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Morris.日乘2012年3月 


Morris.の日記です。読書控え、宴会、散策報告、友人知人の動向他雑多です。新着/更新ページの告知もここでやります。下線引いてある部分はリンクしているので、クリックすれば、直行できます。


 

今月の標語

塵も積ればゴミの山

【2012年】 2月 1月
【2011年】 12月 11月 10月 9月 8月 7月 6月 5月 4月 3月 2月 1月

2012/03/31(土)●弥生尽●

6時半起床。
今朝の血圧は206/87/64。
小雨の中自転車で摩耶倉庫へ(^_^;)
奥井さんと昨日の現場の〆。
Morris.の商売道具テープカッターがかばんの中でばらばらになってた(>_<) これはかなり辛い状況である。ダンボールカートン組み立てるのに、いちいちビニールテープをカッターで切るという情けなさ。雨も断続的に降って、なかなか作業はかどらず、昼食抜きで1時過ぎ積込み終了。
昼はくら寿司。回転寿司というのも久しぶりだったが、上段に個別注文用の高速レーンが設けられている。回転レーンの複線化である。
3時過ぎに高取のJRコンテナに保管荷物搬入。
今日も一日強い雨かと思うとからりと晴れ上がったり、突風が吹いたりと、めまぐるしい天候だった。
3月も今日で終わり。2月まで異常なくらいヒマだったのに、今月はかなりの忙しさだった。
特に後半、16日から今日までで休んだのは19日(月)だけである。何となく長い3月だった。明後日4月2日(月)は久しぶりの休み。
阪神はデイゲームで、3-2で初勝利だったらしい。藤川も何とか9回を無失点で締めくくったとか。ほっ。
今日の歩数は4962歩。

2012/03/30(金)●阪神初戦はドロー(^_^;)●

6時半起床。
今朝の血圧は182/75/69。
自転車で、摩耶埠頭に向かう途中空には久しぶりに畝雲が出ていた。層積雲の一種だろうけど、これも結構Morris.好みである。
奥井さんと先日溝渕くんとプレパックに行った尼崎の現場。今日は主に保管便と船便、明日は富山配達の家具搬出の予定。
5時倉庫着。
不当に大型船が入ってたので、回り道して見物。クリーム色の船は船尾に「HONG KONG」と書いてある。もう一つ東側には黒い船が停泊していてこちらはNYKとある。帰ってからネットでチェックしたら、クリーム色は香港船籍で6万7千トン、黒はパナマ船籍で9万8千トン。やはりこのくらい大きいと見甲斐がある。戦艦とタンカーを比べるのは反則かもしれないが、あの戦艦大和の全長が263mだもんね(^_^;)
OOCL KUALA LUMPUR
船籍: 香港。DWT: 66,800t GT : 66,500t 全長: 281.0m 全幅: 40.0m 積載: 5,888TEU 建造: 幸陽船渠 2007 IMO: 9367176
NYX VESTA
2007年3月6日竣工。  Hyundai Heavy Industries 建造。97,825 G.T.  103,260 D.W.  全長 338.17M  全幅 45.60M  型深 20.14M 9,012TEU積載、  パナマ船籍、  IMO NO,.9312808

今日はプロ野球開幕。今年はセパ両リーグ同時開催である。阪神は京セラドームで横浜DeNA戦。1回先制したものの、1-3と逆転され、あぢゃぢゃあと思ったのだが、7回裏関本の逆転3ランホームランで逆転。4-3で9回藤川投入で万全の勝ち試合かと思ったのだが、森本に長打を浴び、代打ラミレスのつまったボテボテフライがタイムリーヒットになって同点にされてしまった。おまけに延長10回表に、死球、盗塁、バント、犠牲フライととノーヒットで逆転されて、負けたか、と思ったらその裏、平野の3塁打を犠牲フライで返して同点。その後四球とエラーでサヨナラのチャンスをもらったものの代打檜山凡フライで引き分けゲームセット。ああ、何か疲れるゲームだったな。それなりに面白かったけど、やっぱり結果出なくちゃね。先発キャッチャー藤井がなかなかよく守ってたのが拾い物だったと思う。藤川が1点を守れなかったというのはちょっと不安が残る。
今日の歩数は5246歩。


今朝の畝雲

黄色い花盛りの木 

山茱萸(さんしゅゆ)らしい 

寄生木に覆われた木 

瑞々しい新芽 

OOCL KUAKAKUMPUR 

NYX VESTA 

同じく 

夕映え 
2012/03/29(木)●明石大橋再び●

6時半起床。
今朝の血圧は205/107/73。
「がんばれ!クムスン」第10話。いつの間にか習慣になってる。とんとんとんと話が進んで、できちゃった結婚にこぎつけたクムスンなのに、旦那は交通事故で(>_<) えらい展開である。
奥井さん、秋本くんと舞子高台マンションの広州向け荷物ピックアップ現場。
仕事前に白黒猫が後ろを通り過ぎたので追いかけて撮影。なかなか良い面構えの猫だった。
明細記入が必要な食品が多く、時間を食った。
昼は「もっこす」でラーメン。ここも久しぶりで、やっぱり不味くは無いのだけど、どうも感動が(^_^;)薄い。もしかしたらMorris.の舌が変わった(衰えた?)のだろうか。
今日の歩数は4205歩。


白黒猫発見 

なかなかの面構えぢゃ 

現場のベランダから 
2012/03/28(水)●枚方方面●

5時半起床。
今朝の血圧は203/90/68。
浅海くんと枚方のシンガポール向けピックアップ現場。
以前西根くんと航空便取りに行った現場である。別会社からヘルプ二人。保管と処分もあって、今日は廃棄処分の方が多いくらいだった。
朝は雲ひとつ無い快晴だったのに、急に雨になったり、止んだりという、めまぐるしい天候の変化にちょっと振り回された。昼はすき家の牛丼。
帰りの阪神高速から見る空の模様が楽しかった。
今日の歩数は4031歩。


阪神夕暮の雲 #01 

#02 

#03 
2012/03/27(火)●武庫川近辺●

6時起床。
今朝の血圧は209/117/75。
チョッサラン歌うユンジョンちゃん昨夜の歌謡舞台は例によって月末の3月リクエストで、あまり期待もしてなかったが、ユンジョンちゃんが登場して「チョッサラン 初恋」を歌っただけで、大満足(^_^) ユンジョンちゃんはおしまいあたりで再登場してアンダミと「モックヮアガシ」をデュエットした。そして久しぶりに5人組のトロットギャルグループ「オーロラ」が登場したのも嬉しかった。
今朝も「がんばれ!クムスン」第7話見てから摩耶倉庫へ。
今日は溝渕くんと二人で尼崎南武庫之荘マレーシア向け荷物のプレパック現場。
昼は「来来亭」で餃子定食。以前はよく食べて美味しいと思ってたし、たしかに不味くはないのだけど、どうも感動がない。
昼休み武庫川まで歩いて行ったけど、水が少なくていまいち。
帰りは自転車で六甲道灘図書館経由で7時帰宅。
録画しておいた「徹子の部屋」見る。ローラ出演というので録画したのだが、根回しが効いてたようで、徹子はかなりローラの情報を揃えてたし、ローラも敬語半分くらい使ってた(^_^;) でもあのほっぺたを膨らます癖は「法令線」を無くすためだと言ってたのにちょっとびっくり。Morris.は鼻の下の方にできる八の字皺のことを「ホウレイセン(法令線、豊齢線)」ということを、つい最近まで知らなかった。
今日の歩数は6745歩。


来来亭のラーメン 

南武庫之荘のたたずまい 

武庫川 
2012/03/26(月)●明石大橋付近●

6時起床。
今朝の血圧は209/109/71。
「がんばれ!クムスン」第4話を見てから摩耶倉庫へ。
としろうと二人で、明石の航空便と保管荷物の引取り、横持ちが長くて、分解する家具が多くて、午後1時作業終了。
午後は食器棚を別宅に配達。
昼は「たこ珍」という店で卵焼き。本場の明石焼きは久しぶりで、不味くはなかったけど、いささか期待はずれだった。
猫も結構見かけたが、多くが寝てた。
4時に倉庫に戻り、作業中東の空を見たらうっすらと虹が出ていた。
6時帰宅。
今日は巨人とマリナーズ戦、イチロー見たさにチャンネルそのままにしてたが、これも期待はずれ。
今日の歩数は7778歩。


朝の舞子公園 

孫文記念館 

明治天皇の歌碑 

松に椋鳥 

明石「たこ珍」 

久しぶりの卵焼き 

ちょっといい感じ 

明石の白茶 

明石の雉 

明石の茶トラ 

西出町の黒 

猫密度高し 

西出町の白雉 

倉庫から望む虹 

稗田水神社の神木楠 

2012/03/25(日)●芦屋美術館あたり●

6時起床。
今朝の血圧は215/104/69。
晴天だが、肌寒い。
荻野、秋本くんと芦屋の上海向けピックアップ現場。以前、航空便を取りに来た現場だ。
昼休み、自転車で通りかかった女性から声をかけられる。鹿嶋さんだった。図書館からの帰りとか。
Morris.も図書館方面に足を伸ばす。そうそう、ここには市立美術館と谷崎潤一郎記念館が並んでた。ずっと以前幻のロシア絵本展以来である。懐かしいなあ。
谷崎潤一郎記念館の入り口には朝鮮の石人像が立っていた。谷崎宅の庭にあったものとは別らしいが、なかなか風情があってよろしい。
美術館では芦屋市展やってたのでちょこっと覗いてみる。わかりやすい作品が多くて好感度大である。たまにはふらりと訪れたい。
4時作業終了。6時帰宅。
巨人-アスレチックスなんてのをやってるので、とりあえずチャンネルそのままにしてたが、やっぱりどうも面白くない。昼間には阪神-マリナーズやってたらしい。
選抜高校野球もやってるようだが、ほとんど結果すら知らない。相撲は白鵬が決定戦で鶴竜を下して22回目の優勝とか。
今日の歩数は7814歩。


自転車で走り去る鹿嶋さん 

 谷崎潤一郎記念館

文官石人像 

 芦屋廃寺礎石

芦屋市立美術館 

芦屋市展 

2012/03/24(土)●三田方面●

6時半起床。
今朝の血圧は1190/103/79。
小雨模様だったけど自転車で摩耶倉庫へ。
矢谷くんらと5人で三田ウッディタウンのシンガポール向け荷物ピックアップ現場。階段4階だったけど、担ぎは若いバイト二人におまかせ(^_^)
今朝もトラックでウイークエンドサンシャイン聴く。初っ端のスティーリーダン、続いてヴァンモリソン、そしてアーロンネヴィルときて、結構聴き応えあったが、やっぱりトラックの中だと集中できない。途中バラカンが、「最近の日本地は、いわゆる洋楽への関心が薄くなってきたようだ。若者は日本や韓国の楽曲中心、高年世代は過去の洋楽を懐かしむ傾向にある」との発言。たしかにそう思う。ただ、韓国(K-POPだろうけど)音楽が日本の若者に浸透してるというのには今さらながら驚かされた。
今日は一日中、強い雨が降ったり突風が吹いたり、突然晴れ上がったり、雹が降って来たり(@_@)というめまぐるしく変化する天気だった。
3時半作業終了。
マルハチで買い物して6時帰宅。
GyaOで「頑張れ!クムスン」ドラマが新しく無料公開されてたので1話と2話を観る。登場人物のうち4人は「家へ帰る道」とダブっている。全163話で月-金毎日1話ずつ更新とのことで全部見るのに半年かかりそうである。ヒロインのハンヘジンがどうもMorris.好みでは無いので、これはパスかな(^_^;)
ドラマといえば4月18日から観月ありさのドラマ「Answer~警視庁検証捜査官」が始まるらしい。彼女も35歳になり、新しいキャラに挑戦と言った感じかな。これは予約しておこう。
今日の歩数は4753歩。


三田の黒猫 

雨上がりの屋上東南方面 

おなじく西北方面 

【東京番外地】森達也 ★★★★ 森達也といえば「放送禁止歌」ですっかりシビレたのだが、それ以後の作はほとんど見ないでいた。オウム真理教をテーマにしたドキュメンタリー映画「A」「続A」で高い評価を受けたことなど仄聞するものの、それきりだった。
本書は2005年から06年にかけて新潮社「波」に連載されたもので、担当編集者の土屋眞哉と東京の「番外地」をルポして回るという企画である。土屋は森のTVドキュメント「放送禁止歌」放映後に森をインタビューして、森に「放送禁止歌」を書かせた功労者らしい。
十五カ所のルポが収められていて、目次は見出しと住所のみの表示だが、その場所や施設名と住所一覧に変更しておく。

1.東京拘置所 葛飾区小菅一丁目
2.歌舞伎町 新宿区歌舞伎町一丁目
3.東京ジャーミー(モスク) 渋谷区大山町一番地
4.観音前交番身元不明相談所 台東区浅草二丁目
5.松沢病院 世田谷区上北沢二丁目
6.皇居 千代田区千代田一番地
7.東京地裁 千代田区霞が関一丁目
8.山谷 台東区清川二丁目
9.東京タワー 港区芝公園四丁目
10.東京都慰霊堂 墨田区横網二丁目
11.靖国神社 台東区上野公園九番地
12.中央卸売市場食肉市場(芝浦と場) 港区港南二丁目
13.後楽園ホール 文京区後楽一丁目
14.東京入国管理局 港区港南五丁目
15.多磨霊園 府中市多磨町四丁目


例えば最初の東京拘置所の章は「第一弾 要塞へと変貌する「終末の小部屋--葛飾区小菅一丁目」となっている。

名称がいまだに定まらないその最も大きな理由は、おそらく僕らが、この施設から何となく目をそむけているからだ。明確な忌避の意識はない。でも直視しない。無自覚に不可視の次領域に置いている。だから死刑囚が、刑務所でなく拘置所に収容されていることすら、僕らの大多数は知らない。刑場がこの拘置所の地下に設置されていることもしらない。最新式の口調システムやセキュリティが完備された窓のない密閉空間で、彼ら死刑囚は残された時間を過ごし、法務大臣が決済の判子を押したときその生涯を終える。その瞬間も僕らは知らない。(第1章)

一般市民が「何となく目をそむけている」場所や施設や世界を直視しなおそうというのが、本書のスタンスだろう。死刑囚は死刑執行されるまでは未決囚扱いで、刑務所に行くことはない、なんて、全く初めて知らされた。本書にはそういった(日常生活にはあまり役に立たないだろうけど)有用な知識も満載されている。

阪神・淡路大震災と地下鉄サリン事件を契機にして日本社会に芽吹いた危機管理意識は、その後もずっと、この社会を内側から揺さぶり続け、少しずつ変えていった。見知らぬ他者への不安と恐怖は社会に拡散しながら飽和し、その帰結として犯罪を取り締まる各種法は改正され、厳罰化が進み、様々な形で警備は強化され、危機管理評論家なる肩書きがもてはやされ、警備会社や防犯グッズの会社は、我が世の春を迎えている。
もちろん危険な環境よりは安全なほうがよい。危機管理も大切だ。ただしあまりに直情的な安全への至高は副作用をもたらす。視野が狭窄するからだ。治安に対しての疑心暗鬼が慢性化し、敵がいない状態が逆に不安を煽り、自ら敵を作り出す。すべての戦争はこうして始まる。だから他国からすれば侵略でも、自国にとっては大義ある自衛のつもりなのだ。今のアメリカの話ではない。かつてこの国もそうだった。
体内の免疫細胞による過剰なセキュリティが発動し、本来は外などないスギ花粉を敵と勘違いすることで、花粉症は発現する。要するに誤爆による副作用だ。近年、この症状が増殖する背景には、杉ばかりを植えてきた戦後の植林政策の過ちに加え、社会の清潔度が上昇して雑菌が減ったことで、敵を失った免疫細胞が暴走しやすくなったとの説もある。これはまさしく冷戦後のアメリカだ。
最初は自衛だった。だから大義はあった。でもいつからか、他者を攻撃していることに気づかなくなる。そしてすべてが終わってから、屍が累々と横たわる焼け野原で、どうしてこんなことになったのだろう? と、空を仰ぐ。歴史はずっとそんなことの繰り返しだ。(第2章)

厳罰化といえば、いまだにMorris.には理解出来ないままの「裁判員制度」が思い浮かぶ。2004年に制度は成立したが、最初の公判は2009年になってからだ。この制度にたいする、森の意見を聴きたいものである。
戦争へのこのシンプルな卓見にも共感を禁じ得ない。

宗教の重要な機能は、輪廻転生や極楽浄土など、死後の世界を担保することにある。死後を担保されることで、人は与えられたこの生を安らかに、あるいは前向きに過ごすことができる。
ところがこの構造は、時として死と生の価値を等価にしたり、さらには倒置する場合がある。与えられた生をまっとうするために不可欠の宗教は、皮肉なことに死への垣根を引き下げてしまうのだ。だからこそほとんどの宗教は、自殺を固く禁じている。
ただし、仏教は少し違う。釈迦が死後の世界については一切言及しなかったことは、周知の通りだ。でもそれでは布教ができない。なぜなら死後の世界を担保することは、宗教最大の現世利益なのだから。(第3章)


「担保」ということばは、借金の保証などでよく使われるのだが、「死後を担保」という使い方には意表をつかれた。「大辞林」には
1.債務不履行の際に債務の弁済を確保する手段として、あらかじめ債権者に提供しておくもの。質権・抵当権などの物的担保と保証人などの人的担保がある。
2.抵当。かた。しちぐさ。
3.保証すること。また保証人。

とあるが、単に保証という意味で使われているのだろうか?
釈迦が死後の世界について一切言及しなかった、というのも、Morris.には「周知」どころではなく、意外だった。

かつて「放送禁止歌」をテーマとしてドキュメンタリーを作ったとき、人は無限の自由に耐えられないのだとつくづく実感した。放送禁止歌は言ってみれば、「禁忌の共同幻想」だ。ここから先は危険だとの表示は、ここから内側は安全だとの意味と同義でもある。その表示を目にして、やっと人は安心する。多少の制限がないと逆に不安になる。同様に人は、安全であることにも耐えられない。どこかに危険があるはずだと思いたくなる。この曖昧な不安に具体的なレッテルを貼ることが出来れば、人はもっと安心する。つまり仮想的だ。冷戦の頃は、ソ連や中国が、最近では、オウムに始まって北朝鮮の脅威、アルカイダのテロリストなどが、この仮想敵のレッテルに使われる。
このレッテルに、一部の在日外国人や精神障害者、凶悪な少年たちが、「内なる仮想的」として嵌め込まれた。このダイナミズムが一旦発動すれば、客観的なデータになど、人はもう興味を示さない。危険を煽る方が部数や視聴率は上昇するから、メディアもこの傾向に加担する。こうして彼らは危険だとの思い込みが、法を変え、システムを変え、意識を変える。つまり彼ら危険な因子を、選別し、排除し、不可視の領域に押し込めて、それで安心を得ようとする。
言葉には意味が憑依する。言い換えはすなわち、蓄積された意味の更新だ。だからこの社会に精神障害者への「妄想」が存在するかぎり、定期的に更新は行われる。問題は言葉ではない。社会が抱く偏見であり、偏見を持つがゆえにうっすらと生じる後ろめたさだ。
何が異常で何が正常なのか、その絶対的な基準など実はない。多数派が正しいとの基準にすがるしかない。だからこそ精神医療の現場は、多数派の利益を保護することを理由に、治療よりも排除、つまり隔離が優先された。筐体内部の秩序や安寧に大きな価値を置く日本型社会では、この傾向がより強く現れることがは必然だった。(第5章)


日露戦争の昔から新聞、マスコミにとって、戦争は大ネタであり、部数を伸ばす打出の小槌だったようだ。いや、戦争そのものを呼び寄せるための鉦や太鼓だったのかもしれない。
差別語のいいかえなど、全くのナンセンスだということは、Morris.も一時口を酸っぱくなるほど言い立てたものだが、最近はもう、言うのをやめてしまった。気持ちは変わらないんだけどね。

カーチス・エマーソン・ルメイの指示のもとに、東京大空襲の作戦は練り上げられ、実践された。
第2次大戦後にルメイは空軍中将に昇格し、キューバ危機勃発時にはキューバ空爆をケネディ大統領に提案し、結果としては却下される。ベトナムにおける北爆でも、ルメイは推進者として大きな役割を果たしている。要するに戦争屋だ。
昭和39年、ルメイは来日した。日本の航空自衛隊開設の際に戦術指導などで貢献したとして、日本政府から勲一等旭日大綬章を授与されたからだ。
戦時における指導者を極悪人と糾弾して戦後処理の一環にすることについて、基本的に僕は馴染めない。戦争は一部の邪な指導者によって国民が騙されたから起きるのではなく、その国の民意や世相も含めての全体の構造によって起きると考えるからだ。善と悪の二項対立を続けるかぎり、過剰な自衛意識と報復の構造によって起きると考えるからだ。でもよりによって東京を焦土にした張本人に勲章を授与したことについては、やっぱり唖然として言葉を失う。記憶中枢に重大な欠陥があるとしか思えない。
「語り継いでいきた」というフレーズばかりが語り継がれ、「語り継がれるべきこと」はいつのまにか色褪せて消失する。
語り継ぐべきことは被虐だけではない。加虐についても僕たちは忘れてはいけない。これほどの惨事となった東京大空襲で米軍が投下した爆弾の総量は、日本軍が中国戦線で繰り返してきた重慶爆撃における全投下量の10%でしかないとの試算もある。(第10章)


原爆投下はもちろん、東京を始めとするアメリカの空襲は、無差別爆撃、凶悪犯罪の極みである。広島で14万人、長崎で7万人、東京大空襲一日だけで10万人。全国では50万人近くが殺されたことになる。死を、その数だけで言挙げするわけにはいかないが、先般の東北複合震災での死者が2万人ということを思い合わせても、空襲での被害の規模はとてつもないものだった。もちろん日本が加害者となった凶悪犯罪のことも忘れる訳にはいかない。
「日本人の記憶中枢の重大な欠陥」というのは、それでなくとも、このところの記憶力の衰え著しいMorris.には耳の痛い言葉である。

時おり思う。何世紀も昔からこれほどに人の行き来や文化の伝搬があったのに、なぜ中国と朝鮮半島と日本は言語が違うのだろう。世界全部とは言わない。でも、せめてこの三つが同じ言語なら、アジアの歴史や現在の安全保障問題は、ずいぶん違っていただろう。
一昔まえよりも、「日本人が日本人をとても好きになりつつある」ことは確かだと思う。好きになることは別に悪いことではない。でも人は誰かを突出して好きになるときは、往々にしてその誰か以外の人に関心を失う傾向がある。あるいはその相手の意向は無視して、独善的に愛を押し付けたくなることがある。
言葉は固着する。でも例外もある。最近で言えばその筆頭は「日米同盟」。今では誰もが当たり前のように使うこの言葉だけど、日本とアメリカとのあいだに定められた軍事的な結びつきを示す言葉はかつて、「日米安保」だった。正式名称は日米安全保障条約。英語では、the Japan-US Security Treaty。やっぱり条約を示すTreatyだ。同盟を示すallianceなる言葉はどこにもない。
でもここ数年で、日本国内では日米同盟が当たり前の言葉になった。その背景には、大きくて強い共同体に帰属したいとの意識が滲んでいる。今では朝日新聞の社説ですら普通に使う。こうして言葉は固着しながら変遷する。時代の欲望を鏡のよに反射しながら、貧困な言語体系が統治管理社会を促進することを予言したのはジョージ・オーウェルだけど、まさしく最近の日本語は、語彙が急速に貧困化しつつある。(第14章)


確かに漢字文化圏の日韓中なのに、まるで体系の違う言語を使っているというのは、不思議なことと言えるかもしれない。しかし、韓国語を少し齧っているMorris.にとっては、日本語と似ていて違う韓国語の存在は、無くてはならないもののようにも覚える。中国語は全く歯がたたないけど(^_^;)
「日本語の語彙が貧困化しつつある」というのは一面の真理でしか無いと思うぞ。語彙の貧しい日本人が増えてきたという意味なのだろうけど、日本語の世界そのものは健在である。と、思いたい。

死と生の狭間の領域で、宗教の要素を一切排除することなど不可能だ。ありうるとしたら、あらゆる宗教の許容と混在。たぶんそれしかないはずだ。(第15章)

宗教のとMorris.は無縁物であることにしておきたい。どちらかというと阪神狂、ぢゃなかった、「汎神教」に近い立場だと思う。
佐野眞一の再発見(^_^;) このかた、「ノンフィクションは小説よりも生成り」をキャッチフレーズに、読書傾向がそちら方面に流れているが、森達也の作品も、これから少しチェックしてみよう。

2012/03/23(金)●限りなく休養に近い…●

6時起床。
今朝の血圧は197/107/77。
朝から雨。歩いて摩耶倉庫。
今日は営業の武下君と午前は尼崎、午後は八尾の小口ピックアップ。
尼崎の現場の荷物は18個。
午後1時に武下くんが西区の別会社に打ち合わせがあるので、Morris.はその間車の中で待機。
午後の八尾の現場の荷物は4個。
5時半倉庫着。荷物下ろして、これで今日の作業終了(^_^) 昨日までと比べると、ほとんど休養みたいな一日だった。明日からはまたかなりハードなスケジュールのようだが、たまにはこんな日があると助かる(^_^;)
帰りも小雨が降り続いていたが、雨の夜の摩耶埠頭の風景を雨中撮影してみる。
今日の歩数は11738歩。


雨の夜の摩耶埠頭#01
 

#02 

#03 
2012/03/22(木)●服部緑地あたり●

6時起床。
今朝の血圧は214/112/66。
矢谷くんらと豊中シンガポール向け荷物ピックアップ現場。
トラック路上駐車、エレベータまで階段があって、ドアはタッチキーでその都度開閉する必要があるという、ややこしいロケーション(>_<)
昼は近くの中華料理「敦煌」で酢豚ランチ(\780)。これは美味しかった(^_^)
明日は雨らしいので、なるべく今日の内にかたをつけておこうと、時間延長。作業終了は6時過ぎ、7時に倉庫に戻り、荷下ろし終えたら8時過ぎてた。
さすがに今夜は自炊する元気もなくて、帰り道「なか卯」で牛丼食べて9時帰宅。
今日の歩数は6717歩。


「敦煌」の酢豚ランチ

服部緑地 

蚊の交尾 
2012/03/21(水)●一本松展望園●

4時半起床。
今朝の血圧は206/106。
としろうと二人で、岡山南区の上海向け航空便と保管荷物ピックアップ現場。
今日も国内引取り業者と同時進行。
昼食抜きで1時半作業終了。
今日もオカヤマブルーラインコースだったが、途中の一本松展望園で食事と休憩することにした。
ここはちょっと高台になっていて、瀬戸内海と小豆島がよく見える。南側は邑久町、牛窓町に臨んでいる。二つの町の間には塩田跡がある。万葉集の十五巻にある読人不知の歌に出てくる「多麻の浦」はこの塩田跡を含む海辺のことだと言われているらしい。その歌を刻んだ石碑も立てられていた。天平八年(736年)日本から新羅に派遣された使節団が瀬戸内海を通過する際に詠まれたものらしい。

ぬばたまの 夜は明けぬらし 多麻の浦に 求食(あさり)する鶴(たず) 鳴きわたるなり

昼食はここのレストランでイカ天丼\780。めちゃ不味ではなかったが、また食べることはないだろう(^_^;)
5時半倉庫着。荷下ろしして6時半帰宅。
今日の歩数は4963歩。


今日の岡山の空 

団栗 

早咲ミニ桜 

小豆島が大きく見える 

今日の空2 

邑久町と塩田跡 

櫨の実? 

万葉歌碑 

イカ天丼
2012/03/20(火)●私のヒット曲●

6時半起床。
今朝の血圧は209/103/74。
昨夜のKBS歌謡舞台は「私のヒット曲」特集。歌手が自分の持ち歌の中で、これぞヒット曲と思う曲やデビュー曲を歌うというもので、別段変わったこともなさそうな企画に思われるが、この番組は基本的に懐メロ名曲番組なわけで、たいてい登場する歌手は過去の他人のヒット曲を歌うことが多い。だから、これは結構レアな歌謡舞台なのかも知れない

1.鳳仙花恋情 ポンソナヨンジョン/ヒョンチョル 1989
2.居ても立ってもあなたのことを アンジュナソナタンシンセンガク/ヒョンチョル 1982
3.セピア色の思い出/ハンヘジン 1993
4.黄真伊ファンジニ/パクサンチョル 2007
5.羅城(ロスアンゼルス)に行けばナソンエガミョン/クォンソンヒ 1978
6.雨降る永東橋 ピネリヌンヨンドンギョ/チュヒョンミ 1985
7.新沙洞の人 シンサドンクサラム/チュヒョンミ 1988
8.千年岩 チョンニョンパウィ/パクジョンシク 1994
9.元の他人 トロナム/キムミョンエ 1992
10.ソウル大田大邱釜山 ソウルテジョンテグプサン/キムヘヨン 1994
11.彼氏は上出来 オッパヌンチャルイッタンダ/ヒョンスク 2002
12.過去は流れ去った クヮゴヌンフルロガッタ/ヨウン 1988
13.君が変わらずにいてくれたら クデピョンチアヌンダミョン/パンジュヨン 1978
14花蝶恋 .コンナビサラン/イサンボン 2003
15.星光る夜に ピョリピンナヌンパメ/ユンハンギ 1971
16.歌歌う処に ノレハヌンゴセ/ユンハンギ 1974


ヒット曲特集と銘打つだけに出演歌手もなかなか豪華である。ヒョンチョル、ハンヘジン、パクサンチョルと有名どころが並んだあとに、チュヒョンミがデビュー曲と大ヒット曲2曲を歌い、そしてわれらがキムヘヨン嬢の登場\(^o^)/。このところちょっとテレビ出演が少なくて心配してたのだ。歌ったのはわしらが彼女にしびれてしまった極めつけの一曲である。この歌は「ソウルの月」という映画のダンス練習場面に挿入されたことからヒットした。「ソウル・テジョン・テグ・プサン、チッコー!!」という掛け声?に合わせてステップを踏む練習法が流行ったらしい。続いてヒョンスク登場(^_^)、Morris.の好きな女性歌手3人が登場したのが嬉しくて、全曲目表を書きだしておく。
今日の現場は吹田市桃山台の中国蘇州向け荷物ピックアップ。国内ローカル業者との同時作業になって、朝はこちら矢谷、荻野くんと3人、別業者4人、客夫婦に二人の子供と計11人が部屋の中で右往左往していた(^_^;)、国内便は午前中に出ていったので、それからは3人で普通作業に戻る。
昼は王将でサービスランチ。天津飯、唐揚げ、エビチリ、スープで\770。これなら単品で天津飯と餃子でも頼むべきだった。
2時半作業終了。
4時半帰宅。
今日は春分の日、彼岸である。いよいよ春本番だな。今年の桜はやや遅めらしいが、それでも4月初めには満開になるだろう。
悩まされてた左側の偏頭痛はだいぶおさまったようだが、左耳の下から首筋にかけて違和感がある。皮膚病かもしれない。長髪が良くないのかな?そろそろショートカットにもどしてみようかなどと考えている。
今日の歩数は2692歩。


チュヒョンミ「雨降る永東橋」 

キムヘヨン「ソウル大田大邱釜山」 

ヒョンスク「オッパヌンチャルイッタンダ」
2012/03/19(月)●ペンギン日和?●

6時半起床。
今朝の血圧は187/106/71。
今日は良い天気だが、ちょっと冷え込んでいる。
朝の3点セット。
午後2時過ぎから王子動物園に。
まぬうは普通に地面を歩き回ってた。結構立ち止まる観客多くて、「可愛い!!」の声もあがってた。
いつものように動物資料館の図書室に向かったのだが、何かペンギン池が賑わっている。応じ動物園にはペンギンは、小型のマゼランペンギンと大きめのキングペンギンの2種がいて、マゼランペンギンはオープン公開で水中を泳ぐ姿も、資料室内のガラス窓から観察できる。キングペンギンは通常ガラス檻に入っていて、写真撮影には問題なさそうだが、たいていガラスが濡れていてなかなか上手く写せなかった。ということで、今日はしっかり近接撮影に励む。でも、こちらのキングペンギンは2頭ともかなり老化が進んでいるようである。
図書室には年度予算を使いきろうとしたのかどうか、いつもとはケタ違いに多くの新着図書が入っていた。目についた写真集4冊をゆっくり鑑賞。
羽虫Leaf Beatles」小檜山賢二
ツノゼミ ありえない虫TreeHopper」丸山宗利
BAROCCO 骨の造形美」湯沢英治
「素顔の動物たち」ナショナルジオグラフィック傑作写真

最初の「羽虫」は前作「象虫」で打ちのめされた超マクロ写真で、実物の100倍くらいの大きさで精密に観察できる羽虫の造形の面白さと色彩の美しさには惹きこまれてしまう。「ツノゼミ」もこれと同工の写真集だが、こちらの造形もとんでもない物が多い。
「骨の造形美」は骨格標本の局部の写真で、生物学的より美術的作品集である。もともと骨の美しさは好きな方なので楽しめた。やはりこれは白黒(漆黒の背景に白い骨)に限る。
おしまいのは、最近シリーズで出ているナショナルジオグラフィックの傑作写真集の一冊。とにかくこの雑誌の写真の美しさ、珍しさ、希少さ、技術の高さは全世界的に見てのトップランナーだと思う。王子動物園の資料室にもこの雑誌を常備しておいて欲しい。日本語版も出ているが、やはり英語版の誌面の写真の美しさには及ばないと思う。
この図書室は貸出禁止なので、ここで読むしか無いのだが、一般図書館と違って、ほとんど客はいないし、ゆったりしたテーブルもあるので、臨時読書室だと思えばいっそ気持ち良い。
4時半帰宅。
先日のサランバン会で歌麿会長からもらったKBS歌謡舞台のDVDに、おまけみたいに録画されていたMBCのグルメ番組?を見るとも無く見る。「サユリの食いしんぼ旅行」という番組で、若い日本人女性サユリが、全国各地の食堂を突撃ルポするものらしい。今回もらったものは「八道特産巡り」という特集のようだった。はじめは特に気にしないでいたのだが、これが結構面白い。サユリの韓国語は発音が明瞭でわかりやすいし、教科書的でなく、表現力が豊かなのだ。次々にかぶりものを取っ替え引っ替え登場というのが、ちょっと鬱陶しいが、ノリもいいし、不味いときは不味いとはっきり言うし、相手が気分を害しても物怖じしないで突っ込むあたりは素晴らしい。いやいや大したものである。彼女の韓国語をMorris.の目標にしたい。この番組では彼女のセリフの半分くらいに韓国語字幕が出るので、会話の練習にもなりそうである。
You Tubeで検索したら投稿映像いっぱいあって、中には100万以上アクセスの映像まであった。かなり人気を呼んでいるようだ。
面白くてためになる、いい番組を紹介してもらったことになる。歌麿会長、感謝m(__)m
今日の歩数は4253歩。


今日のまぬう 

孤独な王様ペンギン 

いや、2頭いた 

Old King Penguin 

庶民(マゼランペンギン)は欠伸 

お昼寝白熊 

新着写真集 

アデリーペンギンらしい 

MBC「サユリの食い意地旅行」 

【韓国語学習Q&A200】韓国語ジャーナル編集部 ★★★☆☆アルク発行の韓国語学習誌に寄せられた疑問に対する回答をまとめたもので、学習方法、発音、話し言葉、書き言葉、文法、語彙など多方面にわたって韓国語学習者が迷ったり間違えたりしやすい事例を明快に説明してある。
「韓国語の勉強初めてからどのくらいになりますか?」と訊かれると「3年以上」と答えることにしてきた(^_^;)。ウソではないが、じつはMorris.は88年の初訪韓で初めて韓国語に接したわけだから、それからすでに20年以上閲したことになる。それで、いまだに初級から中級に進めずにいる(>_<)というのは、何かが間違っているのだろう。
最初の3年間はそれなりに熱心に勉強したように思うのだが、そのあとはかなりサボってしまった。
韓国への興味は増しこそすれ衰えることはないのだが、言葉の方は、旅行したり、カラオケ歌うのに不自由しなければそれでいい、と安易なところで妥協したのが敗因だろう。
その後も間歇的に、勉強する気になったりもしたが、どうも長続きしない。最近では2年かけて小学館の「日韓辞典」通読したのが特筆に値するくらいか。とはいっても、これも単に流し読みしただけで、どのくらい身についたかというと疑問である。
インターネットでは無料の翻訳サイト使えば、おおまかな韓国サイトの記事も判読できるし、iPhoneの韓国語辞書は充分実用に耐える。
参考書も韓流ブームのおかげもあって、かなり充実したラインアップになってるようだ。本書も、その一環であるのだろう。
知らなかったこと、役立ちそうなことなど個々に挙げていけばきりがないが、印象にのこったものをいくらか引いておく。

・日本語の抑揚が「文節」ごとに下がるのに対し、韓国語の抑揚は上がる。日本人が韓国語を韓国語らしいリズムで話すためには、意識的に分節を上がり調子にしゃべって、リズムを取る必要がある。この練習には、ドラマのセリフなどの音声を聴きながら、そのスピードに合わせてセリフの音調をそっくり真似することを繰り返す。

2004年頃キムスジョン先生の講座でシャドウイングという学習法をしばらく学んだが、これこそこの音調を真似するためのものだったのか、と今頃になって納得した。でも、当時は単語を聴きに集中してたきらいがある(^_^;)

・日本人にとって「ㄴ,ㅇ,ㅁ」を含む鼻音のパッチムをきちんと発音することはむずかしい。韓国語の「산」の発音は日本語の「さん」と同じで「ㄴ」は「ん」にあたると言われるが、厳密に言うと少し違う。日本語の「さん」は一般に、「さ」も「ん」もそれぞれ一拍(1モーラ)で、合計二拍(2モーラ)分に数えられるのに対して、韓国語の「산」は1音節なので日本語で言う1モーラ分の長さしかない。つまり「산」のつもりで「さん」というときは「さ」一拍分の長さの中で「ん」まで言ってしまわねばならないのだが、習慣的に「ん」が一拍分の長さを必要とするため、「ん」の音が出きらず、あいまいになってしまいがち。日本人の「안녕하네요」は「アニョハセヨ」に聞こえたりする。「ㄴ」「ㅇ」パッチム=「ン」の部分がほとんど発音されないので、韓国語らしくなくなってしまう。
この対応策としては、1音節の後半で減衰してしまう息の量を意識的に増やす必要がある。具体的に言えば「산」のとき、「ㅅ」より「ㄴ」を大きめに発音し、かつ、鼻に響くのを確かめるように息を若干伸ばす。鼻音をまさに鼻の音として発音するわけだ。「심」の「ㅅ」と「ㅁ」、「상」の「ㅅ」と「ㅇ」も同様。これを繰り返す過程を通じて「ㄴ,ㅇ,ㅁ」の言い分けも自然と出来るようになり、言えるようになれば聞き分けもできるようになるはずだ。


Morris.の発音難点の一つがこの鼻音パッチムの区別である。理屈がわかったから正しい発音が出来るというものではないのだが、こういった丁寧な解説を読むと、もしかしたら、自分にも出来るのではなかろうかという淡い希望が生まれてくる。ような気がする(^_^;)

・-(으)로서と -(으)로써は文字と発音が似ている上にそれぞれの「서」「써」が省略されることがあるため区別が難しい。
-(으)로서は「~として」の意味で、身分、資格を表す。
-(으)로써は「~でもって」「~で」の意味で、手段を表す。

・괜찮다 は 공영(空然)하다(無駄な、むなしい)を語源として以下のように成り立っている。
공연하다 →괜하다(無駄な、つまらない)→ 괜하지아니하다(無駄でない、つまらなくない、悪くない=かまわない、大丈夫だ) 괜치 않다→ 괜찮다
このほか、그렇다 の「 ㅎ」も、 그러하다 が縮約されたものである。

・韓国語での記号の読み方
ピリオド「.」­=마침표 マチムピョ
疑問符「?」=물음표 ムルムピョ
感嘆符「!」=느낌표 ヌキムピョ
コンマ「,」=반점 パンチョム
中点、中黒「・」=가운뎃표 カウンデッチョム
三点リーダー「…」=줄임표 チュリムピョ
スラッシュ「/」=빗금 ピックム
括弧「( )」­=괄호 カルホ
矢印「→」=화살표 ファサルピョ
アットマーク「@」=골뱅이표 コルベンイ
ドット「.」=점 チョム
アスタリスク「*」=별표 ピョルピョ
ダブルクォート「” ”」­=큰 따옴표 クンタオムピョ
シングルクォート「’’」=작은 따옴표 チャグンタオムピョ
プラス「+」=플러스 プロス、더하기 トハギ
マイナス「-」=마이너스 マイノス、빼기 ペギ
掛ける「×」=곱하기 コッパギ
割る「÷」=나누기 ナヌギ
イコール「=」=이퀄 イークォル、같음표 カトゥムピョ
マル「○」=トングラミ
バツ「×」=가세표 セピョ、엑스표 エクスピョ
パーセント「%」=퍼센트 ポセントゥ、프로 プロ
シャープ「#」=우믈정자표 ウムルジョンジャピョ
ト音記号=ノプンウムチャリ 높은음자리-표

知ってるものと知らないもの半々くらいかな。「@」のコルベンイは「かたつむり」の意味で、これはなかなかの命名だと思う。「*」のピョルピョは星印、「#」は井戸の「井」印、矢印はそのまま、「×」はアルファベットの「Xエックス」印。韓国では「○×テスト」は「OX(オーエックス)テスト」という。

2012/03/18(日)●大津西の庄あたり●

5時半起床。
今朝の血圧は196/110/77。
奥井さん荻野くんと3人で午前中は京都、午後は大津の現場。
京都の現場は30分で作業終了。
時間調整で大津SAで休憩。
午後の現場は琵琶湖西岸西の庄。近くにFM滋賀のビルがあった。
路地では小学1年生くらいの女の子がずっと縄跳びやってた。二段跳びを4回続けるなどすごく上手かった。Morris.も遥かな昔、二段跳び練習したことを思い出したが、Morris.はかなり縄を短めにしてやっと跳べた記憶があるが、この子は、大人でもできそうな普通サイズで跳んでた(^_^)
今日の現場も昨日以上に荷物がごちゃごちゃになってた。子供も三人いて、なかなか作業がはかどらない(^_^;) 結局今日も5時過ぎ作業終了。
6時版に戻って倉庫作業して、8時過ぎ帰宅というのも昨日と同じだったが、それでも昨日ほどは疲れなかった。
帰ってから何気なくチャンネル回して「運命の人」最終回を見る。始めの2回見てあとはパスしてたが、この最終回だけは見応えがあった。と、いってもMorris.は、真木よう子が出る場面のみしっかり見てた。彼女は「パッチギ」の脇役で注目したのだが、このところえらく目立っている。
明日は仕事オフだが、この農繁期最後の休みになるかも知れない(^_^;)
今日の歩数は5935歩。


大津SAのアクロバチックな樹木 

大津西の庄の民家 

路地 

縄跳び少女 

FM滋賀の入ってるビル 

雨上がりの空 
2012/03/17(土)●雨の大津●

5時半起床。
今朝の血圧は196/110/77。
今日は一日雨という予報で、歩いて摩耶倉庫へ。
途中西灘駅西の川岸に桜が満開だった。例の「正月桜」とはまた別種の早咲桜だろう。
矢谷くんら5人で大津の、保管荷物などのピックアップ現場。
トラックでウィークエンドサンシャイン聴く。今日もいまいちのりきれない選曲だなと思ったが、後半になって、ビッグ・ビル・ブルーンジー、B.B.キング、ライトニングホプキンスとブルース特集になって、すっかり引きこまれてしまった。
現場はあまり片付いてなくて、保管とローカルの荷物がごっちゃになってて、ちょっと難儀。
昼はコンビニ弁当(>_<)
二人が午後から別の現場に回ったこともあって、作業終了は5時前。
倉庫で荷下ろしして、歩いて帰ったら8時過ぎだった。
冷蔵庫にあるもの手当たり次第ぶっこんでキムチ粥。美味しかったけどちょっと食べ過ぎ(^_^;)
今日の歩数は11195歩。


満開の桜と逆さ自転車 

ちょっとアップ 

朝帰りの釣り船 
2012/03/16(金)●岡山方面●

4時半起床。
今朝の血圧は212/119/81。
溝渕くんらと岡山南区の現場。以前ドイツ向けの荷物ピックアップに行った家の保管荷物と航空便。
仕分けがいまいちで、かなり時間をとられてしまった。
現場は階段5階だったけど、Morris.はほとんど梱包に専念(^_^;)
1時過ぎに作業終了。
昼はこれまた前にも行った大ゲソうどん「さざなみ」。
5時半帰宅。
「家に帰る道」「ベートベン・ウィルス」見る。しかしこうやって毎日2本見ると、それだけで2時間。これにGyaOのもの見てると、本当に時間を取られすぎということになる。農繁期のときはいい時間つぶしだったが、これからしばらくはちょっと負担になりそうでもある。
今週の歌謡舞台は作曲家パクチュンソク(朴椿石)特集。ちょっと前にも同じような特集がありこれは歌麿会長からもらったコピーでちょくちょく見てるから、あまり新鮮味がなかった。彼の作品といえばナムジンの「カスマプゲ」を思い出すが、今回も初っ端からナムジン登場。おしまいもナムジン4曲メドレーと大張り切り。Morris.は彼の曲ではイミジャの「ソムマウルソンセンニム 島の先生」が一番好きである。今回はこれをイジャヨンが歌ったのだが、元気よすぎてちょっとイメージに合わなかった(^_^;)
今日の歩数は1631歩。


今朝のTWIN煙突 

今朝の下弦の月 

クラレのTWIN煙突 
2012/03/15(木)●センター古本市開幕●

8時半起床。
今朝の血圧は152/78/79。
昼過ぎまで部屋でゴロゴロ。録画してた韓国ドラマのビデオ観たり、ミニギターで遊んだり。
2時過ぎに自転車で学生青年センターへ。先日会場設営の手伝いに行ったが、正式の古本市は今日から5月15にtまでである。留学生奨学金援助のための古本市も今年で15回目になる。最近はペン習字に凝ってる飛田さんだが、大きな横断幕の毛筆書の文字もこのセンターの「看板」である(^_^)
先日朴燦鎬さんから言付かった本など寄付。追加のダンボール箱はすでに飛田さんが作成して本棚の横に立てていた。特に手伝うこともないようなので、楽譜集のの印刷。ちょうど一年前、センターの新プリンタ利用して、ミニギター用の楽譜集を7冊ほど作ったのだが、そのうちよく利用する2冊がかなり傷んだので追加印刷することにしたのだ。プリンタのハードディスクに楽譜集のデータ入ったままなので、そのまま印刷できるはずが、そのデータがどこにあるのかわからず、探すのに手間取ったが、見つかったらほんの数秒で一冊が刷り上がる。まるで魔法のようだ。
5時過ぎにセンター出て、灘図書館で期限切れの本何冊か延長。「昭和レトロ」という特集棚に「今竹七郎とその時代」という大判のムックを見つけて立ち読み。名前は知らずにいたが今竹七郎は1905年神戸生まれで、大丸、高島屋のポスターなどには見覚えがあった。メンソレータムの看護婦マーク(リトル・ナース)、共和輪ゴムのオーバンドのデザイン、南海ホークスのマークなど親しみのある物が多い。
戦時中のランラン化粧品の新聞広告シリーズが小品ながら洒落てて、気に入った。以前益さんからもらった「大阪神戸のモダニズム」のカタログをチェックしたら、数点見つかった。
明日は岡山現場でちょっと早出。明日から4月前半までは、完全農繁期モードである(>_<)
今日の歩数は9歩。


学生青年センター15回古本市開幕 

猫の本たちも 

こちらは灘図書館「今竹七郎」 
2012/03/14(水)●半田あたり●

4時半起床。
今朝の血圧は172/100/74。
さすがに睡眠不足で、酔いも残ってる。ふらふらと摩耶倉庫に5時半到着。
や谷くんと半田市のタイ向け荷物ピックアップ。名古屋からヘルプ一人入って3人作業だったが、荷物が思ったより多く、昼飯抜きでやったのだが、作業終了したのが午後2時半過ぎ(>_<)
新名神の御在所SAできしめんにありついたのが4時前だった。これはもう昼飯とは言えないだろう。
6時に倉庫に戻り、バン詰め作業などやって7時半帰宅。
矢谷くんから京都松野醤油の柚子ぽん酢お土産にもらう。近くの現場に行った時、数本買ってきたとのこと。ここのぽん酢は、そのまま飲める(^_^;)くらいに美味しい。矢谷くんありがとうm(__)m
五輪予選サッカー日本-バーレーン戦、見るとも無く見る。2-0で日本の勝ちだったが、1点取られた後のバーレーンは戦意喪失で、あまり面白い試合とは言えなかった。
3月16日(金)午後6時から、神戸北野のタイ料理店「チャグタイ」で春待ち社長らのライブがあるらしい。バンド名は「六甲タイランド」(さわむら、秋本、小谷のセット)。この店は社長の二番目の娘ひろこが店長やってるから、その流れだろう。多分神戸では一番本格的なタイ料理店だと思う。chargeは無料とのことなので、お暇な方は、シンハビールでも飲みながらタイ料理とHAPPY MUSICを楽しまれては如何?
島田和夫部屋スケジュール更新。
今日の歩数は11463歩。


半田の雉猫 

Aのフォーカード 

中京工業地帯 

今日の雲 

同じく 

おさかな雲 
2012/03/13(火)●二つ星●

6時半起床。
今朝の血圧は219/122/87。
西根くんらと春日野道近所の保管荷物ピックアップ現場。昼は「神戸っ子」という店の白ラーメン。可もなし不可もなし(^_^;)
5時半帰宅、着替えてJRで鶴橋へ。今夜は3月のサランバン会。
仕事でかなり遅がけになるかと思った割には早めに着いた。せっかくなのでコリアタウンの山田商店で白菜キムチ買う。これも7時の閉店にギリギリ間に合った感じ。
西の空に明るい星が二つ並んでいた。最初より明るい右の星がシリウスかと思ったのだがどうも様子がちがう。後でネットで調べたら、右が金星、左が木星らしい。一番接近するのは明日らしいが、これだけ目立つのも珍しい。もちろんこれは見かけの接近で、実際はおっそろしく(天文学的に(^_^;)離れていることは言うまでもない。
「恋人」には7時過ぎ到着。洪ママ、歌麿会長、丸本夫婦、堀田さん、中山さん、高森さんが先に来ていた。高森さんは3月初めにパンスタフェリーで釜山に行ってきたとのこと。
ちょっと遅れて若木夫妻が近所のお友達連れて来店。夫婦は2月に法事で宮崎に帰省してたらしい。おみやげに黒砂糖の芋かりんとうをもらう。甘いのは苦手のMorris.だが、この黒砂糖の味はなんとなく懐かしい。ちょこっとずついただくことにしよう。
その後栗崎さん、Chiちゃん、春ママ、山ちゃんが来て、今日の参加者は15名。これに別の客も数名来てるのでなかなか歌の順番が回ってこないので手持ち無沙汰のMorris.は店のマラカス(所詮おもちゃだけど)で賑やかしマラカスト(^_^;) 卵マラカスに比べると音も大きいし、気分が良い。うるさくて迷惑かもしれないが、タンバリンよりはましかと思う。
Morris.が歌って覚えてるのは「雨降るコモリョン」「オットンイエクム(ポムヨルムカウルキョウル)」「チャンユンジョンツイスト」「涙のブルース」「ノレカラクチャチャチャ」「乾杯」くらいかな。
Chiちゃんが初めて韓国語で歌ったのにはちょっとビックリ、チェソンスの「ヘフ邂逅」だったと思うがやっぱり上手い。
洪ママ十八番の「刃傷松の廊下」で、若木旦那が一人芝居の熱演。動きの柔軟さ、面白さは、何度見ても噴きだしてしまう。芸達者が揃ってるなあ。洪ママは久しぶりにチャンゴ叩いてくれた。リズムは大したものだが、この店のチャンゴはかなりひどいので、ちょっともったいない気がした。
明日は4時起きで半田市の現場ということで、早めに切り上げようと思いながら、店を出たのは11時前。
零時半帰宅。焦って(^_^;)寝る。
今日の歩数は4327歩。


今朝のTWIN煙突 

神戸っ子白ラーメン 

ちょっとアナクロ 

JR大阪駅からの夕景 

西空に明るく輝く二つ星 

洪ママ「刃傷松の廊下」 

洪ママひさびさのチャンゴ 

若木夫妻とお友達 

カップルズ? 

Chiちゃん韓国歌謡に初挑戦 

歌麿会長と新旧ママ 

マラカスMorris.(歌麿会長提供) 

2012/03/12(月)●滑稽中継●

7時半起床。
今朝の血圧は174/95/75。
昨日途中まで読んでた本を読み終えて、何となくTVつけたら国会中継で、田中角栄の娘婿田中某防衛大臣の質疑応答で、しどろもどろもいいところで、途中10分以上休憩というていたらく。
他の質問でも、弁護士議員に、ほとんど仕事せずの負け裁判で7千万円も受け取ったのはどういうものかとか、馬主の大臣に議員が馬をもつのは好ましくないとか、パチンコ業界からの政治寄付金はどうだとか、かなり時間の無駄的な質問が目立った。民社党与党議員の質問では原発は一地域一基にしてはどうかなどとの暴論まででたりして、これでは国会中継見る気も失せるよなと、改めて思った。
午後、ほんのちょこっとだけ王子動物園覗いて、4時帰宅。
相変わらず左側の偏頭痛が治らずにいる。
今日の歩数は2237歩。


今日のまぬう 

ボブキャット 

輪尾狐猿 

【馬たちよ、それでも光は無垢で】古川日出男 ★★★☆☆ 昨日三宮南のみなとのもり公園(復興記念公園)で東北震災一周年Loveフェス3.11を覗いた後、三宮図書館で書架から何気なく手にとったのがこの本だった。2011年7月の発行である。
福島県郡山出身の著者は取材中の京都で震災の報を知る。そしてしばらくの神隠し的時間を過ごし、一ヶ月後にこれを書き始める。

この文章を起筆したのは2011年の4月11日だ。十枚ほど書き進めて、すると、福島県の浜通り地方で余震があった。最大震度は6弱。
巨きな余震があるたびに、私は推敲する。
余震が、私に何かを許さない。「徹底的に推敲しろ」との声がする。


以前に書いた「聖家族」という長編が東北六県が封鎖、封印されることを主題としたもので、本書はその主人公と著者の並走という形で今回の震災の現場を虚実の被膜の隙間から垣間見るという体裁をとっている。

しかし、おかしいだろうと私は思う。福島第一原発は東京電力の所有(もの)だった。そこは福島県内で、東北電力の管轄のはずだった。東北電力の領土だったと言ってよい。これは、おかしいだろう。
円がある。同心円だ。なおかつFukushimaは鎖され出している。円から人々は逐われて、しかし県外というのは虚構に思える。福島県外に真実、逃れられるというのは。

家畜というものを自然淘汰ではなく、人間淘汰、すなわち、人間との契約によって品種として成立させられたものと規定した上で
、馬の存在感の大きさを論じる部分は圧倒的に面白かった。

馬の価値、それは"乗る家畜"としての側面にあった。
しかも馬は世界史のエンジンだった。
馬が駆動したんだ、世界史を、もちろん日本史もここには包含される。
戦争というものの形態を馬が変えたんだ。民族間の戦闘。馬以前にも戦争は「ある」と考えるのが順当だ、古来あらゆる地域で戦争はあって、しかし"乗る家畜"の登場はその様相をただちに劇変させた。まずは最初期の段階をイメージするといい、一方的に馬を知り、馬を持っている民族あるいは国家があって、するとこうした歴s上の"馬先進国"は容易に勝利する側、征服者となる。それを頭に想い描いてみるといい。馬は、比類のない軍事力だった。いわば先史時代の最終兵器だったろうし、実際には火器の出現までそうだった。その速度が、攻め込むスピードが違う、機動性には優れすぎている、しかも馬上から射られる弓があった。

俺はあんたがわすれないように、あるいはあんたも含めた俺たち全員が騙されないように、]言う。いいか? リアルさを謳う時代劇を信じるな。合戦シーンを目玉にした映画を、"武将たち"のドラマを信じるな。
嘘っぱちだぞ。
出演する馬のサイズが違いすぎる。
わかるだろ? 大型馬はいなかったんだ。なの武士たちは、競走馬のサラブレッドかサラブレッドも同然の馬体のやつに跨って、戦場を駆けている。
あのスケールは全部、演舞嘘だ。贋物だ。なのに一人として疑う消費者は、いない。


これはたしかに、時代劇作成側には、イタイ指摘かもしれない。

ところで大熊町までが、当時相馬藩領だったよ。ここが相馬市の領地の最南端だったよ。この大熊町には、いま現在何が立ってるかな。
何が築かれたかな。
20世紀でもいいし昭和でもいい、どんな築城史がはじまったのかな。
さあ、あんたは答えるだろう。「原子力発電所だ」って。1970年の、昭和45年の月にその試運転は開始されたんだって。それが福島県の、原子炉。名実ともに1号機。「それから築城はひたすら続くんだ」ってあんたは引き取るだろう。

ナコソ、は夷よ来る勿れ、の意味だとも言われる。これまた一説では。茨城と福島の県境には多重の局面で定説がないのだ。ただし、この付近に古来境界線(と認識される漠たる領域9があり、たとえばそれが常陸国と陸奥国の境であって、すなわち関東圏と東北権はここで画然と断たれた、截然と分かれたのだと考えても間違いはない。夷よ来る勿れ。このフレーズを二重に翻訳すれば、「東北の人間よ、お前たち先住民よ、こちらに来るな」となる。
悲しいフレーズだ。


130pほどの中編とさえいえない作品だが、かなりこの作家の本質を露呈したもののように思われた。降って湧いたような事態へのうろたえと、たかぶりがあったのだろう。美奈子さんの書評で名前だけは覚えていながら、何となく敬遠していたいた作家だが、以前の作品を読んでみようという気にさせられてしまった。

2012/03/11(日)●東北震災一周年●

7時起床。
今朝の血圧は176/93/70。
今日は東日本地震津波原発複合震災発生から1周年である。数日前からこれに合わせての番組が多かったが、今日は朝から、軒並み震災特集である。それはまあ当然でもあるのだろうが、神戸発ニュースで、HAT神戸の防災センターに献花台が設けられ、みなとのもり公園で震災一周年の行事があることを知り、午後から歩いて出かけることにした。
防災センターは1995年の神戸震災を祈念する建物だが、Morris.は一度も入館したことがない。今日も外の献花台前で黙祷するだけにとどめた。
海沿いに歩いて三宮南側のみなとのもり公園。これも神戸震災復興公園である。「神戸から東北へ、笑顔の架け橋を LOVEフェス3.15」という催しで、東北関連の屋台やフリーマーケット、メインステージでは、プロアマ取り混ぜての演奏があるらしい。
2時過ぎに到着したら、ちょうど桑名晴子バンドの演奏があっていて、ゲストは桑名正博(^_^;) Morris.より4歳ほど年下の彼も還暦目前で、今日は息子も孫を抱いてやって来てた。
2:46震災発生時刻に、全員で黙祷。その後、全員で「上を向いて歩こう」を合唱。東北被災地の子供の顔を大きくプリントした傘の集団行進。あいにく小雨混じりだったが、これも涙雨というべきか。
その後、税関方面からフラワーロード上って、三宮図書館に寄り、シーダで買い物して6時半帰宅。
ソウルのHachiさんからメール。何とウクレレ演奏の添付ファイル付きである(^_^)。演奏曲は「旅愁」。原曲はアメリカ人オードウェイの作品だがアメリカではほとんど知られてなくて、明治40年の犬童球渓訳詞で日本人にはお馴染みである。2006年に文化庁らが選んだ「日本のうた百選」にも入ってるくらいだ。韓国でもこの曲はポピュラーで、その韓国版の歌詞(Hachiさんのブログにあった)を見たら、日本語歌詞の直訳みたいだった。
今日の歩数は12177歩。


軟かそうな新芽 

人と未来防災センター 

震災献花台 

みなとのもり公園での催し 

LOVEフェス3.11 桑名晴子ステージ

桑名正博 

彼も還暦 

黙祷 

東北の子供の顔の傘 

東北支援舞台トラック 

農業振興会館(旧税関) 

改装工事中 

神港貿易会館 

丸窓は船を連想させる 

神戸税関 

フラワーロードの南端 

枯木と風船 

KOBE CITY HALL 

これもちょっと異色 

三宮暮色 

同じく 

【ソルハ】帚木蓬生 ★★★ 「ソルハ」とはアフガニスタン・ダリ語で「平和」という意味である。1996年タリバンが首都カブールを制圧した時小学生だった少女ビビの物語。少年少女向けに書かれたものである。タリバンといえば、バーミヤンの石仏破壊のニュースが思い出される。というか、それしか知らないと言っていいくらいである。アフガニスタン問題があるということは知っているにとどまっていた。

「2001年3月11日は、タリバンがおろかな行為をした日として、全世界の心ある人々に記憶されるだろう。タリバンはイスラム諸国はもちろん、キリスト教国や仏教国、ヒンズー教国といった宗教の垣根を越えた国際的な保存の声を無視した。」この日タリバンは、大量の火薬で二体の石仏を破壊し、ロケット弾までも撃ちこんだ。こうして千四百年以上もの間、アフガニスタンの大地を見つめつづけてきた一対の石仏は、永遠にこの世から姿を消した。」

作品の中で新聞記事として紹介されている部分だが、東北大震災の10年前の同じ日の事件だった(日にちに関しては多少異説あり)ということに、ちょっと驚かされた。その半年後の9月11日にアメリカでの同時多発テロ。アメリカの報復としてのアフガニスタン空爆。物語はタリバンがカブールから逃げ出して、希望が見えた2002年で終わっているのだが、現実はいまだに厳しいようだ。
1987年生まれのビビが9歳のときカブールはタリバンに占領され、女性は外出も教育も禁止されてしまう。しかし母や近隣の人から勉強に励むビビは算数や語学を通じて、いろんなことを身に付けていく。母親の死、父の逮捕、弟の反タリバン軍への入隊などさまざまな困難に巻き込まれながら、未来を信じる生き方が感動的に描かれている。ということになるのだろうが、Morris.は何となくもどかしさを感じてしまった。読者対象を年少者にしたため、筆の運びが鈍ってるように思えたのだ。登場人物があまりにも作り物めいてしまっている。作者の善意は疑いないところだが、物足りなさを感じてしまった。
付録の「アフガニスタンという国」は、簡単なこの国の歴史で、これだけ読んでも、大国のエゴによってもみくちゃにされた国の悲哀と理不尽さに、言葉を無くしてしまった。

みなさんは、アフガニスタンについては耳にしたことがありますね。毎日のようにテレビや新聞が話題にします。でもたぶん、くわしいことは知らないはずです。大人も同じです。ためしに、お父さんかお母さんに聞いてみてごらんなさい。困った顔をするのではないでしょうか。中には、アフガニスタンなど、よその国について知って、何になるか、と怒る親もいるかもしれません。
関心を持たないまま、勉強もせずに大人になった人は多いものです。ぼくは無関心と無知は大きな罪だと考えています。


これに続いて、アフガニスタンの歴史が説明されるのだが、それは各自で学んでもらいたい。Morris.は、この批判がそのまま、日本人すべてに当てはまるように思えた。たとえば、原発、沖縄、政治、経済、社会のことどもに関してである。
大きな罪を、それと知らずに犯し続けてきたのではないか、そんな気持ちにさせられてしまった。

2012/03/10(土)●頑張れグムスン(>_<)●

7時起床。
今朝の血圧は164/91/91。
ベッドでウィークエンドサンシャイン聴くも、今日はMorris.にはハズレだった。
午前中は昨日の日記の画像整理だけで終わってしまった(^_^;) 50点以上の画像使ったし、民博展示と研究会のダブルヘッダ(^_^;)だったからな。
午後も、日記打ちながら、大阪-神戸のサッカーやら、阪神-日ハムのオープン戦やら、見るともなく見ながら、結局、ずっと椅子に貼り付いたままで一日を終えてしまった。
6時からは日本-台湾親善野球なんて、よくわからない試合まで始まった。明日の震災一周年に合わせての催しなのだろうが、どうも理解しにくい。
GyaOを見たら、ペドゥナの映画が新しく追加されていた。タイトルは「頑張れグムスン」。2002発表のこの映画の名前は知ってたし、ペドゥナは大好きだから、早速視聴。ところがどうもしっくりこない。
元女子バレーの有力選手クムスンが負傷のため休養してるとき付き合った男との間に子供ができて引退、結婚。その旦那が初出勤の夜飲みつぶれて、悪質バーの網にかかってクムスンに呼び出しがかかり、赤ん坊を背負って旦那を助けに歓楽街に向かうが、さらなるトラブルに巻き込まれて大騒動に、という、まあ、喜劇なんだろうが、なんとなく笑えない。というか、面白くないのだ。ペドゥナらしさがあまり出てないし、ギャグが滑ってる。
それと「頑張れ!グムスン」というタイトルには不満がある。もともとこの映画のタイトルは「クッセオラクムスナ」(カンヘイン作詞、パクシチュン作曲、ヒョンイン歌)という、朝鮮戦争歌謡の名曲のタイトルである。Morris.も大好きな曲だが、クムスナというのは、女性の名前クムスンに呼びかけのアがついたものだ。韓国の映画やドラマに懐メロの題名をつけるのは常套手段で、ストーリーと曲とは無関係なことが多い。この作品は、いちおうヒロインの名がクムスンで、旦那がこの歌を彼女への応援歌として歌う場面が出てくるから、無関係というわけではないが、Morris.が気になったのは「グムスン」という表記だ。ペドゥナ作品では2006年の「怪物 グエムル」のタイトル表記にも驚かされたことがある。怪物という漢字の韓国語読み「괴물」 なわけだが、普通なら「ケムル」でいいのではないかと思う。少しでも原語の発音に近づけたいなら「クェムル」くらいが妥当なところと思う。それをわざわざ濁点つけ、さらに小さな「ェ」を大文字にして「グエムル」となると、これはもう怪物とは別物になってしまう。
調べたら韓国では同じタイトルを冠した人気ドラマが存在しててそちらのタイトルは日本では「がんばれ!クムスン」となってるからそれとの差別を付けたかったのかも知れない。
今日の歩数は0歩。

2012/03/09(金)●民博共同研究会参加(^_^;)●

7時起床。
今朝の血圧は189/88/77。
あいにく朝から雨模様(>_<)だったが、8時半に部屋を出て阪急王子公園から南茨木に出て、モノレールで万博記念公園へ。午後1時から民族学博物館4階の演習研究室の共同研究会で朴燦鎬さんの発表があり、それを聴講させてもらうことになったのだ。せっかくだから午前中は民博の展示を楽しむことにした。
民博は日本で一番面白い博物館だと思う。と、断定する割にはまだ5,6回しか訪れていないMorris.である(>_<) この日記検索したら、2002年5月の特別展「2002年ソウルスタイル李さん一家の素顔の暮らし」見て以来ではなかろうか。10年ぶりである(>_<)
ここの展示は質量ともにすごくて、とても一日で見尽くせるものではないことはわかっているし、今日は2時間ちょっとということで、ほとんど目次を眺める感じで見て回った。館内は撮影自由だし、展示もオープンで、ビデオや音源も充実していて、本当に一つのコーナーでまるまる一日楽しめる。もう少し近くにあって交通の便がよければ、年間パス買って、通いつめたいくらいのものである。
インドネシアの漁具コーナーに四ツ手網を見つけた。森羅万象のあべさんが松本川河口のシロウオ漁の記事で紹介してたのよりかなりコンパクトな造りだった(^_^;)。
今日は音楽コーナーで大部分過ごした。見たこともないような民族楽器が山ほどあるが、世界各国のギターだけでも100本以上が展示されている。中でも1910年代の小ぶりな「ギブソンL-3」に心奪われた。
そしてリズムコーナーのビデオ映像、マリのジェンベ隊前に駆け込んで踊る女性に痺れてしまった。このビデオだけ3回も見てしまったよ(^_^;)
12時半に1階に降りたら、ちょうど朴燦鎬さんが到着したところだった。もう時間ないけど、まだ展示室見たことがないとの事だったので、音楽コーナー日本歌謡曲ブースに案内。田端義夫などのシングルレコードを懐かしそうに見てる姿を撮影。
その後守衛室で入館証(共同研究員名義(^_^))もらって4階演習室へ。
今日の演題は「音盤を通してみる声の近代--台湾・上海・日本で発売されたレコードの比較研究を中心に」とある。
今回朴燦鎬さんを招聘した細川周平、福岡正太両先生の他、台湾音楽や文化を研究してる男女3名ずつの研究者、それに朴燦鎬さんの友人京都の林茂澤さんとMorris.の二人が聴講生(^_^;)で、計12人という比較的こじんまりした研究会だった。
発表前に、SPレコードの金属原盤を保管している倉庫の見学。実はこれが今日の眼目の一つだった。日本コロムビアは昭和初期から戦中にかけて、朝鮮、台湾、中国など外地で録音、日本の川崎工場でレコードを製造していた。この工場が閉鎖されるのを契機に、昭和58年(1983)民博に原盤6800枚を寄贈、これをもとに「日本コロムビア外地録音のディスコグラフィ的研究」がスタート、2008年にデータベース化された。本日の研究会もこれの一環である。こういうものの存在は聞いていても、現物にお目にかかる機会はおいそれとなさそうである。まずは映像資料倉庫そのものに圧倒された。管理体制は万全で、移動式の棚に原盤は一枚一枚それぞれに録音日時と整理番号が付されている厚紙の帙に入っている。銅を中心にニッケルメッキ施されたりしていて、赤銅色と銀色のものがある。この原盤はSP盤をプレスする原盤(SP盤と溝の凹凸が逆になっている)そのものを、制作するためのもので、SP盤と同じ凹凸になってるとのことだから、そのまま電蓄で聴けるのではないかと思ったのだが、そうは問屋が卸さないようだ(^_^;)
朴燦鎬さんはこのシステマチックな資料室を見て、ため息つきながら自宅の資料のことを思い出していたらしい。「やっぱり個人では無理なところがあるなあ」とつぶやいていた。
2時から、発表会。福岡先生が2台のノートパソコンに、音源と画像のディスクをセットして、一曲ずつ楽曲を再生、プロジェクタでスクリーンに画像を投影しながらの解説である。出席者も大半がノートパソコンを持参してた。
朴燦鎬さんが用意してきた音源は以下の28曲。

1.我が故郷を離れて(ネコヒャングルリビョルハゴ)/ 安基栄1925--朝鮮最初の音盤ヒット
2.希望歌(イプンジンセウォル)1925頃 --「七里ヶ浜哀歌」
3.籠中鳥/都月色・金山月1925頃--日本曲「籠の鳥」1925
4.死の讃美(サエチャンミ)/ユンシムドク 1926--「ドナウ川の漣」イヴァノヴィッチ
5.落花流水(ナッカユス)/李貞淑1929
6.春の歌歌おう(ポムノレプルジャ)/チェギュヨプ 1930--歌手第一号
7.半月(パンダル)/李貞淑1930--童謡第一号 尹克榮が「オリニ」に投稿
8.兄さんを思う(オッパセンガク)/李貞淑1930--童謡
9.月迎え(タルマジュン)/徐錦榮1932--童謡
10.荒城の跡(ファンソンエット)/イエリス1932
11.酒は涙か溜息か/藤山一郎1931--日本曲
12.酒は涙か溜息か(スルンヌンムリイルカハンスミルカ)/チェギュヨプ1932
13.マラソン制覇歌/チェギュヨプ1936--原曲「緑の大地」伊藤久男歌、作曲古関裕而
14.エロとグロ(エロワグロ)/チェギョヨプ・姜石燕1931--「草津節」
15.野崎小唄/東海林太郎 1935--日本曲
16.エウォンゴク(愛怨曲)/鮮干一扇1936--「野崎小唄}
17.国境の町/東海林太郎1934--日本曲
18.国境の夜(クッキョンエパム)/金永吉1935--「国境の町」
19.ノドゥル江邊(ノドゥルカンビョン)/朴芙蓉1934--新民謡
20.朝鮮打鈴(チョソンタリョン)/姜弘植1934--新民謡
21.前の川流れて(アプカンムルホルロホルロ)/李銀波1935
22.朝鮮八景(チョソンパルギョン)/鮮干一扇1936--新民謡
23.八道江山(パルドカンサン)/李香淑1950頃--新民謡、在阪韓人レコード社制作
24.他郷(タヒャン)/高福寿/1934--故郷暮らし(タヒャンサリ)
25.木浦の涙(モッポエヌンムル)/李蘭影1935
26.母子相逢/白年雪1942--「九段の母」塩まさる1939
27.壮烈李仁錫上等兵/崔八根口演1942--浪花節
28.いわし打令(ジョンゴリタリョン)金龍煥1939--新民謡


半分位は知ってる曲だったし、先月名古屋の「長水苑」に寄った時、簡単な解説付きで聴かせてもらったものもあったので、理解しやすかった。休憩なしで3時間ぶっ通しで発表終了。そのあと中休み入れて質疑応答。
「ドナウ川の漣」が原曲の「死の讃美」に質問が集中。これはMorris.にはお馴染みの曲でブログにアップしたこともあるし、同名の映画の紹介も兼ねていくらか発言できた。
また今日の会の幹事でもある劉麟玉さんの、台湾では「草津節」がそのままで歌われてるし、ソーラン節はソーランが素蘭という女性の名前と解され台湾語の歌詞で愛唱サれているとの発言も面白かった。
台湾の植民地時代の映画、音楽劇や文化を研究している三沢さんも突っ込んだ質問を重ねてたが、めりはりのある話し方、自分の研究テーマへの熱意が感じられて、好感度大(^_^;)だった。
朝鮮の民族的歌謡を多く発表した「オーケーレコード Okeh Record」が話題に上り、関西学院大学の西村さんが、戦前上海でレコード制作に関わり昭和4年帰国して花屋敷にスタジオを開いた樫尾慶三とオーケーレコードとの関わりがあるのではないかと発言。Morris.はiPhoneで「Okeh Record」を検索したら、1918年にアメリカで設立された同名のレコード会社があり、ロゴ文字が、朴燦鎬さんも多数持っているSP盤のラベルのロゴと酷似してるので、そのことを質問したが、アメリカのOkehレコードは黒人レコードレーベルとして知られているもので、日本のオーケーレコードとは無関係と思われるとの事だった。また西村さんは「オーケーレコードのネーミングは樫尾慶三の「カシオケイゾウ」の「オケイ」から「オーケー」を思いついたのではないかという説も披露された(^_^) ありえないことではない。アメリカのOkehは創設者Otto K. E. Heinemann (1877–1965)の頭文字がら命名されたと書いてあったもんなあ(^_^;)
おしまいの「いわし打令」がテンポが良くて楽しい歌だということで、細川先生をはじめ人気を集めていた。朴燦鎬さんはこれを歌いたいと思ったけど早すぎて歌えないとのこと。音源と歌詞があれば、挑戦してみたいものである。
今回の出席者の中には朝鮮/韓国音楽の専門家はいないのがちょっと物足りなかった。京都教育大学の垣内さんがパンソリを学んでるとのことだったが、Morris.はどうも、パンソリは苦手であるし(^_^;)
6時半に会は終了。打ち上げに行こうということになり、Morris.も朴燦鎬さんに同行してタクシーで茨木駅まで出て「花筏」という店へ。インドネシアから今朝帰国したばかりの福岡先生や林さん、垣内さんはパスで、参加者は9名。
原盤の整理を5年にわたって担当している今田健太郎さんは、無声映画のバック音楽などの研究家だというので、持参してた「BEST100-SONGS」の歌本を見せたら、「おお、シンフォニー楽譜出版ですね!!」と大喜びしてた。さらに、何とチャンユンジョンの「チャンチャラ」が大好きでCDまで持ってるという。嬉しいびっくりである。手帖のユンジョンちゃんとの2ショット見せびらかしたら、本気で羨ましがってる。こうなったら、ミニギター取り出すしかないね(^_^;)
テーブルの下にミニギター隠し持って、もちろん「チャンチャラ」から始めたら、今田さんは歌詞を覚えててしっかり歌いあげてくれた。これは大ウケ。続けて「オモナ」を演ったのだけど、こちらは歌詞しらないとのことで、Morris.が歌う。後は日本曲に切り替え「蘇州夜曲」(リクエスト)弾いたら朴燦鎬さんがいっしょに歌ってくれた。「ミネソタの卵売り」「時の流れに身をまかせ」「東京行進曲」……
歌うのとミニギターとビール飲むのに忙しくてあまりアテは食べられなかったが、高知名物「のれそれ」だけは、珍しくもあり、しっかり味わうことができた。穴子の稚魚で、細長くてほとんど透明である。ポン酢でいただくと、口の中で溶けるような気がする。「のれそれ」という名称は、柔らかくて滑りやすいので舌の上に乗るか反れるかというところから来たという説がネットに書いてあったが、なんとなくしっくりこない。しそれはともかく、これだって白魚の仲間ではなかろうか?
早起きと、ぶっ通しの発表でちょっと疲れ気味の朴燦鎬さんがうつらうつらし始めたので、8時過ぎに店を出る。二人の会費は不要とのこと、朴さんはゲストだから良いとして、Morris.は付録だから出すといったのだが、伴奏料(^_^;)ということでOKだと。ありがたく御馳走になることにした。
新大阪駅で朴さんを見送って大阪で一旦下車。
雨も上がってたし、久々のビールでほろ酔い加減でもあるし、まだ早いし、それほど寒くもないし、ということで駅のコンビニで缶ビール買って、駅前歩道橋の上でちょこっとだけミニギター(^_^)
9時半頃の電車で10時帰宅。
研究会なんてものとは無縁のMorris.にとって、今日の聴講は珍しくも楽しい体験となった。これも朴燦鎬さんと福岡先生のご厚意の賜物である。感謝。
今日の歩数は4072歩。



太陽の塔 

同じく 

同じく裏側 

久々民博(^_^) 

正面玄関 

このデザインも秀逸 

メキシコの骸骨人形 好きっ(^_^)
 

飲み屋前でポーズ 

トゥクトゥク 

リキシャ 

ジャワの仮面 

影絵人形 

モンゴルのパオ 

これもパオ? 

アイヌの住居 

ねぷた 

インドネシアの四手網 

インドネシアの漁船 

世界のギター 

百年前のギブソン(手前)
 

ロゴも古そう 

印度の神様 

彼女の踊りは最高 

朴燦鎬さんと再会 

Morris.も一日研究員(^_^;) 

会場の第4演習室 

倉庫に向かう通路で 

映像資料倉庫 

これが戦前朝鮮レコード金属元盤

保存帙 

銅製らしい 

裏側はこんなふう 

今田研究員の説明 

福岡先生と

ふーーーむ  

自宅の資料室に思いをはせる 

こちらがオープンリール 

そろそろ講演開始

 魚眼で 中央はプロ
ジェクタ

3時間ぶっとおし(^_^;) 

 友人の林茂澤さんと

iPhoneで検索 

発表後の質疑応答 

台湾文化研究の三沢さん 

打ち上げの茨木「花筏」 

のれそれは穴子の稚魚 

 ちょっとお疲れ

大阪駅前で軽く流す 
2012/03/08(木)●センター古本市会場設営●

7時半起床。
今朝の血圧は207/109/70。
9時半に部屋を出て、阪急で六甲に出て、学生青年センターへ。恒例のセンター古本市会場設営のお手伝いである。今年で15年目になるとのこと。Morris.は初回からお手伝い(数回サボってるけど)してる。ここ数年は、ダンボール箱本棚作り専門になっている。まあこれは仕事柄、慣れたものである(^_^;) 昼は阪急そばでかやく定食。
今日は3時で作業打ち止め。正式に古本市の開始は3月15日だが、今日から普通に販売(単行本\300 文庫、新書、児童書¥100均一)してるので、是非足を運んで貰いたい。
帰りはふらふら歩いて5時帰宅。
今日は暖かいので、久しぶりに屋上でミニギター。それでもやっぱりちょっと寒い(^_^;) 1時間足らずで切り上げる。
日韓歌謡架橋掲示板に主宰者のケーシーさんが、チュヒョンミのインタビュー記事を紹介してた。2008年2月13日の京郷新聞の記事らしい。見出しが「歌は今でもまだストレス」という意味深なもので、かなりの長文である。翻訳ソフトによる日本文もアップされてた。ケーシーさんは韓国語ほとんど解らないとのことだが、この機械翻訳文なら9割くらいは理解できそうだ。
かなりの長文で読み応えがある。、
幼い時から歌の巧さは目立って、町内のマスコットみたいな存在だったこと、中学生の時アルバムを録音したこと、薬科大時代にカンピョン学生歌謡大会に出場して奨励賞受けたこと、デビューのきっかけになったサンサンパーティーメドレーの誕生秘話、薬剤師歌手という異色が話題になったこと、デビュー3年後に結婚、旦那が作曲した「思い出になるあなた チュオグロカヌンタンシン」が好きだとか、華僑としていろいろ苦労があったこと、先輩シムスボンの初期の声が好きだとか、チャンユンジョンも本格歌手になるにはもうひと踏ん張りが必要だとか、ヒップホップ若手とのコラボ曲「サランハンダ」は気に入ってるとか、「長くて3年短ければ1年」という曲がリビアに出張した韓国ビジネスマンを励ますための歌だったとか……これまで知らずにいたチュヒョンミのことがいろいろあって興味深かった。
「実際の年より若く見えますね。よく言われるでしょう?」という質問へのチュヒョンミの回答がふるっていた。
“젊어 보이는 거 좋죠. 하지만 저는 그냥 내 나이로 봐주는 것도 좋아요. 나이 먹으면 먹는 대로. 젊어 보이려고 애쓰는 건 없어요. 요즘은 왜 다들 젊어 보이려고 하는 걸까요. 젊어 보인다는 말이 칭찬이 되는 이 사회가 잘못된 거라고 생각해요.”
若く見られることも悪くはないけど、私は年相応に見られてもかまわないわ。年をとっても若く見られようと無理するつもりはありません。最近の人はどうして皆、若く見られようとするのでしょう?若く見えいるというのが、褒め言葉になるという、今の社会はおかしいと思います。


うーーむ、つい先日読んだばかりの(出たのは20年前)佐野眞一「日本のゴミ」の一節を彷彿させる。
永遠に若づくりしなければ世間から疎んぜられる、息苦しい社会の同義語でもあろう。現代ニッポンにおいては、若さだけが賞揚され、老いはひたすら忌避される。まだ充分に使える製品を容赦なく廃棄していく社会の有りさまは、老いという理由だけで社会システムから排除していこうとする社会構造と、どこか通底していないだろうか。(「日本のゴミ」佐野眞一)
何か、チュヒョンミの別の魅力を発見したような気になった。
今日の歩数は6552歩。


3時に一応完成 

アオキの蕾? 

黄蝶 

篠原中町の白黒 

同じく 猫背矯正 

やっぱり白黒は好き 

阪急電鉄六甲変電所 

ちょっと珍しい緊急栓蓋 

素材を活かした作品 
2012/03/07(水)●宇仁菅書店●

6時半起床。
今朝の血圧は210/108/67。
昼間で韓国ドラマとミニギターで過ごし、午後自転車で金沢病院。呉先生は、血圧計るだけで、聴診もなし。リンパ腺の腫れのことを話しても、管轄外ということで無視(^_^;)
そのまま六甲道に出て、銀行、灘図書館まわり、宇仁菅書店に寄る。この古本屋は90年の歴史を誇る六甲では一番老舗で内容も濃い店だったが、2月に店主が亡くなり、家族が3月いっぱい、お別れの挨拶を兼ねて店を開け、閉店するとのこと。六甲道に住み始めた頃は結構足繁く覗いてたが、だんだん足が遠のいていた。それでもこの店で買った本が、今でも本棚に5,6冊はあると思う。一番覚えてるのは店前の百均台で「韓国歌謡現在形」(友野康海 19879)を入手したことだろう。
神戸新聞3月5日の記事によると、この店はネット販売を頑なに拒んでいたらしい。いろんな意味で正統な古本屋を全うしたというべきだろう。
帰りはマルハチで買い物して5時帰宅。
夜は女子サッカー、日本-ドイツ決勝戦。2点先制された日本が後半同点に追いつき、PKでまたリードされて、同点に追いつき、引き分けかと思ったところ、ロスタイムに決勝点を奪われてゲームセット。
今日の歩数は690歩。


今月末閉店の「宇仁菅書店」 

正面ウィンドゥ 

店内 
2012/03/06(火)●伊太利の庭●

6時起床。
今朝の血圧は203/109/65。
自転車で摩耶倉庫へ。
矢谷くんらと午前は篠原の、午後は芦屋の上海向け荷物ピックアップ現場。どちらもあまり量が多くなく軽めの現場だった。
昼は東部市場のオリーブキッチンで、今日のサービスランチ「デミグラスソースかけハンバーグ」(\650) ボリュームたっぷりで野菜サラダもついて、この値段ならお買い得とは思うのだが、どうもこの店の味付けはMorris.好みではないようだ。
倉庫に戻る途中ライオン堂で作業ズボン買って、4時に倉庫を出る。
昨日の歌謡舞台のおしまいで金秀姫が歌った「伊太利の庭」のことをパクチョンホさんにメールしたら、オペラ歌手関谷敏子が1920年に発表したとの返事があった。You Tube探したが、見つからなくて、代わりに?淡谷のり子バージョンがあった。
http://www.youtube.com/watch?v=4m-QHZeRPbU
またMorris.の持ってる「BEST 100-SONGS 名歌百曲集 最新ジャズト流行歌」(昭和11年シンフォニー楽譜出版社発行)という歌本には、この曲の楽譜が掲載されていた。これには歌手名も作曲者名も記載なしで、英語と日本語の歌詞が載ってて日本語歌詞は賀茂六朗訳詞となってる。曲調は「Tango」とある。

「A Garden in Italy 伊太利の庭」
我が庭に来たりて 調べよ汝が歌を
優し手をとり 問はずや 君 月の下 ともに語らん


という歌詞で、淡谷のり子のものとは違っているが、これは英語の歌詞の直訳のようだ
ビリーコットン(1899-1969)という英国人のバージョンもYou Tubeにあった。この歌詞は英語で歌本に掲載されてるものだ。いかにもタンゴらしいアレンジである。
http://www.youtube.com/watch?v=3npQSbfu1yg

Come to my Garden in Italy, And sing to me like you used to do.
Come with your serenade dear, Where soft and rest-raimed dear,
The moon is waiting 、And I'm waiting for you.

崔承喜バージョンの音源もあって、作曲はエルウィン、作詞はイハユンとなっている。コロンビアオーケストラの伴奏で、1936年に日本で録音されたものらしい。
http://www.youtube.com/watch?v=i5x8Ms3s2So
せっかくだから、韓国語歌詞とMorris.の意訳(^_^;)も付けておこう。
맑은 하늘에 새가 울면 사랑의 노래 부르면서
산 넘고 물을 건너 님 오길 기다리는 이테리의 정원
어서 와 주셔요

저녁 종소리 들려오면 세레나데를 부르면서
사랑을 속삭이며 님 오길 기다리는 이테리의 정원
어서와 주셔요

空澄み鳥囀き 恋歌流れ
山越え河越え伊太利の庭に
君帰り来ませ

夕の鐘は小夜曲の調べ
愛の睦言満つ伊太利の庭
君帰り来ませ

韓国ドラマ「家に帰る道」23話にしてやっと、ハンスインの元夫の登場。しばらくこれでドロドロになりそう(^_^;)
今日の歩数は3749歩。


層雲に覆れる六甲山 

芝の芽 

オリーブキッチンのハンバーガ 
2012/03/05(月)●雨の啓蟄●

6時起床。
今朝の血圧は209/110/77。
今日も朝から大雨である(>_<) 歩いて摩耶倉庫に着いた頃には靴から作業ズボンまでびしょびしょになった。
としろう、溝渕くんと京都伏見区の上海向け荷物ピックアップ現場。
午前中で作業終了。
桂川SAで食べたチキンカツはかなりに不味かった(>_<)
相変わらず偏頭痛は治まらない。
近くのコンビニから、長野のhigashiさん宛にノレバン98号送る。CDROMドライブ交換のためだが、そろそろWin98機も過去の遺物的存在になりつつあるんだろうな。Morris.にとってノレバン98号は名前通り、韓国カラオケソフト専用機で、これはWin98でないと作動しないのだ。一日でも長く使い続けたいものである。
今夜の歌謡舞台は「故郷の春」というタイトルで春の歌特集。そういえば今日は啓蟄である。最初はもちろん有名な童謡「故郷の春」を出場歌手全員で合唱。
続いて久しぶりに金秀姫が「山の向こう南の村で」を歌った。
金秀姫はおしまいに「イタリア庭園」という曲も歌う。トップとトリを歌うというのも歌謡舞台では珍しい(歌手の特集は別として)。この曲はHachiさんプロデュースの「プンガクジェンイ ウンジン」に収録されてたので覚えてたのだが、オリジナルは朝鮮半島の舞姫チェスンヒ(崔承喜)だったらしい。
今日の歩数は10829歩。

【雲のカタログ】村井昭夫・鵜山義晃 ★★★☆☆ 「空がわかる全種分類図鑑」という副題を見ただけで期待してしまった。
Morris.が雲好きであることは自他ともに認めるところである。と、思う(^_^;) フォト蔵にアップしている空と雲アルバムを見てもらえばある程度納得してもらえるだろう。
ところが雲の名前や知識に関しては、いつまでたっても初心者の域を抜け出せずにいる。これまで、図鑑、写真集、解説など10冊以上読んだはずだが、なかなか身につかないままである。
「ちがくのとも」というサイトの「十種雲形」の表はよく出来てて、ときどき参照してるが、これにも限度があった。
本書は、十種雲形に飛行機雲を加えるなど意欲的だし、虹、幻日、彩雲などの大気光象も充実している。分類法や、見分け方のコツなどもきちんと解説してあるし、コラムで放射状雲が遠近法効果でそう見えるだけとか、雲の撮影は露出+0.3EVにするべき(Morris.はマイナスにしてた(^_^;))とか、役立ちネタもいろいろあった。
何と言っても、十種雲形を種、変種、副変種に細分化してほぼ百種に大分類し、それぞれに必要にして充分なサイズのカラー写真と簡にして要を得た解説が掲載されている。

はじめにおかれている基本解説の中の「雲ができるのはなぜ?」の部分。

雲は、空気が何らかの原因で上空へ持ち上げられたときにできます。それには空気の2つの特性が関係しています。
性質①空気が何らかの原因で上昇すると、周囲の気圧が下がると同時にふくらんで約0.5℃~1℃/100mの割合で温度が下がる(断熱膨張という)。
性質②空気は温度が下がるにつれて、中に水分を多く含むことができなくなる。
つまり、空気が上昇すると温度が下がり、水分が凝結して雲ができるというわけです。
空気が上昇するのには
①空気が山などにぶつかる
②地表が暖められる
③暖気と寒気がぶつかる
の3つの大きな原因の他、上空に寒冷な空気が流れこむことで下層の暖かい空気が急激に上昇したり、地表近くの空気の流れ同士がぶつかって行き場が無くなって上昇する(収束という)など多くの要因が挙げられます。


このように、噛み砕いた解説は実にわかりやすい(^_^)
5年ほど前に仕事中に見かけた真上の空に出現した虹が「環天頂アーク」ということも初めて知った。これは太陽高度が32°以下の時にしか現れないから、早朝や夕方に巻層雲が空を覆っているときに出現の可能性があるらしい。
太陽や月の暈に「ハロ」というあまり馴染みのない用語が使われている。

太陽あるいは月の光が雲中の六角柱状の氷晶によって曲げられて、太陽・月を中心とした円形の光の輪ができる現象の総称。
視半径が22°のハロ(内暈という)がもっともよく見られるが、ごくまれに9°・18°・20°・35°・46°などの異なった視半径のものが見られることがあり、雲の観察者によってはこのレアなハロを発見することが大きなよろこびになる。


などと、ちょっとオタクっぽい知識もあったりする。ちなみに、こういった暈や雲の大きさを簡単に測る目測方法として、腕をいっぱいに伸ばして、
人指指一本立てると2°
グーのこぶしが10°
手のひらをいっぱいに開いた両端が20°

というのは、空を見るときの簡易メジャーとして有効利用できそうだ。

街中で車を運転しているときに信号待ちでふと空を見ると、素晴らしい雲や大樹現象を見つけるときがあります。写真を撮るために車を止めようとするのですが、どこへ行っても見あげれば電線だらけ。電線のないところを探しているうちに、素晴らしい現象がきえてしまうということをこれまで何度経験したことか。

確かにこの電柱、電線というのは、雲に限らず、建物や風景を撮影するときに無茶苦茶邪魔な存在である。

2012/03/04(日)●復興ひろば●

8時起床。
今朝の血圧は204/106/71。
朝の3点セット。洗濯終わった頃には雨が降りだした(^_^;)
今日の日曜美術館は彫刻佐藤忠良。Morris.はあまり彫刻との相性は良くないのだが、この人の人間味あふれる彫像は悪くないと思った。福音館の「おおきなかぶ」の挿絵を描いたのがこの彫刻家だったというのは初めて知ったが、こども病院のためにこの絵本の市場面をレリーフにしたものが印象深かった。
デュエットするナムジンとユンジョンちゃんKBSノレチャラン、今日は全羅南道麗水篇だったが、途中ユンジョンちゃんが「チョホン招魂」を歌った。まだ新曲は出ないのだろうか。そして、今日のトリはナムジンで、何とユンジョンちゃんとのデュエット曲「タンシニチョア あなたが好き」を披露(@_@) ノレチャランで同じ歌手が二度登場するというのはかなり異例なことではなかろうか。ナムジンは押しも押されぬ大歌手で、ナフナのライバルとして、お互いにかなり意識しあっていたようだ。10年前までなら、人気の点ではナフナが大きく水をあけてた感があったが、このところナフナがほとんど、TV出演しなくなったので、ナムジンばかりがめにつくようになった。でも、Morris.は、ユンジョンちゃんとのデュエット曲を持ってるというだけでナムジンが羨ましい(^_^;)
午後2時に部屋を出てJRで新長田へ。
旧双葉小学校(地域人材支援センター)で催される「復興ひろば2012」に矢谷くんが出るということで出かけたのだが、この建物は去年10月に初めて訪れてすごく気に入ってたので、雨が降っても行く気になったのだった。
全体は二部構成で、1時からの一部では気仙沼復興商店街代表の現状報告があったのだが、これはパス。
3時半からの二部のみ見ることにした。最初に詩の朗読があり、これのバックで藤井まどかちゃんが、ピアノで即興演奏。そして、お目当ての演劇「アメはとけてもウマい~ボクらの避難所奮闘記~」作演出馬場さくら、音楽矢谷トモヨシとなっている(^_^;)
出演者5人ほどで舞台装置もほとんどないのコンパクトな作品だったが、スクリーンの字幕や映像を使って、それなりに楽しめる作品に仕上げていた。
矢谷くんはまどかちゃんのピアニカとパーカッション男性と3人で、舞台脇で演奏したり、劇中人気バンド役で登場したり、おしまいには気仙沼復興応援のために作詞作曲した「霧笛の町」をみんなで歌うなど大活躍だった。
帰り地下のプーケットで買い物して6時半帰宅。
震災一周年に合わせて、NHKでも、3月11日の地震津波の実写映像特集などやってる。当時Morris.はこれらの映像を意識的に避けていたので、初めて見るものが多く、やはりちょっと滅入ってしまった。
偏頭痛と首筋の腫れは長引いている(>_<) 耳の付け根あたりも痛むので、もしかしたら耳が原因なのか、それとも歯が原因なのかもしれない。
今日のチュヒョンミLoveLettergは作詞家キムビョンゴン?がゲストだがあまり好きな曲はかからない。どうやらソンヘさんの「ナパルコッ インセン 朝顔人生」の作詞家らしい。
先週のキムヒガプは実は3週に分けての最終回だったらしい。突然スタジオに夫人で作詞家のヤンインジャさんが登場したりして面白かったのにな。
今日の歩数は5504歩。


今日の鉄人

旧双葉小学校 

詩の朗読とピアノ即興演奏(まどかちゃん) 

スクリーンも利用しての震災劇 

ゲスト出演の矢谷くん 

舞台挨拶 

作演出馬場さん(左)と東夫木さん 

この建物は絵になる 

階段回り 

階段手すり 

何気なく良い 

アーチ廊下 

2012/03/03(土)●全頭痛?(>_<)●

6時起床。
今朝の血圧は211/98/77。
自転車で摩耶倉庫に向かう途中、岩屋の阪神電車踏切手前で電車接近のランプついたので遮断機降りる前に潜り抜けようと、ぶっ飛ばしたら、横の道から走ってきた自転車とぶつかってしまった。Morris.は自転車ごと右側に倒れてしまった。頭の右側を軽く打って、眼鏡は飛んでいったけど、それほどのことはなかったようだ。相手は母子の二人乗りで、こちらは倒れず踏ん張ってた(^_^;) あちらが倒れて子供が怪我でもしてたら、と思うとぞっとする。まあ、不幸中の幸いということだろう。眼鏡も大丈夫だった。
しかし、このところの左側の偏頭痛に加えて、右側まで痛めてしまい、これで全頭痛になって、バランスが取れたのではなかろうか。
今日は矢谷くんら4人で、天王寺真田山、インドネシア向け荷物ピックアップ現場。
現場に向かう途中、トラックのラジオでピーターバラカンの番組を聴く。
食事抜きで1時前に作業終了。昼食は東部市場のオリーブキッチンで今日のサービスランチ、ジャンボちくわ天ぷらカレー(\650)食べる。量は十二分だったが、味はあまりMorris.好みではない。矢谷くんの注文した鶏カツの方が数等美味しそうだった。
倉庫で作業して、早めに退出、水道筋マルハチに寄って4時半帰宅。
今朝の打撲は大したことなかったようだが、眼鏡の弦が当たったところがちょっと擦り傷になってひりひりするくらい。
今日の歩数は1732歩。


湾岸線から 

同じく TONG XING HAI 

西灘駅前の三毛雉 
2012/03/02(金)●私的韓国ドラマブーム●

6時起床。
今朝の血圧は178/102/90。
今日も雨で、歩いて摩耶倉庫へ。
3人で昨日と同じ北鈴蘭台の現場。
昼食も昨日と同じ丸亀製麺(^_^;) 今日は釜揚げうどん特盛。二玉入って\480は安いと思うけど、今日の麺はちょっと物足りなかった。
近所の実家に少しだけ荷物配達して3時倉庫着。ちょこっと倉庫作業して5時過ぎ帰宅。
録画で溜ってた「家に帰る道」2回分ととGyaOで「イケメンですね」続けて見る。このところGyaOのおかげもあって、ひさびさの個人的韓国ドラマブームである。他にキムソナの「シティホール」、最初GyaOで見てて今週からサンTVで放映始まった「ベートーベンウィルス」と合わせて4本。2本がチャングンソクもの(^_^;) やはりMorris.はホームドラマの「家に帰る道」が一番かな。
今夜も女子サッカー(日本-デンマークやってて、他に見るものも無いので流してたが、どうも実況と解説が面白く無いので消音モードで見てた。相変わらずとろいサッカーであるが、日本の20番の選手がなかなか動きが良いことに気付いた。菅澤という選手らしい。
それにしても、男女ともに現在の全日本ユニフォームはカッコ悪い。お腹の真ん中に縦筋一本というデザインのセンスの無さはかなりのものだと思う。
2月27日のKBS歌謡舞台をアーカイブで見るも、月末恒例リクエスト特集で、ゲスト歌手も曲もあまりぱっとしなかった。チェジニの「ウリンノムシプケヘオジョッソヨ」は良かった。これは名曲だな。作曲はキムヒガプ、さすがである。
偏頭痛、相変わらずである。左側全体に鈍痛があり、左首筋のリンパ腺の腫れもそのままだし、左耳付け根も
今日の歩数は11451歩。

2012/03/01(木)●偏頭痛の日(>_<)●

今朝のTWIN煙突6時起床。
今朝の血圧は215/113/79。
西根くんら5人で北鈴蘭台の台湾向け荷物ピックアップ現場。
Morris.は一日台所梱包やってたが、内容物を細かく記入する必要があったのでなかなか作業進まなかった。
昼は丸亀製麺で冷たいおろし醤油うどん。これはやっぱり美味しい。
昨日か一昨日くらいから頭部左側に鈍痛を感じる。左耳の下の方にしこりがある。これはリンパ腺が腫れてるのかもしれない。子供の頃はよく腫れてたような記憶があるが、最近では珍しい。熱は特に無いようだ。
ネットで調べたら、こんな感じだった。

首にシコリがあるのは結構多いことのようで、病院に腫瘍を心配して来院する人は後を絶たないようです。大人に限らず、子供にも首のところにシコリが出来ていたなんていうのはよくある話です。
首には皮下に米粒くらいのリンパ節がたくさんあり、健康であっても触って感じることができます。つまり、シコリを感じやすい部位であることは確かです。
首は頭、顔、歯の細菌侵入などの影響を受けますので、例えば頭の湿疹や虫歯などからばい菌が入ってくると、その影響で首のリンパ節が炎症を起こし、腫れたりします。
風邪のウイルスが原因という場合もあるそうです。
痛みを伴うことが多いですが、悪性リンパ腫の場合は痛みがなく腫れてきますから、痛みを伴う方がむしろ安心といえます。


まあ、大したことはないだろう。
今日は韓国では公休日である。日本の植民地となっていた1918年(大正7)3月1日にソウルのパゴダ公園で独立宣言が読みあげられた。これを記念する日で「三一節 サミルチョル」と呼ばれている。
島田和夫部屋スケジュール更新。
今日の歩数は2533歩。

【日本のゴミ】佐野眞一 ★★★★ 今回Morris.が読んだのは1997年に文庫化された版だが、元は93年講談社から刊行されている。更に大元は「モノ・マガジン」90年から91年に連載されたものをベースにその他のルポを合わせたものとある。
ざっと20年前に書かれたゴミをめぐるノンフィクションである。昭和時代が終わり、平成が始まった時期ということになる。
一般的に、こういった本は「生モノ」で、数年後にはほとんどが賞味期限切れになってしまうものだ。しかし、現時点で読んだMorris.は、実に生々しく、心にしみた。
全体は「…の終わり」と題された12章とプロローグ、エピローグ、あとがき、そして文庫版のためのあとがきが付されている。

1.「自動車の終わり」
2.「ファッションの終わり」
3.「OAの終わり」
4.「紙の終わり」
5.「電池の終わり」
6.「ビルの終わり」
7.「水の終わり」
8.「医療の終わり」
9.「食の終わり」
10.「器の終わり」
11.「核の終わり」
12.「生きものの終わり」

ヘンリー・フォードは、大量生産方式の導入によって20年足らずの間に、T型フォードを1500万台以上売った資本主義の先駆的経営者である。
それから約70年、日本資本主義はフォードの時代をはるかに突き抜け、爛熟から次の段階に移行する大きな曲がり角にさしかっている。
日本資本主義の精華ともいうべき自動車産業の栄光は、いま、バブル崩壊と円高不況による消費の冷え込みだけではなく、廃車という川下から吹く風にも、ゆらぎはじめている。(第1章)

ファッション洪水に代表される"暖衣飽食"の時代とは、一面では「飽食」といいながら、一面では欲望が欲望をさらにかきたて、とどまるところを知らない無間地獄の別名であろう。今日の「飽食」とは"満ち足りた"ということではなく、無限の欲求不満をひとびとにもたらす要因となっている。
兄弟が多かった時代、"お下がり"という言葉がどこの家庭でもふつうに使われていた。年下の者は、年長者が着た"お古"をもらい下げて着るのがあたりまえだった。だが、子供の数が平均二人を大きく切った"少子時代"のいま、そんな言葉は完全に死語となった。いまファッションメーカーはどこも、頭のてっぺんから足の爪先までフルコーディネートした子供用ファッションの売り込みに躍起となっている。
古着から人の翳が消え、ファッションという"物神"がこれに取って代わった。
ボロのうずたかい山は、消費に翻弄される世紀末日本人そのものの姿でもあろう。(第2章)

重く、大きく、有害物質が含まれ、リサイクルもきかない。こうした粗大ゴミは東京都を例にとれば、一般家庭から収集した分だけでも、80年5万7千トン、85年6万6千トン、91年7万トンと大量に暈を増している。
壊そうにも壊れず、燃やそうにも燃やせない、逆説としての文明の利器。われわれはいつの間にかこうした製品に取り囲まれ、処分しようにもできない状況にじわじわとおいつめられている。
粗大ゴミという言葉は、家でゴロゴロしている亭主の蔑称として、よく使われている。氾濫する一方の粗大ゴミをみていると、高齢化社会のなかで確実に進行する定年退職者への白眼視や棄老現象がダブってみえてくるような気がする。カツラや養毛剤のコマーシャルが洪水のように流され、死ぬまで若くあれ、死ぬまでハゲるなかれ、と絶叫する社会は、永遠に若づくりしなければ世間から疎んぜられる、息苦しい社会の同義語でもあろう。現代ニッポンにおいては、若さだけが賞揚され、老いはひたすら忌避される。まだ充分に使える製品を容赦なく廃棄していく社会の有りさまは、老いという理由だけで社会システムから排除していこうとする社会構造と、どこか通底していないだろうか。
コンピュータなどのOAは、メーカーの間断なきリニューアルと経済的理由からの解体業者の撤退で、まだ使えるまま廃棄され、TVなどの家電製品は、飽和点に達した市場経済や自治体とメーカーの処理責任の押し付け合いにより、日増しに粗大ゴミ化されている。にもかかわらず技術は商品の付加価値をつけるためにだけ注がれ、その商品が廃棄された時の処理困難性は依然想像力の埒外におかれている。(第3章)

一年間に首都圏の1世帯あたりに配布される新聞折り込みは、次のような推移をたどっている。。
89年=4527枚 90年=4899枚 91年=5164枚
こうした厖大な量の折り込みチラシに関して、新聞社は一貫して発言をしていない。ゴミ問題のキャンペーンでも、チラシ問題には一切ふれられていない。新聞社のこうした偏頗な対応は、チラシ問題に手をつければ、販売店の経営基盤、ひいては新聞社自身の経営基盤が危うくなることを、本能的に察知しているところからきたのであろう。
かつて古紙は資源ゴミと呼ばれ、宝クジを景品につけてまで集められた。しかしわれわれは、そうした状況をはるかに突き抜け、紙そのものをゴミ化する社会を選択しようとしている。
紙はいま、再生資源から廃棄ゴミに向かい、なだれを打って崩壊しつつある。再生もされぬまま、都市の水際にうずたかく滞留する巨大な古紙のボタ山は、その選択の末路を示す最初の予兆であろう。(第4章)

ニッカド電池の材料は、その名からもわかるようにニッケルとカドミウムである。イタイイタイ病の原因として知られるカドミウムが猛毒性を持つ重金属であることは、今さら言うまでもあるまい。
問題なのは、かたちだけでもいちおうの回収システムが敷かれた乾電池と違って、家庭用ニッカド電池にはそうした回収システムがまったくといっていいほど整備されていないことである。
こうした回収システムの不備と企業責任を問うように、町田市の荒地に野積みされた乾電池の山は、イトムカ鉱山と水俣を通底する歴史の闇からたちのぼる瘴気のような水銀蒸気を、今日ももうもうと吹き上げている(第5章)

生産活動の裏側に廃棄という現実がある。こうした構図のなかで暮らしている以上、処分場が求められてゆくのは当然の帰結であろう。が、新宿副都心の超高層ビルを睥睨するばかりに、威容をさらす都庁の新庁舎や、鋼鉄とガラスでできた現代彫刻のようなインテリジェントビルの姿をみるにつけ、そんな理屈だけでは納得できない思いがわいてくる。その光景の裾野には、首都圏のビル群とはおよそかけ離れた廃棄現場の荒涼たる風景が広がる。経済社会の光と影などというきれいごとのたとえでは埋めがたい、落差と矛盾を感じざるをえないのである。(第6章)

口臭を気にする人がいるから口臭防止剤が売れるのではない、口臭防止剤なる新商品が売り出されたから口臭を気にする人が出てきた、という皮肉なマーケティング分析を持ち出すまでもなく、これら潔癖症候群的商品のヒットには"不潔"という一語の下にみぐるしいもの、汚いものを目の前から追いやりさえすればひと安心する、この国の人々の性向がよく投影されている。
水と安全はタダだと思っている、という例の有名な言葉を持ち出すまでもなく、われわれ日本人は、水を無尽蔵の資源と考えてきたフシが強い。また、ひとたび水に流してしまえば、あとは野となれ山となれと一切責任をとらない精神風土のなかで育ってきたわれわれ日本人には、トイレで流した水が再び循環して、水道の蛇口から流れてくるという思考回路が、恐ろしく欠落している。
一度握った権限は絶対に手放そうとしないのが、官僚の通弊である水資源開発と同様、浄化槽、下水道もまた建設官僚の支配下に治められ、河川水質の悪化、新たな水資源の開発という悪しき循環システムが確立されることになるのである。
水は生命の源泉ともいうべきものである。その水を、本来の循環に戻すことができないとするならば、水もまた、ほかの商品同様、使い捨ての運命をたどることになろう。いつでもどこでも蛇口をひねれば水があふれ、レバーを押せば汚物が流れ去る。それは、われわれの文明の勝利ではなく、ひょっとすると、敗北への第一歩なのかもしれない。
水はいま、文字通り、終末と再生の水際に立たされている。(第7章)

医療廃棄物と院内感染は、医薬品メーカーと病院の暗部を行き来するコインの裏表のようなものである。
ある産廃業者によれば、注射針を含めた医療廃棄物を、途上国に"輸出"サービスする薬品メーカーの話も出はじめてきたという。
モノが終末の姿をさらけ出して打ち寄せられる消費の水際は、東京湾の埋立地だけにあるわけではない。われわれ日本人は、国内での売血を禁じられた血漿剤メーカーが、アメリカのスラム地区から血液を買い取って輸入した暗い過去を持っている。これがわが国にエイズをもたらした最初のきっかけだったことは専門家の間では常識となっている。
血液ばかりではない。世界中の非難をあびながら、低賃金で現地の労働者を雇い、熱帯雨林を乱伐しているのも、また日本の企業である。日本経済の波打ち際としての世界最貧地区。そこは日本資本主義の荒波に、内部をえぐられるほどに洗われ続けている。(第8章)

高度成長の高波とともに都市養豚業者が近郊へ追放され、この動きと呼応するように、残飯から配合飼料へと切り替わる。日本列島を襲った高度成長という高波は、養豚業者たちを都市住民の目にふれない場所に隔離していくと同時に、残飯という貴重なエサを一挙に生ゴミという名の存在に変える高波でもあった。いうなれば高度成長とは、臭いものは遠くへ押しやって事なかれとしていく一方、使い捨てを是とする、社会意識構造上の大変革だったといえる。高度成長を母体とするその排除と使い捨ての意識はますます強化され、そのみえない圧力は、残飯養豚業者を次々と転廃業させる大きな要因ともなった。
神経症的なまでの"賞味期限"へのこだわりは、本来その表示の必要のない保存食品にまで及び、食品廃棄になおいっそうの拍車をかけている。かつてデパート内の老舗などで行われていた売れ残り食品の社員販売や割引販売は、ブランドイメージを保持するとの理由から、大半の店が、丸ごと捨てる方式に切り替えた。
飽食の時代といい、グルメブームという。だが、そういわれる状況を冷静に眺めれば、まさに捨てることによって成立する。いや捨てることによってしか成立しない一種、倒錯的世界でしかないことがわかるだろう。われわれは、捨てられたモノの多寡によって豊かさを実感する、未曽有の社会に生きている。(第9章)

"紙オムツ"と表示されているものの、これは、吸水部分に石油からつくられるポリマーという素材を使い、表面材にもポリプロピレンの不繊布を使うなど、れっきとしたプラスチック製品なのである。
ポリエチレンテレフタレートからつくられ、1.5リットルイリのコーラや天然水などの容器として最近多用されている通称PETボトルの生産量は、91年14億8200万本(1.5リットル換算)にのぼった。清涼飲料中に占めるPET製品の比率は、容量換算で約20%に達している。一升瓶をはじめリターナブルびんの低落傾向は前にも述べたが、PETボトルはそれにかわるワンウェイ容器として急浮上してきている。
びん、カン、PETボトル、そして紙容器。メーカー内部からわきあがった使い捨て容器の氾濫は、合理的に使い回しされてきた容器循環サイクルの堰を絶ち切って、高速資本主義経済にいっそうの拍車をかけている。(第10章)

原発の増設にのみ邁進し、そこから発生する核のゴミについてはなんら手だてをしてこなかったわが国の原子力政策は、よく「トイレなきマンションづくり」という言葉でたとえられる。日本に初めて商業用原子炉の火がともってから約30年、ようやくその「トイレ」が、満州帰りの再入植者を札束ですでに追い出していたこの地(六ヶ所村)に建設された。
ゴミの最終処分地は、いずれも都会の大消費地とは隔絶された辺陬の地につくられているが、ゴミのなかのゴミともいうべき核のゴミ処分場が、本州の最北端のさいはての地に建設されたことは、わが国の消費と廃棄の構造を物語って、あまりにも象徴的である。
廃棄物を含めた各問題を"国家"に託して先送りしているのは、官僚や電力業界ばかりではない。北海道の幌延町や青森県の六ヶ所村を遠く離れた大都市で、放恣な電化生活を送っているわれわれ一人一人もまた、"国家"のうしろに隠れ、核問題に対し知らぬ顔を決め込んでいるともいえるだろう。
核のゴミをみつめる視線には、ゴミ問題一般に向けるまなざしが収斂されている。
核のゴミ問題を地域問題とかたづけるのは、こうした核の越境性を考えただけでも、無謀な議論といえるだろう。その議論は、間違いであるばかりか、"国家"との共犯関係に知らず知らず組み敷かれた人々が、ゴミのなかのゴミともいうべき核のゴミに、取り返しのつかない逆襲をくらわされることも意味しているからである。(第11章)

私は動物と人間の死を一緒にするつもりはないし、その終末処理施設を同一視するつもりもない。ここでいいたいのはむしろ、これらの終末処理施設に向けられた視線の近似性についてである。
行政側はこれらの施設をなるべくめにつかないところに持っていこうと苦慮し、付近住民は終末施設と聞いただけで、反射的に異を唱える。こうした構図は、われわれがゴミおよびゴミ処理施設に向ける視線とひどく似ている。
有機物の死を死体と呼ぶならば、ゴミとは無機物の死さといえる。われわれはなるべくそれらから目をそむけ、遠くへ遠くへ押しやろうとしている。
40年代には10人のうち9人までが自宅で息をひきとっていたのに対し、それから約50年後の90年代には10人のうち8人近くが病院で息をひきとっているのである。いまでは自宅で死亡した場合、なにをおいてもまず警察が検死にやって来る。病院で死ぬほかない社会への移行は、そのまま、死を遮眼させる社会への移行でもあろう。
無機物の死としてのゴミも、そしてそれを処理する施設もまた同じである。全世界的環境破壊から地球を守れ、などという、それ自体は誰にも論駁しようのない正しく美しく大きい論陣を押し立てる反対運動陣営の中には、ゴミ処分場は必要という総論には一応賛成しておいて、しかし自分の隣にはきてほしくない、と各論反対の立場にするりと身をかわしてしまう手合いが少くない。
いま問われているのは、ゴミを遠くみえないところへ押しやって事足れりとすることではなく、それらと折り合いをつけながら、共存する社会システムを構築することであろう。
体温あるものの死も、体温なきものの死も、ひとしなみ隠蔽しようとする排除の論理の横行は、無責任と差別の意識を助長するだけであろう。(第12章)


掟破りの大量引用のみになってしまった。本当は、本書を直接手にとって読んでもらいたいという気持ちでいっぱいなのだが、今これを入手するのはかなり難しそうだ。神戸市図書館蔵書検索で調べたら、文庫版が灘図書館と外大図書館、単行本が垂水図書館とたった3冊しか無い。大倉山の中央図書館にもない、というのは、ちょっとショックだった。
最近佐野眞一を再発見(^_^;)したMorris.だからこそ、灘図書館の文庫棚で本書に出会えたのだが、こういった本こそ、全図書館に常備してしかるべきだろう。
繰り返すが、20年前の本である。20年といえば半端ではない時間だ。この半端でない時間で、日本のゴミの現況は、いくらかでも改善されただろうか。少なくともゴミの総量は増えていることは間違いないだろう。現在ならインターネットで、かなりの情報が容易に得られるはずだ。
東北津波地震、そして福島原発震災という未曾有の災害を被った今こそ、本書の発言の重みは増していると思う。
震災瓦礫の受け入れが、地域住民の反対で、一向に進捗しない現況をみるにつけても、その感を強くする。


 

 

 

 
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