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Morris.の東京物語
テキスト版
画像満載の完全版はこちらです
2004/01/30〜02/02

Morris.は88年に韓国にはまってから、すでに30回くらいは行ったと思うのですが、その間に一回も東京には行かずじまいでした。神戸から東京に行くのもソウルに行くのも運賃はそう変わらない、だったら、ついついソウルに行ってしまうということになったようです。
去年2月ソウルでオープンチケット買うとき、りーちさんから教えてもらったANAの乗り継ぎ券を買うことにしました。いつもはソウル-関空の往復を買うのですが、ソウル-大阪-羽田というコース、つまり大阪でトランジットするみたいなもので、これだと、一年の間好きなときに大阪(関空でも伊丹でもOK)-羽田往復ができます。つまり格安で東京に行けるというわけでした。
昨年内に行くつもりがついつい延びて、あっという間に期限が近づいたので、これはどうしても韓国に行く前に使っとかないと勿体無いという、貧乏性丸出しで、とりあえず短期間で行くことにしました。
なにしろ15年ぶりくらいなので、ソウルなんかよりよほど物珍しくて、すっかりおのぼりさんになりきってたようです。
3泊4日、正味三日間くらいの割には良く回ったと思います。とにかく良く歩きました。写真も200枚近く撮ったのですが、ここにはその半分くらい掲載しています。小さいけど、Morris.にしてはなかなか良く撮れてると、自画自賛しておきましょう。
ダイアル通信の人を考慮して(主に稲田さん(^_^;))テキスト版も作っておきましたが、やはり画像を見て欲しい気がします。

2004/01/30(金)●ひさびさのおのぼりさん●

[旅を前に夢は古書肆を駆け巡る]えらく人の多い古本屋にいる。Morris.は店員でもないのに、客が探してる本の場所を教えたり、全集の巻がふぞろいなのを整理したり、果ては、背表紙の破損を修理したりしている。それでもMorris.は店員ではないのか?と、思うひまもなく、次から次へと、他の客が用事を言いつける。そのうち店の主人らしい親父が、外出するから、しばらく店を見ておくようにという。それはないだろうと思いながら、自分の買いたい本を探そうとするが、それを客に買われてしまうことが続く。それにしてもこの古本屋は、広くて本当にすごい量の本があって、どんな本でもあるような気がしてきた。

久しぶりに東京行くのでこんな夢を見たのだろうか。6時半に目を覚まして、朝風呂つかって、8時前に出発。三宮から空港バスに乗ったら、携帯に佐川急便から電話が入る。配達したが不在とのことで、とりあえず、月曜の夜に再配達を頼む。
伊丹空港というのも実に久しぶりだし、国内便の飛行機ってのも前にいつ乗ったかおぼえていない。それでも飛行機の窓から雲見るの大好きのMorris.は、窓際の景色のいい席を頼む。最初翼の横の席だったのを、係員のお姉さんが、ちょっと前の見晴らしのいい席が空いてたのでと、替えてくれた。19-Aという進行方向に向かって右端の席で、これは本当に最高の席だった。
今日はあまり雲が多くなくて、大阪港、名古屋港の海岸線や、長野の日本アルプスの山々もよく見えた。もし、江戸時代の伊能忠敬などが見たら狂喜するよなと思ってしまった。ほどなく、雲の向こうに頂に雪をかぶった美しい独立峰が登場、あれは富士山ではないか!!いやあ、ちょうど6合目くらいの高さに層雲が広がり、その雲に浮かんだみたいな感じの富士の山。この前は奥井さんの運転するトラックの助手席から見たのだが、今回はまた一味違った美しさで、何枚も何枚もデジカメのシャッターを押したが、結果はご覧のとおりだった。でも、約15分くらいは見え続けていたので、まったく退屈するどころではなかった。右側の座席だからよく見えたので、これが左端だったら、全然見えなかったに違いない、と思うと、ANAのカウンタ嬢の親切心に改めて感謝である。
羽田空港到着は11時5分。やっぱり飛行機は早いなあ。観光案内所を覗いて、東京の案内図や地図を数点もらう。韓国語の東京地図があったので、これもちゃっかりいただいておいた。
モノレールで浜松町に出て、地下鉄乗り継いで、神保町で下車。まっすぐ、神田古書街に来てしまったから、あの夢はやはり正夢だったのかもしれない。
神保町も様変わりしたという噂を聞いてて、実はちょっと心配してたのだが、なんのなんの、古本屋が軒を並べてという状態は持続していたので一安心。
おなじみの店もかなりあるし、サブカルチャーや幻想小説、スポーツなどのマニアックな店も多く、興味をそそられたが、今回はさっと舐めるくらいにとどめておく。Wanderという店の壁に素晴らしいマッチラベルのポスターが貼ってあって、見ると、飯田橋のモリサワビルで1月15日から3月29日まで「マッチラベル グラフィック展」をやっているらしい。これは是非見たいと思い、詳細見たら、土日は休みとなっている。会社だから平日だけやるのだろう。今日はもう時間が無いし、明日明後日が土日だから、月曜日帰る前に行くことにしよう。
洋書の美術書専門店の平台にドイツの天才女性レニ・リーフェンシュタールの分厚い写真集「女の5回の人生」というのが積み上げてあった。\2,500という破格の安さに思わず手が出そうになったが、あまりの大きさと4kgくらいはありそうな重量にあきらめる。
そのほか、一心堂、八木書店、一誠堂など御馴染みの店も、ほんの挨拶程度に流して、古書会館地下の古本市冷やかしてから、御茶ノ水駅まで歩き、JRで上野へ。
目指すは東京国立博物館。「南禅寺の宝」とかいう特別展が開催されていたが、着いたのが3時過ぎで時間がないので、当然平常展のみで入館。戦前の堂々たる洋館は、すでに使われてなくて「表敬館」という名前で、観賞用古建築になってしまっている。
本館の展示室入口に「フラッシュや三脚の使用はお控えください」との貼り紙がある。え、もしかして、フラッシュ使わなければデジカメ撮影OKなのか??と、受付女性に尋ねたらそうだとの返事。おお、なんと言う朗報!! これまでMorris.は、美術館や博物館で「写真撮影お断り」にどれだけ泣かされてきたことか。で、たいていは、こっそり隠し撮りすることが多かったのだが、やっぱり内心忸怩たるものがあったことは否めない。何度かは係員に叱られたこともあるしね。
それが、天下の国立博物館が、こういった寛大な措置に踏み切ったということは、実に称賛すべき英断だといえる。これまででは、大阪の民俗学博物館が、撮影に寛容だったくらいで、たいていの施設ではいまだに撮影禁止が多いと思う。これからは、ぜひ右に倣えをしてもらいたいものだ。
さらに、この博物館は照明とショーウインドのバランスをきめ細かにチェックしているようで、ほとんど観覧者の視線からはガラスに光の映り込みがない。これまた他の施設も見習って欲しい。というわけで本館1Fの仏像や十二神将などの撮影にいささか時間をとられ過ぎてしまった。江戸時代の着物や、鎧兜、日本刀などはそれほど興味がないからすっとばす。ずっと関心を持ち続けている浮世絵は、春信や北斎、広重などの数点は、眼鏡を外して凝視して、後は走って見た。それでも本館を出たら残り1時間を切っている。
急いで隣の当洋館へ。あじゃじゃーっ!!ここの1Fにはインドを中心とした仏像の秀品がずらずらっと並んでいるではないか。どれもこれもデジカメに写したいし、ゆっくり鑑賞したいのに、それもままならない。
2Fの中国、3Fの朝鮮展示品も、ゆっくり見れば面白そうなのが多かったが、これもいいかげん斜めに見てしまった。まあ、Morris.偏愛の魚の絵付の李朝粉青沙器だけは、必死でデジカメに収めたからよしとしよう

残り時間は30分ちょい。最後の、というか一番見たかった「法隆寺宝物館」これは99年に新設されたらしいが、えらくモダンな建物で、Morris.は、宝物館のまん前に立ったまましばらくどこにあるのかと、別の方角を探し回ったよ。これで5分くらいはロスしたんじゃなかろうか。そうして入った展示室は照明を落としてあり、そこには透明プラスチックの柱状の陳列台が整然と並べられて、それぞれに法隆寺寺宝の、小ぶりの金銅仏立像が、収められてあった。ざっと30体くらいあるだろうか、それぞれが表情を異にして、それぞれが素晴らしいものばかり、さらにその裏のスペースには三体仏や、麻耶夫人像などが安置されてあった。
いや、Morris.は、奈良斑鳩の法隆寺内の宝物殿でも、一番気に入ってたのが、この金銅仏像たちで、それもせいぜい十数体しかなかったのだ。
それが、五十体もが一堂に会しているのだから、その気前の良さというか、豪快さというか、大迫力に圧倒されてしまう。ともかくも一体ずつ、拝顔していく、実にあどけない童子のような菩薩もいれば、ちょっと怒ったような表情の菩薩もいて、実にバラエティに富んでいる。
そして、Morris.は、No166と説明板に記されている菩薩に、一目惚れしてしまった。両手を上下に合わせて玉を持って立ってる菩薩だが、とにかくその表情が何とも言えないくらい貴品があって、愛らしくも美しく、気高く清らかで、神々しい。ああ、こんな仏様があれば、Morris.も救われるのではないかと、つい思ってしまった。そのくらいこの菩薩には参ってしまったよ。デジカメにも収めたのだがどうもデジカメではその素晴らしさは写し取れなかったようだ。しかし、今朝の空からの富士山と、この菩薩に出会えただけで、上京した甲斐がある、というか、予想外の喜びだった。
閉館時間まで、166さまの前にいたが、やはり国立博物館に2時間というのはあまりにも短か過ぎたようだ。せめて4時間は欲しい。
上野公園をふらふらしてたら、携帯が鳴った。うり丸さんか、と思ったら「僕です」という呼びかけで、誰かわからず、つい「どなたですか?」と詰問してしまった。「東京のミズノです」との答えに、てっきり、矢谷君の友人で東京に住んでいる水埜君と思い込んでしまった。それにしてもなんで水埜君がMorris.の携帯の番号と、東京に来てることを知ったのだろう?これはきっと矢谷君が、連絡したに違いないと思い、そのことを話したが、一向に通じない。その後やっと、相手がken mizunoさんだということが判明した。ken mizunoさんは、水野健が本名だから「ミズノです」で間違いないのだが、Morris.の中では、「ken mizuno」というひとくくりの音でしか彼を意識してなかったためだろう。
考えてみれば、出発前にken mizunoさんにメールして、上京のことと、時間があれば一杯やろうなんて書き送っていたのだから、気づかないMorris.が間抜けだった。
結果的にはken mizunoさんは明日眼科の病院での治療があるため会えそうもないとのことだった。
その後うり丸さんと連絡とって、7時半に伊勢崎線の北千住駅で待ち合わせることにした。
2時間ほど時間があるので、浅草に行くことにする。浅草寺や五重塔はライトアップされてそれなりにきれいだった。しかし、本堂は朱塗りで、お寺というより、神社みたいで、Morris.は、お参りするとき、つい拍手を打ってしまったよ。しかし、それにつられて他の人らも数人拍手打ってたぞ。
せっかくだから、おみくじを引いてみた。今年は、初詣のおみくじゲームの六甲八幡神社が「下下」、西宮の十日恵比寿が「凶」だったから、今度こそは、という気持ちもあったのだが、今回は「第八十六番大吉」だったあ。三度目の正直ということにしておこう。
仲見世を冷やかしてもどり、これまたなつかしの神谷バーに寄る。なんか小奇麗になった気がするが、それなりに混んでいて、Morris.は大テーブルの隅に合席させてもらう。注文はもちろん電気ブラン。アテは一番安くて一番美味しそうなたこわさ。
うーーん、電気ブランも久しぶりだし、この雰囲気はいいなあ、と、ノスタルジーにひたってしまった。隣にいい年のおじさんが座り、なんと電気ブランのピッチャーなんてのを注文している。これは覚えておかねばと決心して、それをきっかけに話しが始まった。
この森さんというおじさんは、もとは浅草に住んでたらしいが、今は埼玉県八潮市で床暖房関係の会社をやってるとのこと。息子が社長だから、いわば会長みたいなもんだろう。床暖房といえば韓国のオンドルを思い出さずにはいられないので、そちらの方に話を振ったら、10年以上前にサムソンと提携の話があったらしい。結局は実現しなかったが、それの関連で何度か韓国にも出かけたということだった。方向が一緒なので、北千住まで同じ電車だった。最初は60代半ばくらいだろうと思ってたが、年を聞いたら72歳とのこと、びっくりしてしまったよ。
うり丸さんは、北千住の次の駅、小菅に住んでるので、一緒に自宅へ。うり丸さんと同い年のさわらびさんが、チャプチェやコムタンなど韓国料理を用意して待っててくれた。彼女の実家は北海道で、お母さん手作りのキムチもあって美味しかった。
うり丸さんと会うのもひさしぶりで、例によって韓国歌謡の話が弾むさわらびさんも、結構な韓国歌謡オタクらしい。うり丸さんはDVD+HDD録画機を買ってて、かなりの映像を録画しているようだ。ピョンヤンでの韓国ノレチャランの映像や、キムヘヨン画像なども見せてもらう。
しかし、電気ブラン4杯飲んでた上に、ビールを進められるままに飲んだMorris.は、えらく早めに出来上がって、沈没したらしい(^_^;)
2004/01/31(土)●ネットカフェ泊初体験●

6時半起床。まったく酒は残ってないようだ。他人の家なので、あまり早くからごそごそしては迷惑だろうと、低い音でMDかけながら、近くにあったうり丸さんの本を物色して池田書店の「一気にわかる朝鮮半島」鄭銀淑著、というのを見つけて、読み始めたら、これが実に分かりやすくて面白く、ついつい没頭して、ほぼ2時間でざっと読み通してしまった。あとで、このことをうり丸さんに言ったら、なんとうり丸さん自身がこの本の校訂に携わったとのことで、びっくりさせられてしまった。確かに奥付を見ると彼の本名が記されていた。
今日は一人で行動するつもりだが、午前中は、うり丸さんが築地市場を案内してくれるというので、ついていく。小菅駅は荒川沿いにあり、ここの河川敷はいかにも日本映画に出てくるような風情があった。また、小菅拘置所も駅から臨むことができる。言われなければ高級マンションだと思えそうな建物だった。
築地は始めてである。駅を降りたらすぐのところに、築地本願寺があった。西洋的とも東洋的ともいえない、不思議な、そしてそれなりに荘重な建物で、本堂内には、パイプオルガンまで備えてあった。これは西本願寺の系統らしい。うり丸さんは、この建物のエキゾチシズムは、西本願寺の大谷探検隊がシルクロードやチベット、インドなどで培ったセンスではないかと言ってた。
そのあと市場へ。Morris.は、韓国に行ったら、ほとんど毎日のように市場通いするのだが、日本ではあまり行かない。しかし、築地はなんと言っても東京の食生活の顔みたいなものだから、一度は見たいと思っていた。
場外市場と場内があり、場内はいわゆる中央卸売市場だから、昼前に行ったのでは、話にならない。いちおう覗いてはみたものの、ほとんど店じまいで、明日日曜は休みだから、掃除や片付けしてる姿を見るくらいだった。
場外というのは、一般客や、観光客をターゲットにしたもので、これはしっかり楽しめた。全般的に安い。そして、あちこちで試食コーナーがあるので、それだけでも結構楽しめるみたいだ。うり丸さんは、殻付の牡蠣を食べてた。Morris.は試食の蛸が美味しかったが、名物らしい玉子焼きは甘すぎてΧだった。
昼食に何か食べようということで、いろいろ迷った末「瀬川」という店のマグロ丼(\700)に決める。2,3人待ったあと、カウンタに座り、思い切って大盛り(\900)を注文。いやあ、大盛りにして大正解だった。とにかく美味いっ!!
ちょっと淡めに酢を効かしたご飯に、海苔を振りかけその上に、醤油だれに漬け込んでおいたマグロの刺身をたっぷりと乗せて、さらにその上にわさびとツマをおいて出来上がり。この醤油ダレに美味さの秘密がありそうだ。うり丸さんも、他の店で食べたのとは比較にならないくらい美味しいと言ってた。
そのまま、銀座まで歩く。といっても、10分くらいだから、近い。
Morris.の記憶では、えらく目立ってたはずの資生堂の円柱形のビルが、今では周りのビルに押されて、ほとんど存在感を無くしてるのにちょっとびっくりさせられた。
ここで、うり丸さんと別れ、六本木に向かう。昨日神谷バーで意気投合した森さんが強く勧める六本木ヒルズを見ておくことにしたのだった。そういえば朝日放送のニュースステーションのスタジオがここにあるんだったな。
で、六本木駅からヒルズに向かって歩いてるつもりだったが、道の向こうに東京タワーが見える。ということは、完全に逆方向に来てたということだった。引き返して六本木ヒルズまで来る。確かに高いビルだ。50階あるとのこと。展望台に上ろうかとも思ったが、入場料\1,500というので止めにした。
いちおう、ショッピング街とグルメ街というのを回ってみたが、やっぱりMorris.には縁のない場所のようだ。石庭や庭園風な造りを取り入れているようだが、コケおどしに過ぎないのではないかと思ってしまった。
こんなところに長居は無用ということで、地下鉄で代々木まで出て、新宿御苑へ。ここは入場料\200だから貧乏性のMorris.でも大丈夫だ。ところが、どうやら現在あちこちを補修したり、工事したりしているようで、あまり見るところはなかった。
特に西洋式庭園なんてのは、ほとんど更地に芝生植えてるだけというありさまだった。それにここは、閉園が4時で、温室植物園は3時に閉まってしまうから、結局見ることができなかった。ちょっと早すぎるような気がするぞ。
「寒桜」という品種の桜が、三分咲きくらいで、客がしきりに携帯やデジカメで撮影していた。水仙も群がって咲いていたが、美しさに欠けると思った。
御苑の新宿口から出て、ふらふらと北上。明日うり丸さんらと探検する予定の職安通りも、予習を兼ねてさっと流す。たしかに看板やメニューなどにハングル文字が氾濫している。店員や客にも韓国人が多いらしく、結構韓国語が耳につく。
さらに北のほうを散策したら、大久保小学校の脇に、ちょっと小奇麗な公園があった。入ってみたら「小泉八雲記念公園」と書いてあって、西洋式の花壇の中に彼の銅像があった。
ちょうど閉園の時間で、門を閉めにきたおじさんにたのんで、本当は立ち入り禁止になってる銅像のところまで入って撮影を許してもらう。小泉八雲は、この地で亡くなったらしい。
それから、歌舞伎町をうろつくが、まだ賑わう時間にはちょっと間があるようだった。
「博多ラーメン」というのぼりが目についたので、あまり期待もせずに入ってみる。「わ蔵」という店で、5人くらいしか座れない狭いカウンタの店で、まだ若い兄ちゃんが一人でやってた。出てきたラーメンは予想以上に博多ラーメンだった。スープはまずまずだが、麺がいい。細くて腰があっていかにも博多ラーメンらしい。兄ちゃんに東京人か聞いたら、自分は東京だがオーナーが博多の人間らしい。東京でこのくらいの博多ラーメン食べられるのはありがたい。
そのあと、また散策して、unisonという中古レコード屋見つける。ここは、各階ごとにジャンル分けしてあり、あちこちに別ジャンル店を出してて、合計7店舗もあるらしい。
すぐ近くの「ソウル/ブルース」店に行く。ここは地階だが、すごい熱気だし、品揃えも半端ではなかった。壁に渋谷のブルースハウスのちらしが貼ってあったので、行ってみようかと思う。
渋谷に出たのが7時過ぎくらいだった。忠犬ハチ公の像のまわりは青シートで囲まれて入れなくなっていた。何か工事でもしてるらしい。
道玄坂から文化村あたりをうろついてみる。噂に聞いたほど、小中学生の姿は無かった。ガングロの女子高生らしいのは数人見かけたが、やっぱり異様である。
「まんだらけ」があったので寄ってみる。ここが最初の店かどうかはわからないが、ほとんど大阪の東通り店と変わらない。ただ、フィギュアやグッズが多いような気がする。みなもと太郎の「風雲児たち」を探したら、かなり飛び飛びで欠けてる巻が多かった。ただ、30巻があって、全巻完結とあったから、この作品はちょうど30巻ということがはっきりしたわけだ。後20冊かあ。
渋谷駅に戻り、南口から歩道橋を渡って、さっきチラシで見たブルースハウスを探す。「BLUE HEAT」という店で、2Fにあったが、看板に横浜の「鬼ころし」という4人組のバンドのライブがあると書いてある。ちょっと迷ったが、せっかくだから入ることにした。
思ったより客は多い。エビスビール小瓶で\700というのはちょっと高いかな。ハープとギターの二人がヴォーカルも取るらしい。1曲目はインストだった。うーーーむ、下手じゃないんだけど、好みではないな。ベースはともかく、ギターまでソリッドのエレキというのがまずい。
そしてハープも何だかな、である。そして、ボーカルが始まったのだが、これまた、いまいちであった。ライブは、当り外れがあるとは言うものの、がっかりだった。1ステージ終わったらそそくさと出ることにした。店の感じもあまり馴染めなかった。
そして、今夜は、前から一度体験してみたいと思っていた、インターネットカフェで一晩過ごすことにした。東急ハンズ付近に2,3軒あって、一番安いのが、8時間\900だった。Morris.はもう一つの\980の店に決めた。この「まんが広場渋谷店」は名前の通り、漫画も置いてあるから一挙両得だと思ったのだった。
しかし、結果的には、現在午前3時前で、二日分の日記打ってるだけで、あとはもう寝るしかないようだ。

2004/02/01(日)●文化的?な一日●

結局インターネットカフェで熟睡するというのはちょっと無理なようだった。リクライニングシートとは言っても水平になるわけでなし、客や店員がのべつ回りを歩きまわってるし、ゲーム仲間同士わざわざ相手のブースの横まで来て攻略法や評価などをあれこれ喋くる輩がいるわ、5人組くらいの女子高校生のうち二人くらいが悪酔いしたらしく、しきりにトイレと席を行き来するわで、落ち着かない。もっともこの女子高生たちの髪型は物凄かったし、それなりに回りに気を遣ったりしてた。
それより、インスタントの飲み物飲み放題につられて、やたら紅茶やコーヒー飲んだのでますます眠れない。開き直って安彦良和の「ジャンヌ」、川原泉の「ブレーメン」などぱらぱらと見るもやはり集中はできない。さすがに3時過ぎると眠気が勝ってしばらくうたた寝できたみたいだ。
6時半くらいに起き出して、トイレで歯磨き洗顔髭剃りをすます。このへんがネットカフェの辛いところだな。一日くらいなら辛抱できるが複数日なら、24時間サウナとネットカフェを一日ごしに使えばなんとかやりくりできそうな気もするし、一泊平均\2,000くらいで泊まることができそうだ。もっとも、そこまでする機会はめったにないだろう。
7時過ぎにマンガ広場を出る。渋谷の街はまだ完全に起きているとは言い難い。食堂の裏道にはネズミが走ってたし、角の交番に数人の若い女性が警官に連行されて入っていったりしてた。
天気は悪くないし、寒くも無いので、渋谷駅前から代々木公園方面に向かって歩き始める。渋谷区神南という地名には記憶がある。そうだ、大島弓子の「いちご物語」だ。生田家はこのへんにあったのかと、不思議な気分にとらわれる。Morris.だから大島弓子なんだろうが、東京を舞台にした小説や漫画はそれこそ星の数ほどあるだろうから、田舎から上京した人間は誰もがたいてい何かしらの作品を想起するんだろうな。
原宿駅は、明治神宮の入口だった。いかにも大げさな木製の鳥居がある。Morris.は以前東京に時々行ってたときも、何とはなしに皇室関連の施設や公園は避けてたきらいがある。急に親皇派になったわけではないが、あまりこだわる必要もないだろう、ということで初めて明治神宮を見物することにした。有り体に言えば、原宿にしろ、新宿にしろこの時間ではまだ店も開いてないだろうし、ちょうど良い散歩コース(しかも無料)と思ったわけだ。
確かに広い、一周するのに一時間はたっぷりかかった。本殿の脇の広場で着物姿の花嫁さんが記念写真撮影をしていた。もちろん紋付袴の新郎もいるにはいるが、カメラマンはほとんど花嫁にかかりっきり。韓国では徳寿宮や慶福宮で、結婚前の男女が記念写真撮影するのを良く見かけるが日本では珍しいなと思ったが、どうやらこの二人は今日この神宮で挙式するらしかった。新郎にことわってからデジカメに収める。本殿などは特に特徴もないが、やたら神官??が多い。
ほんとうはこの後、近くにある浮世絵コレクションで有名な太田記念美術館を見学するつもりだったが、開館が10時半と余りに遅かったので諦めて、地下鉄で上野に出て、国立科学博物館と国立西洋美術館を見ることにした。
初日に国立博物館見たから、これで上野公園の国立ミュージアム三館完全制覇(^。^)である。
科学博物館は新館建築中だった。本館ではジャワ原人特集なんてのがあってたが、Morris.はそれほど関心がない。恐竜の実物大の骨格標本は子どもらには人気がありそうだが、これも大して気を引かない。動植物の部屋も、標本や剥製中心でこれまた真剣に見るに値しない。
Morris.が一番熱心に見たのは建物自体だった。外観はそれほどでもないのに、内部は中央吹き抜けで天井はドームになってるし、あちこちにステンドグラスが配されていてこれがなかなかに素晴らしい。
階段のカーブ具合や踊り場のたたずまいも時代を感じさせる。こういった見方は本末転倒と思われるかもしれないが、Morris.にはこれでいいのだ。
続けて西洋美術館へ。前庭のロダンの地獄門、考える人、カレーの市民(すべて同じ作品の一部)などの彫刻が有名で、これだけなら無料で見られるから、多分以前は入館しなかったと思う。
ここの収蔵品は、19世紀から20世紀初頭のフランス彫刻と、西欧中世後期から18世紀末までの聖書をモチーフにした宗教的な絵画が多く集められている。これまたそれほどMorris.好みとは言い難い(+_+)しかしここも、国立博物館と同様、フラッシュ、三脚使わなければ写真撮影可というのが嬉しかった。本当にこれはいい傾向だと思う。
19世紀、20世紀の作品もそれなりに数はあるのだが、作品のレベルがいまいちぱっとしない。モネの睡蓮やミロの抽象画などは、結構大作なのだがどうもぐっと来ないのだ。小品ながらレジェの明るくシンプルで力強い風景画がMorris.個人的にはイチ押しだった。
JRでうり丸さんと正午に待ち合わせている中野に向かう。
ちょと早目に着いたので駅前散策。サンプラザ中野という名前には聞き覚えがあるので覗いて見たが単なるホールと後は式場みたいな奴だった。この前に昭和29年創業の「ぶん徳」というホルモンラーメン屋??があり、\390はえらく安いと思った。。
駅にはうり丸さんと、以前うり丸さんといっしょにヘヨンクエストを敢行した横浜の秘法さんが来ていた。彼と会うのは6,7年ぶりだったが、ほとんどイメージそのままだった。昼食は前に東京一美味しいラーメンに選ばれた「青葉」という店でというのが、うり丸さんの思惑だったらしいが、店の前には50人以上が並んでいる。40分くらいは待たねばならないだろうとのことだった。もともとMorris.は並んで食べるのは性に合わないし、それ以上に後ろに待っている客がいると落ち着いて食べられない方なので、時間も勿体無いからさっきMorris.が見つけた「ぶん徳」に行こうと無理矢理変更させてしまった。
\390のメニューには、創業時のスタイルと、幻の復活版の2種類があり、Morris.は濃い目の味だという後者を頼む。やや縮れめの太麺でMorris.の苦手なタイプだと思ったが、食べてみるとそれほど不味くはなかった。しかし不思議なのは、ラーメン鉢には「幸楽苑」と記されている。それに全くホルモンの気配すらない。もしかしてさっき見た店とは別の店なのかもしれない。しかし入るとき確かに「創業29年」て書いてあったけどなあ、と、疑問のまま店を出て看板を見たらやっぱり「幸楽苑」となってる。しかしその隣の看板が「ぶん徳」だった。つまりMorris.は隣の店(ホルモン屋)の看板を見てラーメン屋と混同した上に「ホルモンベースのスープ」なんてのを勝手に創造してしまってたらしい(^_^;)
その後アーケード街のどん詰まりにあるショッピングビル「BROADWAY」に行く。ここはずっと以前は普通のショッピングモールだったのが、だんだん、マニアックな店が殖え出して、今や完全にオタク御用達のビルになってしまってるらしい。「まんだらけ」も複数の店舗を構えていて、変なものばかり集めている店のショーウインドには、何と黒んぼのペコちゃん人形があった。ちびくろサンボとペコチャン好きのMorris.が狂喜したのは言うまでも無いが、他のレアな人形に10万とか派手な値段が付いてる中で、これには値段さえ付いていない。思わずデジカメに収めることにしたのだが、店員から制止されてしまった。いやあ、おそろしい世界だなあ。
他の店も、どれもこれもdeep & crazy。アイドル専門の店も多く、ポスター店では、電車の中吊広告だけでもうずたかく積まれていた。コスプレの店、鉄道模型の店、ブリキのおもちゃの店、精神世界専門書の店、武器レプリカの店、旧式オーディオ、AV機器の店---etc、etc.!!
まんだらけを含めてこのビルなら一日中楽しむことができそうだが、店の入れ替わりも早いようで、結構閉まってる店舗や倉庫代わりに使われてるものも目に付く。「ユアサ商事」という不動産が一部屋に陣取っていたが、どうやらこれはこのビル内の物件専門の事務所のようだった(-_-;)
中野って、結構マニアックな町なんだな、と思ってたら、うり丸さんがとどめをさすように、もう一つのdeep spotを紹介してくれた。駅の裏側のマンションにある「むし屋」で、ここは基本的には「クワガタマニア」の店である。普通のマンションの2階に、こっそりと存在しているのに、ドアを開けたら、若者中心に10人以上が、熱心に透明カップに入ったクワガタや、飼育用のケースやマットなどを物色していた。ここは「月刊むし」「BE・KUWA」といった情報誌を発行しているし、もちろん標本も販売している。海外の生きているゴライアスコガネやヘラクレスカブトムシなどもごちゃまんといて、呆れるとともに、かつては昆虫少年だったMorris.の心の琴線に触れること多々であった。それにしても、中野って、変だあ。
その後3人で新大久保へ。この駅前の路線下の壁一面に大きな落書きがある。これがなかなかの傑作だ。はっきり言って落書きとはいえないくらいよく描けている。これは立派な壁画だね。技術もセンスも、素人ではない。そのまま絵本になりそうなくらいの作品である。
そのあと職安通りを流す。韓国最新CDやDVD、書籍のある店冷やかしたりした後、Morris.が、ちょっと歩きすぎて疲れたから(ウソ)休憩を兼ねてカラオケで軽く今夜の予行演習でもやろうとプッシュ。近くの「カラオケ広場」へ。ここは昼間(11:00〜19:00)なら8時間までフリーで一人\280、プラス¥500でソフトドリンク飲み放題だと、それでも一人800円足らずですむ。当然これにして歌い始める。はじめのうちはおとなしめに演ってたが、だんだんのりのり。うり丸さんはテンポを+5に上げて、全曲ポンチャックディスコ状態、秘法さんは何とクレイジーケンバンドのナンバーを数曲披露してMorris.を個人的に喜ばせてくれた。結局ここで3時間ほど歌い、今夜のオフ会場「柳家」へ。参加者は先の3人と、さわらびさん、横浜の齋田さん、ずっと以前さんちゃんと花見で一緒だったイズミさんの計6人。うり丸さんらはここの常連で、入ってくる客とはたいてい顔見知りらしかった。
ちょっと辛めのコチュジャンチジミ、サンギョプサル、タッカルビ、キムチを食べ、ビール、ソジュ、マッコルリ飲みながら、韓国歌謡中心の話題に花を咲かせる。斎田さんは韓国人の奥さんが6月に初産とのことで、80年代前半!!の韓国歌謡に詳しいらしい。イズミさんは、去年韓国のサンヨン(双龍)社のワゴンを買ったそうだ。秘法さんは相変わらず、こだわりの人生を貫いているらしく、今はパイプに凝ってて、通信販売で20万円以上の逸品を手に入れたなどと嬉しそうに話している。さわらびさんは80年代は80年代でも、80年代の日本アイドルオタクで、芳恵のことでも打てば響くの反応で、気持ちよかった(^。^)
始めるのがちょっと遅かったから、目的の??カラオケに向かったのは9時前。「101]という韓国人ばかりの店に入る。部屋に入ったらディスプレイが無いので、どうしたんだと思ったら、何とここはスクリーンにプロジェクタで投影する方式だった。進んでるうっ!!!
Morris.とうり丸さんは、ウォーミングアップ済みだから、最初から飛ばす、飛ばす。例によって完全ポンチャク状態のうり丸さんの激しいダンスにMorris.の合いの手とタンバリン攻撃。齋田さんなどはちょっと呆然としていたみたいだった。遠隔地在住の人が多かったので1時間で切り上げ。普段ならこれでは済まないMorris.らも、昼間のバンスがあるので欲求不満もなく、心地よく帰途についた。
12時前にうり丸宅着、それから何杯かビールもらったが、さすがに睡眠不足は否めず、1時前に就寝。ああ、楽しかった(^。^)
2004/02/02(月)●ふぃにっしゅ●

7時起床。8時前に、出勤するうり丸さんと一緒に出発。ちょっと空模様が怪しい。まだ早いので、朝のうちに築地市場を再襲撃するつもり。
駅前の公衆電話で17:00発のANA便を予約。どうやら空席だらけらしい。
築地場内市場も、今日はまだほとんど営業していた。魚市場などを冷やかす。赤海鼠1kg\1,500なんてのを見るとつい手が出そうになるが買うのはちょっと無理。巨大なマグロがところ狭しと転がっている。市場の中でも魚市場というのはなぜか一番興奮させてくれる。魚市場といえば釜山のチャガルチを思い出さずにはいられない。再来週の韓国旅行でも必ず釜山に行ってチャガルチを訪れたいものだ。
やっぱり観光客のMorris.には、場外市場の方が無難のようだ。ここでも海産物の店が多いようで、味見にと差し出されたマグロの切り身(えらくデカい)が目茶苦茶美味しくて買いたくなるが、これも自重せざるを得ない。乾物屋においてあった鮭トバがあまりに美味しそうで、これなら日持ちしそうだし、酒のアテにいけそうなので買ってしまった。
その後先日うり丸さんとマグロ丼食べた近くの神代そば「まるよ」で掻揚げそばを食べる。そこそこの味だった(^_^;)
このあたりから雨が降ったり止んだりの状態が始まったが、とりあえず銀座方面へ向かって歩く。途中時事通信社ビル1FのUkaiyaというレストラン入口に、スプーンとフォークを顔にした彫像に出会った。アールヌーボーばりばりのオシャレな建物があったりするのも流石銀座だなと思った。
資生堂のビルの横にフランス人形の店を発見。Morris.は特に人形フリークではないが、この瀬戸内汽船の人形は、ずいぶん以前のポスターを入手して以来、すごく気になっていたのだった。まさかこんなところにショールームがあるなんて嬉しいびっくりだった。思わずデジカメで撮影したら係員に制止された。昔からポスターで馴染んでいてすっかり感激したという話をしたら納得してもらえた。それにしても、いやあ、やはり本物はすごいな。
そのまま有楽町まで歩く、地図を見たら皇居がすぐ近くにあるらしい。昨日の明治神宮の時にも書いたが、皇室関連施設はMorris.の無意識的忌避場だったので、これも初めての遭遇ということになる。二重橋まで行ったら観光旅行で来ている韓国の女の子3人に出会った。釜山からやって来たとのこと。しばらく話して二重橋の前で記念写真を撮る。もしかしたらMorris.のホームページに載るかもしれないといったらえらく喜んでたから、当然ばっちり掲載しておくね(^。^)
この後だんだん雨脚が強くなったが、明治生命ビル裏の仲通りを経由して2年前にできたばかりの丸ビルへ。大阪の丸ビルは実際に丸いのだが、本家の丸ビルは四角で、この「丸」は丸の内の丸らしい。35Fのレストラン街の南側は一般客にも公開されているのでやっと高層ビルからの展望を楽しむ?ことができた。
東京駅はほんの目の前だ。やっぱりこの時代の建物はそれなりの魅力を失わない。ソウル駅も日帝時代の建築で好きだったが、最近新しい建物に取って代わられたというニュースを聞いた。今度ソウルに行ったらどうなってるかきちんと確かめなくては。
今回の上京では真っ先に神保町に行ったし、おしまいも神保町巡りで締めくくろうと決めた。その前に例のマッチラベル展を見ておかなくては、ということで飯田橋に出る。駅前の歩道橋に上がったらビルの上に「TOPPAN印刷博物館」の看板があった。おお、これも面白そうだ。是非これも見ておかなくては、逸る心をおさえながらモリサワビルに向かう。玄関フロアーには誰もいないし、展示会の案内も何も無い。カウンタに「今お昼休みなので、お客様は御用のセクションに直接電話ください」と書いてある。一覧表に、広報・企画というのがあったのでそこに掛けてみる。担当の女性が出た。

Morris.「えーっと、マッチラベル展はどこでやってるんですか?」
女性「はあっ?マッチラベル展ですかあ。たしか、ずっと前にやってたようですが」
Morris.「え"−っ?! やってないんですか。たしかポスターには3月までやってるって書いてあったんですが」
女性「どこでポスター見られたんですか?」
Morris.「神保町のWanderという古本屋の壁に貼ってあったんですが。あっ、もしかしたらあれも売り物だったのかも!!」
女性「たしか一昨年の今ごろやってたんじゃないかと思いますよ」
Morris.「僕がうっかりしてたんです。日にちと休館日ばかり気にして、年度なんか考えもしなかったんです。今日神戸に帰る前に見ようとやってきたんですが残念です。でも近くに印刷博物館があるので、それでも見て帰ることにします」
女性「博物館は今日は月曜でお休みだと思いますよ」
Morris.「(わっちゃあー(;_;)」

というわけで、すごすごとモリサワを出て駅に戻ることにした。ちゃんと確認しなかったMorris.のせいだから、仕方ない。
そしたら後ろから男の人が追いかけてくる。何でも、担当の人が降りてくるから、引き返すようにとのこと。何だろうと戻ったら、先ほど電話に出たとおぼしい女性が小さな冊子を持って待っていた。「マッチレベル展のときに作って、販売したものだけど、一部余っていたので記念に差し上げます。」と思いがけない言葉。
15cm真四角の瀟洒な冊子で「マッチラベル グラフィック 4×6の小宇宙」と書いてある。中はオールカラーで、マッチラベルの図がずらずらと掲載されている。さすがモリサワ、印刷の精度が素晴らしい。レイアウトも秀逸だし、ページの小口に点火したマッチを持つ手のカラー写真が印刷されているという芸の細かさ、とんでもない良くできたマッチの本だった。ううううーっ、こんないいものただでもらっていいのだろうか。感謝感激雨霰で、本当に泣きそうになってしまったよ。
モリサワといえば写植の会社というイメージしかなかったので、つい女性に「ところでモリサワさんは、今どんな仕事なさってるんですか?」なんて間抜けな質問してしまった。写植全盛時代に業界誌の仕事をしてたMorris.ならではのとぼけた突っ込みだ。
印刷もコンピュータ時代になった今日、モリサワは社名もMOTS(MORISAWA TYPOGRAPHY SPACE)に変えて、主にマックで使う印刷用フォントの制作などを中心に事業を進めているとのことだった。あまりに現金だと思われるかもしれないが、モリサワの発展と隆盛を祈りたい(^_^;)
神保町まで大した距離でないから歩くことにする。しかしだんだん雨が激しくなってきた。ビニール傘を買おうか迷ったが、荷物になるし、本屋でいちいち畳んだりするのも面倒だと思って、濡れながら歩いたが、ギャグにならないくらいの雨脚だ。やっと神保町に着いたころには頭からジャンパーまでぐっしょり状態。これではあまり本屋回りもできそうにないな。
ともかくWonderに行き、マッチラベル展のポスターを確認しようとしたのだが、なぜかすでにポスターは無くなっていた。売れてしまったたのだろうか?こんなことなら買うべきだった(+_+)
古書センターの子供の本専門店や、漫画専門店など冷やかす。最後の最後に雨にたたられてしまったが、それなりに楽しい上京だったなと思いながら、地下道通ってお茶の水方面に向かい、ニコライ堂など外から眺めて、JRで浜松町、モノレールで羽田空港着。今回とても役に立った東京都発行の「東京ハンディガイド」をもう一部もらうことにした。
帰りの飛行機は午後5時発だし、これだけ雨が降ってるのだから、座席なんてどうでも良さそうなのに、しつこく窓際の景色の良い席を頼むMorris.だった。大阪の夜景はそれなりに奇麗だったがデジカメで撮影したらほとんど抽象画状態(+_+)
雨のため結構飛行中は揺れっぱなしだったし伊丹着も10分ほど遅れたが、三宮行きの空港バスが動き出してるのに飛び乗ることができて、部屋に着いたのは7時半前だった。
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