ぐいぐい俳壇モリス亭
面白ウテヤガテ可笑シキヲ理想トス

2000年9月号

・だんじりや酒の汗吹く遣りまわし  岸和田地車祭

・敬老の日てう響きの軽み哉

・白髪に触りみ触らずみ秋の蝶

・酒はある肴もあるで昼の闇
 

・季違ひの豪州音頭や四年運  シドニー オリンピック

・たらちねの母デラシネの父なりき

・昏れてゆく森羅万象落し蓋

・死なばもろともカレーの続くモリス亭
 

・雲を霞野分も知らで昼寝哉

・e-mail因果は巡る通底器

・幸来ませ君酒酌ませ涯の秋

・四色問題知らず後架の世界地図
 

・ノイズ混り言葉の国の子守唄

・朝顔の昼顔に似る残り夏

・水冷えて指遊びをり弦の錆

・去年の月愛でし情や今何処
 

・今更に花物語読み了へず  吉屋信子

・ぐいぐい俳句捻り倒して併せ技

・柑橘の染むや秋刀魚の目の白さ

・空手形首振る秋の扇風機
 

・此岸より対岸近し彼岸入り

・花壇より身投げするかに萩の花

・白き星香る風情や韮の花

・公園に搖る老犬の陰嚢哉
 

・ぐいぐいと気がつきやホームの頭陀袋

・秋晴の野球日和や足の裏

・スキャナーの上で首振る少女哉

・選択の相似に仮定両立す  ドメスティッ句
 
 
・緑なす風船蔓無重力

・飄軽な髭面やよし師弟愛   高橋尚子と小出監督)

・大味のバナナ昔を忘れさす

・寸胴に四時間後待つ東坡肉
 

・秋の日のヴィオロン靭く群を統ぶ  

・狂歌師伝「大甘親父 おおあまのをやぢ」在るや無き

・簒奪の紅茶ぞ旨し皇太子  Prince of Walles

・春秋の夢単純を愛すべし
 

・男は見栄放蕩三昧装ひしも

・あはれ秋風に混りて飛来る葉

・枯すすきほほけて粗く戦 そよぎけり

・秋に焦がる耳朶に晶子の詩 うたほがひ
 

・何故にかくも美ししびと花

・冷え初めて夢に花野のうら寂し

・手に取れば隠微なるもの葛の花

・草雲雀稼ぎ時なる朝の市
 

・敗因は鶏飯過剰オムライス

・深更に吾は塩鯖食ふ男

・小夜小唄小さきものみな美し

・長昼寝狭き空にも雲遊ぶ
 

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*ぐいぐい俳句は、Morris.の掲示板、 ぐいぐい酒場 にほぼ毎日4句の割で掲載されています。

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