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ぐいぐい俳壇モリス亭
秋の部

春の部 夏の部 秋の部 冬の部 韓句1 韓国六句


・だんじりや酒の汗吹く遣りまわし 
岸和田地車祭

・敬老の日てう響きの軽み哉

・白髪に触りみ触らずみ秋の蝶

・酒はある肴もあるで昼の闇
 

・季違ひの豪州音頭や四年運  シドニー オリンピック

・たらちねの母デラシネの父なりき

・昏れてゆく森羅万象落し蓋

・死なばもろともカレーの続くモリス亭
 

・雲を霞野分も知らで昼寝哉

・e-mail因果は巡る通底器

・幸来ませ君酒酌ませ涯の秋

・四色問題知らず後架の世界地図
 

・ノイズ混り言葉の国の子守唄

・朝顔の昼顔に似る残り夏

・水冷えて指遊びをり弦の錆

・去年の月愛でし情や今何処
 

・今更に花物語読み了へず  吉屋信子

・ぐいぐい俳句捻り倒して併せ技

・柑橘の染むや秋刀魚の目の白さ

・空手形首振る秋の扇風機
 

・此岸より対岸近し彼岸入り

・花壇より身投げするかに萩の花

・白き星香る風情や韮の花

・公園に搖る老犬の陰嚢哉
 

・ぐいぐいと気がつきやホームの頭陀袋

・秋晴の野球日和や足の裏

・スキャナーの上で首振る少女哉

・選択の相似に仮定両立す  ドメスティッ句
 
 
・緑なす風船蔓無重力

・飄軽な髭面やよし師弟愛   高橋尚子と小出監督)

・大味のバナナ昔を忘れさす

・寸胴に四時間後待つ東坡肉
 

・秋の日のヴィオロン靭く群を統ぶ  

・狂歌師伝「大甘親父 おおあまのをやぢ」在るや無き

・簒奪の紅茶ぞ旨し皇太子  Prince of Walles

・春秋の夢単純を愛すべし
 

・男は見栄放蕩三昧装ひしも

・あはれ秋風に混りて飛来る葉

・枯すすきほほけて粗く戦 そよぎけり

・秋に焦がる耳朶に晶子の詩 うたほがひ
 

・何故にかくも美ししびと花

・冷え初めて夢に花野のうら寂し

・手に取れば隠微なるもの葛の花

・草雲雀稼ぎ時なる朝の市
 

・敗因は鶏飯過剰オムライス

・深更に吾は塩鯖食ふ男

・小夜小唄小さきものみな美し

・長昼寝狭き空にも雲遊ぶ (2000年9月)


・ぐりはまに雀月並変身譜

・遅咲の桔梗は採らじ娘どち
韓国語で桔梗はトラジ

・鶫鳴く野にも恋有り別離有り

・残り酒あるが果報や詫住居
 

・石榴割此の世を閲 けみす五十の眼

・スプートニク飛ぶやMorris.の初体験   1957年

・脳内の粘度を捏ねる夜寒かな

・ざらざらの舌驚かす茱萸恋ひし
 

・銀杏は好きされど気触 かぶれし前科あり

・梅田の夜月は上弦千鳥足

・ツチノコの酒飲み切りて神無月大工道具尽し

・鈎十字雁の便りを待ちわびる
 

・蹌踉とペコポコ群舞秋のなゐ

・地の笑ひゑぐし嚔 くさめぞ恐ろしき

・度忘れは白乾葡萄 サルタナの名待星夜 sultana

・色鳥の色奪はむず霞網
 

・長崎はくんち神戸はジャズにジャグ神戸Jazz street

・鈴虫を蟋蟀 こほろぎと見る女人ゐて 慈夫人

・しどけなくグラスの底に桜桃

・乳鉢の乳白色に鷹の爪
 

・女二人男三人夜のピザ女二人は堀姉妹

・秋鯵 あぢに麦酒は麒麟北野坂

・管弦の響き陽気に空へ消

・山赤みほとけ心を研ぎ澄ますやまほととぎす
 

・滾 たぎり落つ小豆のやうなにわか雨

・泡談義聞く耳持たず杯を揚ぐ

・「ミュンヘン」の焼松茸の薄さ哉

・白い季節 とき銀の宵金の水白秋
 

・移動祝日や詮無し10.10

・旧暦が好きなMorris.の十三夜

・秋二日取り落とすまじ後の月

・紫はゆかりの色ぞ鳥兜


・東海 トンヘ上空眼下に鰯雲游ぐ (韓国に向う トンヘ=日本海

・湖 うみ光り水銀状の玉となる宍道湖

・始まりはミノに食はれし秋の旅合井洞-ハプチョンドン

・背負はれて避馬路の宿に枯葉落つピマッコル
 

・海よりも海のやうなる空深し農業博物館

・番小舎にパカチ花咲き実は垂れて パカチ=瓢箪

・種子 たねの羽蛾の如き舞燦燦と

・石臼に神宿るらし秋の寒
 
 

・嬰児の赤唐辛子屹立す李博士長男

・緑弧なす李王の陵や松嵐ヒョリョン大君陵

・月野埋めポンチャク乱舞国境加平郡野遊会

・火薬印平和賞とかや国の長
 

・菊芒墳墓飛去る湖南線 ホナムソン鉄道でなくバス路線

・見渡せば秋季語だらけ韓 からの鄙

・恨 ハンの広場夜空に著く白鷺四羽  (光州

・煎茶より淡き水色野の香智異山産原茶
 

・収穫祭高麗の妃の耳飾り  光州博物館

・萩色の勾玉艶を競ひをり

・喉飴を舐む児の頭上花梨の実

・公園の林毬踏む老夫婦
 

・絹吐きし蛹煮られて吾を呪ふポンテギ

・統一の悲喜劇三八線 サンパルソンの秋映画「共同警備区域JSA」

・励ましの冬蟲夏草一気飲み

・無くす快さて懐に秋の風401バス車内に落とし物
 

・大根葉踏みしだかれて朝の市 可楽野菜市場

・骨を裁る擦音の中に生を聞く可楽畜産市場

・鈴懸の鈴振り回すソウルの子京東市場

・豊穣のテールスープに舌の秋仁寺洞−インサドン
 

・沸沸と純粋豆腐辛き罠スンドゥブチゲ

・王宮の朝顔さやに慎ましく

・綿雲に己の陰のそこはかと

・拝み見る墓の群々ソウルよアンニョン (韓国吟行)
 


・新妻のチョゴリに余情匂ひ立つさんちゃん、パイザさん結婚

・非時 ときじくの木の実掠めし男伊達 (同上)

・時は秋時代は昭和ラビリンスnaddism 恒例散策会

・木犀の金より銀を祝 ほかひけり
 

・身の細る恋ならなくにダイエット

・濁声の歌手黒衣着て黒き歌ダミア

・七草も終日濡れて秋草野

・秒針の針音清か秋の夜
 

・果物の句だもの林檎梨葡萄

・免許更へ講習室に秋の虫

・蛸ふた切あること嬉し玉子焼 明石「たこ助」

・函入りの乙女の姿留め得ず
 

・烏賊墨 セピア色の写真に埃明日は晴

・ミルクティ氷の溶る前に飲むNeptune

・カーテンを干すや室内黄昏るる

・目薬の容器に泪溜る秋
 

・病院への自動階段果ても無し労災病院屋外エスカレータ

・暗がりに群咲き震ふ油點草 ほととぎす

・三日目の麦酒の苦み満喫す

・音盤に秘密を仕懸置き薬MORGAN'S BAR 2nd「おきぐすり」
 

・昧爽といふ語思ひ知る徹夜明け

・冬支度顆粒貪ぼる野良雀

・青蜜柑無為に転がす掌

・蟹二匹籠に虜囚のVサイン
 

・夕暮をダツラ不気味に睥睨すdatura−木立朝鮮朝顔

・咲き奢 おごる虎の尾踏みて無事帰還

・豊後なる友眼裏に蚊燻柑 カボス剥く

・甘茶蔓天上天下唯独り (2000年10月)


・秋草野萩に止とどめを挿艾さしもぐさ

・黙約は破らるる為彼岸花

・秋天に双塔崩る砂嵐米紐育貿易センタービルテロ

・豊乃国仏頭蚊燻柑かぼす二階堂
 

・過疎の村夜の案山子と忍ぶ恋

・かなかなもその日暮らしの一人哉  かなかな=蜩

・行暮て雲の通ひ路風の秋

・幾星霜色取月を生命哉
 

・朝顔の青悪にくむべく愛すべく

・轟音の特攻一機鬼蜻蛉おにやんま

・女性によしやうとはおどろおどろよ百日紅さるすべり

・さらば夏の光よ闇よ万華鏡
 

・抜殻の肌身苛さいなむ戻り夏

・あることの軽さ重さを唐辛子

・天蓋や秋の黄蝶の遍路道

・故里の友老ひけりな竈馬かまどうま
 

・愛なでし子の床とこ懐かしや残り香かう  床夏=撫子

・三角州水都幻談柳風  大阪中之島

・換節期ハンヂョルギつぐる裏銀蜆哉

・青天幕テントきのこ混血児あひのこ家無き子
 

・夕焼けや麒麟きりん起重機影芝居

・左肘痺しびれ夜長を肴哉

・酔眼に玉乗り兎後の月

・秋色の御器噛ごきぶりはしる生命いのち
 

・梳くしけづる天津乙女や十三夜

・赤群葉匍匐ほふく前進蔦つた紅葉

・濡れなくも時雨を恨む手持無沙

・秋桜女子供の絵空事
 

・地縛霊紅きロンドン薄化粧ロンドン=松葉牡丹

・冥くらきより秋波来信半月夜

・靡なびくとき厄払ひ給へ花芒

・屠殺場血染めの荒野球納め2001年日本シリーズ
 

・うらぶれて秋の終曲ト短調モーツァルト

・存ながらへし末の葛の葉逆恨み

・否定愛汚穢悲哀や中也の忌  10月23日

・母音 e 五行に敷衍ふえんするに秋  ランボー (2001年8,9,10月)


 ・あらざらむ昔男や萩の原

・縦長の構図絶景月に雁

・萱の葉に変態未完飛蝗の子

・無線にも混線の在り秋の空

 
・柿食へばひたぶるに嘘吐かまほし

・黄昏れて黄蝶黄葉に宿借らむ

・玻璃越しの白磁鶴首神迎え

・霜月や革命暦を改竄す
 

・虫の音やアール・グレイの香に潜 しづ

・夜白むまで死の讃美文化祭

・色葉もてぼうぼう頭畦並木

・女郎花描不可 ゑがくべからず男絵師
 

・鈍 にび色の凩一号袖に入る

・単純な男にあらじ葛の花

・今は昔敏馬 みぬめ検番荻が浜

・肉食のころぎすばかりジェノサイド
 

・地軸とは磁針の震へ冬立ちぬ

・掻き抱く何ものも無く秋の琴

・小六月誰憎むべき偏頭痛

・初時雨学窓濾しに垣間見む
 

・モヂリアニの女青褪む冬隣

・晩秋や融通無碍の雲の舞

・昼下りしし鍋のしし瞑目す

・三島手の微熱や木火土金水
 

・あきらけし秋日曝す嘘の恋

・かしかしと脳 なづきに充る紅葉哉

・鳥渡る景唐突に北野坂

・風色に生成りのシーツ秋の終 はて
 

・七五三不測の虹を発句哉

・汐溜り昨日の星の墜ち処獅子座流星群

・床冷えの夢に紅葉を狩暮らす

・冬隣り定義するものさるるもの (2001年11月)

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