の翁長沖縄県知事と寺島実郎の対談は読み応えがあった。
帰りも歩いて水道筋で買い物して7時半帰宅。
昨日のトルコに続いて今日はインドネシアで爆弾テロ。報道されるものだけが全てではないはずだ。
今日の歩数は8669歩。


緊急通報(訓練(^_^;) 

百合の木 

水道筋駐車場猫A 

斎藤コーポの飼猫 

照光寺クロ 

寿司屋猫トリオ 

八手 

?? 

Morris.好みの月 

2016/01/13(水)●対北朝鮮サッカー
8時起床。
今朝の血圧は181/102/89。
今日も午前中は国会中継やってるが、無駄なダラダラ回答を聞くほどに、嫌気が差してくる。
午後歩いて三宮図書館へ。帰りは雨が降りだしたのでダイエーで買い物してJRで7時帰宅。
このところスポーツ中継の見過ぎで、いいかげんやめようとおもったばかりなので、カタールでのU23サッカー、日本-北朝鮮戦で、ついつい相手が韓国や北朝鮮となると、見ずにいられなくなる(^_^;) しかし、現地の観客はほとんどなし、日本の応援は50人くらい、北朝鮮は1000人近い応援団が動員されている。開始5分で日本がコーナーキックから先制し、あとは、押され気味ながら得点させず、1-0で勝利。北朝鮮の昔風のサッカーが見ていて結構面白かった。
今日の歩数は5621歩。


冬の薔薇 

旭通の白雉 

ファイト!! 

【東京アンダーワールド】ロバート・ホワイティング 松井みどり訳 ★★★ 2000・09 角川書店
著者の名前は「菊とバット」で記憶していた。日米野球を通じての比較文化評論家と認識してたが、こんな本を書いてるとは知らずにいた。1942ニュージャージー州生れで、62年米軍諜報部員として訪日して上智大学で学び、日米で著作活動を続けている。合わせて30年以上日本で生活しているとのこと。
本書は、そんな日本通のガイジンが、戦後GIとして来日し東京のマフィアボスと呼ばれたニコラザペッティへのインタビューを通して、東京の戦後裏世界を描いたノンフィクションである。
闇市、ヤクザ、政治家、汚職、詐欺、暴力、売春、プロレス、賭博、薬物、プロレス……さまざまなジャンルのエピソード満載で、最近よく読んでる戦後史の補足として面白すぎる本だった。実は、これと先の「日本流行歌変遷史」の後半(戦後篇)と、併読した。

東条英機ほか6名が絞首刑にされた1948年、東條内閣のもとで商工大臣をつとめ、戦時下経済の立役者でもあった岸信介が、どういうわけか釈放されたように、児玉誉士夫もあっさりと釈放されてしまった。児玉が秘蔵の宝物の一部を放出して自由を獲得した、というもっぱらの噂である。さらに、戦時下の日本政府の内部情報を、GHQの要請に応じて暴露したことも、効果てきめんだった。
保守派の「自由党」を発足させるために、資金を用立て、その「自由党」が、1955年に「民主党」と合併し、アメリカを後ろ盾とする「自由民主党」が誕生するときにも、児玉が金を積んでいる。
以後38年間、日本を牛耳ることになるこの財閥主体の政党に、児玉が大きな発言をもったのはこうした経緯があったからだ。
プロレスの母体「日本プロレス協会(JPWA)は社会の上層、下層を包含する、日本の戦後権力構造の縮図といってもいい。ここでは児玉が大統領だった。
岸信介は1957年に、かつての刑務所仲間、児玉誉士夫の応援もあって、まんまと首相の座を射止めていた。

東京裁判で巣鴨に収監されたA級戦犯の幾人かが「どういうわけか」釈放されたという表現(^_^;) これが占領軍との「取引」によるということは間違いないところだろう。
児玉が財産や情報、人脈をGHQに提供したり、自民党の成立に暗躍したことも充分にありえたと思う。児玉がプロレスの黒幕だったことも同様だが、本書の舞台がウラ世界だけに、何があってもおかしくないし、陰謀論に似て、胡散臭い話のオンパレードだが、この釈放劇が、日本の戦後史に占める重要度は計り知れない。

コパカバナは、東京でもっとも排他的で値段の高いクラブである。このクラブが諜報活動の温床となったのは、当然の帰結だった。
コパカバナでホステスをしていた通称「デヴィ」(本名は根本七保子)は「東日貿易」の"秘書"に仕立てられて、スカルのに接近したという。東日貿易は児玉誉士夫が指揮をとる日本の商社で、インドネシアへのさらなる進出をめざしていた。彼女はみごとに使命を果たした。最終的には大統領の第三夫人におさまってスカルノの末っ子を産んだほどだ。偶然かどうかは知らないが、東日貿易はその後、スカルノが67年に失脚するまで、ジャカルタで荒稼ぎしている。

デヴィ夫人誕生のウラにも児玉誉士夫が関与してたのか。スカルのの第三夫人として、数奇な人生を送ったわけだが、日本での芸能活動にも、何かウラがあるような気がする。

ケネディ政権のころ、国務省諜報局の局長をつとめていたロジャー・ヒルズマンによれば、自民党と自民党議員への資金援助は、1960年代の初めには「あまりにも定着し、日常的におこなわれていた」ために、極秘とはいえ、アメリカの対日政策の基本とみなされていたという。
暴力団による自民党支持は、党の発足当時から、公然の秘密である。1950年代の自民党の大立て者、大野伴睦は、神戸の暴力団、山口組の田岡一雄組長が仕切る、港湾労働者協会の顧問をつとめていた。1960年代に警察が田岡の自宅を家宅捜査したとき、机のなかから佐藤栄作首相の名刺が発見されている。自民党代議士のなかには、岸元首相のように、ヤクザの葬式や結婚式などの会合に、平然と参加する者もすくなくない。


ジャパンハンドとか安保マフィアといった類の人脈も70年近く脈々と続いてきたようだ。
筆者は多数の日本の雑誌、新聞、単行本などを渉猟、多くの関連者にインタビューして、巻末の取材ノートだけでも100p近く少活字で組んであり、筆者のマメさが窺われる。

2016/01/12(火)●サランバン新年会
7時起床。
今朝の血圧は192/92/71。
国会中継流しながら、部屋ゴロ。
午後JRで鶴橋に出て、コリアタウン東橋の公園で、ミニギター弾いてたら、韓国アジョシが話しかけてきた。年末からこちらのお寺に来ている曹渓宗の僧侶朴真光(パクシンウォル)さんで、七十歳越えてて、毎年来日するのが恒例になってるらしい。しばらく話したり、一緒に歌ったりしてたら、僧侶と知り合いの在日アジュマがやってきて、またひとしきり歌ったり、踊ったり(^_^;) 4時過ぎにお開きにして、桃谷の洪ママのお見舞いに。年末に脚が腫れたと言ってたが、それはもう快復して、元気そうだった。こっそりミニギター引っ張りだして、「カムスガン」など一緒に歌う。歌麿会長も遅れてやって来る。以前「サランバン」の店で使ってたレーザーカラオケのディスクプレイヤーを会長がオーバーホールして洪ママの部屋に設置してくれてたので、久しぶりにかけて見る。レーザーカラオケは今や骨董的存在になってしまったが、Morris.が「サランバン」に通ってた頃は、ちょうど通信カラオケとの交代期だったが、もちろん店はずっとレーザーカラオケで、Morris.は、このディスク交代係として活躍してた(^_^;)ことを懐かしく思い出した。
音はテレビのスピーカーだから平凡だが画像はやっぱりすばらしい。あとからやってきた栗崎さんと4人で往時を懐かしむ。
6時過ぎにサランバン会会場ジュンへ。中山、高森さんの二人しかきてなくて、ちょっと心配になったが、結局は15人以上集まって、例によって例のごとく盛り上がった。隆盛さんは長鼓持参とリキが入ってた。榎本さんは近所の韓国人に
「韓国好き日本人、韓国語勉強中、話しかけてください」と書いてもらった札を首からかけて勉強ぶりをアピール。3月にはまた釜山に行って歌いまくってくる予定らしい。大和くんが数日前店に来たらしい。ジュンママが「すごく歌がうまかった」と感嘆していた。
Morris.はちょっとパワー不足だったけど、それなりに歌って踊って10時半過ぎに榎本さんと店を出て、三宮で折り返して(^_^;)零時半帰宅。
今日の歩数は
8566歩。

洪ママ 

なつかしのレーザーカラオケ 

ソウルから来た僧侶と 

サランバン点景#1 

#2 

#3「韓国語で話しかけて」の札 

#4高森さん長鼓持参 

#5 

#6 

#7ジュンママとチーママ? 

#8歌って踊って 

#9デュエットし放題 


2016/01/11(月)●ソウル・ミュージック
7時起床。
今朝の血圧は145/74/75。
朝の三点セット。
午後は高校ラグビーとサッカーの決勝戦で、時間重なったので、サッカーは録画してとりあえずどちらも一通り見てしまった。ラグビーは東海大仰星が桐蔭学園を37-31で破り4回めの優勝、サッカーは南福岡が5-0で国学院久我山に大賞して3度めの優勝。ラグビーは、桐蔭のミスでターンオーバ-され続けでちょっと物足りなかった。サッカー水準高かったが、後半は南福岡のワンサイドになってしまった。
しかし、年末からやたら、駅伝、サッカーやラグビーの中継ばかり観てたような気がする。まあ、Morris.の場合、BGM代わりみたいなものだけど、それにしても、いくらなんでもこれはいかん。そろそろおわりにしよう。
夕方宮崎の前田勇造くんから電話。先日のライブの話。仕事に音楽に思い切りやってるようだ。
デビッド・ボウイが昨日亡くなったとのこと。享年六十九。特別な思い入れはないが、大島弓子作品にジギーとしてよく登場してたのでなんとなく憧れめいたものを感じてた。
今夜のKBS歌謡舞台1449回は대중가요 100년 大衆歌謡百年서울을 노래하다 ソウルを歌おう-

 1) 서울야곡ソウル夜曲(현인ヒョンイン)/
김수희キムスヒ
김수희キムスヒ  2) 서울 노래ソウルの歌(채규엽チェギュオプ)/신유シニュ
 3) 범벅 서울ごちゃ混ぜソウル(남인수ナムインス)/김수찬キムスチャン
 4) 앵화폭풍桜花暴風(김정구キムジョング)/박구윤パククユン
 5) 럭키 서울ラッキー・ソウル(현인ヒョンイン)/김연자キムヨンジャ
 6) 서울의 아가씨ソウル娘(이시스터즈李シスターズ)/조정민チョジョンミン
 7) 서울의 모정ソウル慕情(패티김ペティキム)/이애숙イエスク
 8) 한강漢江(심연옥シムヨンオク)/안다미アンダミ
 9) 진고개 신사チン峠紳士(최희준チェヒジュン)/윤항기ユンハンギ
10) 마포종점麻浦終点(은방울자매鈴蘭姉妹)/문연주ムンヨンジュ
11) 비 내리는 명동雨降る明洞(배호ペホ)/조승구チョスング
12) 신사동 그 사람新沙洞の人(주현미チュヒョンミ)/연분홍ヨンプノン
13) 서울 여자ソウル女子(김수희)/김수희キムスヒ
14) 물레방아 도는데水車回るよ(나훈아ナフナ)/강진カンジン
15) 서울이여 안녕ソウルよサヨナラ(이미자イミジャ)/염수연ヨムスヨン
16) 웰컴 투 코리아( Welcome to Korea )(윤항기)/윤항기ユンハンギ
17) 한강漢江(조용필チョヨンピル)/김연자
キムヨンジャ

ご当地ソング首都ソウル編である。タイトルに「大衆歌謡百ね」と入ってるから、もしかしたら来週以降特集シリーズがあるかもしれない。ちょっと期待したい。
それは別としてこういった物尽しっぽい特集はMorris.の好みである。でもソウルの曲となると、もっと他に良い曲、Morris.が固執してる曲あるのに、という思いを抑えきれない。
まずは、キムヘヨンの代表作(きっぱり!)「ソウルテジョンテグ釜山 チッコーッ!!」である。そしてチョヨンピルの「ソウル・ソウル・ソウル」これはソウルが3回も入ってるから当然えらばれてしかるべきでは?(^_^;)
ヘウニの「ソウル讃歌」「第三漢江橋」
ムンヒオクの「江南モッチャンイ」
サイ(Psy)の「江南スタイル」
イヘヨンの「断腸のミアリ峠」
オギテクの「永登浦の夜」
チュヒョンミの「雨降る永東橋」「梨泰院恋歌」
タイトルに地名入ってなくても
ムンヒオクの「サランエコリ」

ソルンドの「羅針盤(ナチムバン)」
などは、歌詞にソウルの地名入ってるもんね。もちろんこれ以外にもいっぱいあるとおもうけど、以上はあくまでMorris.の好みね。
ところ12.の「新沙洞の人」、なんでチュヒョンミじゃないんぢゃ、と思ったのだが、歌ってるヨンプノンは、Morris.掲示板の
、b-minorさんの書き込みで知ったのだが、ブスに整形してよ」という異色曲でデビューした歌手で、ノレチャランがきっかけでデビューしたらしい。その時歌ったのがチャンユンジョン「エガタ」だったとか、そのときの動画も紹介してあった。本当にこの時代、何でも見られるなあ(@_@)
今日の歩数は300歩。

【従軍歌謡慰問団】馬場マコト ★★★ 2012/11/10 白水社
日中戦争、太平洋戦争中、戦場へ文化慰問団として、歌手、演芸人が慰問団として派遣されたことは、ある程度知っていたが、本書は歌謡曲の歌手、作詞作曲家に焦点を絞って書かれたもの。主な人物は、藤山一郎、東海林太郎、古賀政男、西條八十、古関裕而の5人。先日読んだ菊池清麿とダブるところが多い。参考文献にも彼の著作4冊が挙げられていた。

1937年7月7日、盧溝橋の日中衝突から2ヶ月後に内閣情報部が公募した「愛国行進曲」の応募数は5万7578篇になった。多数の応募作の中から鳥取県の印刷業森川幸雄の詞が選ばれた。ただ審査委員により補作されて出来上がった詞は原型をとどめなかった。補作の方向をめぐって北原白秋と佐々木信綱が激しく対立した。ふたりは生涯和解することはなかった
作曲には一万点を超える応募があった。内閣情報部は、元海軍軍楽隊長で「軍艦行進曲」の作曲者として有名な、瀬戸口籐吉にも応募を依頼した。そして瀬戸口の曲が選ばれた。
「愛国行進曲」(見よ、東海の空明けて 旭日高く輝けば……)の著作権を内閣情報部は自由にしたので、各社は競ってレコード化を進めた。ポリドールは東海林太郎など13人、コロムビアは松平晃、霧島昇、伊藤久男など12人、テイチクは藤山一郎の他3人レコードを出した。結局6社、総計44曲ものレコードが発売された。
さらに10月「国民歌謡」では戦闘意欲高揚を目指して、内閣情報部の国民精神総動員強化週間にあわせて、「萬葉集」の大伴家持の長歌から詞をとった「海ゆかば」を企画した。東京音楽学校の教授を長く務めた帝国芸術院会員の信時潔に、日本放送協会が作曲を依頼した。
信時は雄渾で緻密な旋律に荘重な和音を重ね、放送協会の依頼に応えた。


戦時下の大政翼賛的軍歌の押し付けだが、作曲家の選定のやりかたなんか、昨年のオリンピックエンブレムや競技場のデザイン選定と、通ずるものがあるな。日本の政府は変わってないな。

1943年11月に藤山一郎は二回目のインドネシア慰問に出発。スラウェシ島、ボルネオ島、小スンダ列島のバリ島・ロンボク島・スンバワ島・フローレンス島・スンバ島・ティモール島を巡った。1945年ジャワ島スラバヤをマディウンへ向かい移動する車中で日本の敗戦を知る。
独立を宣言したインドネシア共和国の捕虜となり、刑務所、収容所を転々として1946年7月15日旧航空母艦葛城に乗って7月25日広島の大竹港に帰り着いた。2年7ヶ月ぶりに見る日本だった。(Wikipedia参考)


慰問団というと、半分お遊びみたいなものと思ってたが、藤山一郎の場合、敗戦直前という時期のせいもあるが、かなり危険で、厳しいものだったようだ。2年7ヶ月というのは、相当長い。

新たなデジタル媒体「ユーチューブ」の存在なしに本書は書けなかったと痛感する。(あとがき)

本当にYou Tubeの存在は、絶大である。


2016/01/10(日)●西宮十日戎
7時起床。
今朝の血圧は188/87/68。
KBSノレチャラン大邱篇、トリはキムヨンジャで「タイトル」を歌った。二つ前の「十分内に」が好きだったが、この曲も悪く無い。今日は十日戎なので、あまり混まないうちに出かけようと思ってたのに、大学ラグビー決勝戦中継始まったのでこれ見てからにしようと思う。東海-帝京線で、前半5-5で折り返したが、後半は帝京が地力の差で連覇。両チームともノックオン、ミスキックなど多くてこれでは社会人とは勝負にならないような気がした。そのあと高校女子バレー決勝戦中継が始まり、ついついこれ見てしまい、部屋を出たのが5時半過ぎ。
春待ちの初詣八幡神社ライブがなくなって、大晦日には近所の筒井八幡でおわり詣でしたから、今年は初詣なしでもいいかとも思ったのだが、習慣は続けるのがいいだろう。JRさくら夙川に出て、裏手から回ることにしたのだが、本戎で日曜日で夕方6時過ぎと、一番の混雑時にあたったので、結局大回りさせられ、入場制限かけられて1時間半くらい待って境内に入ることになった。
西宮夷と今宮戎のどちらかに詣でることにしてる。トータルではやっぱり西宮が多いと思う。だから、特に目新しいこともないのだが、これだけ混んでるときに来たのは久しぶりだった。恒例のおみくじは「第14番 半吉」というあまり冴えない結果だったが、ここでは複数回「凶」引いたこともあるから、特に悪い卦というわけでもない。小さな素焼きの鯛のみくじもあったので、これは洪ママ用に1個買って帰ることにした。
南口手前の荒夷神社にもお参りして、帰りもさくら夙川からJRで9時半帰宅。
今日の歩数は4525歩。


超ラッシュ赤門前 

真っ赤な縁起物 

お祓い 

本殿 

250kgの奉納鮪 

第十四番半吉 

福娘 

可愛い鯛みくじ(洪ママ用) 

荒夷子神社 

2016/01/09(土)●チキンジョージ新春ライブ
7時起床
今朝の血圧は170/88/66。
ピーター・バラカンのウィークエンド・サンシャイン今年最初の放送は、2015年度アルバムベスト10、リスナー篇。1位がキース・リチャーズの「
Crosseyed Heart」というのでびっくりした。キースがソロアルバム出してることさえ知らなかったし、それがナンバーワンというのもね。まあ、この番組の特殊状況でリスナー8人の推薦だけどね(^_^;) かかったのは「Blues In The Morning」という、ストレートなブルースナンバーだった。ベスト10と言っても同数リクエストもあって結局16曲紹介で、ボズ・スキャッグス、ボブ・ディラン、ニール・ヤングなどMorris.でもお馴染みの古てのアーチストが選ばれてるのが不思議だった。
大晦日に覗いた「命どぅ宝」展冷やかしに行く。作者のしみず公正くんはMorris.より4つ年下で、福井の生れ、今日が誕生日とのこ。しばらく、沖縄基地問題や、安倍政治批判でしばらく時間つぶす。
今夜はチキンジョージで、「Sunset Cruise」、「T&T」、「フクィーンズ」のライブがあるといので、足を運ぶ。超満員盛況で150人以上は入ってたと思う。
宮崎からの前田勇造はもちろん、12月の春待ちパニックで会えなかった懐かしい顔にまみえて新年会気分。
T&Tはレギュラーの矢谷&伊藤に加えて武田くんのギター、リューちゃんのカホン、ハープというバンド仕立て、勇造の長男がゲストドラムで1曲参加。Sunset Cruiseは勇造地元バンドで県外公園は初めてとのこと。ふくぃーんずはフレディになりきりの福井くんメインのショーバンド、コーラスに春野由利、キーボードに井山あきのりを従えての贅沢なバックに、衣装も凝ってて、途中井山くんとの爆笑掛け合いもあって、久しぶりに腹から笑わせてもらった。
アンコールもあって、とにかく盛り上がって終了。
11時帰宅。

今日の歩数6415歩。


命どぅ宝展 

チキンジョージ「神戸泣いてどうなるの」 

T&T 

ゲストドラムは勇造長男 

Sunset Cruise 

ドラム前田勇造神戸凱旋 

ふくぃーん 

福井&春野由利

ゲストギターは勇造次男 

井山&福井 

フィナーレ 

懐かしい顔も 

2016/01/08(金)●円山公園方面
8時起床。
今朝の血圧は162/70/65。
今日は衆院予算委員会中継あったので、見るともなく流しておくことにしたのだが、最初に質問に立った自民党新藤義孝議員が冒頭「本年は皇紀二千六百七十六年」と言ったのには驚かされた(@_@) 領土問題に熱心で、鬱陵島に行こうとして金浦空港で入国拒否処分になった代議士だった。尖閣諸島付近を漁船で回ったりもしてたようだ。
今年最初の「ア・ピース・オブ警句」で小田嶋は「オリンピックの予算を蒸し返す」と題して東京五輪の運営費が当初の6倍1兆8000億円になるということについて言及していた。彼らしく、その事自体より、それがあまり取り上げられない空気を皮肉に論じていた。
昼から、王子公園から北上して、山の手散歩。摩耶ケーブル駅から、灘丸山公園方面に。ここら辺りまで来ると、六甲登山の登り口と言った感じである。
以前摩耶観光ホテルを探訪した時の山道を途中まで登ったが杣谷砂防ダム付近で挫折。
水道筋経由で5時帰宅。
NEWS23で、寺島実郎が、イスラム国の真の怖さと比較して北朝鮮はならず者の恐怖に過ぎず、いわば「冷戦孤児」であるという発言は含蓄があった。
今日の歩数は11641歩。


ヒース(蛇の目エリカ) 

台湾楓(タイワンフウ) 

浄土真宗光徳寺 

摩耶ケーブル 

なかなかのネーミング 

貧乏川起点 

グリーンハウス#1 

#2 

#3 

美野丘小学校円形校舎 

ちょこっと山道 

杣谷砂防ダム工事中 

川内原発(ウソ(^_^;)) 

灘丸山公園からの眺望 

結構広い公園 

【日本流行歌変遷史】菊池清麿 ★★★☆☆
2008/04/20 論創社
「歌謡曲の誕生からj・ポップの時代へ」
先日読んだ古賀政男評伝の著者の歌謡曲の歴史。
本書は時系列4部で構成されている。巻末に「NHK紅白歌合戦/出場歌手・曲名全記録」「人名索引」「国名索引」が付され、日本歌謡史のハンドブックとしても活用できそうなものである。
ややマイナーな出版社からの発行ということもあってか、あまり普及していないのがもったいない気がする。
目次と小見出しに、関連ヒット曲(ランダムに3曲)付して引いておく。

歌謡曲が美しかった時代(-1945)
1.歌謡曲の誕生(船頭小唄/波浮の港/東京行進曲)
2.SPレコード歌謡の隆盛-各社のヒット競争(酒は涙か溜息か/東京音頭/国境の町)
3.昭和SPレコード歌謡の花盛り(露営の歌/別れのブルース/支那の夜)
4.戦争と歌謡曲(暁に祈る/隣組/同期の桜)
「リンゴの唄」からロカビリー旋風へ(1945-66)
1.廃墟からの歌声(リンゴの唄/東京の花売り娘/啼くな小鳩よ)
2.戦後歌謡界の始動(星の流れに/湯の町エレジー/青い山脈)
3.日本の復興と歌謡曲(上海帰りのリル/東京の屋根の下/お富さん)
4.歌謡界の変貌(人生劇場/踊り子/ここに幸あり)
5.新しい歌謡曲の時代(別れの一本杉/有楽町で逢いましょう/チャンチキおけさ)
6.新しい波とロカビリー(南国土佐を後にして/恋のバカンス/黒い花びら)
7.1960年代の歌謡界(スーダラ節/アンコ椿は恋の花/港町ブルース)
ビートルズ来日--ポップスの時代(1966-88)
1.日本のポップス(真っ赤な太陽/恋の季節/ブルー・ライト。ヨコハマ)
2.1970年代・フォークと歌謡曲の多極化(時には母のない子のように)
3.フォークブームの到来(山谷ブルース/結婚しようよ/傘がない)
4.アイドル全盛時代(17歳/横須賀ストーリー/勝手にしやがれ)
5.演歌の隆盛(圭子の夢は夜ひらく/女のみち/北国の春)
6.若者の音楽-ニューミュージック(なごり雪/恋人よ/木綿のハンカチーフ)
7.1980年代-ニューミュージックと歌謡曲(赤いスイートピー/北酒場/雨の慕情)
J・ポップの成立(1988-)
1.日本の新しい洋楽(川の流れのように/愛は勝つ/北の大地)
2.歌謡曲の終焉()
3.世紀末-J・ポップの時代(夜桜お七/花/First Love)

iPhoneのYou Tubeでそれぞれのヒット曲をBGMとして流しながら、読み続けた。本書に取り上げられてる曲のざっと9割以上は聴くことができそうだ。前世紀には想像すらできないことである。あらためて日本の歌謡曲の多様さとバイタリティに気付かされた。

・タンゴは、戦前から歌謡曲と深い関係がある。タンゴにはアルゼンチン・タンゴとコンチネンタル・タンゴの二つの音楽形態がある。アルゼンチン・タンゴは、ブエノスアイレスウルグアイの首都モンテビデオに挟まれたラ・プラタ河対岸のミロンガの影響を強く受けた。アルゼンチン・タンゴは、ヨーロッパに伝わってコンチネンタル・タンゴになるが、日本の歌謡曲では、その創成期にハバネラ・タンゴのリズムが使われた。

タンゴといえば、ラ・クンパルシータを思い出す(^_^;) 少学校の頃家にタンゴのLPが一枚あって、時々聴いてこの曲が気に入ってた。はっきりしないがアルフレッド・ハウゼ楽団だったと思う。日本歌謡曲のタンゴは、タンゴ風味のものが多いような気がする。韓国歌謡でもタンゴ風味はよく取り入れられている。

・昭和30年代には声楽家、クラシックの素養を持つ歌手は見られなくなった。体系化されたメソッドによる専門的な訓練を受けた歌唱よりも、素材のままの地声の個性と多様な歌唱変化が要求され始めたのである。なぜなら、昭和30年頃から40年頃にかけて、流行歌・歌謡曲が商業主義の制約をうけて俗謡の伝統を受け継ぎ演歌の心につながる日本的心情が重視されたからである。穢土俗謡以来の三味線音曲の陰音階と短調五音音階との混用に終始すれば、西洋的な発声・唱法よりも邦楽的技巧表現の方が優先されることは当然であろう。

昭和30年代が素人の時代の始まりということか。

・ロカビリー、外国のポップスのカヴァー曲、和製ポップスなどの輸入は、作詞する場合、SPレコード歌謡の七音・五音によって定着した歌謡形式を崩すことになった。「詩」が「詞」に変わり、自由なフレーズが新しいメソッドに拘束されない歌唱表現を必要としたのである。詩的抒情・叙情と美しい旋律よりも、情念をより濃くした歌詞中心主義への移行である。

これはちょっとわかりにくい。七五調から自由律の歌詞への移行は戦前からあったし、外国曲の移入が情念を濃くした歌詞中心主義というのは??である。

・双子の姉妹が、名古屋の「ヘルナンド」で歌っていたのをスカウトしたのが渡辺プロだった。二人の歌声は清涼飲料水のように新鮮で、新しい歌謡曲の始まりだった。ザ・ピーナッツの魅力は華のある明るさを交えながら、二人の絶妙なコンビネーションとジャズのフィーリングである。これをきれいにハモらせていたら、単なる珍しい双子で終わっていたであろう。「ずり上げ」を入れながら、パンチのある演歌調の歌い回しと音色の微妙な違いをうまく使って歌った。


ピーナッツのハーモニーは完璧なものと思ってたが、言われてみれば確かに彼女らの歌い方には演歌の匂いがある。でも、後にも先にもない唯一の二人(^_^;)だった。

・青春歌謡の真っ只中、池田勇人内閣では「期待される人間像」が中央教育審議会から報告された。この報告書には戦前の忠君愛国が盛り込まれ、高度経済成長を走る独占資本国家に都合のよい人間像が期待されていた。


途中に突然こんなふうな社会時評が挟まれてるあたりが、この著者の持ち味でもある。

・昭和35年の春、日比谷公会堂の聴衆は興奮の坩堝にたたきこまれた。「昭和歌謡史-音楽文化の集い」という歌謡祭が催されたのである。この成功がリバイバルブームに火をつけた。
このリバイバルブームは、軍歌を復活させた。そして数年後には、リバイバルブーム第三の波と言える「なつかしの歌声・名曲」のブームを呼ぶことになった。


アメリカでのブルースリバイバルブームも60年代だったな。日比谷公会堂というのは、Morris.にも思い入れがある。2005年8月15日の「光復50年記念東京ノレチャラン」の会場がだった。その日比谷公会堂も今年大規模改修工事が始まるとのこと。

・流行歌・歌謡曲といわれた唄が、演歌という形容で呼ばれるようになったのは1960年代後半からである。またそれは、日本の歌謡曲がビートルズサウンドの影響から演歌とポップスに分けられ始めたスタート点でもある。

「演歌」は明治時代に誕生したが、内容はすっかり変わってしまった。表記も演歌以外に、艶歌、怨歌、エンカ、ENKA……最近では、援歌、縁歌なんてのも見かける。
著者は日本の流行歌の歴史において、昭和初期の電気録音を出発点とし、ビートルズ来日が、ポップと演歌の分岐点となった、米英の違いはあるが、これを「二つの黒船」と形容してる。

・ビートルズに触発されたとはいえ、日本人であるかぎり、発声の訓練を受けなければ、結局、表現において邦楽的な歌い方のままであった。8ビートのフィーリングがない日本の歌手たちは演歌調の横流し的な歌い方のままである。響きを高く上からかぶせることができず、どうしても下から音を充てるので、邦楽的な歌唱となる。結果的に演歌のずり上げとなり、リズムが8ビートでも演歌調に聞こえてしまうのである。

Morris.には兎の逆立ち(ミミガイタイ)のご意見である(>_<)

・テレビ時代はスター発掘番組「スター誕生」(日本テレビ)を生み出した。その第一号が森昌子、第二号が桜田淳子。山口百恵は五代目チャンピオンだった。放送局はプロダクションと同様に傍系会社として「音楽出版」・「音楽出版社」を持つようになり、自局で放送した管理楽曲の使用料を独占し、莫大な利益を挙げた。テレビの電波はスター作りに必要不可欠な存在になったのである。

TV歌謡、TV歌手の時代の始まりである。あの頃のTV歌謡番組は楽しかったあ。

・山口百恵の登場は、吉永小百合から天地真理までの清純派アイドルの系譜を終焉させた。山口百恵は、これまでになかった成熟していない「青い性」をアピールした。暗い印象の女に潜む大胆な性的挑発を表現した。山口百恵は、タブーを破った。わだかまる性の欲求を満たしたのだ。性のタブーは深層心理のなかに押し込められ、抑圧されがちである。山口百恵はそれを払拭させたのである。

「山口百恵は菩薩である」(平岡正明 1979)はすごかったな。昨年完全版?が発行されたらしい。再読してみようかな。でも、Morris.は百恵ではなく、アイドルといえば柏原芳恵命だった(^_^;)

・ピンクレディは瞬間風速的に突如登場した。ミリオンセラーをまたたくまに積み重ね、幼児まで巻き込んだ広い層にインパクトを与えた。だが、それは日本歌謡界の悪夢ともいえた。華麗にして悲惨の影がつきまとっていたのだ。絢爛にして暗澹たる現像が見え隠れした。

ピンクレディは日本歌謡界の悪夢\(^o^)/ さっきの、百恵=菩薩にカウンターパンチだね。

・1970年代の歌謡曲に、阿久悠の存在は重要な位置を占めている。「白い蝶のサンバ」(昭和45)が最初のヒットで翌年「また逢う日まで」でレコード大賞。それ以後ヒットの大量生産に入り、演歌系「さらば友よ」「おもいで岬」「北の宿から」「津軽海峡冬景色」「舟唄」、ポップス系「笑って許して」「白いサンゴ礁」「時のすぎゆくままに」、フォーク系「ジョニーへの伝言」「五番街のマリー」、アイドル系「中学三年生」「わたしの青い鳥」「ロマンス」、ピンクレディーの一連のヒット曲など、あらゆるジャンルに作品が及んでいる。

阿久悠に比肩する流行歌作詞家としては西條八十くらいしか思いつかない。

・70年代の演歌は、ハスキーヴォイス・森進一の女の嗚咽・溜息、美声低音の美川憲一・怨念演歌、低音に魅力を出す五木ひろし・旅情ムード演歌、ド演歌・殿様キングスと非常に濃かった。

ここらあたりのレッテル貼りもうまいもんである。

・演歌とアイドル歌謡は融合することはなかった。だが、演歌はフォークと接近した。それが「襟裳岬」である。その後、演歌とフォークの融合作品「弟よ」「北の宿から」「酒と泪と男と女」などが作られていった。

今なら演歌系のアイドルグループも、いるかもしれない。日本のフォークソングはもともと音楽的には複数ジャンルの寄せ集めみたいなものだったからな。

・山口百恵の引退は、松田聖子にとっては幸運だった。清純派アイドルのポストがちょうど空いてたのである。
・中森明菜は「ツッパリ」系アイドルである。
・サザンオールスターズの桑田佳祐も、一見日本語の錯乱に見えるが、猥雑と批判をされながらも、ディック・ミネを元祖にした桑田流歌唱法で日本語の質感を越えようとした。

ここらは雑ネタね。

・日本語は音声化する場合、言葉を構成するひとつひとつの文字に対して、音の高低をつけることによって、意味を表わすという特質を持っている。一方英語ににおいては、それにアクセントを置くことで表現する。一つの単語は、シラブル(音節)でこうせいされ、一般にアクセントといわれているが、第一ストレス(強勢)は個々の単語により決められている。また、古来より、英詩は韻を踏むように作られ、さらに強勢においても、同様のリフレインとなるように構成されている。
ビートルズは、歌詞においては英文詩の伝統を踏まえながら、表現においてタイトな8ビートを使い、それまでにない曲風を全世界にアピールしたのだった。


これは、以前言語学関連本で知った、日本語と英語の「アクセント」の違いで、日本語は高低、英語は強弱。もともとアクセントは引用にもあるように「強勢」だから、「日本語アクセント」というのは、ちょっと不自然である。日本語の場合はピッチだろう。
ビートルズの歌詞はたしかに、綺麗に韻を踏んでるのが多い。

・レコードからCDへ音楽の形が大きく変化すると「芸能プロダクション」が音楽産業の中から突出し、レコード会社や音楽出版の枠組みを越えて新しい楽曲制作の時代に突入した。つまり、テレビの音楽番組を媒介しなくても、ショーアップした大規模化したライブからヒット曲が作られるようになり、歌番組の存在意義がなくなったのである。

アナログレコードの製作は素人にはまず不可能だったのが、CDなら、お手軽に作ることが可能である。それが、インディーズの自主制作盤ヒットを可能にした。
歌番組が少なくなったことは寂しい限りであるが、それなりの理由があったわけだ。

・大衆追随傾向と流行は歌謡曲の生命の根源である。そのためには、洋楽の手法によって創作された歌謡曲は、格調あるメロディ、豊かなハーモニーを捨てさり、低俗化の途をとり、江戸俗謡以来の陰音階に固執し、退嬰的哀調趣味が主流となった。
演歌・歌謡曲の伝統的性格(俗曲・祭文・浪曲)と内容(義理・人情・恋愛)の保守性が生み出す通俗性・低俗性・民衆的性格が歌謡曲の主流になったといえる。これによって、昭和の初期に誕生した豊穣なカテゴリをもっていた歌謡曲が矮小化し、過度の俗楽礼賛を生むことになったのである。


古賀政男評伝では頻出した「退嬰的哀調趣味」。本書ではそれほど出てこなかった。著者はやっぱり初期歌謡曲の世界が好きで、夢よもう一度の思いが強いようだ。

・歌謡曲はなんでもありの懐の広さがあってこそ成り立つのである。だからこそ、抒情的詩、メロディー・リズム・ハーモニーで構成される歌曲を歌った声の黄金時代を、遠い過去の時代にしてはならないのである。その豊穣な音楽力の復権をはたすべきである。

「歌謡曲はなんでもあり」には、諸手を上げて賛成\(^o^)/
懐古趣味も正統派も変格も下手物、イロ物も、なんでもあり、ってことで、よろしく。

2016/01/07(木)●茜空
7時半起床。
今朝の血圧は
参院国会中継最初に質問に立った前川清成議員は整然と安倍政権の無法、掟破りの数々を並べて回答を求めた。なかなかポイント押さえた良い質門だと思ったのだが、阿倍総理の回答はほぼ昨日と同じく誠意の欠片もなく「天にブーメランを投げる」などというたわごとを繰り返すことも。麻生に至っては官僚作成の作文を顔上げることもなく読み上げるだけ。こんなでは、国会中継を見るのも嫌になる。これが奴らの思う壺かもしれない。
2015読書控え、印刷しとこうと思ったが、プレビューみたら230p超えそうだった(
2014年分は150p)ので、かなり多い。半分以上、削除したプリント用ページ作成して、結局91pにした。基本的には★★★☆以上のものを中心に選んだことになる。これくらいでちょうどいいかと思う。
高校ラグビーは今日準決勝で、東福岡と東海大仰星(大阪)は凄い接戦で、東海大仰星が昨年優勝の東福岡の猛追をかわして2点差で決勝進出。桐蔭(神奈川)対石見智翠館(島根)は、桐蔭が地力の差で決勝進出。決勝線は11日。
夕方大安亭方面へ。夕空が茜色に染まっていた。いわゆる夕焼けとはちょっと違うがそれなりに美しいと思いデジカメ撮影したが、これがなかなか難しい。
昨日の北朝鮮水爆実験あったばかりだが、今日は、中東で国交断絶中のサウジアラビアがイエメンのイラン大使館を空爆、アフリカリビアでは警察訓練施設が爆破されて65人死亡とか、パリの警察署でテロ未遂がとか、世界のあちこちできな臭い事件続出である。といっても、これらは日本のマスコミが報道するものに限られているのだから、他にどこかで色んな事件が起こっているに違いない。
今日の歩数は7152歩。


屋上夕景 

命どぅ宝? 

イルミネーションちっく 

神鋼病院前 

阪急高架 

春日野道から 

冬の薔薇 

大安亭野菜問屋のクロ

ふさ猫 

【一分ノ一】井上ひさし  ★★★  講談社 初出「小説現代」1986~92 足かけ7年41回連載の後中断。
2010年4月井上ひさしが亡くなって半年後に刊行。ということは遺作なのか?とも思ったが、20年近く前の連載中断作だった。第二次大戦後、日本がソ連、アメリカ、イギリス、中国、に分割統治されて、ソ連領民の地理学者が、いつの間にか日本統一運動のリーダーになって各国の憲兵や秘密警察から追い回される下りを執念く一挙一動まで描写していく。これがタイトルの由来で、その他に地理学者が赤の広場の縮尺1分の一の地図を作成したというのと、四分の一分割の日本が一つになるということも加味されてる。
大作「吉里吉里人」が81年刊行だから、本作はその影響下にあるというか、変奏めいた作品なのかもしれない。主人公が作中で書いた小説も「一分ノ一」である。
未完というものの、上下二巻で888pくらいある。
Morris.は井上ひさし、最初の頃は結構熱心な読者だったが、「四千万歩の男」あたりからちょっと敬遠気味になってしまった。

ちなみに北ニッポンの貨幣単位はルーブルである。ルーブル札の顔は宮澤賢治、5ルーブル札は石川啄木、10ルーブルは吉野作造、20ルーブル札は真山青果、50ルーブル札は安藤昌益、100ルーブル札は藤原清衡、500ルーブル札は金売吉次、1000ルーブル札は独眼竜政宗、2000ルーブル札は恐山の巫女、1万ルーブル札は秋田の竿灯と、12種の紙幣があるが、すべての紙幣に共通しているのは透かしの顔、どんなお札にもレーニン像の透かしが入っている。

物語設定ではソ連が統治する「北ニッポン」は北海道と東北(福島を除く)地方である。そこの通過はもちろんソ連のルーブルなわけだが、その紙幣の肖像がこの地方の著名人なのはわかるが、高額紙幣になると恐山の巫女、秋田の竿灯などになってるのは井上好みの言葉遊びだろう。

「わたし、この長征菜館の調理就任の塊三角です」
と自己紹介をはじめた。
「塊三角は綽名です。けれども構いません、綽名で呼んでください。塊(クァイ)というのはネ、材料の切り方のことです。中国料理の材料の切り方、大きく分けると6つの種類になるのよ。第一が片(ピエヌ)、これ、薄切りのことネ。第二が絲(スー)、これ、細切りネ。第三が丁(ディン)、これ、賽の目切りよ。第四が条(ティアオ)、これ拍子木切りネ。第五は飾り切り」、人参を梅の花のように切ったり、竹の子を円型ノコギリのように周囲にギザギザをつけたりする切り方よ。そして第六が塊、これ、ぶつ切りのことネ。真四角にぶつ切りにするのが方形塊(ファンシンクァイ)、菱型ぶつ切りが菱形塊(リンシンクァイ)、三角にぶつ切りにするのが三角塊。……わたし三角に切るのが上手、それで綽名もそうなったのネ」

これは中華料理の切り方の薀蓄なわけだが、ちょっと横着してウィキペディア見たら
代表的な切り方は9種類あり、塊(コアイ)、片(ピェン)、條(ティアオ)、絲(スー)、鬆(ソン)、丁(ディエン)、馬耳(マーアル)、兎耳(トウアル)、花(ホァ)である。
と、あったし、他のページでは粒(リォウ)、末(モォ)、泥(ニィ)、龍(ロン)、茸(ロン)などというのもあった。本作執筆時はネット以前の世界で、調べ物はおおむね活字に限られていたはずだ。だから、井上も中華料理解説書などを参考にしてたはずだ。

皇国史観はニッポン国以外の国々の歴史的経験を無視した考えであり視野が狭い。そして古代日本の神話的摂理なるものを全世界に無理強いしようとして、当然のことながら自滅した。がしかし同様にマルクス主義史観による天皇制批判もまた視野が狭いと思うのだ。マルクスは世界の王制についてほとんど無知にひとしかった。彼はただ当時の先進国であったイギリスの近代化過程をモデルにその歴史観をつくりあげたのみであった。彼の史観では、イギリスの王制の批判はできても、天皇制についてはさほど有効な議論を展開できそうにない。--そういう次第で私は、日ごと御所の前で繰り返される天皇を想う人びとと天皇批判を叫ぶ人びととの血で血を洗う乱闘を呆然と眺めるほかに方法がないのである。

「歴史」という言葉は同じでも、地域、立場、視点、目的、対象、方法……によってまるで違ったものになる。天皇制とヨーロッパの王制を同じ次元で扱うと混乱が生じると思う。

(人並みの働き口、家族が生きて行くことのできる給料、ささやかな貯金、週2回の休日、月に一度か二度、ちょっと着飾って街を歩き、レストランで食事ができる程度の贅沢……。人びとは、それだけで満足し、ほかに何も望んでいないのではないか。政府がなにをしようが、また自分の国籍がどこの国に属することになろうが、現在、手に入れているものが将来も確保されるなら、それで充分であると、人びとはそう考えているのではないか。敗戦以後41年間も続いている連合国によるこの管理占領体制を運命と諦め、ポケット一杯分の幸福に恵まれればそれでいいのだと人びとは達観しているのではないか)
サブーシャは兜の中で深く吐息をついた。


人間の欲はとどまることを知らずである。それができないのは、抑圧されているために過ぎない。

「行動をおこそうというニッポン人はごく少数です。ほとんどが、『祖国が分断されるのは悲しいが、仕方がない』、『なんとか行きて行けるのだから、このままじゃいいんじゃないか』、『ほかの人が立ったらそのときは自分も立つ。しかし最初にはたちたくない』と、はじめから引け腰なんですね。そこでニッピン人の心にガソリンをぶっかけてやらなければならないと考えています。問題はそのガソリンが何かということです。なにか成案をおもちですか」
「上一人(かみいちじん)」
「……まさか」
「そう。聖上をこちらの玉にするしかない。幕末の薩長の故智に学ぶのが最善の策だろうと信じています」


井上ひさしの中での「天皇」がどのような位置を占めているのか、よくわからないが、ニッポン統一のガソリンに天皇を使うというシチュエーションは、たんなる比喩ではないような気もする。

「……しかし、きみは時を得ている。玉としては小粒もいいところだが、ニッポン解体の寸前に現れた。それがすべてさ。時がきみに英雄の冠をかぶせたのさね。単純な民族主義者ども、無能なくせに夢を見ることにだけは長けた善人ども、脳天気な理想家ども、自分の能力のなさを棚に上げて今の生活に不幸を鳴らす貧乏人ども、そういうホイポロイにとって、たしかに君は英雄なんだな。腹立たしい限りだが、時がきみにホイポロイの英雄の役を振ってしまった。もっとも時こそこの世の王。だから腹を立ててもはじまらんのだがね」
「ホイポロイってなんだ」
「学者のくせにギリシャ語も知らんのか。衆愚という意味だよ。きみは有象無象どもの輝ける星なのさ」


Morris.が雑誌掲載時の読んだとしたら「ほお、ギリシャ語で衆愚のことを「ホイポロイ」というのか」、で終わったと思う。でも今なら、ネット検索で「ホイポロイ」を見たらすぐ確認できる。と、思ったら、「ホイポロイタロット」とか「ホイポロイギャラリー」「ホイポロイバッグ」など固有名詞やメーカーの名前に使われるものばかりだった。それでも英語圏でhoi-polloi(大衆、民衆)ギリシャ語起源の単語として使われているようだ。
「無能なくせに夢見るのは得意」「脳天気な理想家」がホイポロイというのなら、確かにMorris.もホイポロイの一員なのだろう。

「どんな国なら、あんたの気に入るんだ?」
「国家というやつは、かならず特定の個人、あるいは特定の集団によって経営されるものなんだ。これを別に言えば、国家とは特定の個人、あるいは特定の集団の私的利益を追求する場なのだ。いかなる国家論もこの原則を超えられない。わたしはそう信じている」
「過激だな」
「しかしそれが真実なのだ。社会主義国は、社会主義政党と党幹部の利益や保身のために存在する。経済自由主義国は企業とその社員の利益や保身のためにある。だからそれ以外の人間にとって、国家などなんんの意味もないのだ。かえって頸木になるばかりさ」


東勝(とんかつ)という奇術師の台詞だが、これは井上ひさしのストレートな本音だと思われる。
しかし、四半世紀前の未完の作品があらためて刊行されるというのは、故人的にはどうなんだろう? 死人に口なしか(^_^;)

2016/01/06(水)●北韓水素弾実験成功??
8時起床。
今朝の血圧は167/96/66。
北朝鮮が今朝水爆の地下核実験を行ったというニュース。午後0時半に朝鮮中央放送の特別報道。お馴染みのアナウンサー(李春姫 リチュニ)が、例の口調で水爆実験を報告。
あわててネットでKBS見たが、ほとんど聞き取れない(>_<) 結構「寝耳に水」だったようだ。本当に水爆だったかどうかには疑念を拭えない。日本のニュースでは、拉致問題との関連で扱うむきが多かったが、
そのまま1時からNHKの国会中継でもこのことに触れられてたが、安倍政権はこれも国際危機を煽る材料にする心づもりが見え見えだった。野党の質問も迫力に欠けるし、安倍答弁は誰かの作文を読み上げてるだけみたいなもの。内容は、ほとんどが「逃げ」と「無回答」である。
小倉の福田博くんから、恒例の昨年の読書控えが届く。未だにワープロ使って無いらしくすべて手書きである。去年の読書は112冊で、久しぶりにMorris.が冊数で上回った。前回に比べると、傾向や著者に重なる部分が多かった。といってもMorris.が読んだ本は10冊に満たなかった。
赤い傍線が引いてある6冊を引いておく。

「瀬島龍三と宅見勝「てんのうはん」の守り人」鬼塚英昭
「新板300人委員会」ジョン・コールマン
「この国の終わり-日本民族怪死の謎を解く」林秀彦
「二人で一人の明治天皇」 松重揚江
「竹島に行ってみた!」古谷経衡
「日本に恐ろしい大きな戦争(ラージ・ウォー)が迫り来る」副島隆彦


竹島関連本を除いて、おおかた「陰謀史観」系統の本のようぢゃ(^_^;) やっぱりMorris.とは関心のベクトルが違うようだ。末尾に二句添えられていた。

●霰ふる無職こそわが天職
●いつまでも女嫌いぞ冬薔薇


今日の歩数は2003歩。


朝鮮中央放送特別報道(KBS映像) 

阪急王子公園駅南のY字路 

町民の護り石仏 


2016/01/05(火)●ゆんぼくん
6時起床。
今朝の血圧は163/79/83。
今日はどんより曇ってる。
昼からJRで神戸駅に出て、中央図書館へ。
例によって宇治川小公園に寄ったけど、餌時ぢゃなかったし、天気いまいちだったためか3匹しか居なかった。
図書館では、魯迅のある作品読みたかったのだが、一階にはなくて、3階で、書庫から訳者の違う3種類(すべて世界文学全集から)出してもらい、一章を読み比べて、高橋克実訳のものを借りることにした。
また一階で、漫画こーなーで「もやしもん」5巻読んでから、西原理恵子の「ゆんぼくん」の文庫版見つけた。むかし、B5版5冊の単行本読んだ記憶はあるのだが、文庫版はちょっと再編集でたいとるも「ものがたりゆんぼくん」となってた。
老眼の進んだMorris.にはちょっと字がちいさかったけど、それでも、さいばらワールドに引き込まれてしまった。傑作「ぼくんち」に通じるものがある。4コマまんがでロングストーリーを紡ぐというスタイルで、さいばらには同じスタイルの「ちくろ幼稚園」があって、こちらは持ってる。どちらも、始めの頃とおしまいではかなり絵柄が変わるところも共通している。結構読むのに時間取られて、8時前の閉館アナウンスで図書館を出る。
神戸駅構内のスーパーで買い物して9時前帰宅。
今日の歩数は3980歩。


宇治川小公園猫B、C 

A 

今日のヴィジュアル読書 

【絶望という抵抗】辺見庸 佐高信 ★★★☆ 2014/12/11 金曜日
「週刊金曜日」掲載の対談に語りおろしを加えたもの。最近対談本がやたら多い気がする。作る方もお手軽なのだろう。
ふたりとも週刊金曜日での連載を持ち、佐高は編集員でもある。安倍政権からすると煙たい存在であり、特に辺見は攻撃的姿勢嫌儲で、今や、保守系新聞、雑誌は言うに及ばず、マスコミからほとんど村八分状態にある。その経済支援という意味合いもあっての産物かもしれない。

「戦間期」(interwar period)という途方もない言葉があることを忘れていた。
「およそ人間においてはなにひとつ確実なことなど何もない」というルイ・アラゴンのため息に似るかもしれないが、事実はもっともっと切迫している。どんな不確実性にむかってわたしたちが近づいているのか。端的に言って、それは戦争である。場合によったら、不意の核爆発である。さらに怖いのは、意味という意味の死滅である。資本が毎日それに手を貸している。原始的な心性があちこちで爆発している。だれかがいま、しきりに世界を根こそぎ壊している。日本では平和憲法を破砕しようとする者が大手をふっている。喉もとに匕首を突きつけてわたしたちはたがいに問うた。なぜなのだ? あなたはどうするのだ? 呻きにも似た、さしあたりの答えが本書である。(辺見まえがき)


グローバルに見れば日本における70年の「戦間期」というのは相当な長さである。そして平和憲法遵守する限りは、ずっと「戦後」であるはずだったのに、今やまさに「戦前」、或いはもう戦争に片足突っ込んでるのかもしれないところまで来ている。一人ひとりが(Morris.も)決意を迫られているわけだ。

辺見庸 ツイッターにせよ、我々も持っている携帯電話、スマートフォンにせよ、悪意はなくとも、そこにはあきらかに資本がある。儲からなければ、やるはずがない。ぼくはこういうものはすべて、貧困ビジネスだと思っているんです。いまの資本主義の本質には貧困ビジネスがある。もっともお金のない人びとから、1円でも2円でも、どうやって搾りとるのかということを、ITを企画する者たちは考えている。それがこの世界です。
それを左派の連中も転倒して考えてしまっている。これで革命が起きるとか、中東に民主化が起きるとか、冗談じゃない。遠くの人とつながって、情報交換がすばやくできて、仮想空間でコミュニティを立ち上げて現実に降ろすんだなんて、楽天的にすぎる。危険性のほうを直視していない。
佐高信 真に打倒すべきシステムを、それによって社会を変革できるととりちがえているわけですね。
辺見 あらかじめ人元が切り縮められるシステムが、一人ひとりの手に配られている。それを問題と思わず、新しい可能性だと感激しているんです。


ネットでの情報活動は、危険だということは、Morris.も何度か意思表示してきたが、貧困システムという視点は持てずにいた。携帯機器とその使用料は貧困層には恐ろしく高すぎる水準にある。

辺見 自民族中心主義と陰謀史観が浸透し、少しでも日本に批判的な言説は自虐史観だと叩かれる。これは1930年代と同じ現象です。メディア状況がこれだけ変わっているのに、連中(ネット右翼)の考えていることの平板さというのはむしろ以前より幼稚化している。安倍ファシズムはそこにとりいり、つけこんでいる。安倍本人も単純だから、ネット社会とうまく溶け合う。そこに怖さがある。

1930年代といえば、まさに「戦中」だ。

佐高 私は心ならずも三宅坂の社民党に同伴してきました。でも、ここでもやっぱり集団とか組織が優先なんですよ。つまり、一人ひとりが本気で反対する気があるのかどうか。集団では反対するけれども、一人ではあやふやという、その集団性の臭みに耐えながら社民党とはつき合ってきました。彼らが負けたのはそこなんじゃないかと、私は思うわけです。

Morris.も昨年は旧ベ平連系の抗議活動に同伴してきたが、年末の組織的改変から、距離をおくことにした。レベルは違っても共通点があると思う。でも、一人で何をやるかとなると、悩み多い。

佐高 阿倍の頭の中にあるのはおじいちゃんの復讐戦だと思います。つまり岸信介を復権させたい。祖父の汚名をそそいでむしろ名誉に変えたい。あまりに個人的な話であるがゆえに意外に強い。
辺見 ファシストとは、どの国の歴史をふりかえってみてもそうなのですが、狭量な人間です。過去の恨みを執拗に記憶していて、それに報復するという、個人的な情動がすべてにまさっていく。

その岸信介を巣鴨から無傷で開放したのが米国だけに、どこまでも対米追随に徹するのだろうか。

辺見 東日本大震災以降の天皇の利用のされかたは尋常ではない。被災地を訪問し、ねぎらう姿をメディアが何度も流しました。天皇制は活性化され、より強まっていると思います。安倍的ファシズムと溶け合い、国家主義を演出し、補強している。
佐高 安倍もそうですが、その陰に隠れているのが麻生太郎ではないでしょうか。麻生とNHK会長の籾井勝人は出身地が九州福岡で近く、籾井炭鉱と麻生炭鉱、ともに炭鉱経営者の末裔であり、彼らは戦中からの日本帝国主義とも密接に絡んでいる。


特にNHKの天皇と自衛隊のお仕着せ報道は目に余る、とMorris.も思う。麻生のことは知ってたが、籾井会長も炭鉱経営者の末裔とは初めて知った。戦前、戦中、戦後と連綿と続く血脈だったんだ。

辺見 日中戦争は起こりうる。その時、日本共産党はどうするか。日本の革新政党はどう動くのか。佐高さんとぼくの予測は同じだと思うんだけど、起きるのは「祖国防衛戦争」です。
佐高 そうでしょう。最悪の翼賛大成が現実化してしまう。
辺見 愛国・救国戦線のような形で単純化し、「反戦」「非戦」は罪悪視される。そこに安倍はしたたかに付け入っているし、理不尽なのは旧連合国側であるという、逆転した歴史観と構図をつくりはじめています。


集団自衛権(他衛権)絡みにしろ、隣国との衝突からでも、戦闘が起こって日本人戦死者が出れば、応戦カラーに染まる日本、というのは容易に想像される。そういった国民性あればこそ、政権、マスコミは躍起になって、オールニッポン!!をことあるごとにアピール&讃仰してる。もちろん東京オリンピックを絶対的伝家の宝刀としてね。

佐高 象徴的に言えば「コンプライアンス(法令遵守)」といったカタカナ文字、それはオーウェル的に言えばまさにまやかしの「二重構造なんでしょうけれど、その新たな制度によって網をかけられて、真っ当な身体的エネルギーが抑圧されているような気がします。そして肉体と精神の乖離がどんどん広がっていく。

マスメディアの報道への憤懣遣るかたなし、といったところ。

佐高 竹内好さんは吉川英治批判をやりました。いまに照らし合わせていえば、なぜ左派は司馬遼太郎批判をやらないのか。そこで完全に体制側のイデオロギーにやられてしまう。日本の左派はメロドラマ(日本風に言い換えれば演歌)に足をすくわれる。私自身メロドラマ(演歌)に感じ入りやすい性質なのでよく分かる。自分のなかにあるこの性質と対峙しなければ、感性まるごとファシズムにもっていかれると思います。
辺見 美空ひばりや小林旭や石原裕次郎の歌なんて、天才的にうまいと思う。歌詞もじつによくできている。日本人の浪花節的心情を臓腑のところでつかんでいる。もうあんな歌詞はだれもつくれないし、誰もあんなに深くはうたえない。その意味ではいまのファシズムは古い演歌とは無縁でしょう。


たしかに司馬史観というのは、保守政権に利用されやすい面を持っている。ナショナリズム涵養小説(^_^;)
演歌が出てきたのにはちょっと参った(^_^;)  でも、美空ひばりと後の二人を同じレベルで評するのは、NGね。

辺見 秘密保護法が成立したプロセスは、戦後思想史の中でも特筆すべき恥ずかしいものです。メディアは今頃になっていろいろと言ってるけど、みんなが後押ししたか高をくくってきたことです。秘密保護法だけではない。ほとんどクーデターと同じようなことが社会全体で起きている。武器輸出禁止三原則をひっくり返すなど枚挙にいとまがない。それにたいして日本の言説は完膚なきまでに負けた。大敗北です。
特定秘密保護法は治安維持法ですよ。憲法違反どころじゃない。これを表現できなかったのは、日本のジャーナリズム史上でも最大級の恥ではないでしょうか。


見す見す平成版治安維持法をスルーした、新聞には、ほんと失望したな。

辺見 ぼくは対置法法と呼んでいるのですが、大きいものには小さく、高いものには低く、強いものには弱く、自分の身を置く。たえず負の側への自覚や共感をもつことです。国家や国民にたいして、コスモポリタンやデラシネを対置していくようなやり方です。
残りそう長くもない生涯を前にして、年寄りの憂さ晴らしのような井戸端会議をしてもしかたがない。無駄死にになりになにか遣ってやろうじゃないかと思うんです。とるに足らない存在になってやろう、とるに足りない「低み」から話し、書く。とるに足らない存在だからこそ、一歩も引かないという決意も生まれる。とるに足らない個人として戦端をひらいていく。
佐高 同感です。ここで戦略や戦術を語ってもしかたがない。結局は一人ひとりの佇まい、日常をどう過ごすかに帰っていく。


確かに井戸端会議、床屋政談やってては埒が明かない。日日刻々反対の姿勢。

辺見 日本の皇統の論理はご都合主義なんですよね。五族協和は戦争のためにでっち上げたスローガンですから、ちっとも信じられていなかった。むしろ万世一系のほうが、後生大事に今でも抱かれていると思います。
日本会議の前身である、「日本を守る国民会議」を我々はなめてかかってきたと思うんです。ここまで大きくなるとは思っていなかった。いまは各県に支部をもち、実働部隊がいて、国会議員が300人くらい入っている。文芸、文化、あらゆる分野の人間がいて、教育問題にも口を出す。もちろん集団自衛権となれば大きな力を発揮し、自衛隊を変えろという。麻生太郎、石破茂、小池百合子など、大物が全員所属している。他にも会社重役、神社関係、仏教関係、生長の家などが名を連ね、資金もたっぷりある。すべて安倍政権と同じ主張です。政治で動いている右翼よりももっと組織的です。一マスコミくらいでは太刀打ちできない規模になってしまった。


日本会議、国会議員300人というのは驚きぢゃ。今の日本の衆参議員数が700人だから、40%??いや、OBが多いのだろう。それにしても多いし、神仏にくわえて生長の家なども入ってるのか。

辺見 いま行われているアメリカ方式の戦争は、人は表に出ず、無人機を使ったり、別の国の兵士に代行させたりする。集団的自衛権を行使する日本はその一翼を担うことになる。安倍首相は、それがどういう意味をもち、どういう自体を招くかが描けていないと思います。ぼくは安倍政権を長期政権と見ていません。佐高さんはどうですか?
佐高 そういう悪夢は見たくないですね。
辺見 ええ。戦後の歴代首相のなかでも、あれほどの災厄はいない」


アメリカ方式というのは、太平洋戦争時の空襲、原爆に象徴される、自軍の被害を可能な限り零に近づけてた。今や無人機。さらに他国軍代行。今度は日本がその役を仰せつかることになるのかあ(>_<)
戦後最悪災厄宰相(@_@)

語りおろしの後半では、だんだん辺見がエスカレートして、佐高が集めた文化人1000人反対アピールなどに噛み付いてたのが、面白かった。

2016/01/04(月)国会消臭(^_^;)●
6時起床。
今朝の血圧は204/109/85。
朝の三点セット。
今日も春みたいな陽気である。昼前屋上でちょこっとミニギター。ちっとも寒くは無かったが、風が強くて適当に切り上げる。
今日から国会招集。午後から安倍&麻生の演説。明日から6月1日までの150日だが、あまり期待できそうにない。民主岡田が議員総会で安倍政治を追求すると言ってたようだが、まるで迫力に欠ける。
午後、2号線から水道筋方面回って4時半帰宅。
去年から時々テレビの録画用の外付けHDDの調子がおかしい。先日紅白録画してる途中、2度も録画中断してしまった。
今日は、録画してた番組観てたたら、途中で「使用できません」という表示が出て、一旦ストップしてしまい、オフ・オンしたら続けて観ることはできたが、これではあまりにも心もとない。一度デフォルト状態にフォーマットしてみようか、とも思うのだが、これまで録画しておいた番組は完全にアウトになってしまう。とりわけ、ラグビー日本ー南アフリカ戦などは消すに忍びない(^_^;)。 あと何回か見てからフォーマットしよう。
今年最初のKBS歌謡舞台1448回は- 2016 희망사항 -2016年の希望事項

 1) 푸른 날개青い羽/장윤정チャンユンジョン
 2) 청춘의 꿈青春の夢/현철ヒョンチョル
 3) 물새 우는 강 언덕水鳥鳴く川の丘/나미애ナミエ
 4) 꿈이여 다시 한 번夢よもう一度/안다성アンダソン
 5) 즐거운 아리랑楽しいアリラン/김상희キムサンヒ
 6) 행복의 샘터幸せの清水/임수정シムスジョン.나진기ナジンギ
 7) 친구야 친구友よ友よ/이용イヨン
 8) 바램願い/노사연ノサヨン
 9) 화개장터花開市場/조영남チョヨンナム
10) 그대 그리고 나君そして僕/소리새ソリセ
11) 꽃 중의 꽃花の中の花/이혜리イヘリ
12) 삼팔선의 봄38度線の春/장민호チャンミンホ
13) 평화의 나팔소리平和のラッパの音/김희진キムヒジン
14) 홀로 아리랑一人アリラン/송소희ソンソヒ
15) 통일 바보統一馬鹿/조영남チョヨンナム

16) 금수강산에 백화가만발하구나錦水山河百花燦爛/김부자キムプジャ

トップバッターがチャンユンジョンといのはめでたい(^_^) 結構好きな曲と歌手も多くて★★★☆


今日の歩数は6591歩。


敏馬神社の落椿 

岩屋の黒 

岩屋の雉 

水道筋南の白黒 

照光寺のクロ 

クリスマスローズ 

【評伝古賀政男】菊池清麿 ★★★☆2015/10/10 彩流社
「日本マンドリン&ギター史」と副題がついている。筆者は藤山一郎、東海林林太郎、二村定一、佐藤千夜子などの歌手や、中山晋平、安倍武雄、古関裕而、服部良一などの作曲家の評伝を出している。古賀政男の評伝もすでに「評伝古賀政男 青春よ永遠に」を出しており、本書は新たな視点から古賀政男の音楽を論じている。
巻末に古賀政男ディスコグラフィー(112p)と年譜(48p)を付している。年譜(1904~1978)は古賀政男個人年譜、ギター史年譜、日本流行歌史の三段組で、これだけでもじっくり見るほどに興味深いものである。
古賀政男というと、Morris.はまず「古賀ギター」を思い出す。しかし、古賀の音楽的出自は、明大マンドリン倶楽部にあり、生涯倶楽部とは強い紐帯で結ばれていた。

藤山一郎は、この「丘を越えて」を吹き込むときは、前回の「酒は涙が溜息か」とはうって変わって、マイクから相当離れた位置で、しかもメリハリをつけて、あくまでもきれいにクリアーな声で、声量豊かに歌っている。藤山は、青春を蒼い空に高らかに響き渡るように歌うときは、軟口蓋の後ろから突き抜けるようにスピントをかける。頭部共鳴への連動は神業であり、その響きが体から離れ飛んでゆくようだった。さらに、ファルセットと実声が連動しているので澄んだ透明感があり、メッツァヴォーチェ(弱性の響き)からスピントをかけた張りのある美声まで、声量と共鳴の増幅が可能なのである。
藤山一郎は、豊かな声量と確実な歌唱力をもつ理性の歌手である。このような歌手の登場により、古賀メロディーは、歌のもうひとつの機能である「希望」「励まし」「勇気」を表現できたのである。歌の哀愁が人を慰謝するなら、ストレートな青春の「陽」の響きは、人を一層明るくはずませるはずである。
藤山は劇場で声量豊かに響かせるための西洋音楽芸術の声楽技術を使って、マイクロフォンの性能を十分にいかした歌唱法(クルーン唱法)確立した。藤山は、よく、「声を蒐める」と自分の声の共鳴・声量のコントロールについてのべているが、響きの蒐まりがよい共鳴でレガートに歌唱するので、アメリカのレコード業界によってもたらされた電気による音声化に適していたのである。(Ⅰ 古賀政男とマンドリンオーケストラ・丘を越えて)


著者は藤山一郎の心酔者でもあるらしい。しかし「メリハリ」「クリアー」「神業」「澄んだ透明感」「美声」「豊かな声量」「確実な歌唱力」の絶賛ぶりはちょっと引いてしまいそうになるが、電気録音SPの創成期にこんな歌手が登場したというのは日本の歌謡曲にとっては願ってもないことだったことは間違いない。

昭和モダンの社会現象が流行歌に現れ、そのモダンなる世界を見事な言葉で象徴化したのが西條八十である。西條の詩想には「深い社会意識や、確固たる思想体系」がないという批判もある。だが情念をあそこまで純化させたことは、アルチュール・ランボーやマラルメに代表されるフランス象徴詩の研究家としての天賦の才といえよう。(Ⅱギターの詩人-影を慕いて)

西條八十の歌詞は、質量ともにすばらしい。歌謡曲に「社会意識や思想体系」を望むのはおかど違いというものだろう。

昭和21年に占領軍は大量の公職追放を行った。戦時における責任を問われ職を追われたのである。古賀も戦犯を恐れたが、それは杞憂だった。戦争になれば、文化人は勝つためにその芸術作品を強力なナショナリズムの形成のために提供しなければならないという論理が存在し、戦勝国においても文化人の戦時における国民動員への戦争協力は当たり前といえるのである。戦争が集結すれば、今度は一転して、文化人の役割は、秩序の回復と平和と復興に向けて芸術作品を提供しなければならないのである。古賀政男はその使命と役割を担うことになるのである。

西條八十もかなりびびってたらしい。「出てこいミニッツ、マッカーサー」なんて歌詞書いてたからね。
戦争協力作品を発表した詩人や、作家は、戦後戦争責任を追求された(不徹底ながら)けど、流行歌に関してはかなり柔軟だったと思う。

昭和23年、古賀政男は「古賀ギター歌謡学院」を設立した。古賀はギターの普及に力を注いだ。これは古賀メロディーの普及に役立った。ギターの教則本に、かならず自分の作品を練習曲として掲載した。「月の浜辺」「酒は涙か溜息か」「影を慕いて」などが練習曲として並んだ。だから、ギターを手にした若者は、後になってクラシック、カントリー、ジャズ、ハワイアンに進もうが、最初に古賀メロディーに触れることになる。このような若者が全国各地にいたのである。

実はMorris.も高校時代に、古賀ギター教本ちょこっと練習した覚えがある。「このような若者」の1人である(^_^;)

「連絡船の唄」は朝鮮戦争の戦禍のなかで消息を絶った金海松が作曲したメロディーに大高ひさをが詩句を付け、菅原都々子の熱望によってレコード化が実現したと言われている。現地では釜山港で切ない別れの情景と独特の哀愁を主題に張世貞の代表的なヒット曲として知られていた。

金海松(キムヘソン)は、「木浦の涙」を歌ったイナニョンの夫である。韓国では「北越者」として長いこと、作品にも名前出させなかったが、最近は名誉回復で、歌謡舞台などでも言及されている。
菅原都々子の日本語版もいいいが韓国版(こちらがオリジナル)も捨てがたい。

昭和29年「お富さん」は「粋な黒塀 見越しの松に」という歌詞が、教育上道徳論の立場から批判されたとはいえ大流行した。その理由を楽曲の構成と詩想から分析すればつぎのとおりである。楽想は南方の民謡調特有の長音階の明るさである。リズムは原始的な本能運動に関連する跳躍的なリズム(付点八分音符と十六部音符)で構成された。詩想はお座敷桃色歌謡と決別しているが、一種の虚無心理と頽廃が明朗な長音階による「歌舞伎ソング」という範疇の中に潜んでいる。赤提灯の縄暖簾の庶民的空間において手拍子をとりながら歌われるのに適しているが、仏教的な諦観にも結びつく虚無感と跳躍的なリズムが渾然一体となって流行したのである。

「お富さん」はMorris.がリアルタイムで覚えてる最初の歌謡曲かもしれない。これの楽曲構成と詩想からの分析というのが、なかなかだな。「南方の民謡調」というのは、薩摩節?それとも奄美沖縄系だろうか。

歌謡曲=演歌の時代の古賀メロディーを彩った美空ひばりの歌唱は、少女時代はさておき艶歌唱法であり、完全な演歌である。藤山一郎の西洋音楽芸術の声楽技術・技法とは対極に位置している。藤山はあくまでも美しく、俗塵が洗われ浄化されるように格調高く、レガートに歌唱するのである。藤山一郎が近代を象徴する理性の声なら、美空ひばりは日本的肌合いの情念を包含するそれである。
西洋音階はドと決まればドであり、レであればレの音しかない。平均律で決まっていて、合理的な和音進行(ハーモニー)で楽曲が演奏される。ところが、邦楽の世界では、たとえば、ドとレの間には無数の西洋記譜号では表現できない音が存在する。邦楽の表現形態・形式は和声の複雑さやポリフォニーを欠いた単純で素朴なイメージをあたえるように思われるが、音そのものは複雑で晦渋なものなのである。民謡などを採譜するとき譜面にそのままの音どおりに書けないのは、そのような理由があるからである。美空ひばりは、卓越した邦楽的技巧表現のテクニックを駆使して歌い、音の移動において微妙に揺らしながら表現する。哀しみに耽溺し己の傷を癒す程度の感傷主義、退嬰的哀調趣味、通俗的な艶美主義を満たし満足させてくれる。
ここに日本独自の固有の民族性を多分に含む非西洋的な伝統が存在し、日本通俗・感傷的なこころの歌、いわゆる真正な民衆性として演歌の可能性を見いだすことができるのである。

藤山一郎=理性、美空ひばり=情念。日本の伝統音楽の揺れの複雑さを「退嬰的哀調趣味」と表現するあたり著者の面目躍如、というか、これはオハコだね。
著者は音楽的造詣も深く、分析力にも優れているようだが、その表現方法がいささか特異のような気がする。

古賀政男は、マンドリンオーケストラやギターという西洋音楽技法で記譜された楽譜の音を忠実に表現する世界から下降し、記譜化されていない音をいかに表現するかという領域に迫った。そして、通俗・感傷、退嬰的哀調、土着・土俗、情念の方向に深くかかわり、真正な民衆歌謡に向かったおである。それはある意味で、民衆の情念領域へ向かうためには美空ひばりが必要であるということは古賀自身の悟りでもあった。初期のギター歌曲からギター演歌を含めた古賀ギターの確立のためには、美空ひばりの歌唱芸術が不可欠だったのである。

記譜された楽譜の世界からの「下降」(^_^;) ここらあたりも、思い込みの強さを感じさせる。そこがなんとも言えず、面白いところだけど。

日本のフリー・ジャズは、黒人のスピリチュアルを色濃くするためにブルースにその基底を求め、日本のブルース=演歌と定義することによって、俗謡・流行り唄に眠る「恨・怨」と退嬰的な哀調趣味を徹底化した歌謡曲=演歌という時代を創出させ、ジャズの土着化を遂行したのである。

好きだな、この決め付け。そういえば、先日の関西熱視線で「大阪のブルース」ってのをやってて、何でもブルースみたいな言い方してたなあ。

昭和40年代、日本の心が「演歌」(演歌ナショナリズムの原型)という代名詞となり、音楽産業において歌謡曲=演歌が定着した。歌謡曲歌手が演歌歌手となり、彼らが歌う音楽ジャンルとしての演歌は、抑圧された庶民の怨歌・情歌として日本の心を心情とする歌ということになったのである。

ナショナリズムが「想像の共同体」だと解く本を読んだが、いまいち理解できなかった。演歌ナショナリズムも日本人が想像したものなのだろうか。Morris.は演歌ナショナリストにはなれそうにない。日本の演歌より韓国演歌(トロット・ポンチャック)に惹かれるところ大だしね。

「愛の終着駅」「おんな港町」で切ない女心と情念を歌いヒットを飛ばした八代亜紀は、昭和54年の「舟唄」の大ヒットによって怨歌の女王に近づいた。八代の唱法は、退嬰哀愁趣味を象る浪曲の影響と扇情的な昂揚感(グルーブ感)溢れるジャズ・ヴォーカルの要素が溶け込み、独特の情感を怨念演歌として表現している。古色蒼然とした浪曲とジュリー・ロンドンのジャズ感覚がブレンドし、彼女の炎の歌唱を作り上げたといえる。また、八代は五木ひろしのポップス調のムード演歌同様にアフタービートで歌に入り、8ビートリズムにのって演歌の心情を歌った。

この文体は八代亜紀によう似合うてると思う(^_^;) 情念てんこ盛り。

和製ポールマッカートニー・財津和夫の「チューリップ」も積極的に歌謡曲に進出して、やがて到来するJポップの草分けとなった。日本のポピュラー音楽における財津和夫の功績は、ビートルズサウンドを日本のポップスに定着させたことにあるのではないか。デビューの頃から前奏がなく、いきなり歌から入り、リフレーンする手法や、シンセによってストリングスの和音をかぶせるなど、ビートルズ音楽のよさを伝えている。(Ⅲ子がギターの確立とマンドリンオーケストラの変遷)

たしかにチューリップはデビュー当時からビートルズテイストだと思ってた。いきなり歌から入る。たしかにビートルズはそんな曲が多いな。2015年の紅白で石川さゆりが、いきなり「津軽海--峡ーーー冬景ーー色ーーっ!!」で始めたけど、違和感あったもんね。

藍川由美(『「演歌」のススメ』)によれば、演歌系における古賀政男の邦楽的技巧表現は「ユリ」「ソリ」「うみじ」の三点に特徴づけられる。音を細かく上下動させながら歌う「ユリ」、下降形の最終音として、音を捨て去るように音程間をずり下げるように消音させる「ステル」、音の移動をずり上げる「ソリ」などが子がメロディーに使われた。そして、古賀は浄瑠璃、謡曲、長唄に見られる音程が変化するたびに母音を発音し直しながら歌う日本の伝統的な歌唱法である「うみじ」を使っている。古賀は歌の旋律に母音で歌われる音符を多く含ませ、それによって歌い直し歌い継ぐ「うみじ」(母音歌唱)を使い退嬰的な哀調趣味、大衆が深層から欲する原始的郷愁=「音律情緒」を満足させたのである。(古賀政男拾遺)

「こぶし」の中にも「ゆり」「そり」「すて」「うみじ」とかいろいろ細かい種類があるんだな。藍川由美「『演歌』のススメ」は以前読んだはずだが、上記の部分は全く記憶になかった。

2016/01/03(日)●初詣Oji-Zoo
8時起床。
今朝の血圧は179/66/88。
年末から昨日まで、飲み続けで、ほぼ3日酔い状態。
今日は酒は控えよう。
箱根駅伝の復路も青山学院好調で、全区間1位キープの完全優勝。連覇である。素人からすると、面白みに欠ける。
昼から初詣代わりに、王子動物園へ。正月とは思えない陽気である。
家族連れやカップルで結構な人出だった。
まぬうも暖かいためか、元気に岩場や地面を動き回っていた。
河馬が大口開けたり、鷲が水浴びしたりと、あまり普段お目にかからない場面も見ることができた。正月サービスなのだろうか。
猿舎には多くの人が集まってた。そういえば今年は申年だった。
帰り道黒猫見かけたが、あっさり逃げられてしまった。
4時帰宅。
今日の歩数は2714歩。


初まぬう 

大口河馬

尾白鷲の水浴び 

袋手長猿 

チンパンジー 

カリフォルニアアシカ 

正月桜 

初猫(^_^;) 

パンジー 


2016/01/02(土)●寝正月2
9時半起床。
今朝の血圧は173/81/80。
見るともなく箱根駅伝流して、また朝から飲み始める(^_^;) 青山学院が圧倒的な強さで、トップ独走してた。
去年の読書控えからベスト10(順不同)を選んでみた。

【ラーメンと愛国】速水健朗
【雪と珊瑚と】梨木香歩
【国境[完全版]】黒川創
【関東大震災の想像力】ジェニファー・ワイゼンフェルド 篠儀直子訳
【吾輩ハ猫ニナル】横山悠太
【名作うしろ読み】斎藤美奈子
【日本語が亡びるとき】水村美苗
【戦後史の正体 1945-2012】孫崎享
【旅のうねうね】グレゴリ青 山
【ガソリン生活】伊坂幸太郎

一昨年は原発関連本を読み漁ったが、去年は特にテーマを追いかけることはなかったようだ。梨木香歩を割りと多く読んだが、はまる程ではなかった。
夜は恒例湊川SUNでのムックさん主催の新年会。なかなかの盛況だったが、Morris.は二日酔いでふらふらだった。
11時帰宅。
今日の歩数は4681歩。

2016/01/01(金)●寝正月
8時起床。
今朝の血圧は174/78/99。
いちおう雑煮らしきもの食べて、ぼちぼち去年の読書控えの整理。リンク付けに結構手間取ってしまう。
年賀状出しそびれてたのを数葉書いて、灘駅前のポストに投函。
午後もこたつで飲みながら、サッカーなど見る。なかなか良い試合でガンバがレッズに2-1で勝った。
見事に何もしないで2016年初日が過ぎていく(^_^;)
今日の歩数は488歩。


 

 

 


【2015年】  12月 11月 10月 9月 8月 7月 6月 5月 4月 3月 2月 1月
【2014年】  12月 11月 10月 9月 8月 7月 6月 5月 4月 3月 2月 1月
【2013年】   12月 11月 10月 9月 8月 7月 6月 5月 4月 3月 2月 1月
【2012年】  12月 11月 10月 9月 8月 7月 6月 5月 4月 3月 2月 1月
【2011年】 12月 11月 10月 9月 8月 7月 6月 5月 4月 3月 2月 1月
【2010年】 12月 11月 10月 9月 8月 7月 6月 5月 4月 3月 2月 1月
【2009年】 12月 11月 10月 9月 8月 7月 6月 5月 4月 3月 2月 1月
【2008年】   12月 11月 10月 9月 8月 7月 6月 5月 4月 3月 2月 1月
【2007年】 12月 11月 10月 9月 8月 7月 6月 5月 4月 3月 2月 1月
【2006年】  12月 11月 10月 9月 8月 7月 6月 5月 4月 3月 2月 1月
【2005年】 12月 11月 10月 9月 8月 7月 6月 5月 4月 3月 2月 1月
【2004年】  12月 11月 10月 9月 8月 7月 6月 5月 4月 3月 2月 1月
【2003年】  12月 11月 10月 9月 8月 7月 6月 5月 4月 3月 2月 1月
【2002年】 12月 11月 10月 9月 8月 7月 6月 5月 4月 3月 2月 1月
【2001年】 12月 11月 10月 9月 8月 7月 6月 5月 4月 3月 2月 1月
【2000年】 12月 11月 10月 9月 8月 7月 6月 5月 4月 3月 2月 1月
【1999年】 12月 11月 10月 9月 8月 7月 6月 5月 4月 3月 2月 1月
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