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Morris.in KOREA with Mini-guitar テキスト版
2007/11/18〜28
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第一部 釜山ー大邱ー忠州ーソウル

2007年11月8日(木)●フェリーで沈没(>_<)●
0日目

去年、ムックさんと一緒に出発したパンスターフェリー乗り場に到着したのが1時半で、やっぱりちょっと早すぎる感じ。
乗船まで時間が余ったのでやっぱり3Fの待合ロビーで一服、というか、例によって持参の酒(二階堂五合瓶)ちびりちびり飲りながら、ミニギターの練習。そう、今回の旅はミニギターを持って行くことにしたのだった(^_^)
去年ムックさんのミニギターを見てうらやましくて、帰国後すぐに買って、それからは我ながらなかなか良く練習した甲斐あって韓国歌謡弾き語りレパートリ(楽譜見ながらだけどね(^_^;))は急増してる。老眼が進んでるのでA4拡大コピーした楽譜60曲くらい入れたクリアフォルダもカバンに入れてる。これ、結構重いけど仕方ない(^_^;)。
と、いうわけで練習してたら、やっぱり歌の好きな韓国人が一人二人と見物に来て、いろいろ話もできた。中でも大邱から来たというキムアジョシから熱心にいろいろ尋ねられた。彼は福祉関係団体の役員で30人ほどの団体を引き連れて日本旅行を終えた帰りとのこと。
2時半過ぎに乗船する。この前よりうんと乗客は少なくて、Morris.は一番安い二段ベッド二つある4人用の部屋だったが、相方なしで一部屋占有できた(^_^) ラッキーである。
出航前からデッキに出てデジカメ撮影したり、またまたギター練習したりしてたら「午後8時からレストランでカラオケ大会やります。希望者はフロントで申し込んでください」というアナウンスが流れた。これを見逃すMorris.ぢゃないよね(^_^) フロントまで走っていって申し込んださ。
こうなるとますますデッキでの練習に熱が入る。若い韓国人たちと記念写真を撮ったり、話も弾み、こうなるとお調子者のMorris.のことゆえ酒のピッチが上がる。呑んで歌って、歌って呑んで、そのあとは、どうやら、呑んで呑んで呑んで……になった模様だ(>_<)
気が付いたら一応自分の部屋のベッドに寝てたが、時計を見たら10時過ぎてる。あちゃーっ(>_<) カラオケ大会なんかとっくに終わってるし、頭がちょっとくらくらする。なんとMorris.は見事にフェリーで沈没してしまったらしい。
もちろん記憶はほとんどないが、どうも、例のキムアジョシらの部屋に押しかけて一緒に飲んでたような気もするが定かではない(^_^;)(^_^;)
波乱含みの初日である。

2007年11月9日(金)●大邱に拉致される!?●
1日目

朝目が覚めたのが9時過ぎ(>_<)フェリーはすでに釜山港に入ってる模様だ。
洗顔してデッキに出たら、キムアジョシがやってきて、昨夜はだいじょーぶだったか?と訊かれる。あまり大丈夫でもなかったけど、いちおうケンチャナと答えておく。そしたら、「昨日約束したとおり、一緒にうちにくるんだよね」と言われてしまった???? おいおい、昨夜そんな約束したのか(?_?) たしかキムアジョシは大邱に住んでると言ってた。大邱に行くのも悪くはないけど、フェリーで来たメリットの一つは、当然Morris.好みの釜山見物ができることだった。まあ今回は往復フェリーだから、釜山には、帰路必ず戻ってくるわけで、釜山見物は後回しということにすればよい。
ただ、それにしても、全く見ず知らずのひとのこんな厚意に甘えていいのかな、一杯おごってもらうくらいならこれまでもよくあったけど、会って即我が家にというケースは初めてである(^_^;) ちょっと宿酔気味の頭でこんなこと考えてるひまもなく、下船が始まる。まあ、適当に話を合わせて、機会があったらまた会いましょうくらいで、歩いてチャガルチに向かおうとも思ったのだが、フェリーターミナル前には「ヒムモア サランナラ」と書かれた福祉団体の専用バスが待機してて、キムアジョシは当然のようにMorris.に乗車するようにと急かす。こうなったら成り行き任せである。
ほぼ1時間で大邱到着。とりあえず福祉団体の事務所に寄って、今回の団体旅行の精算や事務処理をするとのこと。しばらく時間かかるというので、近所を探索。ミョンドク市場という小さな市場があった。Morris.は韓国の市場は大きいのも小さいのも好きで、とにかく今回最初の市場ということで、ふらふらと冷かす。クモンカゲ(駄菓子屋)でイチゴ味のアイスクリーム買う。宿酔のMorris.にはありがたかった。
30分ほど散歩して事務所に戻る。キムアジョシの奥さんが自家用車で迎えに来てくれていた。奥さんはキムアジョシよりかなり若い、そしてなかなかの美人である。キムアジョシは奥さんにベタ惚れらしく、Morris.そっちのけでいちゃついてた(^_^;) 3人で近くの食堂で遅めの軽い昼食。
その後、E-Martまで買物に出る。いろいろ買うものがあるのでMorris.も1時間くらい勝手に見物するように言われた。最近韓国でもこのての安売りの量販店が増えてることは知ってたが、あまりMorris.はこういうのは興味が無い。せっかくだから、店を出て街をうろつくことにした。美容院の横の芝生に小さな柵で囲って兎を飼ってる女の子と話したり、懐かしのポン菓子を大きなビニル袋にいれて売ってるのを見たりと、結構楽しかった。
E-MARTに戻ったら、小学4年の息子ドヨンが合流していた。E-MARTで待ち合わせる約束だったらしい。キムアジョシ宅は3人家族らしい。
そのまま車で中区南山にある自宅へ向かう。白い板張りのお洒落な2階建ての一軒家だった。入り口にミニブルドッグがいて、犬好きなんだなと思いながら、部屋に上がったら3匹の犬が駆け寄って来た。犬種には詳しくないが、コッカースパニエルとかテリアとかそういった「座敷犬」の類のようだ。「4匹も飼ってるんですね」と感心したら、「いやもう2匹檻に入ってる」とのこと。何と6匹も飼ってるらしい(@_@)
2階は子供部屋で、今夜はMorris.の寝室として提供してもらえるらしい。しかし、豪華な部屋だ。超大型の液晶TVが備え付けてある。1階のリビングにも同じタイプのTVがあった。キムアジョシはかなりプジャ(お金持)みたいだ。それにしても矢鱈モノの多い家である。かなり広い間取りのはずなのに、ここかしこに所狭しといろんなものが山積みされている。階段だって半分は品物で埋まってる。
夕食に出ようと家族と車で繁華街に向かう。大邱は韓国で5番目くらいに大きな町だと思うが、繁華街自体は、ソウルや釜山とそう変わりはない。サンリオ、キティちゃんの専門店があったり、過剰デコラチブな贈り物籠があったりする。
夕食は石焼肉の店へ。Morris.はプルコギより網焼きの方が好きなので、それを注文。すべて大きな塊を焼いて店員がはさみで切ってくれる。白い大きな肉塊が出てきて、これがまたMorris.好みの一品だった。訊いたら、ソクセマクチャンとのこと。「石牛膜腸」とでもなるのだろうか。どうやら牛の横隔膜らしい。ああ、これだけでMorris.はすっかりいい気分になって、ソジュ(焼酎)が進む、進む(^_^;)
満腹して、一旦家に戻る。夫婦と三人でノレバン(カラオケボックス)に行くことにした。もちろんMorris.の強い要望である。初日からノレバンというのは嬉しい。ここはMorris.が勘定持つと言ったが、全く無視されてしまった(^_^;) 1時間ほど軽く歌って帰宅。シャワーをつかわせてもらい、11時就寝。うーーん、今日はほんとうにしっかりお世話になってしまったなあ。明日は一人で大邱をちょっと見物してから、バスでどこかこれまで行ったことのない町に向かうことにしよう。

2006年9月10日(土)●月岳山国立公園忠州湖遊覧●
2日目

7時起床。洗顔して1階に下り、お礼を言って別れを告げようとしたら、キムアジョシは、何を言ってるんだい?という顔をして、今日はいっしょにチュンジュに行くんだ、と前から決まってたみたいな断定的な口ぶりである。(?_?) え?「チュンジュ」。どこだ、それは?? 地図で教えてもらったら忠清北道の上の方にある「忠州」だった。前に2度行ったことのある清州から北東に50kmくらいのところにある。もちろん行ったことはないし、聞いた覚えもない。何があるのかと聞いたら「ウォラクサン(月岳山)国立公園とチュンジュホ(忠州湖)があって、今日は週末の家族旅行でそこに行くんだ」とのこと。Morris.も同行していいのだろうか? キムアジョシは当たり前だという顔をしている。うーーん、どこまでもお世話になるのも心苦しいけど、こうなったらとことん付き合わせてもらうことにしよう(^_^;)。
キムアジョシ宅前で家族と記念写真撮って車に乗り込む。何と犬3匹も同行するらしい(@_@) 中型ワンボックスカーだから充分座席は広いのだが、それにしても本当に犬好きの家族である。途中事務所に勤めているヘジンさんというアガシを迎えに行く。彼女は家族と親しくてよく一緒に出かけるらしい。こうやって5人と3匹の大人数で忠州へ向かう。
途中バイキングスタイルのビュッフェで朝食。基本的には洋食だけど、デザートというか、飲み物コーナーにMorris.の大好物スジョンガ(水正果=生姜、シナモンなどをベースにした清涼飲料)があって、Morris.はお代わりしてしまった。
韓国にはあまり大きな湖水はない。ちょっとした湖はたいていダムである。忠州湖もやっぱりダムらしい。それにしても実に良い季節にここを訪れたようだ。とにかく紅葉が美しい(^_^)
忠州湖畔の船着場で昼食、キノコ鍋も美味しかったし、Morris.は昼からソジュどんどん飲んでるぞ(^_^;)
遊覧船はいくつかコースがあって、Morris.らが乗ったのは1時間くらいの比較的短距離コースで船も小さめのものだった。今日は結構冷え込んでたけど、元来船好きのMorris.はずっとデッキで景色を楽しんだ。キムアジョシ一家はちょこっとデッキに出てきて記念写真撮ったらすぐ客室に戻る(^_^;) それにしても国立公園の名に恥じない素晴らしい景観である。デジカメ一眼レフで撮影に勤しんでた若者に話しかけたり、可愛い子供を撮影したりして、あっという間に遊覧船は船着場に戻る。
Morris.はそろそろこのあたりで、キムアジョシ一家と別れを告げてどこかに一人で出かけるつもりでいたのだが、アジョシはこれから、今日の宿舎に向かうと言う。
韓国に入国してからMorris.はほとんど金使ってない。前回の旅の残りのウォンがいくらかあったので、自販機でコーヒー飲んだり、アイスクリーム買うくらいはできたけど、これではまるで、Morris.の個人旅行とは言えないよな(^_^;) 
そんなMorris.の思惑とは関係なしに夕方に「ポフン休憩所」という一種のコンドミニアムみたいな宿泊施設に到着。おいおい、せめてここの勘定くらいはMorris.が出すと言ったのだけどアジョシは、ここは一部屋いくらの設定だし、福祉団体のコネもあるから心配するなとのこと。 夕食は持ち込みの材料を使ってのサムギョプサル晩餐。Morris.はミニギターを駆使して(^_^;)賑やかしに徹した。うーーん楽しすぎるぞ(^_^;)

2007年11月11日(日)●朝の紅葉狩り●
3日目

7時起床。
皆はまだ寝てるようだ。 宿舎の裏山方面を散策。ここらあたりはキャンプ村になってるらしい。1時間ほど散歩する。とんでもなく美しい紅葉も撮影(^_^)
8時半宿舎に戻り、キムアジョシに頼んで忠州駅まで送ってもらう。
国鉄忠州駅で、アジョシに別れを告げる。いやあ、それにしても今回の旅の始まりは、キムアジョシなくしては語れないな(^_^;) 2泊したし、食事だけでも5回以上ご馳走してもらった、遊覧船だって1万ウォンくらいしたから、トータルだと日本円で2万円くらい出してもらったのではなかろうか(^_^;)
いよいよこれからが、Morris.の一人旅の始まりである。どこか知らない町を回ろうかとも思ったが、とりあえず忠州に来たし、荷物もあるので、ひとまずソウルに出て定宿の東山旅館に落ち着いて後のことを考えよう。
忠州駅で駅員にソウル行きのチケット頼んだら、この時間ならバスが速いですと教えてもらった。親切な駅員である。
バスターミナルまで歩いて10分足らず。ソウルまで9,700ウォンだった。
この後は第二部ということにする。

第2部 ソウル篇 その1
2007年11月11日(日)●東山旅館がぁーーーっ!!(@_@)(>_<)−懐かしの大元旅館●
3日目

午後1時半頃東ソウルバスターミナルに到着。
地下鉄で鍾閣に出て、当然定宿東山旅館に向かう。ところが、何と東山旅館の看板が無いっ!!!!!!!!!!!!!!!!(>_<) 建物が消滅してるわけではなくて、何か改装工事してる模様。作業員に尋ねても要領を得ない。ともかく今日東山旅館に泊まるのは無理ということだけははっきりした。
どうしよう。とりあえず、仁寺洞を上って見る。飴売りの兄ちゃんでもいれば事情がわかるだろうし、安宿の紹介もしてくれるだろう。日曜だから屋台も普段以上に出てるが兄ちゃんの姿は見当たらない。
途中テント張って中でハンサムな男性二人がオカリナ演奏してたのでちょっと見物。オカリナといえば、飛田さんを思い出すのだが、この二人もなかなか上手で、バックはカラオケだったが、かなり難しそうな曲を吹きこなしていた。
観光案内所で、安そうな宿を数軒紹介してもらったが、やっぱり値段が折り合わない。レートは現在100円=800ウォンくらいらしいから、Morris.の感覚からすると以前の2割近く円が安くなった気分である。それだけに宿代は大きな割合を占めるだけに少しでも安いところを探す必要がある。
こうなったら、バックパッカー御用達の外国人簡易宿泊施設の代表である「大元旅館」にひとまず投宿して、そのあと別の安い旅館を探してみることに決めた。
歩いて光化門方面に向かい、キョウボ文庫前の地下道を通ろうとしたら前に盾を持った機動隊が列をなしている。警察のバスが交差点を完全に閉鎖するように隙間無く停められてる。別方向からも警官がいっせいに走ってたりしてる。何事かと思ったが、これは対米関税自由化反対と民主化運動の大規模なデモが開かれてその対応だったようだ。
どうにか大元旅館にたどりつく。Morris.が韓国に来始めた頃は、この宿が定宿みたいなものだった。と、いうより、この宿のおかげでMorris.が韓国にはまったと言えるかもしれない。そのあたりのことは「88韓国旅行」を見てもらいたい。
10数年ぶりにまみえるアジュマとアジョシもかなり年はとってたがイメージは昔のままだった。東山旅館のことも話して、宿泊頼む。さすがにドミトリーはやめて個室に滑り込むことができた。大元も慶福宮近くに新館を開いたとの事。ちょっとは儲かってるらしい。
洗顔だけすまして外に出る。コリアナホテル前あたりにはデモと集会が開かれていた。大人数だが、それほど混乱は起きていないようだ。
キンパプとマンドゥで夕食。
さすがにちょっと草臥れてたので早めに宿に戻る。何と大元旅館には共用のPCが置いてあって、インターネット利用できるらしい。これはありがたい。さっそく、ぐいぐい酒場に書き込む。
大元の個室も東山旅館とそう変わらないし、コーヒーも自由に飲めるし、インターネットも使えるとあっては、ずっとここに逗留してもいいと決めた。

2007年11月12日(月)●仁川小旅行●
4日目

7時起床。無料のインスタントコーヒーに、日本から持参のクラッカーとQPチーズ(フェリーで食べるつもりだった(^_^;))で朝食。
シャワーもちゃんとお湯が出る(^_^;) 下着やシャツなど洗濯して、8時過ぎに宿を出て、地下鉄で仁川(インチョン)に向かう。
昨日ソウルに着いて今日はインチョンというのも特に急いでるわけでもないが、今回の旅では、ソウル以外にも足を延ばしてみようと思ってたのだ。
インチョンはいまや韓国でソウル、釜山に次ぐ人口3番目の大都会である。2001年に仁川国際空港ができてからは、韓国を訪れる人間でインチョンを通過しない人間の方が少ないくらいかもしれないが、実際にインチョンの町を見て帰る人はそれほど多くないと思う。
Morris.は、90年初めに一度足を運んだし、イパクサの公演に付いていったりして3回くらいは空港以外のインチョンを訪れてはいるものの、やはりきちんと観光したことが無かった。「近くて遠い都市」かもしれない。
Morris.は今回は出発前からぜひともインチョンに行かねばと思ってたのだ。ペドゥナの映画「子猫をお願い」がこのインチョンを舞台にしていた。いまどき流行りの「韓国映画ロケ地巡礼の旅」をしようというわけでもない。インチョンの女子商業学校の同級生5人の物語で、その中の貧しいアガシ、ジヨンが住んでるタルトンネの風景に一目ぼれしてしまった(^_^;)のだった。
ばつ丸さんのサイトにこの映画のロケ地案内が載っていて、このタルトンネは「マンソクトン 萬石洞」ということを知ることができた。ソウルに限らず、都市部でのタルトンネはどんどん崩されてるので、すでに映画撮影当時の面影も残ってないかもしれないがとにかく見ておかなくては。
駅前でどこに行くか迷ってたら、ウォルミド(月見島)行きのバスが来たので思わず飛び乗る。映画でペドゥナらが遊びに行った場所だ。島といっても今は地続きになってる。絵に描いたような造られた観光地で、Morris.の好みとはかけ離れていた。でも、ここでも猫に出会えたし、店の裏側のディズニー版ピーターパンの絵がほとんど遺跡みたいになってる風情は素敵だった(^_^;) 同じバスに乗って仁川駅までもどる。
地下鉄1号線の終点でもある仁川駅は思ったよりこじんまりしたたたずまいで、駅のすぐ前に仁川チャイナタウンの門がある。韓国は中国人に対してかなり厳しい態度を取っている。はっきり言えば差別してる。チャイナタウンも最近になってやっと日の目を見たという感じである。平日ということもあって、閑散としている。そのまま坂を登りきったら自由公園に出る。仁川といえば、朝鮮戦争のキーポイントとなった仁川上陸作戦。これを指揮したマッカーサーは韓国では大英雄の一人である。この自由公園の目玉は彼の銅像である。もっとも、韓国でマッカーサーと言っても通じない。「メガド」と発音する(^_^;) Morris.は2回目だが、あまり記憶に無かった。いかにも偉そうにしてる。銅像の横の矩形のレリーフが面白かった。
チャイナタウン周辺も古い民家が点在してる。
駅近くのクモンカゲ(雑貨屋)に可愛いトラ白猫がいた。韓国では飼猫はたいてい紐でつながれてるのでちょっと可哀相だが、逃げない(逃げられない(^_^;))からデジカメ撮影は楽ちんである。
目的のマンソクトン方面に向かったつもりが道を間違えたみたいだ。でも、潟海の造船所やひなびた刺身市場、道端に干されている大きな網、そしてやっぱり貧しい民家と結構Morris.好みの風景が続く。あちこちで猫の姿を見かけるのも嬉しい。さすが「子猫をお願い」のロケ地だけのことはある。
とにかくマンソクドンに行こうとしながらどんどん違う方に行ってるみたいだ。
いったん仁川駅にもどり、再びマンソクドンに向かう。何とか映画のタルトンネに似た界隈にたどり着いた。たしかにどんどん新しいマンションが建てられていて、タルトンネはあまり残っていない。それでもあたり一帯は貧しさが色濃く漂っている。マンソク教会の不釣合いなくらいの立派な建物が威圧感を与える。
ふらふらと歩いて公園見物したりして夕方5時前に東仁川駅に着いた。映画では仁川駅でなくこの東仁川駅が撮影されている。駅周辺もこちらの方が賑やかであるが、ソウルとは比べ物にならない。
夜7時前にソウルに戻り、Morris.の大のお気に入り仁寺洞のオルゲンイクッパブの店「風流舎廊」で遅めの夕食。隣席に3人女性がいて、Morris.のギターを珍しそうに見てたので、こそっと韓国歌謡のさわりをやったら大好評。一緒に記念撮影する。そのあとマッカリ「長寿」を買って、ちびちび飲りながら北村あたりをちょこちょこと散歩して宿に戻る。

2007年11月13日(火)●会社でオモナ(^_^;)−良才森林公園−成均館大学の銀杏−キキさんとノレバン●
5日目

8時半起床。シャワー洗濯済まして、インターネットでメールチェックしたら、むくげMLに、韓国の歌手チャンサイクが11月29日神戸で公演を開くとの記事があった。チャンサイクは日本での知名度は高くないが、Morris.の一番好きな韓国の男性歌手で、今回もおりがあればライブに行きたいと思ってたのだった。神戸公演は民団主催で、なんと無料らしい。あわてて飛田さんに招待券Morris.の分を確保するように頼む。まあ、29日までには帰国してるだろう。いや、これは何とあってもこの日までには帰らなくては。
大元に同宿してるパキスタン人が深刻そうな顔でPCに向かっていた。祖国で大きな紛争があってるらしい。
去年、南漢山城で知り合い、その後、大阪に来たとき案内した、パク社長(アジュマ)に電話したら、昼食でも一緒に食べたいから会社に来るようにとのこと。漢南のヤンジェ(良才)駅で、日本人の経営コンサルタント丹治さんと待ち合わせて会社に行く。「JOA LIFE」という輸入会社で、Morris.の想像とは違ってすごく綺麗なビルで従業員も30人以上いる大きな会社だったので、ちょっとびっくりした。
3人で近くの食堂でカルビタン食べた後、会社に戻り、女性従業員たちといっしょに韓国歌謡大会(^_^)(^_^) 日本人従業員も数名いて、日本から韓国歌謡フリークのアジョシが来るということで、社長がこういった場を設定してたらしい。
今日は忙しいので、明日の夜、モラン市場で落ち合って、夕食食べてからノレバンに行くことになった。
すぐ近くのヤンジェ森林公園を散策する。紅葉、黄葉が綺麗である。本当にいい季節に来たと改めて嬉しくなった。
黄葉といえば、思い出すのが、大学路の外れにある成均館大学の庭の巨大な銀杏の双樹である。これに関しては「銀行の樹」を読んでもらいたい。
ともかく、いつかもう一度あの見事な銀杏の黄葉を見たいと思いながら果たせずにいたが、今日ならまだ間に合うかもしれないと、地下鉄で大学路に向かう。
いや、本当に行ってよかった。明倫館の前のこの銀杏の双樹は天然記念物に指定されているほどのものだったらしい。そして、今日の庭は本当に黄金の毛氈を敷いたみたいに銀杏の黄葉で覆い隠されていたし、双樹の黄葉も充分にその美しさを保持していた。必至でデジカメ撮影したさ。
そして銀杏の下では、大学婦人会を中心とした女性たちが、お茶会を催していた。チマチョゴリ姿のアガシやアジュマもいて、本当に絵に描いたような風景だった。そして、Morris.もお茶を振舞われるわ、ミニギターで韓国民謡伴奏させられるわで、至高の時間を味合わせてもらった。本当に良かった。
大学路マロニエ広場の美術館で、休戦ラインの環境保全を謳う美術展やってた。CGを駆使したものが多かったが、確かにあの区域内は、期せずして環境破壊とは無縁の別天地になってるようだ。
今夜は、イジヨンファンのキキさんと久しぶりの再会である。まずは食事と飲み会を兼ねて民俗酒場に行こうということになる。先日読んだ「ソウルの食べ歩き方」に紹介してあった「トンチョン」に行ったのだが、この店がまた良い店だった。「モドゥムジョン」注文したのだが、種類が多いし量も多い。サービスにモヤシスープも出てきたし、お勧めのマッカリ(もち米トンドンシュ)がこれまた最高っ!!と叫びたくなるくらいの逸品だった。当然わしらはお代わりしたのだが、この2杯目なんか碗からこぼれそうなくらいになみなみと注いでくれてた。この店は絶対贔屓である。
そしてキキさんから素晴らしいプレゼントがあった。20年近く前のKBS歌謡番組に「楽しい土曜日」というのがあって、これには当時の若手歌手中心に番組編成されてて、イジヨン、キムワンソン、チョンスラ、イサンウンなどのアイドルから、チュヒョンミ、ソルンドといったトロット歌手まで出演してた。Morris.はほんの一部だけ見たことあったが、なんと、最近韓国のケーブルテレビでこれが再放送されてるそうで、それを知ったキキさんはあわててケーブルに加入。その後録画した番組10回分くらいをDVDに焼いてMorris.に提供してくれたのだった。いや、これはほんとにとんでもないプレゼントである。キキさん ありがとぉーーっ!!!いくら感謝しても感謝しきれない。Morris.は今回お土産なんかまるでなしだった。次回は何とかしなくては(^_^;)
その後は当然ノレバンである。おたがいアイドルフリークだったから、彼女らの歌から始めて、おしまいは年相応のチョヨンピルメドレーで〆た。ほんとに今日もう充実しすぎの一日だった。もう一度ソウルにコンペイ(乾杯)!!

2007年11月14日(水)●カラク市場−牡丹市場−安城男寺党−またもノレバン●
6日目

8時起床。シャワー、洗濯、インターネット。これがこのところの朝の三大?行事である。
今朝はちょっとのんびりして、10時ごろキョーボ文庫に寄り「日本観光歌謡」という歌本を買う。これは韓国人が好きな日本の歌謡曲を選んで、ハングルで仮名を振ってるもので、以前うり丸さんにもらったのだが、去年カラオケバーで無くしてしまった。パク社長がどうしても五木ひろしの歌を歌いたいというので、買うことにしたのだが、演歌中心で、韓国人の好みが何となく分かるようになってる。
その後観光公社の本社ビルにも寄る。ここの地下には以前独立したインターネット室もあって、良く利用させてもらったのだが、かなり縮小されて使いにくくなってた。まあ大元旅館でインターネットできるから、直接困ることはなくなったけどね。
今日は夕方パク社長とモラン市場で待ち合わせということで、その前にカラク(可楽)市場にも顔を出すことにした。カラク市場はソウルの中央市場で、本当は早朝に行かなければ市場の醍醐味は味わえないのだけど、まあのんびりした昼間のカラク市場もたまには良かろうということにしたのだった。
野菜市場、果物市場、食肉市場、魚市場、といつも見慣れた風景だけど、やっぱりMorris.は市場は大きいのも小さいのもそれぞれ大好きである。青果市場で、三毛とトラ白2匹の猫がいて、どちらも魅力的で、嬉しくて何枚も撮ってたのだが、トラ白の方が急に道路に出てあわやトラックに轢かれそうになったのにはおどろいた。トラックが急ブレーキ踏んで事なきを得たけど、あそこで死んだりしてたらすごく悲しかったと思う。
魚市場では前に包丁を頼まれて買ってもって行った店の兄ちゃんに話しかけられて焼酎一杯ごちそうになったし、ヤクルトアジュマのヤクルト飲んだり、売店でアイスクリーム食べながらミニギター弾いたらアジョシが集ってきて何曲かリクエスト受けたりと、すっかり市場に馴染んでたが、そろそろ時間がなくなったので、モラン(牡丹)市場へ向かう。ここは4と9の日だけ、広場に市が立つ5日市場だが、在来の犬肉市場は年中営業している。今日も顔見知りになった犬肉屋で、黒山羊のエキス入り栄養ドリンクもらって、犬檻前で一曲歌って撮影もした。
広場の外れからサムルノリの音がしたのであわてて見に行く。「安城男寺党」公演が開かれていた。安城市の直営舞踏団で、老若子供入り乱れての演技は素晴らしいものがあった。ここではいつもカクソリタリョン(乞食踊り)などやってるが、今日の公演はめちゃくちゃ水準が高い。思わぬ儲け物と、Morris.は一番前に陣取って、たっぷり1時間くらい鑑賞してデジカメにも収めた。
4時過ぎに公衆電話からパク社長の携帯に電話して、落ち合う。しばらく市場を見物したが、途中で三脚が壊れてしまった。また買わなければならない(>_<)
市場の裏の飲み屋街に行き、朴社長の甥夫婦と落合い5人で夕食は豚ポッサム定食。ここで甥が爆弾酒作ってMorris.にも飲むように勧めたがこれは危ないので断っておく。
その後はお待ちかねのノレバンターイム。「コンイルオビ 015B」という店に入る。広くて大きい部屋だった。社長らは 別の店で刺身やら肴など買いこんで、こっそり持ち込み(^_^;) 社長は五木ひろしをはじめとする日本演歌、Morris.は徹底して韓国歌謡という日韓歌合戦になった。しかし、昨日のカルビタンから、今日の夕食、ノレバンまで、しっかり社長のおごりである。感謝ハムニダm(__)m
10時過ぎにお開きとなり、地下鉄でウルチロ5街に戻り、清渓川を散策するも流石に寒い。
屋台でおでんとトッポッキ食べて午前零時に帰宿。


2007年11月15日(木)●市庁前スケートリンク−国立博物館−杉山さんと生蛸シャブ鍋●
7日目

8時半起床。朝の三点セットを終えて、市庁方面に向かう。観光案内所によってアジュマ二人としばらく話す。PCでMorris.部屋の韓国日記見せたり、ミニギターで「ブルーライト横浜」歌ったりして、コーヒーご馳走になる。
ソウル市庁前広場は冬季スケートリンクになるらしい。まだ工事中ですべれないが、機会があれば一度滑ってみたいものだ。
地下鉄で龍山に出て、三脚を買う。2万5千ウォンと言うので2万ウォンに値切る。でも、これでも高すぎるくらいである。ちょこっと電子街冷かすも買いたいものはなし。
地下鉄で二村に行き、国立博物館へ。なぜかここにも機動隊の群れが(^_^;) どうやら今日、南北の要人がここを訪れることになってるらしい。Morris.のミニギターは当然怪しまれて、検閲受けてしまった(^_^;)
館内に入る前に庭の石塔など見て歩く。途中カササギの飛翔撮影に成功(^_^)
別館では何と「吉野ヶ里遺跡展」なんてのをやってた。佐賀県出身のMorris.だが吉野ヶ里には行ったことも無い。こんなところで佐賀県の遺跡展に出会うのも何かの因縁と覗いては見たもののあまり面白いものではなかった。
やっぱり本館である。この新しい博物館に来るのは2回目だが、去年は夕方待ち合わせがあってゆっくり見ることができなかった。今日はじっくり見て回ろう。それにしても広いぞ。仏像や陶磁器はほとんど顔なじみだし、適当に流す。今回はこれまであまり熱心に見なかった絵画などを見る。シンサイムダン(申師任堂)の草虫図にスカラベが描かれているのに気づいた。韓国にも糞コロガシはいるのだろうか。シンサイムダンは朝鮮王朝時代の女性画家で、近々発行される予定の高額紙幣には彼女の肖像やこの絵が使われるくらいに名声の高い人物である。
1Fの特別展示室で、ハングル学者の歴史展やってて、これはなかなか興味深かった。日帝時代初期のハングル教本などは手にとって読んでみたかった。
この頃には機動隊も帰って、人影まばら状態。本館と別館を結ぶ渡り廊下は広くて長い階段になっていて、下から見上げると大きな矩形のなかに青空が切り取られて、いかにも秋らしい雲が流れていた。ふと思いついて、階段の下に三脚を立て30秒のセルフタイマーにして、階段を駆け上がり、ミニギターをもったポーズで撮影。これが、我ながらすごくかっこいいショットになった。今回の旅日記の冒頭のタイトルがそれである。
夕方「微ニ入ルソウル」の杉山さんと新村の現代百貨店前で待ち合わせ。数日前から左膝がちょっと痛むので、薬局で湿布薬を買う。
杉山さん所属のソウル俳句会の会誌を取りに、はじめて杉山さん宅に立ち寄る。マンションの3Fで結構広い。前にちょっと噂になった3万円のキーボードがおいてあったので、触らせてもらう。さすがに気持が良いタッチである。しかしMorris.には高嶺の花であるなあ(^_^;)
「ソウル俳句会 第12句集」は130p近くあって、会の活動の充実振りがうかがえるようだ。杉山さんの句3句+1句と、印象に残ったほかの人の句をいくつかを紹介しておく。

・島の子は夕焼色にけんけんぱ 杉山杉久
・秋澄むや向ふの橋の名はしらず 杉山杉久
・尻二つ持つ動物へ暖炉燃ゆ 杉山杉久

・てのひらに過ぎし日の旅桜貝 韓汀舟
・病葉は病葉として美しき 金碧雲
・キムジャンのすすぎ水縷々さかの町 山口禮子
・日脚伸ぶわれより若き夢の母 牛島たけし
・秋晴れや巨木ぎんなん昼の月 康順子
・薄衣長く短く重ね着て 金英信
・白波や秋夜の迷い横に裂き 小川裕司
・岩山を剣山にして花一輪 林哲三郎
・蛇苺見つけて楽し川遊び 野村政広
・ユンノリや近道の無き人の道 内藤繁

・正月やちちははポチのゐた昭和 杉山杉久


夜は蛸を食べに行こうということになり、マポ区の蛸料理屋へ向かう。この店の主人はマラソンが趣味で、これまでには百回以上完走してるとのこと。中には100kmマラソンも何回か含まれているというから恐れ入った。
実は杉山さんは昨日も、日本の知人とこの店に来たとのこと。昨日はナクチポックンみたいなメニューだったそうなので、今日は蛸鍋を注文する。煮えたぎった鍋に結構大きな生きた蛸を3杯も投げ入れる。かなり残酷な気もするが、すごく美味しかった。もちろん食べる前にはさみで切り分けてくれる。
左膝は湿布薬のおかげでだいぶましになったが、今日は無理をしないことにして、早めに切り上げて宿に戻る。

2007年11月16日(金)●水原小旅行●
8日目

7時起床。朝の三点セット(シャワー、洗濯、インターネット)済まして、地下鉄市庁駅から水原(スウォン)に向かう。
水原はこれまでに何度も来た事がある。水原山城(華城)は結構有名だし、近くに民俗村もある。
最近では2004年5月29日に訪れてる(^_^;) 実はこのときも山城を一周してデジカメもいっぱい撮影したのだが、この旅の終わりにノレバンで財布とデジカメ盗難にあってしまった(>_<) くわしいことは2004年のMorris.の旅日記「そしてソウル(;_;)…泣いてどうなるのか」を見るように。
ともかく、そういうわけで今回はあのとき無くしたデジカメ画像の再撮影も兼ねての訪問だった。ソウルから1時間くらいで行ける適当な観光地だもんね。
9時半くらいに国鉄(地下鉄と国鉄が繋がってる)水原駅到着。昔はこじんまりした駅舎だったが、いまや堂々たる近代的ビルである。ここの3階に簡易食事スペースがあったので、腹ごしらえしておくことにした。粉食から、チゲ、ラーメン、洋食、寿司に至るまで何でも揃ってる。
前から気になってたチャジャンミョンを注文する。これはいちおう中華になるのだろうが、女子供にえらく人気のあるメニューで、茹でた細い麺の上に見事なくらい真っ黒いルーがかぶさっている。食べるときは、韓国料理の原則にのっとって、思いっきりかき混ぜることになっている。全く辛くは無い。ちょっと甘みのある不思議な食感である。不味くは無いけど、何度も食べようとは思わないな。近くの席では軍服姿の若者のグループ5人くらいがでかい大皿でこれを食べてた。
腹もくちくなったので、駅前の観光案内所でパンフレット貰ってバスでパルタルムン(八達門)に向かう。前回は歩いて行ったら一時間以上かかったけどバスだと10分かからない。
韓国の山城というのは城というより、石を組んだ城壁に近い。水原山城は近年世界遺産に指定されたそうで以前とは見違えるくらい整備されている。
近くのクモンカゲ(雑貨屋兼食品店)でマッカリ「長寿」買って、公園でちびちびやりながらギターの練習。その後石段を登って山城時計回りコースの出発点にあたる西南華楼で一服。板張りの展望台みたいな感じで、ここでもマッカリ飲んでギター弾いてたら、若者3人がやってきた。水原の会社員で昼休みらしい。3人ともソウルから通ってるとのこと。中の一人金君がMorris.にいろいろ話しかけてくる。良かったらソウルで会おうと名刺もらった。
ぼちぼち歩き始める。一旦上ってしまえばあとはほとんど平坦な道である。鐘楼前で入場料千ウォン徴収された。昔はこんなもの不要だった。水原市民は無料らしい。
天気も良いし紅葉も綺麗だ。すすきの原もいかにも季節を感じさせてくれる。水原の住民にとっては絶好の散歩コースだろう。
石垣付近にはカッチ(カササギ)も多い。でもカッチはデジカメ撮影しようとするとすぐ逃げる。なかなかいいショットは撮れない。
華西門あたりで「長寿」空になったので、近所の店でまた一本買う。芝生の広場で老人たちが日向ぼっこしてたので、Morris.も坐ってマッカリ飲んで歌ってたら、ハルモニが寄ってきて、ことわりもせずにMorris.のマッカリを自分の紙コップになみなみと注いで飲む(^_^;) まあケンチャナ。
そのあと、また山城周遊を続ける。韓国の山城にはたいてい東西南北の大門があって、南門が正門になることが多い。水原山城も、南門にあたるパルタルムンが正門である。後は華西門(西門)、長安門(北門)、蒼龍龍門(東門)である、それらを結ぶ途中に砲楼、将台、望楼、狼煙を上げる施設などが設けられている。川をまたぐ形の華虹門一帯はちょっと雰囲気がある。ここで遊んでた3人の小学生の女の子と一緒にデジカメに写ってもらった。このページのタイトル写真がそれである。
途中、前を歩く下校中の女子高生二人連れの足元見たら、靴が右左違ってる。隣の子と片方ずつ交換してるようだ。声をかけてから撮らせてもらった(^_^;)
ほぼ山城一周したところでトラと三毛の猫2匹発見。どちらも首輪してたから飼猫だろう。トラは家の方に逃げたが三毛は屋根に上り、朝鮮瓦の上でいろいろポーズとってくれたので数点いいショットが撮れた。
ちょうどこのあたりから、壮大なキリスト教会を望むことができる。「水原第一教会」と書いてあるが、Morris.にとっては忘れられない教会である。1988年の最初の韓国旅行で水原に来て道に迷ってしまったMorris.が、工事中のこの教会にたどり着き神父さんに地下の仮事務所に招かれて、お金を恵まれそうになったことがある。当時は韓国語は全く出来なかったし英語もほとんど通じなくて、神父はMorris.が無銭旅行者で金が無くなって困ってると思ったらしい。まあ、そのあたりの詳しいことは88旅行記第二部6月4日の項を参照してもらいたい。
川べりのチドン市場(池洞市場)を冷かす。あまり大きい市場ではないが、スンデクッパブの店がずらっと並んだ専門街があった。水原といえばカルビが有名だからカルビにしようと思ってたのだが、今日はこのスンデクッパブにしよう。
まだちょっと早かったからかあまり客はいなかった。「ホナムスンデ」という店のカウンタに坐る。目の前で大きなスンデを切ってスープに入れてご飯にかけて出てきたそれは、これまで食べたことの無い美味しさだった。スンデ自体がめちゃくちゃ美味い上に、ハチノスやらホルモンがいっぱいはいっててこれがまた超美味。いやいや、これを食べるためだけにでも、また水原に来ようという気になった。
食後しばらく裏町を散策。飛びぬけたコルモッキルは無かったけど、韓国の夜の街並みは、あのオレンジ色の街灯に化粧されてどこに行っても魅力的である。

2007年11月17日(土)●結婚式見学−旧ソウル駅内部深訪−漢南でノレバン(^_^)●
9日目

9時起床。流石に昨日水原で歩き回ったのでちょっと疲れ気味かも。
シャワー室でジーンズ洗濯。宿の洗濯機使うと簡単だけど、千ウォン取られるので、今回ケチケチ旅行のMorris.としては、ジーンズだって足踏み洗濯で何とかすませることにしたのさ(^_^;)
朝、近くの世宗文化会館を冷かしてみる。何か展示会でもやってないかと思ったのだが、ちょうど結婚式やってたので、覗いてみる。韓国の結婚式は日本とちがって結構オープンである。いちおうこの文化会館を使うくらいの式だと、金もかかってるんだろうけど、しっかり三脚立ててデジカメ撮影しても誰も文句はいわない。でも、今日の式は韓服でなかったので余り面白くなかった。
その後ぷらぷらと歩いて、市庁越えてソウル駅まで行く。旧ソウル駅舎はもう使われてなくて、現在は立ち入り禁止だけど、外観だけでも素敵だから、Morris.はたいてい、ソウルに来たら立ち寄ることにしてる。
そしたら、何とちょうど旧駅舎内で建築展やってた。「KIA Convention & Exhibitiion 2007大韓民国建築祭 50th. ANNNIVESARY」というかなり大掛りなものらしい。会期は11月10日から18日まで。おお、明日までだったのか、久しぶりに旧ソウル駅の中に入れるなんて、何て運がいいんだろう。Morris.が狂喜して入場したことは言うまでもない。
そして、当然のことながら、展示会はほったらかしで駅舎内部をデジカメで撮りまくったさ(^_^)(^_^) 展示物が邪魔になったりもしたが、そんなことは言ってられない。大時計やシャンデリアやマントルピースなどは前のまま残ってるけど壁や天井の一部はかなり傷んでるし、トイレなんか備品撤去したまま放置されてる状態だったけど、それがまたMorris.の撮影意欲をそそる(^_^;)
一番気に入ったのは西側の階段と踊り場で、ここではセルフタイマー使って自分を写したりもした。3時間近くいたと思う。ああ、ほんとうに今回の旅は、美味し過ぎ、楽しすぎ、マンが良すぎであるぞ。駅舎でてからもしばらく周辺をうろついた。この旧ソウル駅舎に比べて、現在のソウル駅のデザインなんて、月とスッポンならぬ「月と虱」くらいのちがいがあるね。
その後南大門方面に歩き、衛兵と記念写真を撮ったり、南大門市場冷かしたりする。小腹が空いたのでカルクッス小路で食事。カルは「包丁」、クッスは「麺」で、要するに包丁で切ったうどんである。日本のうどんより団子に近い歯ざわりで、これがたまに食べるともちもちして美味しい。
そのまま明洞方面に行く途中で、V字型のちょっとエキセントリックなビルを発見。新しくできたソウル中央郵便局だった。Morris.は前の建物のとき、4Fにあった郵便博物館に良く行ったものである。長いこと工事になって、ちょっと寂しい思いをしてたが、どうやら博物館は新しい建物には設けられていないようだ。日曜だからかほとんど無人だったが、正面玄関は開いていたのでエレベーターでV字の分かれた5階部分の展望台で下を眺める。元三越の新世界百貨店は外装工事中だった。
ここの地下には中古レコードや骨董品が数軒あって、なかなか面白かった。骨董屋のハラボジに話しかけたら、古賀政男の曲が好きだからギターで弾く様に言われたけど、残念ながらMorris.のレパートリーには入ってなかった(^_^;)
夜は昨日水原で知り合った韓国人男性金君とと会うことにした。漢南駅で待ち合わせて、ソルロンタン食べて、ノレバンへ(^_^) ケチケチ旅行といいながら良くノレバン行ってるな、まあ半分はおごってもらったけど、そろそろ押さえ気味にしとかないと予算がピンチになるかもね。金君はいい奴だったけど、いまいち歌はあまりうまくなかったね(^_^;) 彼のアボジ(父親)がちょうどMorris.と同世代らしい。今度ソウルに来たときはアボジと一緒に会おうと約束して別れる。

第3部 ソウル篇 その2
11月18日(日) 泥棒市−カンジャン市場−宗廟−昌慶宮−ミアリ峠−北村喫茶店
10日目

9時半起床。朝の3点セット済まして外に出たらメチャ晴れだが、メチャ寒っ!!である。
バスで東大門に出て、東大門運動場(スタジアム)の泥棒市を冷かす。これまでに何度も書いてるが、黄鶴洞三一アパート前にあった、路上不法占拠市場が、清渓川復旧工事で場所を無くし、暫定処置ということで、この運動場で営業するようになった。ここもいつ追い出されるかわからないながらも、ある程度根付いてそれなりの活況を呈しているようでもある。黄鶴洞時代は、Morris.は三日にあげず通ったものだが、こうやって囲われた空間だと魅力がかなり減じるのはしかたがないだろう。それでもソウルに来たら必ず一回は覗くことにしている。
今日は日曜日だけど、まだ早かったので1/3くらいはまだ開いてなかった。何でもありのガラクタ店の陳列は見事である。知らない人が見たらまず、これが陳列とは思わないだろう。
屋台でユンジョンちゃんニューアルバムのCDを買う。レトロな小学校のカバンや飴売りの客寄せのハサミや湯たんぽ、大人の玩具などに混じって、お菓子の木型が山積みで売られていた。その中の金魚と花柄セットの奴はデザイン的に気に入ったし、値段も万ウォン(今のレートで1,200円くらい)だったから、散々迷ったが結局買わずじまいで、後になってデジカメ画像見るたびに買っとくんだったと悔やんでしまう。
ナフナの3年ほど前のライブのDVDは人気あるらしく、あちこちで再生されてた。でも、何かナフナはいっぺんに年取ったようなきがするなあ。
それにしても本当に今日は寒い。泥棒市場もいいかげんに切り上げて、東大門市場の中を西に向かって歩く。焼き魚定食屋等の並び付近のコルモッキルは良い味を出してるけど、これまでに散々撮影したし、寒いのでちゃかちゃかと歩いて、広蔵市場の屋台村の要の部分にある名物アジュマの屋台に落ち着く。2005年5月の韓国旅行日記「Fish-Eyed SEOUL」のタイトルにも使った魚眼レンズで撮った画像に写ってる屋台だ。そのプリントをアジュマにプレゼントしたらえらく喜んでくれた。これまでいろいろ撮ってもらった中で一番良い!!と、まあ、これはお愛想かもしれないが悪い気はしない。キンパとおでん頼む。アジュマがどうしてもこれも食べろとチョッパル(豚足)を勧める。「共食いになるからイヤだ(チョッパルは日本人の蔑称)」というのに、強引に追加されてしまった(^_^;) まあ、このくらいは愛嬌で良いけどね。ついでにこの屋台バックにミニギターでポーズをセルフタイマーで撮る。
クモンカゲで長寿を買って立ち飲みしながら宗廟へ向かう。ほんとなら、今日は日曜日で、宗廟前広場は老人天国で、ポンチャック歌いまくり、踊りまくり、のはずだったのだが、ハルモニ、ハラボジ連も流石にこのさぶさには勝てなかったようで、ほとんど人影はなかった(>_<) 仕方がないので(^_^;)宗廟の中に入る。おお、この寒いのに職員が池の中に腰まで浸かりながら網で池に落ちた枯葉を回収していた。別に池に枯葉が浮かんでようとかまわんじゃないかと思うのだが、彼らは黙々と職務を果たしていた。
この宗廟も世界遺産に入った?のを機に、いろいろ整備したり、時間決めて説明会やったりしてるらしいし、隣の昌慶宮までそのまま散策できるようになっていた。
昌慶宮は10年以上前に一度ソウルの友だちと出かけたことがあるが、何もない殺風景な宮だったのだが、ここも整備が進んで無茶綺麗になってた。本殿などは工事中で入れなかったが中庭の池には鴨や鴛鴦が群れをなしてたし、柳紅葉をこき混ぜてまさにソウルぞ秋の錦なりける(^_^)風情だった。寒さが美しさをいや増してたという感じもするけどね。
王宮というより池庭公園といった感じだった。はずれにガラス張りの植物園もあったがこちらも補修中では入れなかったのが残念。カッチも多く、ここでは比較的大きく撮ることができた。
また韓国では最近、特に若者中心にカメラブームのようで、二人連れや、団体で撮影やってる姿を良く見かける。女子大生でもほとんどが一眼デジカメにぶっとい望遠付けてたりする。
かなり高齢のハラボジに話しかけられた。何でもここは戦前は動物園だったらしい。すっかり変ったなあと感慨深げだった。そういえば、最近韓国では動物園に行ってないなあ。これまで30数回来てるけど、動物園といえば、ソウル大公園の中の動物園と、全州の「麒麟苑」の2回しか行ったことなかったな。
宗廟から回ったので今回は昌慶宮の裏手から入ったことになる。正門である「弘化門」は南大門、東大門、光化門などと比べると屋根の反りが急角度で、屋根の下の木組みも力強く特徴的でMorris.は何かえらく気に入ってしまったよ。
門の前には屋台の綿菓子売りがいたが寒そうだった。
Morris.もちょっと歩きつかれたのと寒いのとで、一服を兼ねて、何も考えずに目の前に停まったバスに乗る。あったかーいっ(^_^) もともとMorris.はこうやって、無作為にバスに乗って市内を回り、気に入った場所や面白そうなもの見つけたら即降りて、引き返して見物するというパタンを良くやってた。「バストレッキング」と呼んでる(^_^;)
このバスは北に向かって坂道を登っていった。あまり遠くに行くのも考えものだと思ったところに次は「ミアリ峠」というアナウンスがあったので、ここで降りる。
韓国歌謡ファンならたいてい「断腸のミアリ峠」という歌を知ってるだろう。朝鮮戦争当時この峠で生き別れになった家族のことを歌ったもので、その舞台である場所なら見学する価値があろうと思ったのだった。それにミアリにはタルトンネがあると聞いたおぼえもあったからね。。
バス降りたところに大きな歩道橋があり、そこから南西方面を見下ろしたら夕景が美しかった。巨大なクレーンがこの地域の開発を象徴しているようだ。予想通り、タルトンネはほとんど無くなっていて、高層住宅がじゃかじゃか建ち並んでいた。それでもタルトンネのかけらみたいなところがいくつかあった。
そろそろ帰ろうかとさっきの歩道橋の逆の階段からおりたら、小さな公園みたいになってて、鉄の壁のような記念碑があった。おお、何と「断腸のミアリ峠」の歌碑ではないか。ご丁寧に歌詞のハングルが透かし彫りになっている。感激屋のMorris.には何かじーんとくるものがあったね。これも何かの記念だと、セルフタイマーで記念写真撮って、この寒さの中、とりあえずミニギター出して一人弾き語り始める。後から思えばかなりの酔狂ぶりだが、そのときはそうせざるを得ない気分だった。手もかじかんできたしそろそろやめようとしたところに、趙という名の男性が話しかけてきた。不審に思われたのだろうけど、Morris.が日本人で韓国歌謡が好きだということがわかってえらく喜んでくれた。時間あれば一緒に食事でもということになり、彼の車でインサドンまで下りて、海鮮カルクッスの店に入る。彼は国防部の研究員で、何と三角地の戦争記念館に勤務しているとのこと(@_@) 戦争記念館に来たらいつでも連絡してまた会おうと言われた。今日のカルクッスも結局おごってもらった(^_^;) 感謝m(__)m
その後、ぷらぷらと北村散策。ここは街全体が韓屋だらけで、コルモッキルも上品で美しい。夜になって一段と冷え込んできたから、宿に戻ろうと思いながら、ついつい徘徊してしまう。街角に見覚えのないレトロな喫茶店があった。店の名前は「コピハンジャン 珈琲一杯」である。喫茶店の名前としては特別変ったものでもないと思われるかもしれないが、韓国人ならこの名前見たら、ポルシスターズが歌ったシンヒョンジョンの名曲を思い出さずにいられない仕組みになっている。看板の下にはその歌詞も書いてあったから間違いない。つい、入ってしまう。店内も60年代か70年代を髣髴させる造りで、アンチックな食器棚、照明、調度。ここかしこに並べられた骨董品や、フィギュアなどが雑然としながら、一種のムードを醸し出していた。アガシ一人で切り盛りしてるようで、客というか友だちみたいなアガシが二人いるだけだった。当然珈琲一杯注文(^_^)。落書きだらけの壁の前の席で飲んだここの珈琲は、韓国には珍しくしっかり濃いめでなかなか美味しかった。アガシに話しかけて、この店はオープンして7ヶ月目だということなどを知る。いちおうことわってから、ミニギターでこそっと一曲(もちろんその曲)歌いながらセルフタイマーで撮影。1時間ほどくつろいで、帰途につく。空には上弦からちょっとふくらんだ月が出ていていい雰囲気だった。でも寒かったあ(^_^;)

11月19日(月) 早朝の京東市場−楽園市場−ヨンドゥンポ−散髪−雪ぢゃーっ(@_@)
11日目

昨日は比較的早めに酒も控え気味で寝たせいもあってか、4時25分起床(^_^;) って、きっと寒いからおしっこが近くなったせいなんだろう。でも、せっかくこんな早くに目が覚めたのなら、市場に行かないてはないよな。でも、今日も寒そうだあ。ラジオのニュースではソウルの最低気温はマイナス5.5℃なんて言ってるぞ(>_<)
と、愚図愚図布団の中で逡巡したMorrisだったが、意を決して早朝の街に繰り出すことにした。いつもはパジャマ代わりに来てるTシャツを下着代わりにアロハの下に着ていざ、出発。目指すは清涼里方面の京東市場である。ここは果物市場、韓薬市場で有名だが、魚市場も野菜市場も揃ってる。とりあえず、バスで行くつもりなので鍾閣まで歩く、途中水たまりは凍結してた。
早朝のバスはガラガラだった。市場に着いたのが5時半くらい。韓国と日本は時差ないけど、経度はかなり違うから、日本で言うと4時半くらいって感じではないだろうか。市場ではもうそろそろ仕事もピークを過ぎた頃かもしれないが、野次馬Morris.ならこのくらいでちょうど良い。やっぱり早朝の市場って緊迫感があって良い。こんだけ寒いと魚市場なんか大変だと思うけど、そこかしこに焚火やストーブがあるので、Morris.も時々暖をとらせてもらう。もちろん長寿しっかり買ったさ。うーん、いいな、いいな。今度機会があれば可楽洞の早朝市も見に行きたくなった。
ふらふらしてるうちに少しずつ空が明るくなってくる。市場を離れて、清涼里の下町をうろつく。火事の跡もあったし、割と整然としたコルモッキルにもそれなりの見所がある。練炭山積みのトラックがいたり、ナイトクラブポスターに我らがキムヘヨン嬢の姿認めたり、いろいろ楽しめる。ゴミ捨て場に若いカップルがいちゃついてる額縁付きのポスターが捨てて(飾って?)あったのには思わず口笛吹きたくなった。たぶん映画のCMなんだろう。ハングルで「ロブ Love」と書いてある。誰かが演出してくれたかのようなこのたたずまいを見逃すてはないよね。このページのタイトルに使ったのがそれである。
そのまま清涼里駅方面まで行ったところで夜も明けたようだ。
果物市場、薬令市場を流してミカン買って、またバスで東大門まで戻る。今日の朝飯は是非スンドゥブ食べようと思ったのだ。
やっと見つけた「コンマウル」という豆腐専門食堂で今回初めてのスンドゥブである。専門店と書いてある割に味は平凡だったが、店のアガシが愛嬌良かったからOKということにしておこう。この店は有機大豆など、すべてオーガニックな食材を使ってることを売りにしてるようだった。その分Morris.には上品というか物足りなく感じたのかもしれない。
いったんバスで宿に戻る。ちょっと早起きした分、眠り足りなかったようだ。短期で宿泊してる日本人二人とちょっと話して記念写真など撮る。(彼らに名刺渡して、月末くらいにはMorris.部屋にアップするから見るように言ったのだけど、これを打ってるのは2月も半ばである(>_<) ごめんm(__)m)
午後からまた町歩きに出る。ムックさんが最上階から見下ろす撮影してた鍾路タワーにMorris.もリフトで上ったが最上階は高そうなレストランだった。通路の廊下からデジカメ撮影だけしてすぐ降りる。
その後、楽園楽器市場を冷かす。多分韓国では一番大きい楽器市場だろう。単に冷かしのつもりだったが、クリップでギターヘッドに取り付ける簡易チューナーがあったので値段聞いたら1万5千ウォンだという。高くはないけど使い勝手がわからないのでそのまま別の店冷かしてたら同じのがあって、値段聞いたら万ウォンだと(^_^) 即こちらで買うことにした。赤と黄色のライトが点滅して音程を知らせるタイプなので、精密さはいまいちだが、Morris.のミニギターは半分玩具みたいなものだから、これで充分だろう。何しろ開放絃と押さえたときではMorris.にもわかるくらい音がずれるもんね(^_^;)。ただ、絶対音感ならぬ絶対音痴の卦があるMorris.の場合、基本の音がままならないし、チューニングすればするほど狂いが大きくなる傾向があるから、このくらいのチューナーでもかなり威力を発揮しそうな気がする。
市場出るときちょうど作業員二人でグランドピアノを階段で降ろしていた。楽園市場は2階にあるのだが、何故かリフトが無い(>_<)のだ。半端な市場でないのにどうしてなのだろう。ピアノだって傷むだろうし、ずっと疑問に思っている。
さて次はどこ行こうかと迷って、ヨイド(漢江の中ノ島)方面行きのバスに乗る。でも今日の川岸は吹きっさらしで、きっと寒いよなと降りるのをやめて、次のヨンドゥンポ(永登浦)で下車。神戸で言うと長田みたいな雰囲気があって、Morris.は結構お気に入りである。たいてい近所の町工場覗いたり、駅前の場末みたいな繁華街うろつくのだが、近くに永登浦市場があることは知っていながらまともに回ったことがないので、今日はちゃんと見ておくことにした。市場に行く途中ゴミ箱があって隣に三毛がいたので撮影、さらに、すぐそばに親子?の雉白もいた。
永登浦市場はアーケードが縦横に交差している思ったより大きな市場だったけど、特に変ったところはない。ただこの市場に繋がる多くのコルモッキルがなかなか良かった。ヨインスク(旅人宿 木賃宿)も多そうだし、鍾路より安そうだ。いよいよ金に困ったらこのあたりで宿を探すというのも一案かもしれない。
市場を出て駅方面に向かい、地下に潜る。Morris.は韓国の地下街にはあまり関心が無い。どこも綺麗なだけで個性がないし、面白みにもかける。ところが永登浦の地下街だけは、面白かった。古いポンチャックテープばかり売ってる店があったり、なにやらいかがわしい雰囲気が残ってたのだ。地下街自体が薄汚れた感じだったしね。
ところが、ところが、今日潜った地下街はとんでもなく明るく、綺麗で小洒落た店ばかりのファッションタウンに成り代わっていた。これはMorris.にとってはちょっと痛い(>_<) 時代の趨勢とはいえ、こうやってMorris.の好きな場所が徐々になくなりつつあるというのも厳然たる事実ではある。
ちょっとがっかりして地下鉄で鍾路に戻る。パゴダ公園近くに例の赤青回転捻りん棒マークの床屋があって「理髪3,500ウォン、染色5,000ウォンと書いてある。いくら韓国にしてもあまりに安いっ。ちょっと頭がうっとうしくなってたので散髪してもらうことにした。半地下で椅子が3つくらいの狭い店で、アジョシもアジュマもあまり愛想良いとは言えなかった。しかも後ろの生え際まではさみ1本で刈ろうとするので「バリカンはないのか?」と言ったら渋々?出してくれた。洗髪なしで掃除機で頭の回りをぐるりと一周して残った髪を吸い取って終了。ざっと10分ちょっとだった。Morris.御用達の阪神理容と時間はそれほど変らないが、洗髪顔剃りがあるだけ阪神理容のほうが上である。ただ、価格という点からいうと、こちらはざっと400円。日本では破格に安い阪神理容の850円の半額以下というのは、やっぱり凄いと思う。韓国でも普通の理髪店に行けば万ウォンくらいは取られるから、この店は超破格の安さ、まさに価格破壊だが、この付近を気をつけて見て歩いたら、同じ理髪3,500ウォンの看板がここかしこに見られる。つまりこの一帯の協定価格らしい。
それほどお腹減ってなかったので近所のコンナムルクッ店でもやしスープ(コンナムルクッ)たのむ。小さなアルミ鍋に入っててなかなか美味しかった。3,000ウォンというのも安上がりである。
楽園市場下の通りに、前から気になってた民俗楽器と洋楽器と一緒に置いてある街角の楽器屋がある。覗いたらアジュマがいたので入ってみる。Morris.のミニギターに興味持って見せてくれとのこと。早速買ったばかりのチューナー使って調音して「オモナ」を披露したらえらく喜んでくれて、歓談してたら、ギター抱えた流しのハラボジが入ってきた。彼は前に盛り場などで2,3度見かけたことがある。話すのははじめてである。もちろんMorris.のミニギターに注目して、先と同じことやったら、やっぱり面白がって他にできる曲はないかというので、カバンから楽譜取り出して、ポンチャック歌ったら、ノリノリで一緒に弾き始めた。結局7,8曲は演ったのではなかろうか。さすがにプロだから弾き慣れてるし、よく歌も知ってるけど、全体的に荒っぽい(まあ、向こうもMorris.にゃ言われたくないよな(^_^;)し、ごまかしも多いようだった。歌も下手ではないくらいで、プロはプロでもイパクサ&キムスイルコンビとは比較するのもおこがましいといったところである。でもまあ酔っ払い相手に楽しく賑やかに演るならこれくらいの方が良いのかもしれない。と、なると、Morris.の参考になるところ大である。とりあえず、演歌サビ前のブレイクのタイミングだけはちょこっと盗めた(^_^;)ような気がする。アジュマに頼んで2ショット撮影してもらった。
いい気分になってまたしばらく楽園付近のコルモッキル徘徊してるうちに昌徳宮まで出てしまった。秘苑のあるこの昌徳宮も以前に1回だけ入ったことがある。ただし、ここは必ず案内と一緒に集団で回ることになってて、案内は、韓国語、英語、日本語の3種類でそれぞれ時間も決められている。Morris.は前は英語案内と一緒に回ったので他は皆欧米人ばかりだった。どちらにしても、不自由な団体観覧というのはMorris.向きではないな。もちろん、こんな遅くに開門してるわけもないが、外観と裏手からシルエットで撮影、曹渓寺方面から回って帰ろうとしたとき突然雪が降ってきた。Morris.にとっては初雪である。いやたぶんソウルでも初雪なんだろう。まだ11月だものね。韓国では初雪が降ると恋人に逢えると言われている。何か嬉しくなって撮影したがこれまた、降ってくる雪というのも撮りにくいものである(^_^;)
宿に帰って、TV付けたら「歌謡舞台」やってるところで、ヒョンスクが出ていた(^_^)
それにしても昨日、今日とえらく寒かった。明日はちょっと足を延ばして安城に行こうと思ってるのだが、大丈夫だろうか?

11月20日(火) 安城小旅行
12日目

7時半起床。シャワー浴びて、地下鉄6号線光化門駅へ。北岳山はうっすらと雪化粧していた。今日は安城(アンソン)に行くことにした。南部ターミナルに出て安城へ向かう。
安城という町の名前は、韓国語学習始めてすぐ覚えた。「アンソンマッチュム-おあつらえ向き、うってつけ、ぴったしかんかん」という有名な慣用句があったからだ。「アンソン」はもちろん安城の地名、「マッチュム」は「マッチュダー合わせる」の名詞形。安城は鍮器(真鍮製品)が名産で、安城製品のおわんとふたが一分の狂いも無くぴったり合うことから来た言葉らしい。
でも、Morris.は安城がどこにあるかずっと知らずにいた。
もう一つ安城といえば、「辛ラーメン」の次かその次くらいにポピュラーな「安城湯麺」というインスタントラーメンを良く見かけるから、これも安城の名物麺なのだろう。平壌冷麺ほど有名でなくても、春川(チュンチョン)のマックッスくらいには知られてるのではなかろうか。インスタント麺の名前になるくらいだものね。
そして、先日牡丹市場で偶然出会った「安城市立ナムサダン」の演戯にすっかり魅了されたこともあって、とにかく安城に一度行きたくなったのだった。ナムサダンはこの前見たから良いとして、真鍮のスッカラ(匙と箸)でも土産に買って、本場の安城湯麺を食べて帰ってこよう。
デーウォン旅館のインターネットで検索したら京畿道の南端に位置して、忠州の真西くらいのところだ。思ったより近い。地下鉄で南部ターミナルに出て、チケット買う。4,000ウォンで、運転技師に尋ねたら1時間ちょっとで着くらしい。
9:45発に乗り込んで出発進行。
のどかな田園風景を望んで、1時間くらいで安城の大きな立て看板が見えた。チャンゴを叩いてるナムサダンの写真がかっこいい。
バスは市内の数箇所で停車したが、とりあえず高速バスの安城行きだから終点まで乗っておけばよかろうと思ったのだが、これはMorris.の勘違いだった。市街を越えて20分以上も走ったバスの終着点は山深いバスターミナルというより車庫みたいなところだった(^_^;)。市街にもどるには、いったん下の幹線道路までおりてローカルバスに乗らなくてはならないらしい。
せっかくだから、近所に名刹とかお寺とかないのか尋ねたが、要領を得ない。でも、山の上に大きな建物があり、大学のようなので、ちょこっと冷かすことにした。
入り口には「東亜放送大学」と書いてある。山間地だけにゆったりした造りで、校庭では学生がビデオカメラ撮影練習などやってる。脇の建物では学生が大型TVでサッカー見てたので、これも勉強かと聞いたら、単に観戦してたらしい。彼らにこの学校のことなど教えてもらう。割と新しい学校で、韓国で放送専門の大学としては最初のものらしい。この建物はスタジオとのこと。そのうち、すこしだけ日本語のできるチャンサンウンという1年生の女の子が来て、学内を案内してもらえることになった。学生の半分はソウルから通っていて(だからバスの終点がここになってるようだ)、1/3くらいは寄宿舎に入ってるらしい。
スタジオでの授業風景を見物したり、無人の教室で記念撮影したり、コンサート準備してる講堂のステージでギター弾く真似したりして、ちょっと昼食には早いけど学生食堂で定食を食べることにした。いちおう韓食と洋食のメニューがあり、Morris.はもちろん韓食にしたさ(^_^) 2,000ウォンで、ご飯とスープ、キムチ、ユブ、セコギポックンで、けっこう食べでがあったし、味もそれほど悪くはなかった。
しばらく学生らと話して、校庭で「オモナ」や「コルモッキル」歌ったら喜んでくれた。学生から「ナガブッチチュヨシはできないか?」とリクエストされたが、Morris.には無理な注文だった(^_^;)
午後には声楽などの発表会があるから見て行ったらと誘われたが、安城市街見物もしなくてはならないから1時ごろ学校を出る。坂道の端にハルミッコッ見つけて嬉しくなった。日本名「翁草」である。これについてはMorris.にはちょっとした思い出がある。興味のある方はbotanical gardenの「おきなぐさ」を見てもらいたい。
バスはすべて安城市街に行くから、方向さえ間違えなければ大丈夫とのことだったので、あっさり安城市役所前で下車。学食の定食でおなかは減ってないから安城湯麺は後回しにするとして、町を散策。思ったよりかなりの田舎町である。それだけに鄙びた風景を楽しむことができた。Morris.好みの味のあるコルモッキルはあまりなかったが、かなり年季を経た民家は多かった。
街角で2匹の猫を見つけ、撮影してたら、そのうちの雉猫が道路を横切って行くところを流し撮りしたカットは気にいった。
また、すでに廃業したらしい旅行社の建物は素敵だった。お洒落な飾り窓に、ビニールテープで書かれた文字が、雨風にさらされて周辺がめくれ上がり、それが面白いレタリングに見えたし、そのハングルが「ソ連、中国、東欧圏、学生海外旅行業務」と書かれてあることから、学生向け、それも共産圏を専門にしていたのかもしれない。
公園とも空き地ともつかないところにコンテナ利用の小屋があって、「クリスマス」なんて書いてある。教会の子供会の施設か何かだろうか。今日も結構冷え込んでて、昼でも道の水溜りは凍り付いていた。
鍮器店でも冷かそうと思って、町の人に尋ねたら、鍮器買うなら、ソウルの市場で買うようにと言われてしまった(>_<) 代わりに鍮器博物館?を教えてもらう。4階建てのビルの1階部分だけが展示室になっていて、韓国お得意の人形による製作工程場面がいくつかあり、工具や製品もいくつか展示されてたが、はっきり言ってしょぼい。早々に切り上げて出ようとしたら、展示室の隣のドアの向こうから、カツンカツンと何かを叩いてるような音がする。ドアを開けて覗いたら、万力に原型の鍮器を固定してトンカチと鑿で作業してるアジョシと、ソファでくつろいでいるハラボジがいた。見物しても良いかといったらOKとのこと。ソウルの宗廟で使う鍮器を製作中とのことだった。ハラボジが冷蔵庫から人参ドリンクを出して振舞ってくれた。アジョシの話によると、ハラボジは鍮器製作のベテラン職人で韓国無形文化財の一人らしい。記念写真撮らせてもらう。
この建物は安城鍮器業界の会館みたいなものだが、近い将来、整備してちゃんとした博物館にする計画があるらしい。2年くらいしたら完成してると思うから、また来るようにといわれた。また来るかなあ(^_^;)
庭には大型の真鍮製品、鐘や動物像などが並べられていたが、Morris.は片隅にひっそり置かれてある古い工作器械(プレス機?)に見惚れてしまった。
そのあとしばらく街中を散策して、そろそろ小腹も空いたので、お目当ての安城湯麺を食べることにする。せっかくだから安城で一番の湯麺食堂に入ろうと、市場や商店街を歩いて湯麺の看板のある食堂を探すもいっこうに見つからない。思い余って、果物屋のアジョシに尋ねる。

「あの、安城で一番美味しい「安城湯麺」の食堂知りませんか?」
「え、何だって?(@_@)」
「だから、ここは安城でしょう。僕は日本人で、本場の「安城湯麺」を食べに、わざわざやって来たんですよ。」
「何、本場の「安城湯麺」だと。ぎゃはははははっははははっはっは(^_^)/!!!!」
「何でそんなに笑うんですかあ?」
「あんたね、「安城湯麺」はどこで食べても一緒だよ。」
「どうしてですか?」
「だって同じものどこででも売ってるじゃないか」
「え????」

さすがに、Morris.もこのあたりで、何か勘違いしてたことにはうすうす気づいてしまった。とりあえず確認ね。
「と、いうと、あのインスタント「安城湯麺」のことですか?」
「当たり前じゃないか、あれ以外に何があるんだい?」
「つまり、「安城湯麺」って、製品の名前なんですね」
「そうさ、あれ作ってるノンシム(農心)の本社工場がここ安城にあるからあんな名前にしたんだろう。
それにしても、日本人が「安城湯麺」食べに、わざわざ安城まで来るかねえ、ぎゃはははっはっはっ(^_^)//」
「す、すんまっせんっ(^_^;)m(__)m」


というわけで一件落着。
こうなったら、シャレで、近所の粉食堂かキムパ屋で「安城湯麺」食べて帰ろうかとも思ったが、それもあまり意味がないので、ちょっと早い目にソウルに戻ることにして、日も暮れかけた4:45発のバスに乗車して、西側の窓ぎわの座席に坐ったのが大正解だった。バスの車窓から本当に絵に描いたような夕陽を望むことができたし、これをデジカメでちゃんと撮影できたのだった。いあや、夕陽の撮影はこれまで何度か挑戦して、なかなか上手く取れたためしがなかったので結構難しい気がしてたのだが、今日の夕景は、動いてるバスの中から撮ったとは思えないくらい綺麗に撮れてた(^_^)
これも怪我の功名といえるのだろうか。まあ、今日は朝から、バス乗り過ごしたおかげで大学見物できたし、何でもありのMorris.の旅らしいということにしておこう(^_^)。
帰りは正味一時間でソウル着。何故か、南部ターミナルでなく、高速バスターミナルに着いた。ああ、今日も楽しかった(^_^)(^_^)
夕方6時過ぎにソウルに戻り、鍾路3街で降りて、夕食何にしようかと迷い歩く。パゴダ公園東隣に安い飲み屋が並んでいる一画あって、その中の一軒の屋号「身土不二」だったので何も考えずに入る。とりあえず長寿頼んでメニュー見る。基本的に料理はヘジャンクッの店で、「タコヘジャンクッ」というのを頼む。蛸ではなくて豚肉の骨付きが入っていた。なかなか美味しいし3,000ウォンというのは嬉しい(^_^)半分残った長寿持って店を出る。近くのオレンジの街灯の下でセルフタイマーで自分を写したら街灯の色が白髪に(^_^;)反射して金髪みたいに映ってしまった。
地下に降りたら、お洒落なデジタルショップのCMパネルのモデルにペドゥナが4人並んでいた。東京のふくはらさんに頼まれてたペドゥナの写真集のこと思い出して、近くの本屋で探す。「ドゥナズトウキョウノルギ(ドゥナの東京遊び)」という写真集は人気あるらしく平積みされてた。これ買って宿に戻り一通り目を通す。ペドゥナは写真上手いぞっ(^_^;) 

・11月21日(水) 坊さん写真家展-鹿川発見-市場でキムジャン-飴やのアンちゃんと
13日目

7時起床。朝の3点セット済まして外に出る。大元旅館の屋根も雪で真っ白になってた。近所の外換金銀行で両替。レートは828.44と、円高傾向。入国時に比べると0.8近く上ってるから、一気に両替しなくて良かったということになるだろう。
地下鉄6号線光化門駅の構内には展示スペースが幾つかあってその一つで美しい写真展やってたので覗いてみる。一瞬精密な油絵かと見紛うばかりの作品揃いである。石麟哲という、禅宗の僧侶の作品と聞いて驚く。会場には本人がいて、Morris.がしきりに感心してるのを見て話しかけてくれた。僧侶で写真家で日本観光新聞の編集顧問もやったりと幅広い活躍をしてる人物らしい。それにしても夕陽をバックにシルエットで浮かび上がる枯れ木と旅の僧たちの写真なんかあまりに綺麗過ぎる。デジカメではなく、フィルムの一眼レフらしい。
さて、今日はどこに行こう。ソウルから北上してみたいが、38線方面は今回はやめとくとして、前から名前が気になってた議政府(ウィジョンブ)に行くことにした。米軍、韓国軍が駐留していることと、ソウルの衛星都市の一つであるということくらいしか知らない。ただ、以前イパクサと一緒に栗狩にでかけたとき、このあたりを車で通り過ぎたことがあった。
つまりは行き当たりばったりに、名前だけ知ってる町に出かけることにしたのだが、結果的にこの選択はMorris.には大きな成果をもたらしてくれたことになる。
国鉄と乗り入れしてる地下鉄1号線が清涼里から地上線になる北行き路線の14駅目が議政府だといえばおおよその地理的見当がつくだろう。途中のソッケ(石渓)駅は地下鉄6号線が出来る前、パクサ宅に行くときバスに乗り換える駅だったから馴染みがあるがその先は未知だった。ソッケからソンブク(城北)、ウォルゲ(月渓谷)と過ぎて次の駅に着くちょっと前に汽車の西側窓からいかにも鄙びた集落が見えた。一目見ただけでMorris.の胸がドキンと音を立てた。良くわからないながらこの部落は絶対訪れなくてはと思わせる何かがあったわけだ。次の駅はノクチョン(鹿川)。いっそ、このままここで降りて訪れてみようかとさえ思ったのだが、まだ早い時間だし、議政府なんて大して見るものもないだろうから、ちゃかちゃかと見物してこの鹿川に戻ってくれば良いということにした。
一駅ごとに積もった雪の量が増える感じで、議政府のホームに降りたときには一面銀世界だった(^_^;)
駅前は何の変哲も無い。とりあえず市場に行くことにする。知らない町でのMorris.のワンパタンである。駅の地図によると北に向かってそう遠くないところに「第一市場」というのがあることがわかった。
第一市場はかなり大きな市場で、やはりアーケードに覆われていた。そして何と市場の通りを縦断してとてつもなく長いプラスチックの調理台がしつらえてあって、その上には、ずずずずずいーーーーーーーーっ、と紅白の帯状に盛り上がっている。紅いのはコチュ(唐辛子)、白いのはマヌル(大蒜)である。台の終点部には、山のように詰まれた塩漬け白菜。これは「キムジャン」に違いない。それにしてもこれほど大掛りなキムジャンなんて見たことも聞いたこともない。うろうろして市場の人に聞いたり、横断幕見たりして、これが「サランエキムジャン 愛のキムジャン」という名の慈善企画で、市場総出で山のようにキムチを作り、一人暮らしの寂しい老人や、貧しい家庭に配ることになってるらしい。おお、それならMorris.も該当するではないか(^_^;) ともかく、こんな良い機会に巡り合わせてラッキーだった。しつこくデジカメ撮影してたら、一眼レフ持ったアガシが声をかけてきた。彼女は市場の事務所のキムヒョンジュさんで、今日はこの催しの取材を担当してるらしい。Morris.もキムチちょっとは頂けるか聞いたらもちろんOK、それに午後からは市場でノレチャラン(カラオケ大会)もある、というので、思わずエントリーしてしまったさ(^_^)/
彼女に2階の事務所に連れていってもらいコーヒーご馳走になりながらいろいろ話を聞く。議政府というのは李朝時代に王様が一時こちらに仮の政府を作ったことがあってそのためこのような名前が付いたらしい。
今日はこの催しのため昼食時は2階のビュッフェ借り切っているから、自由に食事をしたらいいとも言われてしまった。ラッキーの二乗である(^_^) 事務所にやってきたちょっと怖そうな(^_^;)アジュマが一緒に食べに行こうという。断ることも出来ずビュッフェへ。キムジャンの作業しながらみんな交代で食べてるようだ。バイキング方式で、勝手に好きなものを好きなだけ取れる。Morris.は具沢山ピビンパに挑戦。おまけにビール、マッカリも飲み放題だと(^_^)(^_^) たまらんなあ(^_^) アジュマと一緒の席で食べる。美味しいし、アジュマはばんばんマッカリ継ぎ足してくれる。デジカメで撮影したら画像確認して、何度も撮りなおしさせられた(^_^;) 
ノレチャラン始まるまでしばらく市場の内外を散策。緑の紐に繋がれた可愛い白黒猫発見(^_^) これは本当に可愛かった。近くにはあまり見るものもないようだし、雪がぬかるんで足場も悪いので、市場の中を彷徨うことにした。市場はどこも同じようで微妙に違うし、何度見ても飽きない。サンタの帽子をかぶった屋台のアガシがノリが良くて、楽しそうだった。
キムチ作りが予定より時間かかって、ノレチャラン始まるのもかなり遅れそうだった。鹿川のことも気にかかるけど、ここで帰るわけにもいかない。3時過ぎにようやくノレチャラン始まって、と、いっても特別な舞台ではなく市場中央のせり台みたいなところにカラオケ機器とマイク備えてる感じの至極内輪なノレチャランだった。Morris.は十八番の一つ「身土不二」歌った。そこそこの受けだった、かな? でも市場の役員やってるアジョシがえらく喜んで、今日のキムジャンのために誂えてみんなが着用してる紅いエプロン(第一市場のロゴ入り)をプレゼントしてくれた(^_^) これは嬉しい、これで喜びの三乗である(^_^)(^_^)(^_^)/せっかくだからアジョシとエプロン姿の記念撮影したり、マッカリに蒸豚、出来立てのキムチなど思いきりいただいて4時半頃市場を出て電車で鹿川に向かう。
ノクチョンに着いたらもう薄暗くなってる上に、Morris.はふるまい酒で、すっかりいい気分になっていた。
それでも、期待満々でノクチョン駅で下車し、朝見た部落方面に向かって歩く。Morris.は駅の北口から降りたが、部落に行くのなら南口の方がうんと近かったようだ。
昨日からの雪がかなり残っていて、裏山はほとんど雪山、足場は悪かったものの、これがノクチョンの古い粗末な家並みを程よく雪化粧してくれたうえに、オレンジ色の街灯の光が雪に反射して、本当に現実世界とはかけ離れた雰囲気を醸し出していた。
カバンとミニギター肩にしょって、デジカメにこの前龍山で買った三脚装着して撮影したのだが、おいおい、三脚がまた壊れてしまった(>_<)。買ったときから、以前のものより華奢な感じはしてたのだが、いくらなんでも1週間たらずで壊れるというのはあんまりではないか。とりあえず、高さの微調整をしなければ使えなくも無かったので、最後まで使ったが、後でみたら、大半が左右に傾いでいた(>_<)今日の画像の半分ほどはPCで左右に回転して微調整せざるを得なかった。暗い場所での撮影、三脚の不調、酒の酔いといったこともあるが、つまりはMorris.の未熟としかいいようがない。
しかし、それを補って余りある画像が撮れたのではないかと、すっかりのぼせてしまった。一つ一つの建物なら、これまで、ソウルや、そのほかの町でも見かけたことがあるが、これだけ密集してるのは初めてだし、ソウル市内、それも国鉄沿線にこういったところが残っているというだけでも、ちょっと信じられなかった。
線路を隔てた向こう側には新しい高層アパートが林立し、工場の煙突が煙を吐いていた。中天にはちょっとおぼろな月が出ていた。
2時間ほどさまよったが、とてもこのまま済ますことはできない。
明日また来ることにして鍾路に戻る。
8時過ぎにインサドンに戻り、例の飴やの兄ちゃんホンウンヨンと待ち合わせ。詳しいことはよくわからないが彼は今は飴屋はあまりやらずに、毎週のように光州で商いやってるらしい。今日も光州からの帰りで、Morris.としては弟分のキム君や仲間たちと、集って飲んで騒ごうと思ったのに、今日は駄目ということで、明日の夜、集ることにした。ところが兄ちゃんは今日も一杯飲ろうという。まあ、軽く付き合う分にはMorris.に依存は無い。とりあえず荷物置きに、この前引っ越したという三清洞の彼のねぐらに向かう。古い韓屋の一部屋だけの間借りで、水道も冷蔵庫もない暮らしだが寝るだけだからかまわないとか、他に2軒女の部屋があるから不自由しない、とか、相変わらず奔放な暮らしぶりらしい。
近所の居酒屋でマッカリでも飲もうと行ったのだが、いや、いい店を知ってるからそこに行こうという。明日の集りがあるから今日は簡単にすまそうというMorris.の気持を知ってか知らずか、新村までタクシーで行くとのこと。かなわんな、と思いながらも、久しぶりに会ったのだから一軒だけ付き合おうと、行った店が、中国朝鮮族の店で、メニューは例の羊肉串焼だった。最近ソウルでも人気が出たらしく、こんなの食べたこと無いだろうと、自慢げだったが、Morris.が大阪で何度も行ったというと意外そうな顔をしてた。この店の串焼きも不味くはなかったが、Morris.としては大阪心斎橋の「延辺香」の方がまだ美味かったような気がするぞ。それにあちらの変な酒を注文してこれがMorris.の口に合わない(>_<)結局ビール頼んだがこれも中国産の不味い奴だった。マッカリなんかあるような店ではない。Morris.はいい加減腹が立ってきた。ここは知り合いだからサービスしてくれると言った割にはちゃんとした値段(Morris.にとっては)取られたし、バスか地下鉄で宿に戻るといったら、今度は自分がおごるから別の店に行こうと言う。マッカリでも飲んで口直ししたかったので付いていったら、地下のショットバーみたいな店で、ここにもマッカリは無い。ビール1本だけ飲んで、今度こそ帰るといったら、電話で知り合いの女の子呼んでるから、もう一軒一緒に行ってくれだと。仕方ないな、という顔したら、何とまたタクシーに乗って弘大前に行き、公園でしばらく待って、やってきた女の子と何か打ち合わせして、さあ行こうと連れて行かれたのがまたまたBARかラウンジかわからない店。ほんとに怒ってわしはマッカリが飲みたかったんだ、と言ったら、ちょっとあわてて、それならマッカリ飲める店に行こうだと。そして着いたところが、構えからして高級そうな「東学」という店。見かけだけ立派なパジョンと、器だけ素敵なトンドン酒が出てきたが、Morris.としては予算のこと思うとゆっくり味わう気になれない。そして女の子をMorris.の横に坐らせてしきりに、サービスするように勧める。Morris.の勘ぐりかもしれないが、どうやら兄ちゃんはこの子をMorris.に紹介して、ホテルにでも行かせる腹積もりだったようだ。別にMorris.をカモにしようとかではなくて、彼なりの「善意」だったのかもしれないが、Morris.は、そんな気も金もない。その後もチムシルバンに行こうとかぐだぐだ言ってたが、振り切って帰ることにした。今日の勘定だけでも8万ウォン超えてる。すでに予算オーバーである。明日の集りは後で電話で断らざるを得ない(>_<)。
久しぶりの出会いも、そういうわけでちょっと、ほろ苦い結果に終わってしまったな。第一市場のキムジャンフィーバーと鹿川で、興奮状態だったのが、ちょっと萎えた気もする。でもまあ、色々あるから面白いというのがMorris.のモットーだから、これはこれで良しとしておこう。
宿に帰ったらアジュマが部屋の前で盥に白菜入れてキムチの仕込みやってた。「キムジャンだね」と言ったら嬉しそうにそうだと笑顔で答えてくれた。第一市場の大キムジャンの話して、もらったエプロン見せびらかしたらビックリしてた。アジュマの笑顔で、今日もラストは楽しく〆ることができて良かった(^_^)

11月22日(木) 三脚新調−鹿川撮影−きゅみちゃんとホルモン焼−マッカリ店−キュミちゃん宅で爆睡
14日目

10時起床。やっぱり昨日はちょっとハードだったようだ。
旅館の電話で釜山のパンスタフェリーに電話で大阪行き27日便の予約入れる。シーズンでもないし、平日だし全く問題なし。これで、旅の終わりが確定した(^_^;)。
またまた壊れた三脚を買わなければならない。Morris.は小型三脚運が悪いのか使い方が荒いのか(たぶん両方)、本当によく壊してしまう。今回は買ったばかりですぐ壊れたのだから製品に問題があったのだと思う。それにしても今日は本気で鹿川撮影だから、買わざるを得まい。また龍山まで行くのかあ(^_^;)
ともかく外に出て光化門郵便局に寄って、昨日買ったペドゥナの写真集を東京のふくはらさんに送ることにした。郵送料は4,500ウォンくらい、写真集が16,000ウォンくらいだったのでざっと2万ウォン強、今のレートで2,400円くらになる。
清渓川広場を横切ろうとしたら、何か催しやってて林檎の着ぐるみなんかいたので、記念撮影頼む。ふむふむ、忠州りんごキャンペーンだと。と、と、と、忠州と言えば旅の初めに偶然観光したところではないか。キャンペンギャルにその話をしたら、お愛想でびっくりしてくれた(^_^;) りんごとりんごジュースも頂いて、観光案内所に寄ったら例のアジュマ二人がいて、またひとしきりおしゃべり。
そのまま南下して市庁前から地下鉄で龍山に出ようかとも思ったけど、三脚くらいなら南大門市場にもあるだろう、とそのまま市場まで出る。
カメラ店は結構並んでるのだが例の携帯用のチビ三脚はあまり見かけない。あってもえらく高かったりする。やっぱり龍山まで行くかと思ったが、ちょっと大きめのアルミ製のものなら見かけより軽いし、大きい分しっかりしてるから、これでもいいかと思って値段聞いたら万ウォンだと。前のチビ三脚の半分である。これに決めた。結果としてこれで良かったと思う。
そのままふらふらと明洞方面に歩いて行ったら、当然のごとく中央郵便局にぶつかる。やっぱりすごいビルだなと思って入り口付近を見たら、花飾りや看板が飾ってある。看板には「慶祝 POST TOWER(ソウル中央郵便局)竣工記念式典 2007年7月22日」と書いてある。えっ?? 今日が竣工式(@_@) と、いうことは先日(11/15)のMorris.の郵便局訪問(^_^;)は何だったんだ?? つまりは、勝手に竣工前のビルに不法侵入したってことになるんじゃないかい。まあ、済んだことはしかたがない(^_^;)
とりあえず、改めて新中央郵便局を見直すことにした。郵便局自体は例の裂け目のある5階まででその上は企業や組織の事務所が入ってるらしい。それでもエレベータで最上の22階まで上れるみたいだったので上ってみる。さすがに5階からとは展望が違う。重厚な造りの韓国銀行(日本でいうなら日銀)もほとんど真下に見下ろせる。
ついでにトイレにも行ってみた。あの「美しいトイレ展」でも上位にランクされそうな美麗なトイレなのに、洗面台にはすでに、歯ブラシやらコップやらが散乱していた(^_^;)
地下では記念の展示会やってた。記念切手も発売してたので1シート買う。久しぶりにこれを使って日本に絵葉書でも出そうと思ったのだった。歴代の郵便局のマークやバッヂ、記念切手などが飾ってあったが、以前の郵便局の5階にあった郵便博物館に比べるとちゃちなものだった。あーあ、結局あの博物館は無くなってしまったみたいだな。
しかし思わぬところで時間を食ってしまった。鹿川に急ごう。
今日は朝からノクチョンに行くつもりだったが、新しい三脚を南大門市場で買ったり、実は今日が竣工だったソウル中央郵便局を見たりして、ノクチョンに着いたのは、昼過ぎだった。
ウォルゲからノクチョンに向かう電車の中で、Morris.は西側の窓にへばりついて、ノクチョン部落の概観を連続撮影することにした。昨日の雪がまだ残ってることもあって、電車がのろのろ運転してくれたのも幸いして、100枚(@_@)近く撮ることが出来た(@_@)。
今日はもちろんノクチョン駅南口から下車。部落の入り口に、ノクチョンの由来を記述した石碑があった。

ノクチョンマウル(鹿川村) チュンナン川が氾濫して洪水になり、この村が破壊されたとき、青い鹿が現われ、この鹿が川で沐浴したあとは、豊年が続いた、と言う伝説に基づいてこの村の名を「鹿川」とした。

おお、なかなか由緒のある村名ではないか。道路の雪はかなり溶けてるし、昨夜と違って明るいから、歩きやすい。新しい三脚は、以前のよりちょっと大きめで、使いやすかった。これで前の半額なら、初めからこっちを買うんだったと、今さら悔やんでもしかたがないか(^_^;)
実は昨日は夜の暗さと、酒の酔いと、オレンジ街灯の魔術であれほどまでに幻想的だったので、明るい白昼に見たら意外と平凡な街並みではないかと、一抹の不安を抱いていたのだが、そんなことはなかった。夜には夜の、昼には昼の魅力があった。
韓屋というのもはばかられそうな、モルタル造りの粗末な家が多いし、ベニヤや帆布や看板などでボロ隠ししてるわ、家具を道路に置いたまま、倉庫代わりに使ってるわ、路地がそのままガラクタ置き場になってるわと、環境保全組合的視点から見たらぼろくそだろうし、1/4くらいは既に空き家なのかもしれない。それでも、Morris.はこの一画を歩きながら、ずーーーっと夢見心地だった。
保育園らしい建物もあった。お寺も一つだけあって、ここには親子の猫がいたし、本堂に上らせて貰い、お祈りして仏像の撮影も許してもらった。ただし、韓国のお寺の仏像は金ぴかで、あまりありがたみがない(^_^;)境内にはキムチ甕がいくつも並んでいたし、大きな糸瓜に白い文字でお寺の名前が名前が書いてあった。「チョアンサン ファンニョンサ 肖安山? 黄龍寺?」というお寺らしい。裏手には、子供が作ったような稚拙な石仏が祀ってあったし、なかなか稚気のある和尚さんらしかった。
村のちょっと山手に小さな公園があって、ここは薬水場になっているらしく、石垣で囲った水汲場があった。ここのベンチで一休みして、ちょこっとギターなど弾いてたら、ひとりのアジョシがやってきた。この村の住民らしい。Morris.が日本人で、韓国歌謡が好きで、この村の風情がすごく気に入ったと言うと、喜んでくれて、いろいろ話してくれた。
この部落も、ずいぶん前から再開発指定になっていて、いつつぶされてもおかしくないとのこと。おおまかな想像はつくが、再開発となれば、一気にブルドーザーで押しつぶして、サラ地にして、後には、高層アパートや工場が建つのだろう。歴史のある文化財や、芸術的建築なら、隔離したり、移築するなりして保存する方法もあるだろうが、こういった古い庶民の住まいなどは、保存等、初めから考慮の外である。再開発が来年か再来年か3年先かわからないが、この風景が遅かれ早かれ消滅してしまうのはまず間違いあるまい。
家の壁には多くの貼り紙があったが、ほとんどが「イサッチム 引越し屋」のものだった。要するに話がついた住人にはどんどん引越して出て行ってもらい、ある程度過疎になったところで、一気につぶしてしまおうという役所側の腹なのだろう。
今度ソウルに来るときには、必ず再訪するつもりだが、そのままの姿を再び見ることができるだろうか?
今回の韓国旅行記は、番外篇が多かったが、特にこのノクチョン篇に限っては、デジカメ画像が多すぎるうえに、どれもこれも是非見てもらいたい画像だらけだったので、とても日記の中に挿入するのは不可能だったのだ。
このページでもかなりのチビ画像掲載しているが、やっぱり、スライドショーをじっくり鑑賞してもらいたい。
いや、今回は、ノクチョンのアルバムページを開いて、興味を覚えた画像だけでも大きなサイズ(幅1024ピクセル)で見てもらうことを切に願いたい。
そして、これからソウルに行かれる予定があって、こういった方面に関心ある方は是非、ノクチョンを訪れて、Morris.に現況報告願いたい。

ノクチョンを見て死ね!!

これはMorris.の心からの叫びである。
鹿川の撮影を終えて、7時に九老区のオリュドン(梧柳洞)駅へ。ここでキュミちゃんと待ち合わせしたのだが、ちょっと時間が余ったので近くの市場を散歩。小さいながら味わい深い、いい市場だった。
キュミちゃんと、さっきの市場の近くにあるコプチャンクイ(ホルモン焼き)の店へ。初めMorris.はコプチャンチョンゴル(ホルモン鍋)食べようと思ってたのだが、この店は焼き専門店で、絶対焼きの方が美味しいという。そして、その通りだった(^_^)
その後、今度は駅の裏側にある、マッカリ専門店。あのべこべこヤカンがトレードマークの「タクサバル」というチェーン店だった。ここではパジョンとマッカリで、Morris.はどんどんどんどん飲んでしまった。これがほんとの「ドンドン酒(^_^;)失礼m(__)m)」である。隣の席の客らと記念撮影した後、キュミちゃんの旦那キムポンソク君もやってきたらしいが、すでに朦朧状態のMorris.はほとんど覚えていない。
そのまま、二人に連れられて、近くのキュミちゃん宅に泊まってしまった。宅でもしつこく店から持ち帰ったマッカリ飲んで管を巻いてたらしいが、全く覚えてない(>_<)m(__)m

11月23日(金) 裏山で大雨−カンミョン市場−目覚めたら仁川(>_<)−地下道野宿(^_^;)
15日目

10時起床、え?ここはどこ?そうか昨夜は酔っ払って、キュミちゃん宅に転がり込んだんだった(>_<)
ミニギターはむき出しで布団の横に転がってたから、また一人で騒いだのに違いない。ちょっと酔いがのこってるけど、宿酔というほどではない。朝から仕事に出るポンソク君と2ショット撮ってもらい、珈琲などいただきながら、キュミちゃんにこれまでのデジカメ画像見せびらかす。特に昨日と一昨日の鹿川のショットは、小さなカメラの液晶で見てもつい感激してしまった。
キュミちゃん宅のアパートは小さな山の麓にあって、屋上から望むとちょこちょこと登るのにお手ごろである。明日は釜山に向かうから、今日はこの裏山に登り、キュミちゃんから聞いた近くのバラック部落とカンミョン市場を見物してから宿に戻り、ソウル最後の夜をしっかり楽しむことにしよう。
キュミちゃんに別れを告げて山登り。ほとんど丘登りといった感じで10分ちょっとで頂上に着いた。あたりは枯れ木だらけですっかり冬景色である。意地汚く昨日のマッカリの残り持参である(^_^) テントの下にテーブルとベンチ置いてある休憩所で休んでたら、突然真っ黒い雲に覆われてものすごい雨になった。ちょっとこれでは降りるに降りられない。時々雷まで鳴り出した。テントのおかげでそれほど濡れないし、ギターとマッカリがあれば大丈夫と、雨の中一人で飲んで歌ってた(^_^;)のだが、なかなか雨脚は弱くならない。マッカリも底をついて、ちょっと寒くなってきた。遭難するわけもないが、結局2時間弱山の上にいたことになる。
山を降りてチョンワン駅に向かって歩いていくと、バラック部落、いや元バラック部落が見えてきた。ほんの数日前に取り壊された模様だ。地震の後のような凄まじい壊れ方だった、デジカメ撮影してたら、そこの住人だったらしいアジョシがすごい剣幕で、写すな!と叫びながら走ってきたので、あわてて逃亡(^_^;)
少し先に外壁と屋根の一部が残ってる廃屋があった。またちょっと雨が振り出したので雨宿りも兼ねて入ってみる。あちこちに焼け焦げの跡があるので、火事で廃屋になったのかもしれない。それにしてもMorris.は何故こういった廃屋とか廃墟に惹かれるのだろう。また雨が本降りになったので、この廃屋で小一時間過ごすことになってしまった。いい加減夕方である(^_^;)雨に時間取られ過ぎたから、市場はパスして宿に戻ろうかとも思ったが、すぐ次の駅がカンミョンだから、とりあえず、さっと流してみることにした。
お腹がすいてたので、目の前にあったチュオタン専門店にはいる。チュオタンは泥鰌汁である。これまで食べたことなかったので、試しにと思ったのだが、出てきたチュオタンはご覧の通り、泥鰌の原型をとどめていなかったし、味の方も、いわれなければ泥鰌とは気づかないだろう。不味くはないけど、もう食べることはないかもしれない。
カンミョン市場は、噂通り結構大きな市場で、根っから市場好きのMorris.は元気を取り戻して(^_^;)、またまた長寿を飲みながら徘徊してまわる。いつの間にか夜になってしまった。それでも、市場のパジョン専門店に入り、オジンオパジョンとマッコリ貰って飲み始める。隣に座った二人連れの女性と話したり、また飲んだりしてるうちにあっという間に9時過ぎてしまった。いやあ、そろそろ戻らなくてはとふらつきながらも地下鉄に乗ったところまでは記憶にあるのだが、次に目が覚めたら何故か反対方面の終着駅仁川で、それも最終電車は出た後だった。どうやらMorris.は電車で眠りこけて一号線を往復してしまったらしい。あちゃちゃちゃ(>_<)である。
駅員に早く降りるように言われる。足元にあった折り畳み傘も持っていくようにとのこと。よく分からないまま駅を出る。雨は止んでた。時計を見たら零時回ってる。要するに酔って、寝過ごして往復したということだろう。もちろん終電出た後で、今更ソウルに戻るわけにも行かない。
安い旅人宿でもさがすしかないな。でもせっかくだから、その前に深夜の仁川散策というのも良いかもしれない。先日昼間でも迷ったタルトンネにたどりつけるかどうか疑問だが、とりあえず歩いてみることにした。
先日と同じコースで造船所から山の手に上るとマンソクドンではないが、やはりタルトンネみたいな地域がある。昼間とは全く雰囲気が違う。三脚使ってデジカメ撮影。しかし酔ってるのとやっぱり眠いのとで、後で見たらかなり傾いてる画像が多かった(>_<) それでも、こんなことがなければ、深夜の仁川なんて来ることはまずなかったのだから、いちおう貴重な画像ということにしておこう。
結局3時過ぎまで徘徊したところで流石に疲労と眠気に勝てなくなった。仁川駅近くで宿を探したが意外とこのあたりは宿が少ない。たまにホテルがあっても、えらく高い(Morris.には(^_^;))。
こうなると野宿、と思ってもこの寒さだと凍えてしまいそうだ。ふらふらしてたら地下道の入り口があったので降りてみる。地下商店街は夜中はシャッター閉まってるのだが、一軒の店で夜間の内装工事やってた。作業員が出たり入ったりするためシャッターも半分開いてる。これ幸いと潜り込んで、店と店の間のすきまにダンボール敷いてそのまま眠ることができた。工事やってるから、ちょっとうるさいけど、ある意味見張ってもらえるようなもので、安心して寝ることができた。
朝6時前に警備員にたたき起こされる。ちょっと寝足りないけど仕方が無い。
仁川駅まで行ったらちょうど始発電車が来たので、これに飛び乗ってソウルに向かった。しかしMorris.はまたも寝過ごして城北まで行ってしまった。あわてて乗り換えて、ちらっと鹿川の家並みを眺めて鍾路まで戻り、大元旅館に戻ったのは9時半過ぎだった(>_<)

11月24日(土) 9時に大元旅館に生還−バスで釜山へ−満月
16日目

とにかく、ふらふらになって大元旅館にたどり着いたのが9時頃だった。今日中に釜山に行くつもりだが、とりあえず部屋で一眠りすることにした。
お昼前に目をさます。シャワー済まして出立。挨拶しとこうと思ったけどアジュマもアジョシも不在。また来年にでも来るだろうからよしとしとこう。宿の通りに「光化門チプ」という食堂があって、店前に行列ができている。ソウル最後の食事はここに決めた。並んでる客にこの店の人気メニューを尋ねたらテジコギチゲらしい。ご飯つけて6,000ウォンで、肉の量が半端ではない。これは人気でるだろうな。過労気味のMorris.のお腹にはちょっと多すぎた。とにかく腹いっぱいになって、地下鉄で高速バスターミナルまで出て15:20発釜山行きバスに乗る。29,400ウォン。もっと安いバスもあったのだが、時間が合わないので断念。やっぱり疲れてて、バスでもうとうとしていた。今日は満月でバスからも時々望むことができた。
途中工事などで渋滞して5時間近くかかって8時頃釜山のバスターミナル到着。

第4部 釜山篇

2007年11月24日()●チャガルチ−満月-焼き魚定食−「金井」は美味い(^_^)
16日目

満月とともにバスで釜山に向かったのだが、途中えらく渋滞して5時間以上かかってしまった。釜山のバスターミナルはかなり郊外にある。チャガルチ方面に向かうバスを探してたら、近くに地下鉄駅があることを教えてもらった。釜山の地下鉄もかなり路線を延ばしているようだ。
チャガルチに着いたらもう9時過ぎてた(^_^;) 去年ムックさんの紹介で泊ったヘリム荘で、前と同じ値段で交渉したがなかなかうまくいかない。今日はハルモニがいなかったのだ。それでも、1階の道路沿いの部屋なら前と同じ料金で宿泊OKということになった。かなりうるさいとのことだったが、そんなこと気にするMorris.ではない。
顔だけ洗って、速攻でチャガルチ見物に向かう。やっぱりチャガルチは素晴らしい。干魚屋台に紐で繋がれた綺麗な三毛猫発見。杏仁形の吊り目なのにすごく上品で表情が良い。しっかりMorris.@Catographerになってしまった(^_^;)
夕食は焼き魚にしようと思ったが、コドゥンオ(鯖)、コンチ(秋刀魚)、サムチ(鰆)、カルチ(太刀魚)---といろいろあって迷ってたら、食堂のアジュマがトミ(鯛)を食べるならカルチ一切れサービスすると言うのにつられて、その店に落ち着く。真鯛ではなくいわゆる赤魚の類のようだったが、結構美味しかったし、付録のカルチもグー、そして具沢山のテンジャンチゲもついてきて5,000ウォンは満足である。
クモンカゲで釜山のマッカリ「金井」を買う。1年ぶりだが、やっぱり美味しいぞ(^_^)(^_^)ラッパのみしながら、波止場付近を徘徊する。
満月が中天に上り、ヴィジュアル的に美しいのだが、デジカメではちと難しい。
昼間の魚屋台が夜にはポジャンマチャ(飲み屋の屋台)に変身する。Morris.も一杯やりたかったが、一人だと割高になるので、金井で我慢する。
2時間ほどさまよって宿に戻る。宿近くの果物屋台に漫画マイケルみたいな可愛いトラ猫見つける。またひとしきりMorris.@Catographerになって、蜜柑を買う。宿でも金井を飲んでいい気分。でも明日は早起きするつもりなので、適当に切り上げる。

2007年11月25日()●朝市空振り(>_<)−釜山港の夜明け−龍頭山公園ー元山麺屋
17日目

4時起床。えらい早起きだが、早朝のチャガルチと夜明けを見たいと思ったのだった。まだ暗いし、かなり寒い(>_<)それにしてもいまいち賑わいがない。人も少ないし、船も灯り消している。どこでもセリなんかやってる雰囲気ではない。??と思ったが、やっと、今日が日曜日で市場は休みだと言うことに気づいた(>_<) なんてこったい、である。それでも、夜明け前の港湾風景は悪くない。それにしても寒すぎるので、埠頭の焚火にあたりに行く。古いトロ箱をどんどん燃やしているのだった。アジョシが、Morris.にもトロ箱どんどんくべるように促す。いやあ、助かった。焚火+金井があれば大丈夫だ。
少しずつ明るくなってくるが、東側はヨイド(影島)の山があるので、日の出はかなり遅れそうだ。数人のアジョシといろいろ話す。焚火の隣では、新しいトロ箱作ってた。
だんだん明け方の気配になって、いい感じである。やっぱり釜山港にはカルメギ(鴎)がつきものだから、夜明けの港に鴎が舞う風景を撮りたいとおもうのだが、これがまたなかなか難しい。
結局山の端から太陽が姿を現したのは8時前(^_^;)だった。日曜でも屋台の魚市場は営業始めたし、Morris.の聖域である渡し船の船着場でもある桟橋で、ちょっと落ち着くことも出来た。
9時前にチャガルチの西側の山手方面を散策。小さな教会の日曜学校で、子どもたちを前に、歌いながら説教してるアガシがいた。とてもチャーミングで、Morris.はしばらく見物させてもらう。在来市場あたりをぐるっと回って、また桟橋にもどって一休みしてたら、子猫を抱いた女の子がやってきた。あまりに可愛いので撮影させてもらう。このページのタイトル画像である(^_^)
チャガルチの小さな文具屋に寄って、ポジャギ柄の絵葉書を買う。ソウル中央郵便局竣工記念切手で、日本の友人に珍しく葉書をだすことにしたのだ。いったん宿に戻り、シャワー浴びて、葉書書いたりしてから、龍頭山公園に向かう。
途中元山麺屋で冷麺食べる。やっぱり薬缶で出てくるスープが美味しい。肝腎の冷麺の方はまあ普通、といったところ。昔の味が懐かしい。
街角にチャンサイクのポスターがあってびっくりした。何と昨日の夜、釜山でコンサートあったらしい。わかってたら見ることが出来たかもしれないが、29日の神戸での公演に期待しよう。
龍頭山公園の石段でギター弾いて歌ってたらヒマそうなアジョシ数人が寄ってきた(^_^;) けどやっぱり寒い(^_^;)金井はあるけど、結局30分くらいで切り上げて地下街に潜り込む。ここで釜山の交通カードを買う。「ハナロカード」という名前で、こちらも、地下鉄、バス共通だから便利である。早速これを使ってソミョン(西面)に出る。いまや釜山で一番の繁華街ということになっているが、Morris.はそれほど興味のある場所ではない。それでもふらふらと歩き回り、さきの冷麺だけで、小腹が空いてきたので、やはり昨年ムックさんと一緒に入ったクッパブの店探す。Morris.の記憶力不足でどの店かわからなくなったので、一番客の混んでる「キョンジュクッパブ」に入る。予想通りここのクッパブは美味しかった(^_^) ここのクッパブにもスンデが入ってたが、やっぱり水原のスンデクッパブにはちと負けてるかな(^_^;)
その後適当に103番バスに乗って、どこなりと知らない町に行こうと思ったのだが、ちょっと疲れてきたこともあって、見覚えのあるカンミョン市場で下車。宝水洞の古本屋街にも回ってみたが、何かMorris.は韓国の古本屋への興味はほとんど消えてしまったような気がする(>_<) 教科書中心の店が多いし、雑誌や、専門書の店でも、やたら店主が「ムオチャジャ? 何探してる?」とうるさいこともある。それ以上にMorris.の韓国本読書意欲の減退ということがあるのかもしれない。部屋にある味読韓国本だけでも手に余る。
下町をふらふら歩いて、チャガルチ市場の北端にある農協ビルの農協百貨店冷かす。ずっと前からあることは知ってたのに入らずじまいだったのだが、灯台下暗しとはこのことだった。もちろん農協だから、農産物はもちろんだが、加工食品や調味料、酒まであって、一般の店より安い。自分の土産に韓国海苔を買うことにした。
金井とキムパブも買って宿に戻る。TVでトロット爆笑番組やってたので、一杯やりながらこれを見る。この番組は実に面白かった。

2007年11月26日(月)●渡し船で影島−クポ市場−接着剤(>_<)−老人公園でフィーバー−カムジャタン(^_^)
18日目

8時半起床。朝風呂つかって、9時半からまたまたチャガルチへ。埠頭に大きな鱶がごろんと転がっていた。冷凍魚のトラック積み込みや、公設市場冷かしたり、釜山港風景眺めたりした後、金井買って、Morris.の聖域桟橋へ。
桟橋でギター弾いて飲んでたら、スキンヘッドのアジョシがやってきて、色々話しかける。ちょっと危ないタイプのようでもあったが、適当に話を合わせる。Morris.の金井を飲ませろといって、半分くらい飲んだ後、自分でも酒買ってくるから待ってろと言ったまま、小一時間待ったが戻る気配なし(^_^;) 
11時くらいに渡し舟に乗ってヨンド(影島)に渡る。ヨンドは去年も2回訪れたが、特にこの渡し舟が着く西側一帯は、小さな造船所と、町工場地帯で、実にMorris.の好みに合う。この一帯のコルモッキルがまた、独特の味わいを持っていて、何度来ても飽きることがない。
今日も、工場とコルモッキルをさ迷い歩く。途中クモンカゲで金井買って、店のアジョシに釜山で見るべき市場などを教えてもらう。Morris.の持ってた地図を見て、暗いから見にくいと、わざわざ外に出て、眼鏡外して、地図を見て、「クポ(亀浦)市場」に行くよう教えてくれた。何となく聞き覚えはあるが、まだ言ったことがない。午後からはこちらに回ることにしよう。
わざと道に迷い歩き、小さな港あたりで、アジョシに話しかけられる。ベンチに坐って韓国歌謡を披露したらえらく喜んで、近くの店から肉饅頭を買ってきて振舞ってくれた。さらにMorris.がノチョンガク(老独身)だと知ると、知り合いの女性を紹介しようか?と、まんざら冗談ではない顔つきで言うので、あわててことわる(^_^;)
そんなこんなで、やっぱりヨンドは、Morris.と相性が良さそうである。
バスでクポ市場に向かおうかと思ったが、結局渡し船でチャガルチに戻り、地下鉄で行くのが一番簡単、ということでそうする。国鉄の駅もある「クポ駅」でなく地下鉄3号線の徳川駅下車とのこと。
クポ市場は思ったより大きな市場で、かなり大規模な食肉市場があった。しかもメインは犬肉市場だった。もちろん犬肉食堂も軒を並べている。ソウルの南の牡丹市場の犬肉市場と比べると店舗数では負けてるが、何となくゆったりした感じがする。犬肉屋の前で態度のでかいペルシャ猫見つけた。さっそくデジカメ撮影。持っていた金井を地面に置いたら、はじめは興味深そうに匂いかいでたが、突然唸りだした。あまりお気に召さなかったようだ。
飼い主のアジョシと話をする。犬肉も食文化で、欧米から文句を言われる筋合いはないと、なかなか鼻息が荒い。Morris.もこの意見には同感である。牡丹市場では、犬肉や店の撮影をしようとすると、すごく嫌がるし、カメラ向けたら露骨に威嚇されることが多かった。ところが、ここクポでは、ほとんどそういうことはなかった。それだけでも、Morris.はこの市場に好感度大である。
せっかくだから近辺を歩き回る。うろうろしてるうちに、あっさり国鉄クポ駅に着いてしまった(^_^;)
ここらあたりのたたずまいも悪くない。コルモッキルというより、普通の住宅地がそのまま絵になる風景だらけだった。うーーん、釜山はチャガルチだけではない。Morris.はますます釜山が好きになったよ。(^_^)
嬉しかったのは、地下道のタイル壁にでっかい文字で「ヒョウナ サランヘ!! ヒョウンちゃん大好き!」という落書きを見つけたことだ。書かれたヒョウウンちゃんはかなり恥ずかしいかもしれないけど、文字と言い色遣いといい、秀逸である。また、線路沿いの高台の家の石塀にこれまたでっかい落書きがあった。こちらは黒一色で稚拙な汽車の絵といっしょに「線路前の住みか」と書いてあるだけなのだが、何ともいえない味わいがある。
いいないいなと喜んでたのだが、ここで思わずハプニング。Morris.の前歯の被せが剥がれてしまった(>_<)
これってみっともないよな。かといって、韓国で歯医者に行くというのはしり込みしてしまう。保険だって効かないだろうし、明日はフェリーに乗るんだし。何とか応急処置を、と、思いついたのが「接着剤」でくっつけとこうということだった。市場の大きなスーパーで接着剤を探す。ハングル表記だけど住友3Mの接着剤が見つかった。ティッシュで歯のまわりの水分をとって、おもむろに接着。これ舐めるのも良くないだろうからかなり神経使ったが、どうにか格好はついたようだ(^_^;)
気を取り直して、またまたマッカリ(金井がなくて他のを買ったがあまり美味くない(>_<)飲みながら、市場を回る。市場の出口の公園にハラボジたちがたむろしていたので、Morris.も腰を落ち着けて、ギターで懐メロ特集。当然のごとく大うけで、そのまま、市場の中の屋台になだれ込む。別の店で魚の膾など買って、それをあてに飲んで歌ってしばらく、楽しい時間を過ごした。ハラボジの一人が矢鱈、学をひけらかして、Morris.の手帳やその辺にあったチラシの裏に、漢文を書き散らかす。とりあえず、住所と名前も書いてもらい、今日の記念写真を送ること約束して別れを告げる。
いいかげん酔っ払いながら、地下鉄でナンポドンに戻り、晩御飯は、カムジャタンの食堂に。普通カムジャタンは3人前くらいがふつうなのだが、この店は一人前のメニューがあって助かった。考えてみると明日の午後はもうフェリーに乗ってるから、これが最後の夜である。ちょっと感傷的になったりしたが、今日は早めに寝て、明日も半日は釜山見物を楽しむことにする。

2007年11月27日(火)●聖地巡礼(^_^;)−ギター弦探索−鱈鍋屋の猫−フェリー乗場−世紀の夕陽●
19日目

昨夜は宿でついつい金井飲んでしまったが何とか6時に起床。KBSニュースでソウルは-1℃、釜山は8℃といってるかなりの温度差である。
何はなくともチャガルチ詣で。
飽きもせず、お馴染みの市場や埠頭をうろつき、聖域である桟橋に座り込んで、朝から金井とギターでくつろぐ。この期に及んでギターの1弦が切れてしまった(>_<)
もう今日が最後の日だから1弦くらい無くてもよいようなものの、やっぱり今回の旅はミニギターと一心同体だったから、最後まで付き合いたい、ということで絃を買うことにしたのだが、これがソウルと違って、そうそう楽器屋が見当たらない。ロッテデパートならあるだろうと、地下鉄でソミョンに出る。しかし、何とロッテデパートには楽器売り場が無かった(^_^;)。地下の観光案内所で調べてもらったら、プジョン(釜田)市場に楽器屋があることがわかった。ソミョンの次の駅である。楽器屋はすぐ見つかった。ギター絃は、韓国メーカーのSamickである(^_^) 1弦だけなら500ウォンである。えらく安い。後で思うと何セットか買っとくべきだったんだろうが、そのときは、切れた1弦のことしか頭に無くて、1弦2本買って、しばらくプジョン市場を見物。そう大きいことも無いが、Morris.はどんな市場でも、それなりに楽しい。大型量販店前では、労働争議のデモやってた。
昼前にナンポドンに戻る。釜山最後の食事は何にしようかと、ふらふらしてたら路地に黒白と三毛の猫2匹見つける。デジカメ構えて追いかけたら、しもた屋風の食堂に入っていった。思わずMorris.もそのまま店に入ってしまう。これも何かの縁である。昼食はここにしよう。どうやらテグタン(鱈鍋)専門店らしい。とりあえず注文して、Morris.@Catographerに変身(^_^;) 黒白は冷蔵庫上の買物箱に逃げ込んでしまったが、三毛はやんちゃもので、色々ポーズを取ったり、Morris.のマフラーにじゃれ付いたりの大活躍。今回の旅では猫も沢山撮ることができたし、本当に満足である。
出てきたテグタンも、すごく美味しかった(^_^) Morris.は韓国の魚鍋系はそれほど好きではないのだが、鱈は歯ざわりといい、淡白な味といい気に入ってしまった。
農協百貨店で自分用のお土産の海苔を買う。先日親切に教えてくれた綺麗なアジョシはいなくて、ちょっと太った別のアジョシに「世和」ブランド(綺麗なアジョシの一押し)を買うといったら農協ブランドの海苔にしろとしつこく押し付ける。でもめげずにちゃんとMorris.は「世和」を買ったさ(^_^) 
宿に戻り、荷物整理して、いよいよ帰途に着くことに(;;)
フェリー乗り場まで、チャガルチ市場から海岸沿いに歩くことにした。未練といわれようと、やっぱりMorris.にとってチャガルチあっての釜山だものね。
市場の外れの屋根にも野良猫が2匹いた。フェリー乗り場の途中の倉庫地帯もいい感じだったし、港に浮かんでる関釜フェリーを見ると、またこれにも乗ってみたくなった。
パンスタフェリー手続きももう馴れたもの、何と帰りも、4人部屋にMorris.一人である(^_^) シーズンオフの平日ということなのだろうが、これでちゃんと採算とれるのだろうかと、余計な心配したくなる。
就航まで時間あるので、デッキから釜山市街を眺める。チャガルチ、釜山タワー、金井山、影島、松島−−−必ずまた来よう。
そして今日の空と雲の景色が実に良い感じだった。東方面は青空でいかにも秋空といった感じのうろこ雲、そして西の空は水平線一杯に巨大な弧を描いた形の雲。こんな美しい空はこれまで見たことが無い気がする。このときくらい、Morris.お得意の魚眼レンズ持ってくるのを忘れた(紛失してた)の悔やまれたことはない。
出航と同時くらいに西の空はピンクに染まり始め、雲の濃淡と光線の加減で、不思議な変化を見せながら、だんだん夕焼の色が濃くなり、感動的な日没、その後も余韻が続いて、Morris.は1時間以上この洋上の大空のスペクタクルに酔い痴れていた。
今回の旅は何か不思議なくらいに色んな楽しいことがあって、見所満載で、これまで30数回の韓国旅行の中で2番目に良かった(1番目は最初の旅で、これだけは別格)と思ってたのに、おしまいにこんな素敵なおまけが付いてるなんて、美味し過ぎ、である。
しかも、明後日には神戸でのチャンサイクコンサートが待ってる、ときたもんだ\(^o^)/笑いが止まらない。
暗くなってからキャビンに戻ると、レストランでは、フィリピンの打楽器や、ヴァイオリンとサックスのショーなどやってたので、見物して、部屋に戻る。
思い残すことは何も無い。こんな満足な旅はなかったな。就寝。

2007年11月28日(水)●ふーーっ(^_^;)
20日目?

7時半起床。流石にちょっとお腹が減ったので、船内のコンビニでカップ麺(ユッケジャン)買って食べる。7,000ウォン。これでウォン使うのもおしまいである。味は不味くもなく特に美味くもなしといったところ。
船は瀬戸内海岡山沿岸を走っているようだ。デッキに出たらちょっと寒いくらい。明石大橋の下を通り過ぎたころ船尾に太極旗が掲げられた。
税関も日本人は優先で通過できたし、シャトルバスで地下鉄駅まで出て、あとはすいすいと帰宅。部屋についたのが昼過ぎ。
何はなくともデジカメ画像をDEL坊に落とす。これはかなり時間を食った。2千点近くあった(@_@)ともかくもこれで一安心である。
しかし今回の旅は20日間と、いつもよりちょっと長期だったこともあるが、とんでもなく中身の濃い旅だったような気がする。ふーっ、心地よい疲れである(^_^)
第4部釜山篇は、これまでにもましてデジカメ画像だらけになってしまった。本篇にかぎらず、今回の旅日記は、全篇スライドショーを用意したので、ご用とお急ぎでない方は、是非そちらをご覧くださいm(__)m
最後までお読みいただきありがとうございましたm(__)m、m(__)m

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