Morris.ネタ繰りソウル漫遊記
1999/05/08〜21
楽屋でコテコテの熟女演歌歌手たちと記念撮影(5月10日)
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1999/05/08(土)初日
12:55発KE724便で関空出発。ソウル着14:30。レートは100円=963ウォン。地下鉄とタクシーでイパクサ宅へ直行。着くや否や待ちかねていたパクサに拉致されて、ヨンドンのホテルリビエラでの営業(還暦祝いパーティの余興)へ。そういえば、今日はオボイナル(両親の日)だった。
会場はすでにかなり酒の回った老若男女で満杯。パクサの出番前から、歌あり踊りあり、古式の挨拶あり。でもやっぱりパクサが登場すると、盛り上がりのボルテージが違う。パクサが歌えばアジュマが踊る

ひぃーーーっ!!ちょっと早すぎるぜい!!と思いながらも大喜び。すっかり気分はポンチャッキー。新しく出たばかりのパクサの2本組テープ5セットももらう。伴奏はあのキムスイルさんで、この二人のコンビを超えるポンチャクは存在しない。と断言できる。帰り道大混雑に巻き込まれたが、タクシーの運転技士アジョシがポンチャク好きで、ちょうど貰ったばかりのこのテープを大音量でかけさせてもらう。結局ちょうど2本聞き終わった頃パクサ宅近くに着いた。
いあや、ほんとにこのテープはいいっす!!スイルさんのキーボードは、何度聞いても天才だし、パクサも今まで以上にブッチ切れてます。

帰宅前にパクサが立ち寄ったのがジョン写真室という、写真屋で、ここでポスター用の写真撮影。さすがイパクサ、決めるときは決めるぜって感じで、かっちょよくポーズ決めてた。 ポーズ決めるパクサパクサの最新2本組テープ

8時ごろ帰宅して、奥さんに挨拶。1階の音楽事務所はなんとミシンが数台入って縫製工場にさまがわりしてた。しかもチーフの縫い子は奥さん自身。まあ例のIMF不況の影響なんだろうと勝手に解釈。
テレビ見てたら「イソラのプロポーズ」にイスンチョルが出てた。ちょっと年取ったかな。でも相変わらず歌はうまい。「ヒヤ」を前より情感込めて歌ってた。
夜中になってやっと作業終えた奥さんと、もう一人の女性(正体不明)と、神戸から持参した二階堂(四合瓶)と午後の紅茶(1.5lペットボトル)でお得意のやつを作り飲む、飲む。結局2時間足らずで完全に空いてしまった。こんなことなら一升瓶持ってくるんだった。(マアイッショダロウケド

娘のミナちゃん(小学5年)はなぜかちょっと元気がない。今年生まれた赤ちゃんは近くのおばあさんのところに預けていて会えなかった。遅い夜食をとり寝台のある個室を提供してもらう。

【今日の小ネタ】薬局で目薬買ったら名前が「ピンクル」だったので笑ってしまった(分かる人にしか分からない)ピンクの目薬ピンクル

1999/05/09(日)二日目
9時半起床。散歩がてら近所のジャンウィ市場冷やかしてイチゴ買う。昼からパクサとインチョンに同行する予定やら、結婚式営業に付いて行くとか話があったが、結局キャンセル(パクサの予定っていつもこんなふう)になり、一人でバスでシンソルドンに出る。
目的地はいわずと知れたピョルクシジャン(蚤の市)。日曜だからすごい人出で屋台の数も多く、すっかり満足。
ポンソリサ(ポンチャク関係のテープ,CD多く置いてる店)でキムヘヨンの新曲出てないか聞いたが新曲どころか一番初期のものしか置いてなかった(;_;)。精力剤のタルペンイ(蝸牛)は姿を消して今は蛇のエキスが隆盛を窮めているようだ。若者数人がCDROM売ってる屋台に、コピーものがあって、MP3の文字が見えたので尋ねたら韓国の新曲170曲くらいのデータが入っているとのこと。値段は万ウォン。やっぱり韓国はMP3発祥の地だけあるなと感心。 車道まで屋台で賑わう蚤の市

今回の旅の目的のひとつ、韓国語電子辞書の買い替えだが、シャープのDUKE3はどこでも売ってるので、セウン電気街で簡単に買えた(18万ウォン)。もうひとつのブレッコムEB9000ハングルキーボード版は見つけるのさえ難しいだろうと思っていたのだが、セウンの某店のショーウインドにあったので雀躍りして買おうとしたら、これは見本だから売れないという。
しかたなく、ヨンサン電子街まで足を伸ばし探したら2軒で見つかったが、1件目は20万ウォン、次の店なんか25万ウォンとべらぼうな値つけ。完全に足元見られてるな。
アルファベットキーボードの奴なら14万ウォンくらいで買えそうなのに、いくらなんでもこの値段はないや、と買うのはパス。旅行中に適正価格でこれを手に入れることができるかどうか疑問だ。
ヨンサン駅前の地下にあるトッケビ商街はCDROMの大マーケットで、ここはチェックポイントになりそう。でも主流はポルノとゲームってのはいずこも同じだなあ。となると「エロゲー」こそはCDROMの王道を行く?製品なのかもしれない(^o^)

夕方帰宅したらパクサは部屋の模様替えに大童。ソファを無理やり狭いところにつめこんだり、隙間にカラーボックスをはめ込んだりと、例の落ち着きのなさを遺憾無く発揮して、せわしないこと。苦笑いしながらMorrisも手伝わされた。

奥さんはミシンの方が忙しくて残業に次ぐ残業で今夜の食事はヌキかと思ったら、イパクサが、自らテンジャンチゲを作ってくれた。Morris.カ・ン・ゲ・キ!!で、ありがたくいただいたのだが、これがまたとてつもなくまずい。
何たってお湯に直接テンジャン(味噌)入れてキムチ入れるだけなんだもの。本人もまずいのはわかってるらしく、塩入れて味付けようとしてますます大変なものになってしまった。奥さんのテンジャンチゲは本当に最高で、パクサのテンジャンチゲ好きも有名なのだが、パクサのつくるテンジャンチゲは、もう絶対食べたくない。(貴重な経験だってことは認めるけどね(^_^;)

【今日の小ネタ】散歩してたらソウル市議会前に2列に並んだプランターに青い麦が穂を屹立させていてなかなか美しかった。花壇は多いが麦とは、なかなか粋だ。「麦秋」という言葉を思い出したが、韓国語はビール(メクチュ/麦酒)と同じ発音になる。さっそく飲みたくなった。
 
1999/05/10(月)三日目
8時前起床。今日は西大門区のヨジンビルで開かれる無料公演に一日付き合うことになる。パクサとタクシーで会場に着いたのが10時前であまり早いので近くの食堂で豆腐チゲ食べ、楽屋へ。音響の人しかいなくて、Morrisは近くのモリネ市場の外換銀行でカードで金下ろす。今日のレートは9.697。
最近は大体これくらいで推移してるらしい。ショーは12時前に始まり、超ベタベタの熟年女性演歌歌手5人衆が一緒にメドレー歌ったり、ソロやったりと場末の匂いを充満させてくれた。
そのあとパクサ登場。キーボードとのやりとりがうまく行かずはじめはのりきれないでいたが、後半から盛り上がり、おしまいのシンゴサンターリョンなどはCDよりよかったくらい。これは大満足。

このショーは夜9時過ぎまで続くというので、Morrisは途中抜け出して、旅のもうひとつの目的の眼鏡を買おうと、南大門市場内の眼鏡問屋市場で物色。
Morrisはかなり強度の近視なので普通のレンズでは間に合わずやっぱり割高になってしまう。
それでも日本で買う半値以下で手に入るので、とりあえず、金縁楕円型のやつをひとつ作った。
しばらく調子を見て、帰るまでにもうひとつあつらえようと思う。
8時ごろ会場に戻る。場内は溢れんばかりの大盛況。おしまいに例のコテコテ熟女歌手達は、籠に薬セットを詰め込んで売りまくっていた。
どうやら、この催しは製薬会社の販売キャンペーンだったみたいだ。Morris.にはパンティにしか見えない
 
【今日の小ネタ】街を歩く女の子で流行ってるのがリボンみたいなモリクン(髪紐)。日本でもたまに見るけどこちらでは大流行。Morrisにはパンティにしか見えない(^o^)ミナちゃんにお土産に持って帰ったらとても喜んでた。
 
1999/05/11(火)四日目
麻9時半からKBSTVの「幸福ジャーナル」という番組をパクサ家族と一緒に見る。
パクサが久しぶりにTV出演するからだ。
収録は8日に終ってて、収録時のこぼれ話やスタッフの様子など、パクサ自身の解説付で番組をリアルタイムで見るというのもなかなかできないことで、嬉しかった。
この日のゲストはイパクサ、マンムルパクサ(万物博士)、チュバンジャンパクサ(酒房場博士)の3人で、マンムルパクサは以前イパクサ宅で会ったことがある。
めちゃくちゃ記憶力のいい人で、韓国の観光地や駅名などを流暢に並べ挙げたりする。
チュバンジャンパクサは初めて見るが、イパクサとは顔なじみらしかった。
3人の中ではやはりイパクサがメインゲスト扱いで、日本でのビデオなども披露され、パクサも我が意を得たりという感じだった。KBSTVに出演中のパクサ

昼前に、パクサ宅を退去する(一部荷物は置いて)ことにした。
Morris.の韓国旅行はおおむね一人旅で、めったに知人宅には泊まらないのだが、今回はパクサの営業見たかったのと、個人的な頼まれごとなどもあって今日まで3泊もしてしまった。
今夜の宿は鍾閣YMCA裏の大元旅館。
もう10年近く前から時々利用してたが、最近ではすっかり定宿みたいになってる。
とりあえず安い、便利、主人とも顔馴染みだから、そうなってしまったのだが、受付に知らないアジュマがいて、主人は体壊して入院してるとのこと。
でも聾唖だけどすごく明るい甥っ子がMorris.を覚えていてくれて大喜びで歓迎してくれた。

一服してすぐ近くのタプコル公園のパゴダ見に行く。
大韓民国国宝第2号でもあるこのパゴダは実に素晴らしくMorris.は大好きで、ソウルに行くたびにかならず数回は見に出かけるのだが、数年前から改修工事で足場組んで見にくくなってた。
そろそろ工事も終ったのではないかと思ったのだが、なんと、完全に囲いされて全く見えない。
前の看板によると、パゴダをガラス張りの囲いで蔽ってしまうための工事に入り、これが完成するのは今年の年末とのこと、しかもその完成予定図見たら、どうも見にくいようで、以前のようにすっきり鑑賞することはできなくなりそう。残念。

その後、テハンノ(大学路)に出る。美術館では若い女性作家による造形展が開かれていて、なかなか面白かった。
以前に比べて集まる層が若くなっている。大学生はあまりいなくて中高生が中心。ライブパフォーマンスもフォークソングより、ダンスグループに人気が集まっていた。

7時にKFC前で友人ヤンジェインと待ちあわせ。
15分遅れて別の友達とやって来たジェインと近くの店で部隊チゲ頼む。
ここでジェインが今年始めに結婚していたことを知らされる。
相手は前から付合ってた釜山の彼女だが、何故知らせてくれなかったのかと、怒ってしまった。
もう一人の友人ファンソンウオンを呼び出したが、ちょうどデイト中で、彼女同伴で現われた。
こちらは、まだ結婚しそうな気配はない。しばらく歓談して宿に戻る。

【今日の小ネタ】テハンノでダンス見物してるとき後をえらく派手なオープンカーの外車が通った。車にはうといMorris.なので、車名を見たら「PONTIAC」と書いてあった。Morris.には「ポンチャク」としか読めなかったよ(^o^)
 
 1999/05/12(水)五日目
朝起きてすぐ近くの鍾路モギョクタン(沐浴湯=銭湯)に行く
。3,000ウォンというのは韓国の物価からするとやや高め。
まあ、韓国人はめったに銭湯使わないし、きたらたっぷり楽しんで帰る。
日本では鴉の行水のMorris.もこちらでは、サウナ入ったりして、小一時間くらいゆっくり汗を流す。
この銭湯のある通りは鍾路の北側にある細い道でピマッコル(避馬小道)という。朝鮮時代、鍾路を馬に乗った王族が通るたびに拝礼しなくてはならなかった庶民が、これを避けるために作った細い道とのこと。

この通りには大衆食堂や飲み屋が多い。
ここでユッケジャンで朝食を摂る。魚模様の粉青沙器
昼はお決まりのキョンボックン巡り。
旧朝鮮総督府の建物が撤去されてからキョンボックンの復元も本格的になり、いたるところ工事だらけ。
宮内にある民俗博物館を見物した後、ついでに国立博物館も覗く。
以前に比べると中国室が無くなり、Morris.にとってはちょっと魅力減だが、やっぱり陶磁器などはいいものがそろっている。
中でもお気に入りの魚模様の粉青沙器は見る程にいい。

あとふらふらと北上した。
このあたりは軍事機構が多いのか、警備兵が多い。Morris.も3度ほど訊問受ける。
以前みたいに通行禁止ではないようだ。
いいかげん疲れてバスに乘ったが、方向間違えて逆行きに乘ってしまう。

適当に降りたところがテジョ市場で、Morris.は小さな市場も好きなので見物する。
実に庶民的な市場で犬の肉も当たり前に売ってるし、道端ではユンノリで賭け事やってた。
ある屋台でポンチャクかかってたので嬉しくて調子あわせてたら、変なアジョシにからまれそうになり、即逃げる。
近くのクムワントンカスというとんかつ専門店で食事。ここは量も多く、味もなかなかだった。
ちょっと宣伝しとこう。
本店(tel.764-2691)はソンブク区にあり、こちらはウンピョン区支店(tel.384-2691)でシンサオゴリのちょい西側にある。どちらも観光地とはちょっと離れているが、もの好きな方は訪ねてみてください。ケコギ(狗肉)と書いてあるユンノリ

いったん宿に戻り、夜にインサドンを冷やかす。
街の一角に若い男女数人がたむろして酒を飲んでたので、Morris.もソジュを買って、一緒に座り込んで話をする。
詩人や、歌手や建築家や、飴売りなど職業もさまざまだが、なんとなく自由人の雰囲気で懐かしかった。
リーダー格のキムホシクは、伝統音樂を現代的に表現するコンポーザーで、アンチファンともしりあいだとのこと。
小説を書いてるというミラちゃんは一種不思議な魅力を持った女の子で、Morris.は実は彼女に惹かれて座り込んだのかもしれない(^_^)。
Morris.のデジカメはフラッシュが無いのでこの時の映像が無いのが残念だ。
12時近くまで飲み、語り、非常に楽しかった。
酔ったMorris.は請われて「ホルロアリラン」を歌ったりもしたようだが、判然としない(^_^;)。

【今日の小ネタ】街角に立ってる警備の警察官の多くが何故かビデオカメラを持って熱心に覗き込んでる。なにかを撮影してるのか、それとも望遠鏡代わりに使ってるのか、よくわからないが、これは撮影するのはやばそうなので写していない。
 
1999/05/13(木)六日目
昨夜の酒のせいでちょっと二日酔い気味。
昼頃まで宿にいてちょっと散歩に出たらタプコル公演の中からブラスバンドによる演歌??みたいなのが聞こえてくる。
つられて入ると、ハラボジ、アジョシの人だかりの中で軍楽隊みたいな20人くらいの楽団が演奏していた。
垂れ幕には「ソウル地方警察音楽隊」とある。
指揮者と司会者はそこそこの年配だが、演奏しているのは若者ばかり。
曲目はこの場に合わせてか、圧倒的に演歌、民謡。すっかり興に乗って踊り出す人もいれば、無理矢理マイクを取り上げて歌い出したのはよかったが、途中で歌詞を忘れてすごすごひっこむアジョシもいたし、ちゃんと指名されて見事な喉を披露するハラボジもいた。
彼らはこうやって市内の広場湯や公民館など巡回演奏しているらしい。15曲くらいのうちMorrisの.知らない曲はほとんどなかった。
これは自慢すべきなのか、それとも(^_^;) ハリウッド劇場(左がshiliのポスター)

その後すぐ近くの楽園市場ビル4階にあるハリウッド劇場で映画見ることにする。
数ヶ月前からインターネットのメーリングリストやニフティの映画会議室で話題騒然の[Shili」。
今回1本だけ見るならこれにしようと前から決めていた。
タイトルは韓国の淡水魚の名だが、その人気のほどは、街角でガラス壜に入った稚魚が売られていたり、シャツのブランド名にまでなってたことからも想像が付く。
で、かなり期待していたのだが、感想は「なんぢゃこれは!!」だった。
南北の諜報員にCIAもからんで、新開発の化学爆弾の情報を探り、暗殺、銃撃、乱闘の大盤振る舞いに、女性諜報員との愛の葛藤も味付けに配置され、最後は満員の南北親善サッカー競技場で、時限爆弾による大量虐殺計画を阻止できるかどうかの攻防の、手に汗握るアクションシーンが売り物らしいが、元来銃撃戦や殴り合いなどは見るのもいやなMorris.には、いいかげんにしてくれだったし、ストーリーもあまりの御都合主義に笑うしかなかった。
何でも使われた最新式武器や、爆破シーンのリアルさなどが高く評価されてるとのことだが、Morris.にとっては時間の無駄でしかなかったよ。パクチャンホパン

宿に戻りチェックアウトして、地下鉄1号線−4号線を乗り継いで、今夜泊めて貰う、三宅さんの住むサンボン(山本)へ向かう。
予定より時間がかかり、初対面から遅刻してしまった。
三宅さんはソウルに海外派遣されている、某大塚食品韓国の駐在員で、きょん☆あさんの韓国メーリングリストでの知り合いだが、会うのは初めて、それでちゃっかり泊めてもらうというMorris.もMorris.だが、通信の世界ではそれほど珍しいことではない。
彼は「ウミウシ」というハンドルで、いつも面白い韓国情報をアップするので、ついつい旧知の人のような気になってしまってた。
第一印象は思ったよりスリムだったこと。
ハンドルと文体からして、小太りのキャラクターを想像していたためだ。
しかもMorris.と同世代とのこと。
とりあえず、駅前の民俗茶房で軽い食事をということになる。
トンドン酒とパジョン、豆腐キムチなど肴にお互いの自己紹介、最後に頼んだアルタン(明太子のスープ)は(何とこの席の会計をおごってくれた三宅さんには悪いが)辛いばかりでちっともうまくなかった。

歩いて15分くらいの三宅さんのマンションは裏手が山に面した3LDKで、Morris.の独房とはえらい違い。
実はMorris.がここに泊めて貰うことにした一番の理由は、韓国から自分のホームページ見て、メールのやり取りしてみたいということだったから、さっそく三宅さんのIBMノートを使わせてもらう。
でもやっぱり慣れてなくて思うようには打てなかった。
コニャックなど振る舞ってもらい早目に床に就く。

【今日の小ネタ】日本の野茂投手とは違って、大リーグで活躍中のパクチャンホの人気は大した物だ。スポーチュ新聞でも国内リーグより大きな写真で報道されてるし、クモンカゲで「チャンホパン」(おまけシール付)まで発売されているのを発見した。

1999/05/14(金)七日目チョゲサでのきだちゃん 不思議な洋館
7時起床。出社する三宅さんを見送って(^_^;)しばらくノートパソコンに自分宛てのメール(日記)打ち込む。
9時半に部屋を出て、電車で鍾閣に出、鍾路書籍6階のティールームできだちゃんと待ち合わせ。美術史専攻でホンイク大博士課程の院生として留学中の彼女とはニフティの韓国部屋で知り合って以来6年近くになるが、ソウルで会うのは久しぶり。
今日は全面的に彼女におまかせでソウルを案内してもらうことにする。
まず曹溪寺界隈を散策。韓国ではクリスマスが公休日なので、お釈迦さまの誕生日(花祭り=旧暦4月8日)も国民の祝日になっている。
今年は閏月のせいか、ちょっと遅くて新暦5月22日なのだが、もう一帯はお祭り気分で、境内には無数の提灯が飾られていた。
きだちゃんはこの提灯に固執してるみたいで自分の部屋に飾るために購入してたし、他にもお釈迦さまグッズに執心したり、食事の後で古書店に飾ってあった中国風の人体解剖図に異常反応したりと、キッチュ趣味は相変わらず(^o^)
寺の北にある不思議な洋風館など観察した後、近くの「チルガプサン=七甲山」と言う店でテンジャンピビンパの昼食。
韓国味噌味のピビンパで、これはすごく美味しかった。そのままインサドンを流して、「イェッチャッチプ=伝統的茶房」へ。
いかにも韓国民俗風物を体現したインテリアでおまけに店内には小鳥が飛びかってる!! Morris.はこんなところに来たことなかったのでえらくびっくりしたが、ここは有名な観光ルートで客の大半は日本人だとか。
ここではMorris.は桂皮茶(シナモンティ)、きだちゃんは柚子茶たのんで、お茶受けの餠も美味しくたいらげてしまった。テンジャンピビンパの店「七甲山」チョゲサの小坊主

その後画廊巡りといってもあまり興味を惹くものはなかった。
それよりもモシ(山繭(カラムシ))で織ったチョゴリの店や、モダンな白磁の店でのきだちゃんの博識ぶりに感心してしまった。
この白磁の店は朴英淑(パクヨンスク)という女性作家の作品の展示室で、Morris.はコーヒーカップ一客2万円以上(2万ウォンではない)という価格にびびってしまった。
後日談だが、帰国して本屋で季刊「銀花」最新号(118号)を立ち読みしたら、何とこの作品が紹介されていた。
きだちゃんは「才色兼備」なんだけど、Morris.はかねがね「きだちゃんの唯一の欠点は酒を飲めないことだ」と思ってて、これを言うたびに叱られてたのだが、今回もうひとつの欠点を発見した。
それは「写真写りが悪い」ってこと。
Morris.が下手なのかもしれないが、今回の写真もなんかひどい出来で、申し訳ない(;_;)

夕方から別用のあるというきだちゃんと別れて噂のカンビョンテクノマートを視察(^o^)に行く。
家電からコンピュータまで網羅した、すごい規模の電化製品百貨店で、それなりに圧倒されたが、やっぱりヨンサン電子街の、怪しい魅力には及ばないという感じがした。
ただビル前で何故か競艇のキャンペーンやってて、不思議なダンサーのショーが目を引いた。

午後7時にサンボンに戻り電話したが三宅さんはまだ帰ってないので、しばらく駅前の商店街を冷やかす。
いかにも新興商街で面白味はない。
8時に三宅さんの帰宅を確認して、ビール、チャムウェ(マクワウリ)など買って戻る。チャムウェ(マクワウリ)

日本ではほとんど見かけることの無くなったマクワウリだが、韓国では依然人気果物のひとつで、美味しい。実はMorris.と三宅さんの交友のきっかけはこのマクワウリだった。
三宅さんがML上で「日本に無くなったものシリーズ」として、このマクワウリをとりあげ、これにMorris.が異常反応したことから、なんとなく縁がつながったというわけで、これはやっぱり一緒に味わわねばと思ってしまったのだった。
三宅さんは自宅で肉じゃがと胡瓜サラダを作ってるところだった。
これを肴に飲み始める。ビール5本空けて、それでも足りず、三宅さん愛蔵のスコッチに切り替え。飲む、飲む。
まあ大半はMorris.が飲んだのだが、この大量のアルコールのおかげで、お互い話がはずんだ。
それにしても三宅さんの趣味の広さはなかなかのもので、スキー、ローラーブレード、山歩きなどのアウトドア系の趣味のほかに、JAZZのコレクターとしても筋金入りで、付け刃で女性歌手の話をしたMorris.は知識の底の浅さに赤面するばかりだった。
特にピアノのアート・テイタムを紹介してもらい、すっかりそのテクニックと余裕あるプレイにしびれてしまった。
これはぜひCDを買おうと決心する。

【今日の小ネタ】以前は比較的「硬派」の多かった韓国若者も最近ではすっかり「軟派」になったみたいで、車内や公園、町中でやたら抱き合ったり。キスしたりしてる。(これにはMorris.のやっかみも入ってるかもしれない(^_^;)ある店ではレジの前に若い客同士のキスシーンのポラロイド写真がずらっと並べて貼ってあった。

1999/05/15(土)八日目
9時ごろ起床。
やや二日酔い気味にも拘わらずMorris.は意地汚くスコッチを舐めながらアートテイタム聞いてた。
MLのメールを見るように言われたものの、ざっと目を通してすぐ酒にもどったのだが、これが後に「Morris.韓国メーリングリスト失踪事件」に発展するとは神ならぬMorris.の知らぬが仏(^o^)であった。モロ監獄美人通訳キムさん

会社は休みだがソウルに用があるという三宅さんの車に便乗して西大門区独立門まで送ってもらう。
ここは数年前まで、有名な西大門刑務所があり、現在は一部を現状のまま保存して「西大門刑務所歴史館」として公開されている。
入場した途端にチョッパリ(日本人)と見破られたMorris.は別室に呼ばれて、50ページ総カラー。
日本語解説付の美麗なパンフレットを手渡された上、日本語堪能な通訳までつけて案内されることになってしまった。
「憎っくき日本人」にこそ、この刑務所の実態をしっかり認識させなくてはという主旨なのかどうか、普段なら断る所だが、通訳のキムさんが美人で感じよかったので、勉強を兼ねてという口実で、韓国語で案内してもらった。
映像資料室から独房、一般獄舎、女囚監房、そして死刑場。霧雨に煙る場内はどこを見ても日帝の弾圧の爪痕ばかりで、在日日本人であるMorris.は、なんとなく肩身の狭い思いをしてしまった。
地下の臨時監禁室と拷問室は、8部屋にもわたってマダムタッソーの蝋人形館もかくやと思われるような人体模型の陰惨な光景が再現されている。ずっと前に天安の独立記念館に行ったときも同様の拷問部屋模型が在って、観客に一番人気だったが、この手の展示はあまりいい趣味とは思えない。

ここではさらに、廊下を通るたびに拷問を受けてる朝鮮人の叫び声やうめき声が再現されるなんてのは、ちょっと何だかな、って感じ。Tシャツにもらったキムワンソンのサイン

小一時間の案内の後、しつこくひとりでもう一巡してみた
。独房の中に入ってみるとMorris.の独房も結構広いなと思ってしまうくらいの狭さ。
試みに中からドアを閉めてみたらなんとこれがスプリング錠で、冗談抜きでMorris.はこの独房に閉じ込められてしまった。
平日なのであまり観客もいなくて、実に15分間というもの正真正銘の独房気分を味わった後、通りかかった女子高校生に大声で助けを求め、無事救出された(^o^)

地下鉄で高速バスターミナル駅まで出てタクシーで近くの現代百貨店へ。
実は今日「ピエロ」(キムワンソンファンクラブ)の集まりがあって、うまくいくと憧れのキムワンソンに会えるかも知れないと言う情報を出発前に名古屋のわだのりさんから教えてもらい、駄目モトの気分で来てみたのだ。

集合時刻3時に代表のパクさんの携帯電話に連絡しても留守電になってらちがあかない。
やっぱり駄目なのかなと思ったとき若い男性が「ひょっとして日本から来たキムワンソンファンの方ですか?」と声をかけてくれて、結果オーライ。
近くの「パプリカ」という軽食喫茶みたいな店に付いていったら、すでにワンソンさんは先に来て待ってた。

思えば88年に韓国行きはじめたころ、一番のアイドル歌手だったのが彼女で、Morris.は当時デビューしたてのイジヨンに夢中になったものの、キムワンソンは別格で彼女の踊りと声の裏返る歌唱法に中毒症状になっていたものだ。ピエロ会員、ワンソンさんと記念写真バースデイケーキ前のキムワンソン

それから10年経って、現実に彼女が目の前にいるということがちょっと信じられない気分。
眼鏡をかけてスーツ姿の彼女はやっぱり奇麗で、ぼーっとなってるMorris.に優しく話し掛けてくれた。
今日の集いは誕生祝で、バースデイケーキはもちろん会員はそれぞれプレゼント用意してるのに空手のMorris.は情けないったらありゃしない。
それでもちゃんとベティちゃんのTシャツに大きくサインもらってしまい、ツーショットや記念写真も撮影した。
去年はいっしょにノレバンまでつきあってくれたというので、ちょっと期待してたが、今年は予定があるというので、そのまま解散。でもまあ、今回の渡韓の意義は充分あったと思う。ワンソンさんと2ショット

夕方からヨンセ大学でアンチファンのコンサートがあって、できれば行きたいと思ってたのだけど、キムワンソンとの出会いの余韻と、昨夜のウィスキーの酔いがぶり返してしまい、断念。しばらく高速ターミナルの地下街(けっこうでかい)を冷やかして、大元旅館に二回目のチェックイン。「トップ」のTシャツ

【今日の小ネタ】変な中国語や日本語をデザインしたTシャツを時どき見かけた。中国ものはそれらしいキャラクターと故事成語みたいなものが多かったが、日本語の方は下手な詩みたいなものとか、意味不明のものとかあった。今回見つけたうちで一番印象に残ったのが「トップ」という洗剤を使ったもの。1枚買っとけば良かった。

1999/05/16(日)九日目
朝、1階に降りたら宿の主人が帰ってきていた。
退院ではなく一時帰宅らしいが、思ったより元気そうで安心した。
去年デジカメの写真を絵葉書にして送ったのを覚えてて礼を言われた。のど自慢ゲスト出演のキムヘヨン

農楽の打楽器の音に誘われて西の大通りに行くと「ヨンドゥン祝祭」の垂れ幕があり、民族衣装の農楽隊が練習していた。
この通りは曹溪寺に行く道でこの祝祭も来週の「釈迦誕生日」関連の行事らしい。
午後からじっくり見物することにしていったん宿にもどり、何気なくテレビつけたらちょうどのど自慢やってたので、嬉しくて見てしまう。
途中でゲストとして、最愛のキムヘヨンが登場したので思わず歓声をあげてしまった。
「金惠連ファンクラブ神戸支部長」のMorris.としては、今回の旅行中にもぜひ一度は会いたいと思って、今日まで彼女と専属のトップミュージックのソパンソク社長に数回電話したのだが、金惠蓮さんはいつも留守電、パンソク社長とは繋がったものの、いつも忙しそうで、また後でと言われたのでついついそれきりになってしまってた。
それがブラウン管上とはいえ、元気に歌ってる彼女の勇姿(^o^)を見ることができたのは実に嬉しかった。
のど自慢はこちらでも生放送だから、とにかくも今現在の彼女を見てることになるのだから、会ったのと同じ事だと自分を納得させることにした。
歌ったのは「トヌッキジョネ−手遅れになる前に」で、やっぱり新曲は出してないみたいだな。
せっかくだから必死でデジカメで撮影したが、宿のテレビときたらかなりいいかげんな映像なので残念。
神戸に戻ってからKNTVののどじまんをチェックしなくては。農楽のメンバー幻想的な提灯行列

なんかすっかり気分昂揚して、お祭りを見に出る。ちょうどサムルノリの演奏が始まったところ。
彼らはプロで5人編成、リズムと踊りの超絶技巧にうなってしまう。
やっぱり本場はすごい!! その後の大人数の農楽もノリが違う。
すっかりお祭り気分になってしまった。農楽のメンバーに話し掛けてみる。
中に黒い服を着た高校生くらいに見える女の子(でもたぶん女子大生だろう)で、吉美ちゃんの妹キュミちゃんに似た子がいたので、嬉しくなって一緒に記念撮影(^○^) 夕方からは鍾路を通行止めにしての大パレード。
巨大な白象の上のお釈迦様火を噴く龍の山車

これも想像以上に大規模で素晴らしかった。
神戸祭のパレードの数倍はありそうで、山車も大仕掛け、象や龍、お釈迦様の人形など派手派手だし、各宗派の(何故かキリスト教も参加)特徴を出したグループ、美しい白い衣装の女性達、無数の蓮花提灯。それぞれに農楽のチームが付いてて、それがまたうまい。
20〜30人編成の農楽チームが20くらいあったと思う!!
花火も打ち上げられ、そして祭りの終りは観客も巻き込んでの農楽と踊り。
例の女の子のいるグループがメインとなって、いつまでもいつまでも踊りは続く。
つい、Morris.も踊りの輪に混じってしまったが、思った以上にスピードがあって、3周もしたらへろへろになってリタイア。
11時頃祭の終りを告げるアナウンスがあってからも、突如鳴らされるケンガリを合図に踊りだす。何度も何度もこれが繰り返されて、祭の終りを惜しんでいた。

【今日の小ネタ】ギリメン??
日本の観光客を意識して、看板やメニューに日本語でふりがなしてるのは時々見掛けるが、この看板の「ギリメン」てのは何なんだろう?ハングルは「カルクッス=冷や麦みたいなやつ」だから「メン」は「麺」で間違いないが「ギリ」がわからない。「カル」は韓国語で「刀」だけど。となりの「ツヅミ」は「チヂミ」を「シジミ」と書こうとして「ツヅミ」になったのではないかと想像される。他にもこの店の看板には「テジカルビ」に「グタアバラマギ」というカタカナが付されていた。「ブタアバラヤキ」の間違いだろう。またこれは間違いではないが、南大門の店で「ソンジヘジャンクッ」を「牛の生き血汁」と説明してあったぞ(>_<)

1999/05/17(月)十日目
朝、モギョクタンに行きさっぱりして、チェックアウトして、地下鉄3号線ファジョン駅下車。
ここはコヤン市になる。数日前キョボ文庫で知り合ったミンさんという変なハラボジ宅へ。
70になるこのハラボジは日本語が達者で戦後はアメリカ軍関係で働き、独立して事業興したものの失敗して、今は米軍の恩給暮らしらしいが、自分の回想記を日本語で書くのにアレアハングルの国際版使おうとしているのだが今一つ使い方が分からないというので、Morris.(本人もまだちゃんと使えていないくせに)が、その指導にわざわざ家まででかけることになったというわけ。
まあ、半分暇つぶしだけどね。
大きな団地の9階の自宅は3LDKで結構広い。奥さん(若い!!)がヘムルタンを振る舞ってくれた。
その後パソコンを見る。
ミンさんは以前オアシスの親指シフトを使ってて、パソコンに切り替えたので、JISのキーボード配列に苦労しているようだった。
この際、日本語はローマ字入力を勧める。
途中マウスが動かなくなってしまい(ミンさんが落としてしまったため)歩いて、駅前のセジンコンピュータまで買いに出る。
とりあえず日本語入力には支障なくなったので、喜んでもらえたようだ。変なハラボジミンさん

夕方鍾路に戻り、東大門市場の時計商街でキティちゃんの腕時計見つけたのでミナちゃんのお土産に買い、一週間ぶりにパクサ宅へ。
何と、縫製工場になってた事務所は閉鎖されてミシンはすべて撤去されていた。
何がどうなったのかわからないが、うまくいかなかったんだろうな。
ミナちゃんは時計がよほど気に入ったらしく、電話の時報で時刻合わせして、寝るときも外さなかった。

【今日の小ネタ】本屋のベストセラーコーナーにも日本の作家の作品がかなり多く見られる。村上龍、村上春樹、柳美里などが人気だが、最近の芥川賞作の平野啓一郎「日蝕」も平積みにされていた。しかしMorris.は最初この本を見たときハングルで大きく「イルシク」と書いてあったので「日食=日本料理」の本だと思ってしまった。

1999/05/18(火)十一日目
今日はパクサといっしょにインチョンに出て、野外のイベントで演奏し、ついでにMorris.が売り子となって、例のテープを売りまくるという予定だったのに、またまた朝になってキャンセル。
あーあ、と思ってたら、パクサが事務所の家具移動を始めてMorris.にも手伝うように言う。
まあ、商売柄別に苦手な仕事ではないのだが、例によっての落ち着きの無さと、段取りなんて初めからなくて、その場その場で無駄な作業の連続で、ちょっとMorris.もキレそうになってしまった憧れのスイルさんと

さっさと他所に出て行けばよかったんだけど、キムスイルさんに会いたかったので我慢した。
スイルさんは毎晩遅くまで酒場でピアの弾いてて、午後にならないと動けないし、目が不自由なので、どこかで待ち合わせてというのができにくい。
いきおい、馴染みのパクサ宅で会うことになる。
ともかくも午後タクシーでスイルさんが来てくれて、再会を喜び合った。
お土産の日本酒とお茶わたす。
スイルさんは相変わらず渋いスーツで決めて、今は自宅で作曲に専念していて、近々アルバムを発表したいと意欲的だ。
スペシャルサービスでMorris.もしらない古い歌謡曲をフルコーラス日本語で歌ってくれた。記憶力もすごい。スイルさんは歌もうまい。
スイルさんが帰った後、Morris.もバスでピョルク市場へ。このまえMP3のCDROM売ってたカン君と連絡付けて会うことにしたのだ。彼は30代で、骨董やコピー商品など色々手広く商売やってるみたい。骨董品の散乱する事務所でしばらく話す。途中お茶の出前頼んで「サンファチャ」をおごってくれた。
どす黒いお茶で胡麻や棗、朝鮮人参に卵黄まで入ってて身体に良さそう。これを運んでくれたアガシが知念りなに似た可愛い子で、またまた3人で記念写真を撮る。
カン君には今度来るときにゆっくりソウルを案内してもらうことにした。カン君とお茶出前のアガシとサンファチャ

雨が降り出したのでピョルク市場見物はほどほどにしてシンチョンに出る。
特に目的も無くグレースからヒョンデに名前の代わった百貨店の地下軽食堂でチャジャンミョンと水餃子頼み、あまりの多さに閉口した。
おみやげにキムパ(海苔巻)買ってパクサ宅に帰宅。

【今日の小ネタ】屋台のテープ屋で「中年最新トロット曲集」買う。最近のラップ&ダンスグループの曲にはついていけないMorris.年相応??の選択だが、何とこれにハンスバンドの「オラクシル=娯楽室」が入っていて笑ってしまった。ハンスバンドってのは、セーラー服のビデオクリップが話題になった、女の子三人グループ(三人とも苗字がハン)で、演奏もまるで高校の文化祭レベルなんだけど、これがなんで「中年」むけなのか。それは歌詞を聞くと納得できる(^o^)

1999/05/19(水)十二日目
朝、パクサに別れを告げてふたたび大元旅館へ。
最後の数日はやっぱり自由に行動したいと思ったからだ。宿に着いた途端雨が降り出した。
宿で傘を借りてロッテホテル3階にある旅行社でソウルー大阪の格安航空券買うことにしたが、この一年で2度も値上がりしたとかで、たまげてしまった。
去年なら一番安い便なら往復25万ウォンくらいで買えたのに、今回は安いので31万ウォン、KALだと34万ウォンもする。今のレートでも3万5千円。これなら日本の方が安いチケット買える可能性が高い。ということで、片道を買う。96年発行のハングル記念切手

近くの中央郵便局5階にある郵便博物館に立ち寄る。
ここでは記念切手を格安で販売しているので、よくお土産に買うことにしてる。
ところがここもいやに世知辛くなって、種類も、ぐんと減ってるし、封筒に貼って記念スタンプ押したものや、パンフレット仕立てにして美麗だけど割高なものが主流となっていた。
それでも他の安い土産物より、実用価値があるし、かさばらないので、15点ほど買った。

思いついてミドパ地下のレコードショップに行ったら、アートテイタムのCDが2種類見つかった。
とりあえずソロの方を1枚買う。

雨もあがったので歩いて南大門市場の眼鏡問屋街に回り、小さな銀色まん丸フレームの奴をあつらえ、前に使っててレンズが傷んだサングラスのフレームを再利用して度付のカラーレンズを作ってもらった。
今回結局眼鏡は3つ作ったことになる。(ところで、眼鏡の数え方、誰か知りませんか??眼鏡3脚? 3対? 3本? 3セット? 3式??)

いったん宿に戻ることにし、途中ヨンプン文庫で「文化で学ぶ日本語のはなし」という本を買った。
日本生まれでアメリカに留学し、現在は韓国で大学教授になってるキムヨンウンの著作で、日本語についての四方山話、日本語学習者へのヒントをコラム風に纏めたみたいな(まだ読んでないので)本で、立ち読みして、面白そうだったので買うことにしたのだ。文化で学ぶ日本語

夜は三宅ウミウシさんの呼びかけでメーリングリスト関係のソウルオフ。
ソウル在住の日本人女性や韓国人男性、それに大阪から渡韓している高仁鳳さんも参加で、6人くらいは集まると聞いていたので初対面のメンバーとの出会いを楽しみにしていたのだが、待ちあわせ場所に行ったら、三宅さんと、高仁鳳さんがいて、参加者はこの3人だけというので、ちょっと拍子抜けしてしまった。
他のメンバーは、風邪や仕事で出席できないとか、さらに、メーリングリスト上では、Morris.が失踪したという噂が出て、結構みんな心配していたらしい!!
これは三宅さん宅を辞去する朝、Morris.がわだのりさんのメールを読みそこなったことが躓きの始まりで、キムワンソンとのミーティングの後連絡入れとけばよかったものを、ついほったらかしておいたことが騒ぎを大きくする原因となったようだ(;_;)(わだのりさん、ごめんなさい)

タクシーで向かったオフの会場「スヨンサンバン=壽硯山房」はソンブク区の山中にある伝統茶院で戦前は詩人の李泰俊の寓居だったとか言う由緒のある建物でその係累にあたる上品な女主人がしきっている、Morris.輩には勿体無いくらいの格調ある場所だった。
ここの名物ジョン(野菜や肉、海産物の小さな揚げ物)と女主人手作りのおでんなど出してもらい、さあ、飲もうとしたらここは、基本的には茶院だから、酒類は松根酒と菊花酒という「薬酒」の類しか置いてなくて、傍若無人のMorris.は「とにかくビール!!」と、無理矢理アガシに頼み込んで罐ビール買いに行かせてしまった(^_^;)
ビールさえあれば、こんな美味しいアテはないくらいに美味しいジョンに舌鼓を打ち、この後友人と中国旅行に行くという高仁鳳さんの旅の予定など聞いたり、15日に開かれた大阪オフ(ドラゴンズオフ??」)の模様をビデオカメラで見せてもらったり、三宅さんから某大塚食品の秘話など披露してもらったり、メンバーの噂話など談論風発、楽しいひと時を過ごすことができた。

*後日談だが、12日にMorris.が紹介したクムワントンカス(金王と書くらしい、金玉ではない)の本店はこの壽硯山房のすぐ前にあるらしい。
三宅さんがメーリングリストで詳しく紹介されてるのを、後になって発見した。

タクシーで鍾路に戻り、明日は仕事の三宅さんと別れて高仁鳳さんと二人近くの伝統酒房に入る。ここでもMorris.のわがままで勝手に頼んだオジンオ(烏賊)の丸焼きは要するにスルメを1枚そのまま炙った奴で硬くて硬くてほとんど手が出なかった。ただピッチャー(2リットルくらい)で頼んだ生ビール6.000ウォンというのは安かったなあ。
高仁鳳さんを最終電車で見送り、またふらふらと宿へ戻ったら12時過ぎてた。ブームになってる?パズル雑誌たち

【今日の小ネタ】鍾路の時事英語ビルの地下にあるミュージックランドのさらに地下にある「雑誌展示場」は韓国の主要な雑誌を閲覧できるとても便利な場所で、Morris.は時々時間潰しも兼ねて立ち寄るのだが、今回目に付いたのが「パズル」関係の雑誌。中身はクロスワードや間違い探しなど同工異曲だが、やたら種類が多い。いわく「メジック パジュル」「IQパジュル」「パジュルウォルドゥ」「パジュル チェムプ」「パジュル ロジックQ」「パジュル レンドゥ」「ヨネ(恋愛)パジュル」「スターパジュル」「ビックパジュル」「クィジュ チェンピオン」---それよりどれも表紙が画一的で、一見「怪しい」雑誌としか思えないのはMorris.の偏見だろうか。

1999/05/20(木)十三日目 スンドゥブチゲ定食
明日の昼の便で帰国だから、実質的に今日が最終日。昨日とはうってかわっての晴天で、気分がいい。
歩いて明洞に出て朝食の定番スンドゥブチゲ。
Morris.は韓国料理大好きなんだけど、特に肉料理や高級料理指向じゃなくて、キムチチゲ、ユッケジャン、ソルロンタン、パジョン、ネンミョン、マンドゥクッ、カルビタン、カムジャタン、サムチクイ、オジンオチョンゴル、ナクチポックンパプ、クッパ、キンパ、トッポッキ、アルタン、チャジャンミョン、ヘジャンクッ、ピビンパ等々の大衆料理あるいは粉食クラスが大好きなのだ。
中でもこのスンドゥブ定食は大大大好物で、毎朝だって構わないくらい好き。店によって味も、中身も差があるんだけど、とりあえず、まずくて食えないというのにはあたったことがない。今日のは5段階でいうと評価Bくらいかな(^o^)韓国語版??能斗也の部屋

ロッテ百貨店の向かいにある韓国電力公社のショールームで、ハングルによる書道展をやってたので覗いたが、それほど面白くはなかった。
それより、自由にパソコンでインターネット接続できるコーナーで、思わずMorris.のホームページつないでみた。
ハングルウィンドウズだから、日本語文字は化け化けだが、写真は見れる。
日本語フォント入ってたかもしれないが、操作がよくわからない。
せっかくだからあっちこっちチェックを兼ねて覗いて見る。かなりここで時間をつぶしてしまった。
昼前に最近アウトレット商街として話題になってるムンジョンに足を伸ばす。
何かお土産か自分用のシャツか靴でも買おうと思ったのだが、これは完全に期待外れ。こんな事なら一駅前のカラク市場で降りて市場気分を楽しめば良かったなあ。
カラク市場といえばソウル最大の食肉、農水産市場で、何度か行ったが、やっぱり一度は早朝に訪れてみたい。 朝鮮人参市場ムカデの干物

バスで京東市場に出て隣接してる韓薬市場へ。
日本で言う漢方薬市場でこの市場歩くだけで身体にいいんじゃないかと思うくらいの薬の匂い。
鹿の角や猿のこしかけ、ドクダミなどに混じってムカデの干物など売ってるのも相変わらずだ。地下のインサム(朝鮮人参)市場でエキスなど買ってしまった。

やっぱりもう一度行っておかなくてはと、しつこくピョルク市場へ(^o^)、とりたてて変ったものはないのにふらふらするのが何故か嬉しい。
地面に山積みされた1,000ウォン均一のCDの中にシンシネの「ポンチャンネ」を発見、即買う。
これはポンチャクの名盤の一つである。それにしても安すぎる(現在レートで100円ちょっと!!)
今回の旅で買ったCDは、結局アートテイタムとこれの2枚だけという不思議な取り合わせになってしまった。シンシネの「ポンチャンネ!!」

ピョルク市場の一本南の筋は中古電化製品や中古レコード店が軒を連ねているんだけど、ここで、例の電子辞書ブレッコムEB9000(残念ながらアルファベットキーボード)を10万ウォンで買う。
結局ハングルキーボード版は諦めることにした。

そのまま歩いて東大門市場から鍾路5街の路上で革筆アジョシが営業していたので、斉藤さんとこの能斗也の名前を花文字で描いてもらう。革筆による花文字

夕食はサムゲタン食べて、まあこんなもんだろうと宿に戻る。

【今日の小ネタ】スンドゥブチゲの例を出すまでもなく、韓国の豆腐はなかなかに美味である。ところでMorris.の蒟蒻好きは一部では有名だが、Morris.は韓国にはコンニャクはないのかと思ってた。ところが今回の旅で2度にわたってオデンのコンニャクを食べる機会を得た。味の方は、うーーん、これなら韓国にはコンニャクはないと思ってる方がましだ(>_<)

1999/05/21(金)十四日目
あーあ、もうおしまいか。だいたいMorris.の韓国旅行は期限一杯(15泊16日)までしつこく粘るのが恆例だし、数ヶ月前からビザ無し滞在日数が30日まで延長されたのだからもっとゆっくりしてもいいところだが、今回は近々引越の予定があったのと、今夜がけんちゃんの店「Largo」の店じまいパーティで、それに参加せねばということもあって、今日の帰国になったわけ。商品超山積みのリヤカー

一年ぶりの渡韓で、前回は右目の不調もあって結構辛い旅だったのに比べると今回は天候にも恵まれたし、パクサ、スイルさん、きだちゃん、三宅さんなどとの出会いもあり、なかなか楽しい旅であった(突然の総括(^o^))と思う。

朝のうちに近くの宗廟を散策して、帰り道、小間物を山積みしたリヤカー見つけて写真撮る。
三宅さんの「日本では無くなったものシリーズ」に、このリヤカーも登場させたい。
もちろん探せば日本にだってリヤカーはあるけど、韓国ではまだまだ日常的に重要な運搬器具としてバリバリの現役である。しかし、こんなに積むか?てくらい積んでるなあ。
0時に宿を出て地下鉄で金浦空港へ。
空港の本屋で小谷君へのお土産用に韓国版成人グラフ雑誌を買う。これは機内で見たが、とても実用??に耐える水準のものではなかった。

正午発のKAL725便で1時半関空着、尼崎行きのバスとの連絡も良く4時前に帰宅して、洗濯して、風呂入って、荷物の整理してから授業に行こうとしたところ、あじゃじゃーー!!Morris.の命から二番目に大事なシステム手帳が無いことに気が付いた!!
これにはキャッシュカードや免許証や図書館カードや、今回はパスポートまで入ってる。青くなってバス会社に電話したら、ちょうどさっき落とし物で上がって来たという。
ほっとしたものの、電車、バス乗り継いでバス本社まで行くには結構時間かかりそうで、整理もそこそこに部屋を出て、システム手帳受け取り、バス、JR乗り継いで、授業受けてから、Largoへ。
そのまま宴会モードに突入し、そのまま何が何だかわからなくなってしまった(^o^)

【今日の小ネタ】今回の旅行中、あろうことかノレバン(カラオケボックス)には一回も行かなかった(;_;)どーしてなんだろー??キムワンソンさんと一緒に行けるかと期待してたのが駄目だったのがショックだったのかもしれない。それと、このところ新曲に疎いので、韓国の若者とノレバンに行っても付いて行けないという弱気が出たのかもしれない(;_;)

光化門から覗くキョンボックン
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